生産者や流通業者に負担がかかることを憂いつつ、謎の豆 「まめーら」に舌鼓を打つ!

2008年2月 5日 from 食材


昨日走り書きした、食品の信頼性と今後についてのエントリに、けっこういろんな反応をいただいた。ある調味料メーカーの人からは、「生協やスーパーなどから、今までは全く必要とされてこなかった部分の『原材料の証明書を提出してくれ』という依頼が殺到してます。」という悲鳴が上がってきている。

これと似た状況は2000年初頭にもあった。無登録農薬問題が発覚した頃の話しだ。消費者に「うちの野菜は大丈夫」と表明するために証明書が欲しいということで、産地に一筆書かせるというものだった。でも、本音は「もし農薬残留とかが出たら、君の責任だからね!」と責任を先方に転嫁するための証明書だったようにも思う。

残留農薬の分析にはもちろんお金がかかる。数年前に、100成分位を一斉に分析する方式が公定法として認められるようになったから、コストがグンと下がったということはあるけれども、それでも複数成分を分析しようとすると、10万円くらいはすぐにかかってしまう。そのコストを、スーパーなどが負担する事例もたまにはあるが、多くは産地の努力で分析が実施された。

今回も、不安がる消費者の意識を受けて、小売や外食が過剰なまでに国内の生産者やメーカーに対しても各種の証明書提出を迫っていることだろう。しかし、、、そういう負担については、消費者や流通はコストを負担しないんだよね、、、と言うときっと、

「消費者がみたいという情報を開示するのは、メーカーの義務でしょ?」

などということを言う人が出てくると思う。しかし、これは間違いだ。

食品に関わる法律上で規定され、義務づけられた情報以外のものを提供する義務など、メーカーにはないのである。どういうことが法で規定されているのかは、「食品表示」で検索してみるといろいろ出てくる。そこには「残留農薬の分析結果」とかは書かれていない。

つまり、現在そうした証明書をだしているのは、たんにメーカーの良心でやっていることだ。そんなことも理解せずに、見下すように、しかもコストを支払わずに「情報を開示せよ」と迫るようでは、この先に食料が枯渇するようなことがあったときに、消費者は見捨てられてしまうと思うのだが、、、

などと思いながら、NPO野菜と文化のフォーラムの集まりに出席。
東京青果の澤田さんが、「これ、面白い豆なんだよ」と分けてくれた豆が、確かに面白く珍しい。

これはサヤエンドウ形だが、インゲンにも似ている。ササゲ?
しかも生でかじってみると、実に甘いのだ。

「マメーラっていうんだよ」

と澤田さんは言うが、そんなの聴いたこと無いぞ、、、
知ってる関係者さん、ぜひ教えてください!

帰ったら、三重県産のイチゴが届いていた。
まだ若干色づきが悪いようだが、味はいい。

テレビを点けると、相変わらずアナウンサーたちが「私たち庶民には大変困った話しです」と、あたかも庶民のような顔をして世論を煽っている。庶民をパニックやヒステリーに誘導するよりも、この先の日本の食をどうしていくべきなのかきちんと考えるための視点・視座を提供するような、まともなジャーナリズムはいったいどこにあるんだろうか。

などと思いつつ、野菜と果物でちょっとリラックスできたひとときだった。

明日(というか今日)は宮崎で講演。そのまま宿泊して鹿児島に移動し、黒豚の調査をして参ります。昼飯はもちろん、魚山亭空港店で食べるのダ。