2008年2月19日 from イベント
で、前のエントリに書いたICCでの展覧会を観るために訪れた東京オペラシティで、腰を抜かすような、いや鼻血が出てしまいそうなイベント告知に遭遇したのである!
■コンポージアム 2008 スティーヴ・ライヒを迎えて
http://www.operacity.jp/concert/compo/2008/
なんとスティーブ・ライヒがやってくる!
ライヒは、CD屋だとクラシックの現代音楽コーナーに置かれてしまうカテゴリーに属する人だが、間違いなく現代を代表する音楽家・コンポーザーの一人だ。
今回はコンサートが二日間。5月21日の回は、日本初演の曲と、、、
彼の代表曲である「18人の音楽家のための音楽」!
演奏は、同曲のアルバムも出しているアンサンブル・モデルン。とても安定した演奏をするグループだ。しかも、ゲストパフォーマーとしてライヒ自身も演奏に加わるようだ。そうじゃなければこんなに興奮しない。
5月22日の回は、もっと鼻血ものだ。なんとあの超傑作マスターピースである「ドラミング」が演奏されるのだ!パート1だけというのがちょっと残念だが、この日も18人の音楽家のための音楽をやってくれる。
ちなみに「18人の音楽家のための音楽」というのは、僕がもし無人島に流されることになったとき、一枚だけCD持って行ってよしとなったら選ぶであろうものだ。一曲60分。18人の音楽家が演奏する管楽器や弦楽器、打楽器がそれぞれミニマルな音色を出しているのに、なぜか有機的に壮大な音楽がおりなされている。レナード・バーンスタイン指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 のマーラー交響曲第九番は、葬式の時にかけて欲しい曲だけど、「18人」は生きてる間にもっと聴いておきたい曲だ。
「18人」はこれまでに三枚のレコードが出ている。
■ライヒ自身のグループによる、一番あたらしい録音。
18人の音楽家のための音楽 | |
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■今回来日するアンサンブル・モデルンによる録音。音がクリアで聞きやすい。
ライヒ/18人の音楽家のための音楽 | |
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■ライヒのグループによる、一番最初のアルバム 実は僕はこの盤の演奏が一番好きである。
ライヒ/18人の音楽家のための音楽 | |
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ちなみに上記3枚は、どれを買っても絶対に損はしない。一枚選べといわれれば、最新のライヒグループによるものだろう。それにしてもまたライヒを観ることができるのはうれしい。コンサートではまだ二回しか観たことがないもんな。「18人」は、あれをほんとに生身の人間が演奏しているという事実に驚愕してしまった。その次の、オペラ作品「ザ・ケイブ」は、英語がわかって、しかも聖書の知識がないと楽しめない内容だったのでちょっとだけ今ひとつであった。
しかし、今回はものすごい選曲である。企画者は本当に偉い!
僕がライヒに出会ったのは予備校の頃だ。埼玉県の南浦和駅ちかくにあった「浦和アカデミー予備校」という、今はなき小さな予備校に通っていたのだ。予備校の講義が終わると、近くにあった図書館に行く。CDがかなり置いてあったのだ。
その中にライヒの「ドラミング」があった。実は、最初このCDを手に取ったのは勘違いからだった。当時ぼくはフリージャズに惹かれていて、サックス奏者のスティーブ・レイシーのCDと勘違いしたのだ。
ライヒ:ドラミング | |
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プレーヤーで再生しはじめると、複数のボンゴが打たれる音がずーっと続く。かなり単調だなと思っていたら、だんだんと一人のリズムがズレ始める。なんだよヘタだなぁ、と思った。ズレはだんだんと拡大していって、音楽自体が破綻しそうになる。おいおいなんだこの録音は?と思った瞬間、そのズレが数学的に一回りして、ビタッと違うリズムとして生成される。うーん、これも言葉で説明するのは難しい。この繰り替えしを聴くうちに、ようやく「ああ、このズレは意図的に引き起こされているんだな」とわかった。
ボンゴの単調な音が10分以上つづいたのち、美しいビブラフォンの音がそれに取って代わる。またここでもズレと新たなリズムの生成がつづく。こんな感じで60分ちかくが過ぎていくのである。衝撃的な体験であった。いやーなにをしてんだかわからない予備校生活だけど。
まあそういうわけでライヒが来るのだ。
僕は最前列で観るために、わざわざ東京オペラシティの友の会に3000円払って入会した。で、優先予約日に電話にかじりつき、見事通しチケットを買った。二日目は最前列で見ることになっている。
このライブのチラシに気づいてくれた妻に大・感謝の意を捧げたい。
それにしても
食い倒れ日記とは全く関係ない音楽の話だが、、、ま、たまにはいいでしょう、ということで。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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