2008年1月15日 from 食材
ようやく日本も冷えてきた。岩手で迎えた朝、手が痛くなるような気温だった。
そうなると野菜が旨い。中でもアブラナ科植物が美味しい季節だ。
もちろんカリフラワー。
子供の頃は、この野菜の何が旨いのか、全く理解できなかった。もさもさとした食感、キャベツのようなパキンとした甘みがなく、まずいものだと思っていた。でも今はそうは思わない。堅めに茹でて軸から房を外して切り取り、甘めのドレッシングを少し振ってコリコリと食べると、いい香りが口中に広がる。幸せだ。子供の頃にまずいと思っていたのはナンだったんだろうか。
ブロッコリー。
カリフラワーに比べると腋芽がたくさん出て伸びてくる。ブロッコリーとカリフラワーは兄弟のようなものだけど、やはり性質が全く違う。
どちらも地中海原産(多くのアブラナ科植物、特にキャベツの仲間が地中海原産)だが、日本ではカリフラワーのほうが先に受け入れられたという。なぜだろう?見た目上に鮮やかなブロッコリーの方がインパクトがあるように思うのだけども。
ちなみにこのブロッコリーの房の先は、花蕾(からい)つまり花のつぼみだ。
よーくみてみると、花を咲かせそうに開いているつぼみが数個ある
ブロッコリーをそのまま常温に置いておくと黄色く変化してしまうと思うが、これは花が咲いてしまったということだ。花が咲くと食味が落ちるので(開花のために力を消耗するわけだから当たり前だ)、そうならないうちに食べきろう。
さて、、、こいつをみたことがあるだろうか?
これ、れっきとしたカリフラワーの一種である。
日本では「ロマネスク」という名称で出回っている種がスタンダード。イタリアやフランスなどでもよくみられる。
僕が大学に入学した頃には、フラクタルやマンデルブロー図形が花盛りだった。大学で畑をしていた僕は、種苗カタログかなにかでこのロマネスクの写真をみて、腰をぬかさんばかりにびっくりしたものだ。
「マンデルブロー図形の野菜じゃん!」
この野菜をヨークみると、どこまでいっても、同じ図形が出てくる。まあ、これは自然界によくあるパターン性なのだけど、ここまで幾何学的な見た目が発現している野菜も少ない。
味は、そんなにインパクトはないんだけどね! 色つきカリフラワーという感じだ。これを具材にして、ペシャメルソースでグラタンにすると、にょきにょきとフラクタルの角が突き出たおもしろいグラタンになるだろう。
アブラナ科が旨いこの時期、茹でただけで美味しいこれらの野菜をばんばん食べよう。
ちなみに今回の写真のうち数枚は、自宅にあるモノブロックストロボに加えて、オリンパスの新しいフラッシュFL-50Rを加えた二灯構成だ。ロマネスクの写真なんかがそう。スレーブモードがあるので、背景を白く照らしたりしてみた。おもしろい!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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