2007年11月 5日 from 食材
週刊アスキーの連載・旅三昧の飛騨・高山編が終了した。
二泊三日の中に凄まじい旅程が詰め込まれたもの凄い密度の取材だったのだが、かなり楽しくスゴさせていただいた。その余韻がずーっと一ヶ月以上残っている。
全く関係のない日常の中で、お付き合いのある青果店の社長さんに、先日開催したジャガイモ食べ比べ会で扱った、まだ一般には手に入らない「はるか」などを試食用にプレゼントしたら、そのお返しに写真の「あきしまささげ」をいただいた。しかも、フレッシュの莢と、豆の両方だ。
あきしまささげは、飛騨高山の伝統野菜の一つだ。
ささげは日本各地に様々な形態の者が伝わる野菜だが、このあきしまささげの特徴といえば、何も言わなくてもわかるであろう紫色の妖艶な模様だ。
近くでよーく見ると、妖艶というよりはボヤーっとした感じの紫色なのだが、、、
このササゲは平べったい形状なのだが、面白いことに、横のヘリの部分には紫の模様が発現していない。紫の発色はアントシアンの作用だけど、この部分に色が出ないのは何故なんだろうか。
しかも、こうした紫品種にありがちなことだが、加熱すると紫色は退色し、普通の緑色になってしまうのだ。
僕はササゲはごくごく軽く、歯触りに生っぽさが少し残る程度に茹でるのが好きなので、まだ紫色が完全には消えていないが、もっと火を通せば完全な緑になるのだ。最近みかけるようになった紫アスパラなども同じように茹でると消えてしまう。
それにしても、このあきしまささげの豆はとても可愛い。
紫色が豆の乾燥状態になっても残るというのはスゴイ!
せっかくなので、大好きな豆サラダを作る。
被るくらいの水につけて一晩おく。
ササゲだけだと足りないので、山形の秘伝豆(茶豆系の大豆)も水につけておく。緑豆なので綺麗な鶯色になるのだ。
水を吸って、綺麗にパンパンに戻った豆達。この戻し汁ごと鍋でゴトゴト茹でる。大豆の方がすぐに火が通るから、別々に。
高校生の頃に愛読していた丸元淑生さんの料理本に載っていた完全栄養食である豆のサラダ。
豆を茹で、ゆであがりにパセリとタマネギのみじん切りを混ぜ、熱いうちにオリーブオイルと米酢を振って混ぜるだけ。これが異様に旨い。塩は豆が備えている分だけで足りる。
パセリとかオイルとか面倒なので、先日書いた飯尾醸造の富士酢プレミアムとタマネギだけで造ったけど、やっぱり旨い。
豆は偉大だ。莢も旨いし実も旨い。そしてどちらも非常に栄養価が高い。もっと食べなければ。
冷たい野菜のサラダ食べるより、豆食った方がいいよ!
それにしても
飛騨の余韻はまだ続いて居るんだなぁ、、、ガンガンに雪が降る冬に、またいきたい。
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