秋の兆しの、青空百景

2007年9月19日 from 出張

取材で神奈川の伊勢原の菜園を巡ってきた。
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底抜けな空の青さが心に沁みいるような一日だった。すっかり日焼けして顔が真っ赤になり、心の中では、愛するムーンライダーズのアルバム「青空百景」の楽曲がリフレインで流れっぱなしになる。

すっかりシーズン後半に入った冬瓜がドンと畑のそこここに横たわっている。
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実はこの冬瓜、ウリ科だからブルーム(白い粉)を吹くし、もう一つ表面に産毛のように毛が生える。
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実はこの細い毛を無防備に触ると刺さってちょっと痛痒いのだ。店頭に並べられている冬瓜はほとんどがこれを布巾などでぬぐい取ってしまっているのだけど、菜園ではこのチクチク冬瓜が普通なのである。

この菜園にはわき水を汲める水場があって、その土手にこぼれたのであろうニラが花を咲かせていた。
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まだそれほど黄金に色づいていない稲穂をみようと坂を上っていると、なんと小豆を干している光景が。
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東京から1時間程度の場所でこんな風に農村が息づいているのをみると、心の底からホッとする。
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タイでは過去、経済危機の際に、都市部のホワイトカラーが故郷の山村に帰り、一時的に農業に従事していたという。有事の場合に都市人口を吸収できる農村が存在していたと言うことだ。果たして日本にはそんな緩衝地帯が今後も確保されるのだろうか。

伊勢原はミカンも栽培されている。
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この辺のミカンはほとんどが年明け以降の普通~晩生ミカンとなるので、超絶品というわけではないけれども、近場でみかんが食べられるというのは変な感覚だ。というのも、東京市場に年内に出回る早生ミカンは愛媛県産または熊本県産が多いので、ミカンは南のものという感覚があるからだ。実は足下でもミカンは採れているということに驚く人がいる。それどころか桃だってブドウだって沢山とれるのだけどもね。
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とある農場の横に、山からのわき水を引いた用水路があった。この水路にドジョウが沸くらしい。
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水路は佳い。綺麗であれば和むし、汚れていると、いやがおうにも雑排水の改善意欲が沸くからだ。ここの水は本当に綺麗。
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たわわな稲穂が風にそよぐ。
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シャッタースピードを速めにしないと停まらない。黄金色の稲穂は幸せな予感だ。後半の日照が佳かったから、今年の米はかなり旨いはずだ。寒暖差があまりない平地では少し食味が落ちるかも知れないが、、、
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ちなみにムーンライダーズは日本で最も長く活動を続けているバンドだ。高校時代、寮に住んでいた連中の間で流行っていたのだけど、僕もはまった。ちょうど名盤「Don't Trust Over 30」が出てから長い活動休止をしている最中だったけど、もう毎日毎分のように聴いていた。

青空百景青空百景
ムーンライダーズ 鈴木慶一 佐伯健三


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「青空百景」はその中でも大好きなアルバムだ。その頃、和太鼓を一緒に叩いていた連中と、狂ったように歌っていた「くれない埠頭」が入っているからだ。また、このアルバムに入っている「トンピクレンッ子」という曲は、もう一つ大好きなバンドであるPOLYSICSの「ピーチパイ・オン・ザ・ビーチ」と並ぶブッ飛び方だ。僕のiPodにはこの両曲が並んでいる。

これを書いているのは宮崎に向かう機上だ。
今日も青空の下、芋畑で遊ぶ。