二戸との出会い、そしてこの美しい生き物に惹かれた訳 その3

2007年8月13日 from 日本の畜産を考える

さて、岩手県二戸市は、本当に綺麗なところだ。
仕事柄、日本中の農業の産地を訪れる。あたりまえのことだけど、地方都市の駅前には農地はない。平地部でも中山間部でも、車で少し走らせたところに素晴らしい景観が拡がっている。そういう風景はたくさんみてきたけれども、今年の2月に初めて講演のために訪れた二戸の佇まいには感動した。駅から車で3分で、味わい深い山と川と田んぼの風景が拡がっているのだ。

■二戸駅前。東北新幹線が停まる駅である。それなのに、駅前ロータリーから大通りに出る交差点に、信号がない!なんとものどかなり。

■田んぼの風景。駅から10分くらいの間、山間地に入る前にこういう、見晴らしのよい場所がある。でも、それが結構あるので、いちいち車を停めてたら大変だ。


でも僕は、こういう風景が好きなのだ。完全な山間部ではなく、自然と人為が釣り合いしているような風景。

今年は温暖化の影響で、稲の生育も早まっているかと思ったが、初期の曇天が効いているのか、例年並みだということだった。


■山間部の農地にはいると、こんな風景だ。そこに人はいないけれども、人の営みがある。

■中程に見える、うす緑色の作物がなんだかお分かりだろうか。

これ、実はたばこの葉だ。
あたりまえのことだけど、たばこは植物なのです。二戸は国内最大級のたばこ産地。たばこは食べられないし、第一僕は一切たばこを吸わないので、個人的には全く価値のない作物。けれども二戸の農業の中では、実に重要な作物なのである。

さて
なんで山に向かっているかというと、とうとう二戸市浄法寺の短角牛担当の杉澤さんから、嬉しい連絡が届いたのだ。

「やまけんさん。大清水牧野農業協同組合で、正式にやまけんさんをオーナーとして迎え入れることが了承されましたよ。牛を観に来ますか?」


よーし!
とうとう、僕と短角牛との正式なお付き合いが始まろうとしているのである。

(つづく)