2007年7月 9日 from 食材
今年2月に実施した「料理人のための食材研究会」は盛況のうちに終了した。っていうのをエントリ化してなかったのを今思い出したのだけど、さすがは日本が世界に誇る調理学校・辻グループ。エコール辻国立校の日本料理学科の先生達の手により、数々の大根がきっちり同じサイズ・同じ部位でサンプルがとられ、同じ形に刻まれ、煮られ漬けられと完璧な条件下でテイスティングを行うことができたのだ。
さて
そしてこの夏、ていうか今月の25日に、第二回を開催することになったので告知!
今回は、僕がこれまで開催してきた「食材塾」でも実施したナスをテーマにします。
ただし!
とりあげる品種は過去に実施したものとは若干違います。第二回食材塾の模様はこちらをご参照。
今回は、在来種として大阪の貝塚市馬場地区の「馬場茄子」と、新潟県では知らぬ者の居ない、その名も「焼き茄子」をラインナップに加えます。
馬場茄子は、泉州水ナスのルーツではないかとも言われている稀少な品種。
形状は千両型の、長卵形なのだけど、これがきっちりと水ナスなのである。
しかも、僕的には泉州水ナスより繊細で美味しいと思う。皮が非常に薄くもろいので、流通過程で傷がついてしまいやすく、扱いが難しいために稀少品種になってしまったのではないか、と思う。
焼き茄子は、実にデカイ、しかし果肉はやたら膨満で、見た目より軽い品種だ。
もちろん手前のデカイのが焼き茄子。
果肉が膨満だから揚げたりすると油が浸みすぎて手が付けられない。しかし、焼き茄子にしたときの食味は最高なのだ。
すぐに身肉の中心まで火が通り、果汁は甘く香ばしく、そして料理しやすさという点で重要な、皮の剥きやすさが素晴らしいのだ。
この他、薄皮丸茄子や、
当然のごとくに長岡巾着茄子も出ます。
ちなみに、泉州水茄子や長岡巾着茄子に関しては、「東京でも手に入る」という人もいるかもしれないが、それは現地における最上級品ではないことが多い。特に水ナスはそうだ。今回の研究会では、当然ながら第一級のA品を揃える。いったいそれはなぜなのか?ということも含め、当日は流通の問題も含めてお話しをしたいと思う。
以下、説明。詳しくは問い合わせ先からよろしくお願いします。
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第二回「料理人のための食材研究会」
近年、料理における食材の位置づけがこれまで以上に高まっております。流通手段の多様化や、インターネットなどを利用した産直仕入の拡大、品種改良による新素材や伝統的なブランド野菜の登場など、食材知識も以前にも増して求められるようになっております。
このような問題意識のもと「料理人のための食材研究会」を立ち上げ、1月18日に「大根」をテーマに第一回を開催いたしました(詳細は月刊専門料理4月号に採録)。
今回は「ナス」をテーマに取り上げます。研究会は二部構成で、第一部では、月刊専門料理で「識っておこう、農産物の基礎知識」を好評連載中の農産物流通コンサルタント山本謙治氏による、「ナス」の品種特性や流通(入手方法)など基礎知識の講義、第二部では第一部の講義で取り上げる8種類の「ナス」をエコール 辻 東京教授陣の提供により、「生」、「煮る」、「揚げる」などの基本的な調理方法で試食していただきます。
このように、講義と試食を通じて「ナス」についての基本的知識の習得、料理への活かし方を探求します。そして、プロの料理人の方々を対象といたしますので、料理人どうしならではの意見交換を通じ「ナス」についての理解を深め、情報の共有を目指します。
募集要項とカリキュラムは下記の通りです。お早めにお申込下さい。
日 時:2007年7月25日(水)13:00~16:00(30分前より受付開始)
場 所:エコール 辻 東京(東京都国立市富士見台2-13-3)
定 員:30名
講師・スタッフ:山本謙治氏、エコール 辻 東京教授陣、柴田書店編集者
受講料:10,000円(テキスト・税込)
〔講師・スタッフ紹介〕
● エコール 辻 東京
大阪あべの辻調理師専門学校・グループ校<エコール 辻 東京>。1991年に開校したプロの調理・製菓のスペシャリストを養成する専門校。フランス・イタリア料理課程、日本料理課程、製菓課程の3コースがあり、多くの卒業生を輩出、各地で活躍している。
今回の「料理人のための食材研究会」では、日本料理課程の満園聖(みつぞの・きよし)教授、
岡田 裕(おかだ・ゆたか)教授、上野賢一郎(うえの・けんいちろう)助教授ほかのスタッフが全面協力。
(http://www.tsujicho.com)
【申込み方法】
下記の受講申込書に必要事項をご記入の上、郵送またはFAX、E-mailにてお送り下さい。
こちらから受講票、会場地図をお送りいたします。
なお、ご記入頂いた個人情報は、事務連絡および、小社からの刊行物・セミナーのご案内、講師にお渡しする名簿作成に使用させて頂きます。小社からのご案内が不要の場合は、下記の通信欄の□に✔ 印をつけて下さい。
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