2007年6月 4日 from 首都圏
柴田書店の「居酒屋」編集部の池本さんに誘っていただき、日本酒業界で活躍されている松崎さんと呑もう、ということになった。
あまり酒を呑まない僕としてはちょっと店のセレクトが気になるところだ。
食べるほうに集中したいので、酒はほんのすこーしでいいんだが、、、と思っていたのを見透かされたか、池本さんが選んでくれたのが築地の水産の仲卸さんの息子さんが経営しているという「やまだや」。
「魚料理、美味しいですよ!」
とのことだったので安心。
やまだや
中央区築地7-16-3 クラウン築地 1F
03-3544-4789
松崎さんは日本酒の利き手、評論家として全国を飛び回っている方だ。日本酒門外漢である僕からみると、よくそんなにも利き酒ができるなぁ、という数をこなしていらっしゃる。
「ついこのあいだ、短時間で200種(→この数字、記憶あやふや。2000種だったかなぁ、、、んなわけないか)利いてきました、、、でも利くことで初めてわかることが多いので、実りは多いですね。」
と淡々ともの凄いことを仰る。いやぁスゴイ世界です。
日本酒をまるごと楽しむ! 松崎 晴雄 新風舎 2007-01 by G-Tools |
日本酒のテキスト〈1〉香りや味わいとその造り方 松崎 晴雄 同友館 2001-08 by G-Tools |
さて「やまだや」の若き経営者・山田さんは、なんと同い年36歳であった! ここにもいたか、いのしし年組。品書きからは、新しい旨いものをという意欲がかいまみえる匂いがユラユラと立ち上っていた。
白瓜雷り干し。干して脱水して、塩をしているのだろうか。これからの季節のものである白瓜は、食感が命。干すことでバリっと感が強くなり、塩気が酒を進ませる。
強烈に印象に残ったのはこれ「モチモチにんにく」。
香川・徳島あたりでこの季節のみ出回る新にんにくを炊きあげたものらしいが、本当にもっちんもっちんの食感なのである。この時期これを目当てに来る人が多いらしいのだが、、、
こいつぁ旨い! 本日最大のヒット。もう一皿頼んでしまった。
またなんと山田氏、僕が生まれ落ちた街である愛媛県今治市に食材探訪に出かけていたらしく、そこで新しく地鶏として認定された「伊予水軍」をメニューに出していた。
ややあっさりめの肉の旨みだが悪くない。十分地鶏として美味しいといえるものだったと思う。
もう少し飼養期間を延ばしてハードな噛みごたえにしたほうが僕は好きだが、これはこれであり。やきとりの街・今治、頑張って欲しい。
酒はもうすべて松崎さんにおまかせ。
ふわっとした大吟から純米へと降りていくのが料理にマッチ。さすがのコーディネートでした。
松崎さん、呑んだはしから印象を手帳に書き留めていたのが印象に残る。あー やっぱりこうしないといけないんだな。
俺もやろうと思ったが手帳自身を忘れていたのであった。
定番料理からクリームコロッケ。
この店ではこれを頼まないとダメ!なんだそうだ。スティック状に成形されていて食べやすい。
中のペシャメルも程よい硬度を保っている。具はホタテ貝だが、ペシャメルソースにもホタテのエキスを含ませているのか、ふんわりしたホタテ貝の香りがぷんと立ち上った。
そしてこのピザ。
プチトマトの下にあるのはアンチョビではなく、福井県名物「へしこ」である。へしこは鯖を糠漬けにしたもの。これがピザのクリスピー生地とかなりマッチしている。
最後は金目の鍋で雑炊までいただく。
この店、魚がどうこうよりも、一品料理の気が利いていて旨いというのが印象だった。
またじっくり攻めに行こうと思う。
さてこの日一番心に残ったのは、松崎さんの手帳の端のページに記録されている文字列だ。
日本の全県が書き出されていて、今年はここには何回行ったというのが正の字で書き込まれているのだ。これはイイ!早速真似させていただくことにした。ていうか、今の時点でほぼもう全国廻っておられるのがスゴイ。、、
松崎さん、池本さん、愉しい時間を過ごさせていただきました。どうもありがとうございました!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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