2007年5月 7日 from 日常つれづれ
これまで何度か紹介してきたが、僕には農産物流通関連の師匠が何人かいるが、その一人が徳江倫明さんだ。徳江さんは、あの「らでぃっしゅぼーや」の代表取締役をしていた方で、有機・特別栽培農産物や、情報公開型食品の生産と流通に関しては草分け的存在のお一人だ。
ご著書も何回か紹介してきたが、その徳江さんがブログを書いていらっしゃる。
これが非常に面白いので、記事が溜まってきたら是非紹介させてください、とお願いしていた。
■Food-trust Project from Pure Soil-ふ~どとらすと
http://blog.jseq.org/
過去ログから読んでいただければ、不二家問題や農薬関連の問題について、生産と流通をずっと観てきた専門的視点からのホンネを読むことができる。
今日、食品関連の様々な事件が起きているが、マスコミの糾弾姿勢は、専門的知識と現実的な解法というところから離れているものが多いように見受けられる。間違ったことがあったとしても、それを糾弾するだけでは解決しない。様々な利害が絡む中で、最も現実的な解を選択し、いたみわけることも必要だ。しかし、その「いたみわけのポイント」としてどこが最大公約数なのかは、現場をよく識り、かつ制度や政策といった上流の世界のことも識っている人でなければ導き出せないものだ。
徳江さんはまさにそういったことを「言う権利を持つ」存在だと思う。このブログは食品関連の仕事をしている人も、そうでない人も観ておいて損はない。
この徳江さん、声も話し方も人を惹きつけ、文章も素晴らしいのだけど、驚いたことに写真がまたいい。
こないだ「ヤマケン、俺も一眼レフを買ったぞ」とニマッと笑っていたのだが、構図がビシッと決まっていて、詩的な写真を撮る。ちょっと驚きであった。さすが!
ちなみに先日書いた、岩手県編(まだ終わってないよ!)で、素晴らしい醤油を醸造している八木澤商店の河野光枝さんと会話する中で、徳江さんのことが出てきた。
「もう、徳さんはねぇ、、、あんな人、日本にそういないわよ」
と言って、光枝さんの眼が柔らかく微笑んだ。徳江さんを識る人はそういう眼をすることが多い。
ということで、久しぶりのブログ紹介でした。
■徳江さんのご著書
農業こそ21世紀の環境ビジネスだ 徳江 倫明 たちばな出版 1999-12 by G-Tools |
↑これは名著。
通常の化学農法と有機農業、特別栽培農産物等を、「環境」という側面からとらえ、今後なすべき方向性を示しています。
重版かかるかどうかわからないので、買っておいた方がイイと思います。なぜか僕の家には4冊あります(汗)
危ないものをつくりすぎた―食品安全は可能か? 徳江 倫明 誠文堂新光社 2004-10 by G-Tools |
↑安全・安心関連の問題に関心がある人にはこちらをお勧めします。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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