2007年4月 5日 from 食材
山形のまあどんな会のなんばん他6種セットは、追加50セットも瞬間的に売り切れてしまった。
買えた人たちは、楽しみに待っていて欲しい。絶対に旨いから!
そのまあどんな会の佐藤洋子さんから本物のアサツキとツクシを送ってもらった。
アサツキのことは、葉ネギの細いバージョンだというくらいに思っている人が多いようだが、実際は立派な山菜である。野に生えるユリ科ネギ属の植物で、根茎がぷっくりと丸く肥大する性質をもち、肥大したものはちょっとみではらっきょうを少し小さくしたような外見だ。写真はそのように肥大する前の細いもので、これが繊細な味で旨い。スーパーでうっている葉ネギの細いようなのは栽培物なので、味については全く別物と考えた方がいい。
「生イカの切り身といっしょに酢味噌和えで食べると美味しいですよ」
と洋子さんがいうのでそうしてみた。
アサツキは軽く湯通しくらいに茹でて水を切り、モンゴウイカの刺身を切ってぬたにしてみる。
絶句するほどに旨かった!
アサツキの、小ぶりなのに鮮烈に甘やかな香りがリッチである。酢味噌の力を借りずともアサツキ単体だけで皿一杯食べられてしまいそうな、完結した味の世界を感じてしまう。
なんと旨いものが野に生えて居るんだろう、、、山形、スゴイ!
一方のツクシ。
ツクシは雑草(と思われている)スギナの胞子茎である。
スギナは、酸性土壌の畑ににょろにょろと生え出てくる植物で、地下茎で育つので、土の上にでてくるのをむしっても意味がないという憎らしい草だ。長期的に見ればおそらく酸性土質を緩和してくれているのだろうが、大学時代に開墾した畑にスギナが一杯はびこっているのをみると、かなり怒マークが額に浮かんだものだ。
しかし、春になると、スギナの胞子を頭にまとったツクシが出てくる。ツクシの頭の部分を叩くと緑色の粉が落ちるが、これがスギナの胞子なのである。ツクシはカワイイからなんとなくゆるしてしまうのであった。
ツクシはなんといっても卵とじに限る。カツオ出汁とみりん、醤油を甘辛く煮立てて、よく洗ったツクシを投入し、サッと火が通ったら卵でとじる。少しほろ苦いのがご飯を無限に呼び込むのである。
あー
本当に春だな、と感じる。
ようやく熱も下がり、口中もまともになった。
再エンジンスタートである。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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