岩手県をいきなり横断した! 陸前高田にはすんばらしい食文化の担い手さん達が居たのである!

2007年3月19日 from


 さてちょっと間が空いたが、福田パンのオリジナル野菜+照り焼きチキンを食って腹一杯になりながら向かっているのは陸前高田である。ちなみに本日のコースは、

盛岡→陸前高田→久慈市

というものである。

とこう書くと「ふうん」というくらいだろうが、岩手県を知っている人なら「えええええっ 一日でそんなに廻るの?」とビックリされるコースなのである。ていうか僕も知らなかったのだけど、、、

「だいたい、盛岡から陸高、久慈までいくと420kmくらいですねぇ。けど、やまけんちゃんをぜひ陸高に連れて行きたいんですよぉ」

と、強烈に陸高をプッシュしてくれたのがS藤さんである。何でも彼が岩手県庁に務めた中で「沿岸警備隊」という隠語で呼ばれる海側への勤務で陸前高田に数年居たらしいのである。

「もうね、最高よ。陸高の素晴らしい人たちに会って欲しいんだよ!だから今日は強行軍ね。ぐわっと廻って15時くらいには」陸高を出て、久慈に向かうよ!」

この時点ではどれくらい離れているのか僕にはイメージできていなかったのだ、、、

「でね、陸高で今日連れて行く八木澤商店っていうお醤油の醸造元があるんだけど、そこの社長さんが今日すれ違いで盛岡にいくんだってさ。だから、途中の大迫町の直売施設で一瞬だけランデブーするよ!」

おお! 大迫町(おおはざま)といえば、岩手県の郷土芸能でも重要度が極めて高い早池峰神楽(はやちねかぐら)を観に行く時に通っていたあの町ではないか! ひゃあなつかしい。
僕は高校時代に和太鼓をやっていて、全国の郷土芸能に熱中していた時代がある。早池峰神楽を観に自転車で山を登ったのである。あのとき夜通し観た早池峰神楽の様式美には本当に感動した。ついでにそこから降りて盛岡に向かう途中で食べた「はらぺこ亭」の十割蕎麦の味も忘れられない、、、

「実はね、いまから会わせる八木澤商店の河野さんは、陸高で毎年開催されている太鼓フェスティバルっていうイベントの中心人物でね、それもあって紹介したかったのさ。はい、つきましたぁ」

と降りたのは、大迫町の街道沿いにあるミルク工房 ボンディア。島根県の木次乳業と同じく、ブラウンスイス種の乳牛を飼い、牛乳製品を販売している直売施設である。

「あ、あそこの車に乗ってるのが八木澤商店の河野和義さんです!」

こ、この人か!

「おーヨシヒコ(←S藤さんの名前)、久しぶり! でさぁ、陸高の町って言うのはね、、、(以下、マシンガントーク炸裂)」

このとき河野さんは、僕とS藤さんと同行していたI坂さんのことを「ヤマケン」と勘違いしていたようである。時間にして5分半程度、たっぷりマシンガンを撃ちまくった後に「で、あなたがヤマケンさん?」「いえ、ヤマケンはこちらです」と相成った。

「あれれ、なんだなんだ」

とくるりと僕を観た社長に、S藤さんが「この人も太鼓打ちなんですよ」と言った瞬間、目が変わった。

「そりゃあ陸高に来なきゃダメだ!それも祭りのときに来なきゃダメだ! ちょっと待ってて。ゴソゴソ、、、(電話を取り出し)おいあのさ、今からいくヤマケンて人が太鼓打ちだったんだってさ。だからあの俺の本、あれあげといて!あと、旨い飯食わせてあげてな! ピッ ん、うちのに電話しといたから。」

と、矢継ぎ早にやることをやって「じゃ、俺は行くから」と去っていったのである。河野社長、ものすごいラッシングパワーの持ち主である。しばし茫然。

しかしこの出会いが本日の序曲だったのである!
ボンディアにてブラウンスイス種のアイスと、直売施設で売っていたイチゴを食べながら、出発!