2007年2月 5日 from
世の中の関心がグルメへと向いていく過程で大きな役割を果たしてきた雑誌「dancyu」(ダンチュウ)。
僕は大学時代から愛読者だった。金がなかったから全冊は買っていないが、カレー特集の号は必ず買った。ビシッとピントの決まった写真が美しい。シズル感溢れる誌面。異様に高いテキストのクオリティ。全て憧れの的だった。
「いつかdancyuに書けたらなぁ、、、」と、マジで思っていた。いや、本音を言うと「いつか俺は絶対に書く!」と思っていた。
それが昨年の暮れも押し迫ってくる中、いきなり実現した。
錦糸町「井のなか」にて、編集長の町田さんと、編集員の杉下女史と初顔合わせ&呑み。
「やまけんさんがブログで書いてた種子島の黒糖。あれを取材記事にしていただけませんか?」
うええええええええええええええええええええええ
まじですかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?
あまりの僥倖に僕は我を忘れた。
今年度はどうかしてる! 夢のような出来事がなんでこんなにたたみかけるように起こるんだ!?
しかして取材は12月28日、ほんとに師走の凄まじい時期に敢行された。
被写体となったのは、、、
あの素晴らしき、種子島のさとうきび100%で作られる黒糖だ!
これを作り出しているのが、、、
そう、いまや種子島の至宝といってよいであろう、昔ながらの伝統的手法で黒糖を生産する「沖ヶ浜田黒糖生産組合」である。この沖ヶ浜田を後押ししている市議・長野広美さんがすべてをコーディネート。種子島の最強スポークスマンは間違いなくこの長野女史である。
今回、改まって黒糖生産の一部始終を見せていただき、そして頭領(黒糖の頭領だから「糖領」とも言うそうだ)からお話を聞いていると、なんとも深い奥義の世界が拡がっているのだった。
ちなみにこの記事、カメラマンさんは、、、
この業界で名前を知らぬ者の居ない、古市カメラマンである。
家庭画報の写真を長らく撮り続け、料理写真の世界では確固たる地位を築き上げたそのお方である。
「実はね、僕は種子島出身なの。『種子島を語る会』ってのがあるんだけど、そこにも属しててね。誰かが種子島について間違ったことを言ったり書いたりしてたら、直接会って正すなんてこと、やってるんですよ(ニコッ)。」
この、次から次へと軽妙なジョークが飛び出す古市さんが、撮影の瞬間には猛烈に張り詰めた集中力で、劇的なカットを撮りまくる。その様を観ていて鬼気迫る迫力に押されまくってしまった。 この方、スゴイ人だ!
一泊二日の取材の間、嵐になるという天気予報をまたもや振り切り、撮影する時には晴れ間まで覗いた。
天気の神様、いつもいつもどうもありがとうございます。おかげさまで古市さんが素敵な種子島の美しいさとうきび畑と青空のカットを撮影してくれました。
この取材旅行と、新年をまたいで血を吐きそうになりながら(オーバーか!?)執筆したテキストが紙面になった。
dancyu (ダンチュウ) 2007年 03月号 [雑誌] | |
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巻頭5ページ、ぜひこれは立ち読みではなく買ってくださいまし。
ちなみにこの号、種子島黒糖取材の担当であった「新婚美人編集者」スギシタさんが、あのラーメン一風堂で6日間ラーメン店員として修行を敢行した異色ルポがあって、これが超面白い。
数号前から大幅に紙面デザインが変わり(渋くなった)、内容も大きく変わった感のあるdancyu。
ぜひぜひ 手にとっていただければ幸いなのである。
この取材旅行の凄まじく面白い顛末は、また別の機会にゆっくり書いていきたい。
さて、今夜はこのdancyuを枕の下に敷いて眠ろう、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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