2007年1月24日 from 日常つれづれ
愛用しているレッツノートW5のクリックボタンの調子が悪いので、先ほどからドック入り。数日間使えなくなるので、クリーンインストールしなおしたThinkPadX40を使っているのだけど、ほんとにもう、自分流カスタマイズできてないマシンは使いにくい。画像投稿用の環境も構築するのがめんどいので、しばらくは新規エントリに写真がなかったりするかもです。
さて
このところの時事ネタで、食に関連するものが3つ出てきている。
ひとつはいうまでもなく不二家問題。ふたつめは「あるある」のデータ捏造問題だ。
この二つの問題は、実に両極を示すお話だと思う。
不二家問題に関していえば、僕は今のマスコミの騒ぎ方や追い込み方はいかがなものかと思うし、自分を含め、消費者には賢く対応していただきたいと思う。
消費期限切れがけしからんという話は、それはもう法令順守の精神から言えば仕方のないものではある。けれど、違反によって事業の存続ができなくなるようなダメージを得る会社が出てくるのは逆に消費者に不都合な展開なってしまう可能性が高い。
たとえば今回のようなケースが多々出てくると、違反発覚時のリスクがあまりに大きくなるため、食品業界はもっともっと生産や流通の厳密化を図らなければならなくなる。そうなると、事件を起こさないように、たとえば原材料の消毒や保存性をあげるための添加物投与の量が増えていくはずだ。だって、事件が起こるよりそのほうがましだから。
結果、消費者が求めていないはずの、リスクヘッジの塊となった、食品とはいえない食品ばかりが食卓に上ることになる可能性がある。いや食品開発に携わるサラリーマンであれば、怖くてそうせざるを得ないと思う。
上記は、「消費期限を遵守しないくらい、目こぼししなさいよ」といっているわけではありませんからね。でも、マスコミは客観的な立場に立っているように見えながら、その実、着々と不二家を追い込んでいるようにも見える。とくに不二家をかばい立てする義理もないのだけど、経営体制を刷新し、問題の所在を明らかにして、経営のクリーニングをした段階で、事業が復帰されることを祈る。
次に「あるある」データ捏造問題だが、これは事件になって本当によかった!
逆説的だけれども、食品の栄養価に関する情報が、ポジティブにもネガティブにも大きく社会に喧伝されすぎる風潮がある。食品の関係者で苦々しく思っている人は多かったと思うが、それにようやく歯止めがかかるか、とも思う。
ちなみにうちの実家の親父もあの番組の熱心なファンらしく、たまに実家に帰ると「お前もにんにくオイルを飲め」とかいわれて閉口していたのだけど、この事件でどうなるか、それが最大の見ものだ(笑)
食品にはすべて何らかの価値があり、栄養価がある。その中のひとつの要素だけを取り出して、○○によいという発想は危険だ。大豆イソフラボン問題が記憶に新しいけど、通常の食生活の中で摂取できる量をかけ離れた摂取をすることが人体にどう影響するかは、よくわかっていないのだ。だから僕は一切のサプリメントを飲まない。加熱処理され粒状になったものが、原料の特性を100%引き継いでいるわけがないしね。
本当に健康になりたいと思い、食生活を正したいなら、できるだけ加工度の低い素材を買って、自分で料理をして食べるというところから始めたほうがいい。そもそも、食品の「○○にいいらしい」という情報がこんなにも社会的に急速かつ広範に広がるようになったのは最近のことだと思う。その背景には、「普通に持っているべき、食べ物に関する常識」を持たない人が多くなってきたからなのではないかな、とも思う。
さて
もうひとつ、水面下で騒がれている問題がある。それは東京の台所、築地市場の移転予定地の汚染問題だ。先日の週刊ポスト誌でも記事になったので見た人は多いだろう。数年後に築地市場が移転になるのだが、その建設予定地となっている豊洲のある土地が、有毒物質で汚染されているという問題だ。東京都側は「問題ないレベル」と言い、環境関連学者は「問題視すべきレベルである」と言っているらしい。
当然、移転主体である卸・仲卸業者さんたちは事態を重く受け止めていて、有志により市場を考える会が結成された。
市場を考える会
http://members.goo.ne.jp/home/yamamasa_1964/
これについては最近、複数箇所から僕に情報が寄せられているのだけど、正直なところまだ自分が立脚すべき立場をもってはいない。上記のWebも情報量が少なく、できれば環境の専門家によるコメントを原文で読みたくなる。しかし、このテーマについては、日本環境学会が主催になってのシンポジウムが開催されるという。
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『築地市場の豊洲移転問題を考える』シンポジウム
2月11日(日)午後1:30~4:30
場所 国際研究交流会館(築地市場正門前 国立がんセンター内)
主催 日本環境学会
パネリストとして環境学会会長・大阪市立大学大学院教授の
畑 明郎先生をお迎えして、豊洲土壌汚染対策の問題点についてや
築地市場の移転問題について検証します。
皆さんも是非参加してください。
(以上、「市場を考える会」ホームページより抜粋)
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主催の日本環境学会のWebにはさらに詳細な情報がある。
■日本環境学会
http://tomato.sakura.ne.jp/~jaes/
ひとつの学会がシンポ開催して問題を検証するというのは大変なことだ。この問題、東京都民にとってはとても重要な問題ではないだろうか。市場に働く人の健康と、食品に対する汚染の可能性が少しでもある場合、市場移転の計画を見直す必要がでてくるかもしれない(それが可能かどうかはともかく)。
残念なことに、僕はこの日は岩手県の山奥に入っている予定があっていけない。もし足を運んだ人がいたら、レポートしていただけないだろうか。
そんな3つの食にかかわる事件が、気になっていました。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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