2007年1月23日 from
昨日書いた東急東横店の島根フェアに行ってきた。
島根県というとなんとなーく地味なイメージがあるような感じだが、郷土食の観点からみると非常に佳い物が並んでいると思った。
漬物・宮本食品の宮本さんと2週間ぶり再会。手ぬぐいかぶった兄ちゃんを見かけたらぜひ話しかけてみよう。
「いやね、前回の取材で行けなかったところの一つが、この天領シャモなんですよ」
と紹介してくださったのが、地鶏のシャモ肉を使った弁当などを販売していたササダ直販さんだ。
弁当用に煮込んでいたもも肉を試食させていただくと、強い食感に濃厚な旨み、バリッとした皮の強いかみ応えに驚く。
「これ、150日肥育くらいですか?」
と訊くと、社長さんニンマリして「200日ですわ」。
マジですか???
200日も肥育した地鶏に、値段なんてつけられるんだろうか?
「いや、全然商売にはなりません。飼う羽数も数百匹単位と少ないです。年間に2回、生産するんですが、これは道楽ですわ。」
と笑う。ホントに商売にはならないシャモ生産だと思うが、極めて稀少な鶏肉であることは間違いないと思うが、これがフレッシュの状態で丸鶏として買えたらなぁ、、、
ちなみにこの天領シャモ弁当、1200円と高めだが、その価値はあると思う。本当の鶏肉はこれなんだということを識るためにイイ。味付けがちょっと濃いめなのはさっ引いてね。ちなみにそぼろ状の卵は、シャモが産んだ卵を冷凍して、弁当用にそぼろにしたものだ。本当の親子弁当ですな。
その斜め向いで出雲蕎麦の試食を勧めてくれたのがこちら。名刺をいただかなかったので御名前失念!出雲蕎麦の店は結構出ているので、間違えないようにしていただければ。
「ここは、製粉しながら製麺している店なので、麺の状態がいいですよ。半生麺、生麺、どちらも旨いです」
確かに旨い!出雲蕎麦は江戸前とは全く違う作法の蕎麦文化だが、実に実に深い文化をもつものだ。これを100%味わうためには汁も出雲のものがいい。同時に買い求めて自宅チャレンジしてみるのがいいだろう。本当に旨いのは、蕎麦を茹でたら、そのままドンブリに盛り、上に蕎麦のゆで汁をかけ、そこに濃いつゆをかけて食す「釜揚げ」だ。やみつきになること間違いない。
その隣には木次乳業。島根編の一つのクライマックスはこの木次乳業が山間地で行っている酪農の取材だ。ブラウンスイス種という放牧酪農に向く牛の牛乳が、この木次乳業のブースで売っている。関東ではなかなか手に入らないので、ゲット必須である。市販されている大メーカの高温殺菌牛乳と飲み比べて欲しい。
会場を去る前に気になったのが、「かにいなり寿司」。
ちゃんと蟹の身が寿司飯に入ってる!
関西のいなり寿司は、関東のと違って寿司飯に具が入っていて、揚げの煮含め方はあっさり。このスタイルが僕も好きだ。買って正解!
青山蒲鉾店のおかみさんはちょうど食事中で会えなかった。あの強烈なキャラクターにまたお会いしたかった!
その後、海産物を見せていただく。甘鯛やカレイの干物があまりにも美しい。ちょっと高めだけど、魚食いならば買う価値ありだ。
かなり楽しめる物産展だった。明日までやってるみたいだから、近くの人は足を運んでみるといいだろう。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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