2006年12月18日 from 農村の現実
僕も大好きな山形県の蕎麦を、質のいいそば粉を供給するということから支え続けた”神様”がいる。いや、居た。
鈴木製粉所の鈴木彦一社長さんが、12月11日に亡くなられた。享年68歳、まだ早い、、、心からご冥福を祈ります。
山形にて、鈴木さんにお会いしに行ったエントリは下記。ぜひご覧ください。
山形蕎麦の関係者さんから、異口同音に聴くのが、鈴木製粉がなければ山形県の蕎麦の質と、技術向上はなかっただろうということだ。鈴木さんは、一般向けには決して蕎麦を打たないという。製粉所という立場上、お客さんは蕎麦業者さんとなる。その蕎麦業者さんを飛び越えて消費者に蕎麦を打つことは営業妨害になるから、ということらしい。
そして鈴木さんは蕎麦屋の有志に、蕎麦打ちを教えていた。つまり彼は、そば屋に技術を教えるという、蕎麦の超グランドマスターだということになる。僕が先のエントリにあるように、素人ながら教えていただいたことが行幸だと思う。江戸前のその技術で打たれたその蕎麦を、僕は都合4枚くらい食べた。それまでに、自分や同行の人たちが売った蕎麦を5枚食べていた。食べ比べてみて愕然とした。粉もなにもかも同じなのに、打ち方だけでこんなにも、香りのほどけ方や舌触り、全体の印象が変わるものなのか、、、
まさに神業を見た思いだった。
最後までひょうひょうと力み無く、そして淡々と対応してくださった鈴木さんに、改めて感謝を捧げたい。
生前の鈴木さんの蕎麦を食べることの出来たことを幸運に思う。
心からご冥福を祈ります。天国でも素晴らしい蕎麦を打ってください。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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