2006年10月10日 from 食材
この時期、北海道は網走から素晴らしい鮭を届けてくれる美人S女史。
「今年はね、塩がいつもよりは効いていない、小さめの鮭を2匹送りましたよ~」
と連絡があった。小さいとはいっても、切り身が裏表で18枚はとれるサイズだ。
ここのところ毎年恒例となった塩鮭のさばき。ちなみに状態としては「山漬け」になっている。収穫後にどさっと塩をふって重しをして貯蔵したものだ。その塩加減が例年よりは甘めとのこと。とはいっても、かなりビシッと強めの塩分が効いている。
鮭は皮をパリパリに焼いて食べるのが好きなので、鱗(うろこ)をたんねんに除くところから始まる。ベランダに新聞を敷いて、ビール瓶の王冠のギザギザを使って二匹分の鱗を引くのに15分くらいかかってしまった。
カマの部分を大きめに切って頭を落とし、二枚におろす。身が柔らかく、変な風に持つと割れてしまうのに注意しないといけないが、それほど難しくはない。これをやると、スーパーで切り身を買うのがちょっとばからしくなってしまう。大きい鮭一匹を買い求めて自分でおろして、適度なサイズの切り身にしてラップして冷凍しておくだけで本当に豊になれる。塩鮭ははらわたが抜いてあるので、初心者にも扱いやすいのだ。おろすのが不安であれば、鱗だけ引いて、筒切り(二枚にもおろさず、胴体をそのまま骨ごと切る)にするのでもいいのだから。
自分でおろすととにかく好きな幅にカットできるのが嬉しい。
なんつっても市販の切り身はサイズが小さいのだ!ここぞとばかりに幅広に切る僕である。
早速、ロースターで焼いてみる。皮はパリパリ、身はしっとりふっくら。塩がビシッと効いて、ご飯が進んでしょうがない。やはり鮭は旨い。
元来、塩が効きまくった鮭でご飯を3-4杯食べるというのが日本人の食卓だったという。他におかずがなかったということと、今のように暖房が完備されていない寒冷地では、塩分を摂取することで血圧を上げて仕事に向かう必要があったということだろう。こんなに世の中が進んでぬくぬくしている状態で塩分をとりすぎると身体にはよくないわけだが、しかしやはり鮭は強めの塩が佳いなあ、と思う。
S女史、本当にごちそうさまでした!旦那さんにもお礼をお伝えくださいませ。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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