香りカボスと秋刀魚のマリアージュを楽しむ時期が来た!

2006年9月27日 from 食材


昨年もお世話になった大分県臼杵市からカボスが送られてきた。
大分におけるカボス伝来の土地で、とにかく市長さんが率先してカボス振興に取り組む産地である。

みての通り、晩夏から収穫する緑色のカボス。過去ログにも書いてきたが、これは実はまだ未成熟な青い段階で収穫したものであり、樹のうえにおいておけば冬には黄色に成熟する。これはスダチも同じだ。緑色のままで成熟するということはないのでご注意を。

ただし、柑橘を若採りすると、香気成分が非常に強くでるので、香りを楽しむ分にはいい。成熟すると香りは穏やかになり、その分、味の深みが増してくるのだ。そう言う意味では、先鋭的な香りを楽しむタイミングは今だ。

カボスやスダチの香りを楽しむ食べ方で、この時期のベストの組み合わせと言えば、、、
やっぱりこれしかないだろう!

昨年に引き続き今年も秋刀魚は大豊漁のようだ。いままさに太平洋側を南下している秋刀魚は、これから数週間の間にますます肥え太り、旨くなる。DHAやEPAといった身体によい成分を多量に含んでいるが、そんなのがなくたって良質の脂を採ることのできる素晴らしい食材だ。しかしその味は旨みの傾向と脂の濃さから、酸味と辛みがあるともっと際だつものだ。辛みはダイコンおろし。そして酸味は、、、レモンを足すところが多いが、輸入レモンは香りと深みに乏しすぎる。ここはぜひ国産のカボスかスダチを添えるべきだろう。

この日は、NHKの放送でも秋刀魚を扱ったため、カボスとスダチという、香り柑橘の両巨頭が揃った。ベリーゴージャスリッチだぜ!

カボスとスダチを一緒に食べるとよくわかるのだが、全くの別物的性質である。スダチはなりが小さいのに、独特の清涼感と高貴さを感じる香りだ。門前仲町の寿司処 匠では、白身には天然塩とスダチを使うが、スダチでなければならない理由というのがわかる。料理を上品に際だたせるのだ。対してカボスはスダチよりも庶民的な味と香りといっていいかもしれない。スダチより物理的に大きいため、果汁をたっぷりかけると酸味が際だつ。香りはスダチのようなとんがりはないが、レモンよりも秋刀魚の身肉に寄り添う感じがする。

どちらにせよ旨い!
これから週2回は秋刀魚を食べようと思う。

それと、カボスの楽しみといえばこれ。

味噌汁に絞り入れる!

もしかするとこれこそ最高のカボス料理なんじゃないだろうか、、、
完熟カボスの時期が待ち遠しい。

折良くも、10月4,5日は大分県に講演&講習で出張だ。今回は何を食べられるだろうか。ふっふっふ