2006年9月19日 from 食材
今年は、前半が気象異常からくる低温に悩まされ、農産物全般に生育が遅れることとなった。その影響は果実のような、一年をかけて生育するものには顕著に出てくることとなる。今年の夏の果物は、どれも前半は味がのらずサイズも小さく、非常に品質が低下したものが出回っていたように感じる。
、、、だから、例年に比べるとあまり果物を食べなかったのだ。しかしそれは実は大失敗。夏後半にはぐんぐんと上昇する気温下、糖度も酸度も高く品質のよい果実がかなり出てくるようになっていたのだ。それに気づいたときはもう遅し。桃とブドウについては「ぐわー もっとたべときゃよかったよー」という結果になってしまったのだ。残念。
先日、友人が関西から来たときにくれた、福島県の産直農家の桃三種。
上から川中島白桃、黄金桃、あと一種なんだっけ?
これが全て絶品!
出回りの初期に食べた黄金桃と川中島白桃にガッカリしていた身としては、完全に出遅れた結果となってしまった。黄金桃の、黄桃特有のネットリした果肉とまとわりつくような風味が素晴らしい。白桃二種も繊細でセクシーで蠱惑的な食感だった。ああ、桃は本当に何個食べても食い尽くせない。
そして僕の農業の師匠である、神奈川県藤沢市遠藤地区の専業農家である飯島農園から、葡萄「ふじみのり」が届く。
「もうこれで葡萄は終わり。今年は後半は美味しいのが出てきましたよ!」
うーむ
これもまた素晴らしい味。
葡萄は糖度よりも重要なのが奥行きのある旨みと香りだ。旨み成分が乗っていないと薄っぺらい食味に感じられるのと、それに加えて品種特有の香りがプワンと薫らないと、その旨みも生きてこない。糖度と旨みと香りの三位一体のバランスが重要なのだが、飯島農園のものはその3者すべてが標準値を遙かに超えているのである。
ああ、、、
5回は食べたかった。
さてこれから秋だ。
気を取り直して、日々運動に励み、そして素晴らしい秋の味覚を摂取するぞ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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