2006年9月20日 from オフ会
告知が遅くなってしまったけど、またもや大オフ会in静岡をやります。今回は、焼きそばで有名な富士宮市!
ある日、電話がかかってきたのだ。
電話の主は本ブログではお馴染み、中小家畜試験場の岩澤さん。
「あのさぁ、富士宮の市長さんがヤマちゃんのブログを観て、『富士宮でオフ会やれ』って言ってるってさぁ。」
と言うことらしいのだ。そもそも富士宮で養鶏を営む青木さんが中心になり、富士宮周辺の食材の生産者さんなどをまとめてやりたいということでまとまったらしい。
富士宮市、、、
なにはなくとも焼きそばが有名なことはご存じだろう。昨年開催された全国のB級グルメの祭典であるB1グランプリで見事優勝を勝ち取ったことでもう全国区であることが認められた名物料理であるが、実はそのベースとなっているのは農林水産業、中でも畜産業だ。
富士宮焼きそばを富士宮焼きそばたらしめている一つの要素が「肉カス」で、これはラードを製造する際に豚の脂を搾ったあとのカスを乾燥させ粉砕したものだ。これが味をいい具合にコッテリさせる隠し味になるわけだが、こういう肉カスが生まれるラード工場があるくらい、この辺では畜産業が盛んなのである。養豚、酪農、養鶏(肉・卵)、肉牛といった畜産における基本的なものが揃っていて、しかもレベルが高い。もちろん畜産が営まれているわけだから良質な堆肥ができ、野菜や果物もたくさん生産されていることは言うまでもない。
これは面白いオフ会になるかもしれない!
ちょうど、三島市において静岡県内の生産者さん達に講演をさせていただく機会があったので、そのついでに富士宮に足を伸ばしてきた。当日どんな食材に囲まれるだろうか、ということのプレビューとして観ていただきたい。
某日、朝早い便で新幹線こだまに乗車。東京駅から最寄りの新富士駅までは一時間とちょっとだ。改札を出ると岩澤さんと青木さんが待ってくれていた。
「よう、お疲れ! じゃ まずは市長に挨拶にいこうや」
いきなり市長に挨拶である。
富士宮市長の小室さんは、食に造詣が深く、富士宮を「フードバレー」と位置づけて地域興しをはかろうとしている面白い方だと聴いていた。が、予想を遙かに上回る積極的な方だった。
「いやー これはぜひ面白いイベントにしたいね!もちろん僕も参加しますよ。ヤマケンさんとトークすればいいんだね、やろうやろう。」
そう言いながら、予想もしなかった企画が彼の口から出てきた!
「あのね、富士宮って言うと焼きそばが有名なんだけど、それだけじゃないんだよ!富士宮を象徴するなにか名物を作りたいんだけど、、、親子丼ってどうかな? 鶏肉と卵は本当に同じ鶏舎のものを使って「親子」にして、他の具材もきちんと富士宮のものを使う。そういうのやりたいんだよ!」
おお!なんと積極的な市長さんだろうか!
「ええと、醤油とか酒とか、そういう調味料の製造をしている業者さんは富士宮にいらっしゃるんですか?」
地産地消的なメニュー作りだから、どうせなら徹底的に富士宮の素材を使うべきだ。そう思って聴くと、
「もちろんあります。醤油も酒造もあるし、富士宮には富士宮市フードバレー推進協議会っていうのがあるんで、食材はぜーんぶ揃うでよ。」
と岩澤さん、青木さんが仰る。なるほど、それは面白そうじゃん!
「じゃあ、親子丼楽しみにしてますよ!」
と、最初の話とかなり結論が変わってしまったけど、市長さんもご機嫌よくお別れした。さすがに写真を撮るのがはばかられたので撮影はしてません。
「いやー なんか面白い市長さんだなぁ」
「うん、食に関心が強くて積極的な方なんで、助かってます」
しかし本当に親子丼の企画を練らないとイケナイな。
「大丈夫、我々富士宮市フードバレー推進協議会の方で、きっちりやってみせますよ。」
そうそう その富士宮市フードバレー構想ってのがかなり気になるのだが、検索してみたら立派な協議会であることが判明。青木さんはここの会員さんなのである。
■フードバレー構想
http://www.foodvalley.jp/index.html
さて車は富士宮郊外のロードサイドにある、青木さんの養鶏直売所へ。
「うちはね、養鶏やってて、スーパーさんとの取引よりも直売の方に力を入れてるんですよ。」
野菜や果物と違って、鶏肉は市場経由ではなく養鶏業者と直接取引をすることがある。一定規模以上の養鶏業者さんだと自前の加工設備を持っていることが多いこともある。青木さんはかなり大きな規模で養鶏を営んでおられるので、それができるのだ。
店内では、それこそ落としたてのフレッシュな鶏肉や卵を買うことが出来る。
この新鮮なモツを観よ!
しかも共感できるのは、廃鶏といわれる、卵を産まなくなったヒネ鶏の肉も丸ごと一羽分を販売していることだ。
「ホントはね、昔の鶏ってこういう鶏だったんですよ、堅くて締まっちゃってるけど、よく噛んでると味が出てきて美味しいですよね。こういうのが鶏だったんであって、いまみたいに太らせて肉を採るっていう感じじゃなかった。」
こういう廃鶏を一羽分買い求めて、鍋に醤油と酒でぐつぐつ煮て食べるのが鶏の楽しみ方だったわけだ。うん、やってみたい。ブロイラーでは全然美味しくないはずである。
ちなみに青木さんは大規模養鶏を営む傍らで、あの駿河若シャモの生産もしている。それもかなり大きい規模だ。
「シャモは大規模と言っても難しいですね。ブロイラーと違って、一羽あたりを飼うときの面積が決まっていますので、たくさん飼おうとするとそれだけの面積の鶏舎が必要になります。でもね、そのための鶏舎もいま建てているんですよ!」
おお、それはぜひ見せていただきたい!
というわけで、建設中の駿河若シャモ専用鶏舎に向かう。
これはでかい~ 完成すれば、間違いなく駿河若シャモについては最大規模の鶏舎となること間違いない。
ちなみに若シャモは地鶏として認定を受けることを想定している。
「地鶏」とは、日本ではきちんとJASの認定を受けなければ名乗ってはならない規格である。これについては後日もっと詳細に書いていきたいと思うが、地鶏と称するためには、ブロイラーとは全く違う、健全な飼育方法と長期間にわたる飼育期間を経たものでなければならない。いわば「絶対に美味しくなる」ための飼育がなされるものなのだ。だから、通常の鶏肉より高いのは当たり前なのである。
それにしてもこの鶏舎はすごい。何がすごいのかも後日書いていきたいが、開放型であるにもかかわらずきちんと衛生面の管理ポイントがクリアされるように構築されている。
「当日はここも見学にきたいですね!」
「えっほんとですか?それじゃあ建築のスピード上げないとな、、、」
なんと、この鶏舎はすべて青木さんと会社の人たちが手作りで自作しているのだそうだ!
「もちろん基礎工事は業者さんにやってもらいましたけどね。」
いやそれでもすごい!
農家さんというのは、機械を使わないとやっていけない。だからいろんな機械を駆使してモノを作るのが当たり前の職業なのだけど、こんな立派な鶏舎を自前で建てるというのは、ものすごいことである。
「さて、昼飯も食いたいし、そろそろオフ会の会場にしようと思っている『まかいの牧場』に移動しましょう」
む、いよいよ当日の会場視察である。
しかしこのオフ会プレビュー版でもそうとうなボリュームがあるなぁ、、、この後もてんこ盛りなのだ。
いったんここでアップするけど、オフ会の詳細も書いておきますので、観ておいてくださいませ。
参加募集はまた改めて近日にやります!
(続きは下記↓をクリック)
「やまけんの出張食い倒れ日記オフ会IN富士宮」
<富士山の国・食の交流会>
<目 的>
ヤマケンのプログファンの方々に、B級グルメの王国「富士宮」を食い尽くしてもらい、食を通じての交流、富士宮市の食文化の情報発信を図る。
<概 要>
日 時:2006年10月22日(日) 10時~16時
場 所:静岡県富士宮市「まかいの牧場」
主 催:(株)グッドテーブルズ、富士宮市フードバレー推進協議会逸品会
募集人数:120名(首都圏60名、静岡県内60名)*応募の関係で増減有り
交通手段:
①新富士駅集合後、バスで現地へ移動。(9時出発)
②自家用車の場合は現地集合
参加費:5,000円(新富士駅までの交通費除く) 子供(小学生以下)半額
+新富士駅~現地までのバス代1000円
持ち物:エプロン、ビニールシート、ビニール袋(手提げ)
内 容<仮>
(1部) 食づくり体験(アイスクリーム・バターなど)
(2部) 食の青空サミット(食育を考える、食による地域おこし 他)
ヤマケン VS 小室富士宮市長
(2.5部)富士宮新名物<富士宮親子丼>お披露目会
(3部)大昼食会(飲めや歌えの大宴会)
「食の集い」 富士宮の味を食い尽くせ 司会:岩澤(仮)
(1) 乾杯:富士宮市フードバレー推進協議会会長
<主な食材>
地酒(富士高砂)、地ビール、富士宮やきそば、駿河シャモ、朝霧牛、朝霧放牧豚(ルイビ豚)、乳製品(チーズ・アイス等)、ニジマス(マスバーガー等)、茹で落花生、有機高原野菜、 その他
*屋台方式によるバイキング
(4部)牧場探検、ジャンケンオークション
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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