新潟ってすごい!長岡~上越地域食の宝庫を味わってのけぞった! その1 関要肉店のメンチとコロッケが熱い!

2006年6月21日 from 出張

新潟県長岡市に来た。駅の作りも、道路の幅もなんだかゆったりした印象を受ける。初めての土地を踏むとやっぱり全てが新鮮だ。

週刊アスキーの連載「旅三昧」の取材だけれども、それにかこつけて、長岡に行こうと思い立ったのだ。長岡といえば、一昨年から巾着茄子(きんちゃくなす)の産地。覚えておいでだろうか、この巾着茄子を蒸かし茄子にして食べたり、賀茂茄子や米茄子と食べ比べをしたりしてきたのだ。

■巾着茄子と蒸かし茄子
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/06/post_564.html

■茄子食べ比べ
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/08/post_608.html

その長岡巾着茄子を僕に教えてくれたのが、無二路オフ会に参加してくれたジン君だ。彼は長岡の青果卸の仕事をしている。今回も案内役をしてくれたのだ!

「今回は巾着茄子を熱心に作っておられる小林さんの畑に案内しますよ!で、その前に、小林家におみやげを買っていこうと思ってるんで、、、」

と、きゅるきゅると町中の駐車場に停まる。その前には、なんと読むのだろうか「関要肉店」という看板が!

「おおっ なんか旨そうな雰囲気の肉屋だなぁ」

「ええ、『せきよう』ってよむんですけど、この肉屋のメンチとコロッケが最高に旨いんですよ!夕方には行列するほどなんです」

おおおおおおおおおおおお
肉屋のメンチとコロッケ!
そう聞いただけでもうよだれが湧いてきた!

「メンチとコロッケ」とはなんと凄まじいパブロフの犬的反射行動を呼び起こすものなんだろうか。肉屋といえばメンチとコロッケ。そういう印象が刷り込まれてしまっているのである。サラダ油じゃなくて、こってりしたラードを使ってぱりっと揚げられたメンチとコロッケ。もうそれ以外に何も要らないではないか。

「どうもー」

と入っていくと、関要肉店の内部は素晴らしき惣菜&精肉のワンダーランドであった!





圧倒的質量で並ぶ惣菜群。定番の揚げ物ばかりではない、ここはロックフィールドか?とみまごうように美しく盛りつけられた各種サラダ群。ハンバーグや煮物、冷凍のグラタンなどがギシッと並んでいる。

「ちっちゃい店だからいろいろやんないとねー」

とご主人が笑う。店内にはかなり人数がいて、惣菜を作ったり揚げ物を揚げたりしている。ちょうど数人がかりで挽肉を練り込んでいるところだった。ハンバーグだろうか?メンチの種かな?

見ているとスープストックのようなものや、様々な香辛料を投入している。やはり肉屋のメンチはその物量の多さと手の混み方で、素人にはまねできないものなのであると納得!

しかもこの店、肉の品揃えが半端じゃない。どうみてもA5クラスの最上級肉だなぁと思って訊いたらやっぱり「A5だね、これは」とのこと。また、ほほ肉とか生ラムとか、技ありの食材も手ごろな価格で売っている。こんな店が家の近くに欲しい!

もう我慢できん!

「メンチとコロッケください!」

「ええと、生じゃなくて揚げちゃっていいのかな?」

「はい、揚げてここで食います!」

そう、近隣の人たちは、パン粉の着いた状態のものを買い求め、自宅でぱりっと揚げて食べるのが吉なのだそうだ。最近、できあいの揚げ物を買う人が多いが、それだとあの揚げたての旨い味を楽しめない。それに慣れちゃうと佳くないと思う。かくいう僕も、たまーにしかコロッケなどは作らない。手がかかるからね、、、でも手作りのコロッケほど旨いものもない。それは、揚げたてだからだと思う。

「ああそうだジン君、毎年恒例の巾着茄子祭りのイベントでうちも出店するんだけどさ、巾着茄子、いまから手にはいるよね?あれで何か旨い惣菜作りたいんだよねぇ」

とご主人がジン君と相談。そんな、郷土の食材を積極的に使う姿勢をもった肉屋さんなのである。

「はいよ、メンチとコロッケ!熱いから気をつけてくださいね!」


うはぁーーーーーー
出てきた!紙袋をおしいただき、お礼を言って即座に秒速で外に出てかじりつく。

熱い!

灼熱の光球である!
カリカリに揚げられた衣を直に指で持つとすぐさま灼けてしまいそうな脂である!
一緒に持ってたカメラが脂でべとべとになるが、構わずかじりつく!

ぬおっ
これは素晴らしい!
カリリと歯に衣が突き刺さる音の直後にデュワッと肉汁が!透明感溢れる(みえないけど)肉汁がっ!!滾々と湧き出てくるのだ!上質な肉の甘みと牛の香りがブワッと鼻に抜ける、その濃度を爽やかに下げるタマネギのシャク感と風味。よくみるとタマネギ片がでかい!このアバウトな切り方がポイントなのだろう!

「うわぁあああ 熱い! でも旨い! でも熱い! でも旨い!!!」

口の中の皮膚がヤケドしてぺらっとめくれてしまう。けどやめられない!
結果、1分以内に食べ終わってしまう。

「コロッケ、コロッケ!!!」

もう幼児である。


このコロッケがまた秀逸!
一般のそれよりも胡椒が効いたポテト餡はなめらかだ。コロッケの具は、マッシュしたポテトと具材を合わせてから冷やして固めて成形する。でん粉質だから冷やすといい感じに固まるのだ。しかし油で熱を通すといきなりそのでん粉質だったのが流体然となり、とろとろに舌と唇にまとわりついて焼く!

あちい! あじいぃいいいいい

もう口中の皮はべろべろである。けど旨いからいいや!
ハフハフいいながらすぐに完食。
ああ、その味の残像がいまでも脳裏に焼き付いている。、、、

「こんな早い時間にもうメンチとコロッケですか、、、これから一杯茄子もたべてもらうのに、、、」

いや、全然問題ないよジン!
第一、新幹線の中ですでに鯵の押し寿司とおいなりさんを食べてるんだから一緒一緒。

「さあ それじゃあ巾着茄子の畑に行きましょう!」

こうして旅は始まったのである。