2006年1月 9日 from 食材
日本橋ぼんぼり京橋店で、仕事でご一緒させていただいている方々と小さな新年会をした。
「今日、佐賀県に行って来たんですよ。海苔の組合の仕事だったんですけど、極上の海苔っていうのをお土産にいただいてきましたよ!」
と、Sちゃんが見るからに高級そうな海苔のパックをくれた。佐賀県といえばぼんぼり京橋店の小池シェフの出身地だ。彼を呼んでそう話すと、
「僕もやまけんさんにお土産があるんですよ! 最高に旨い辛子明太子でね。もとは料亭で作っていた明太子なんですが、「稚加榮(ちかえい)」っていうんです。
おおおおおお
なんだか いきなり九州の名品が揃ってしまった!
翌日の朝は当然ながらこの明太子と海苔を味わうため、山形の「はえぬき」を炊いていただく。
稚加榮の明太子はかなり評判が高いらしく、料理人も褒めるほどだという。ご飯に一腹ドンと乗せていただく。ちなみに僕は中身だけではなく、卵を包む薄皮が大好きなので、もうバラバラにしてある徳用明太子よりもこうした一本もののほうが有り難い。
ほぐしたピンクの卵を少し箸に載せて味わってみると、驚くほどに優しい調味であることが最初に感じられる。明太子は化学調味料が大量に使われていることが多いのだが、稚加榮の明太子は極力抑えられているような気がする。低インパクトで、ギリギリと辛みの強いものを欲しがる人には受けは悪いだろうが、優しく穏やかな美味しい明太子だと思った。ちなみに辛いのが好きな人には、博多周辺では手に入らないが、平塚の明太子がお薦めだ。
さて、佐賀の海苔組合がイチオシの特上品の海苔の封を開ける。
それだけでプウンと薫る強い磯の香り。
嫁さんが「スゴイ香り!」と声をあげるほどだ。
明太とご飯を巻くと海苔の風味が消えてしまうかと思ったがさにあらず!
パリンと小気味よい音を立てて噛み切れる海苔からプンと上品で心の通った香りが口中をかけめぐる。これは逸品だね!海苔にも上品があるのだということを嫌と言うほど分からされた食卓だったのだ!
小池君、
S井さん、
S賀ちゃん、
どうもご馳走様でした!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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