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2005年06月30日

僕の本気の事業が始まります。

読者の方々に、近日中にお願いがあります。

僕の本業の事業で、かなり気合いを入れたプロジェクトが始動するのですが、それを身の回りの、関心の有りそうな人に宣伝して頂きたいのです。

それは、農業に就職したい方向けの塾、「就農塾」というものです。

僕のネットワークに連なっている、30~40代の若手がメインとなった優秀な農業法人の指導者が、米・野菜・果樹の生産技術、土づくりの基礎と、農業経営の方法、流通、マーケティングについて授業をします。

座学と実習の二本立てで、実習については法人の方で受け入れ可能日程を提示し、参加できる人が参加するという形態です。

8月から開始で、毎週水曜日の7時くらいから都内で開始する予定。全20週間でカリキュラムを組んでいます。一通り終わると、農業の一年のサイクルがどういうものかが分かり、就農・または就職に必要な基礎知識が身に付くようになっています。初回ということもあり、8万円以下で参加できるように設定しようとしています。

こういった就農支援セミナーは既存のものもいっぱいあるのですが、とにかく現在現役でバリバリやっている各分野の人たちが集まっています。正直言うと、生徒さんに教えることよりも、教える僕ら自身のネットワーク強化の意味も強い。

また、ここで講義された内容をまとめて、「21世紀農業への就職のしかた」みたいな感じで書籍化もしたいと思っています。ご関心のある出版社さんがいらっしゃったら、連絡を下さい。

ちなみに実はこれ、中央大学の総合政策学部とのコラボで実施します。中大のキャンパスを中心に開催し、中大の授業の一環としても機能しいます。一般の方は有料で参加となりますが、、、

ということで、7月頭に正式な告知と募集を開催します。30人くらいで始めようと思って居るんですがね。読者の皆さんで、周りに農業就職したがっている20~40歳の方がいらっしゃるという方、ぜひ耳打ちして下さいませ。

この件はまた告知します。よろしくですぅ

Posted by yamaken at 13:53 | Comments (11) | TrackBack

ラーメンオタクの聖地なのか? 茅場町「八島」のひんぎゃ塩ラーメンは絶品だ。

おうさるさんといえば、僕にジャポネ道を指南してくれたり、絶品トルコ料理「イズミル」を教えてくれた、食い倒れお仲間の一人である。彼の旨い店情報はかなり確度が高い。そのおうさるさんが、非常に強く行こう行こうと誘ってくれる店があった。それが「八島」である。

「茅場町のラーメン店「八島」に行きませんか? ひんぎゃ塩ラーメンが絶品です。 つまみも豊富で、飲めるラーメン店です。

私が運営しているmixiのコミュニティです。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=56192

もし時間が取れそうなときがありましたら、ご連絡くださいね!」

ふぅむラーメンね、、、と、この情報は、執筆で忙しいこともあって、しばらく寝かせておいた。このブログを昔から読んでくれている人にはもうお分かりだろうけど、ラーメンの登場回数は驚くほど少ない。そう、僕はそれほどラーメン好きではないのである。理由は簡単で、あまりおいしいと思うラーメン屋に出会ったことがないのだ。というと、きっとラーメンマニアの方々には怒られるのだろうけれども、とにかくラーメンにはそれほど惹かれない。まだ今のように人が並んでなかった頃の池袋・大勝軒のもりそばや、17年前に食べた熊本のラーメン北熊(ほくゆう)の本店の味など忘れがたいものもあるのだが、とりたてて好きというものではない。

ということでこのおうさるさんからのお誘いも、そんなに気が乗らなかったというのが真相である。しかしおうさる氏、この店には特別な愛着があるようで、再三に渡りお誘いがきた。ここは一発いってみるかぁ、と重い腰を上げることにしたのである。そしたら、

「ラーメン仲間がみなヤマケンさんを手ぐすね引いて待ってますよ!」

という。なんだなんだそういう趣旨なのか?
実はこのおうさるさん、ラーメンマニアの集いの一人である。ここから発した人に、かの築地王、そして先日のパスクワリーノオフ会にて通訳をしてくれた髭ちょうの加納さんが居る。彼らも呼びましょうということになったのだが、築地王、加納さんの二人からも連絡があり、異口同音に「用心した方がいいよぉ、変な人たちが来るからねぇ~」と言う。

ちょっと怖くなりながら当日を迎えたのであった。

■八島
東京都中央区日本橋兜町16-1
03-3666-9891

さて入店するとラーメンマニア、いや加納さんいわく「ラオタ(=ラーメンオタク」)らしき方々がテーブルを囲み、すでに熱いラーメン論議を交わしている最中であった。挨拶をしてその末座に加わらせて頂く。なんだかもう居住まい自体がラーメン!て感じの人たちばかりかと思ったが、普通の人たちに見える(当たり前か)。ちなみに、この左側の方はTVチャンピオンのラーメン王の回で準優勝した方であるとのこと。

おうさるさんも到着するが、すでに飲んできているらしく超ハイテンションである。先行き不安このうえない。

「さあ沢山食べて下さいねヤマケンさん!まずはこれ、家常豆腐食べて下さい!」

家常豆腐は四川料理の定番だ。そういえばこの店、つまみが充実しているときいたな、と思っていたら、旨そうなのが出てきた!

おーーー 豚肉と豆腐の厚揚げ、中国醤油の濃厚なソースがトロトロに絡まって旨そうである。

食べてみると、見た目どおり旨い!本格的中華の味ではないか!

「やまけんさん、実は厨房の彼女は中国から来た人なんですよ。我々は彼女の腕を厚く支持する者達なんです!」

そう、この八島では厨房内には女性が一人いるだけだ。この写真の左広報、カウンター内にいる方である。

実に福々しい顔をした方だ。注文を受け、「ふふん」という顔をしてサササッと調理する。余裕満々の料理人である。

「さあ、直接輸入した腸詰めがあるみたいですよ!」


中華の腸詰めはとにかく生ハムのように熟成された豚肉の旨味が最高だ。

直接中国から取り寄せているというこの腸詰めのコンディションはとてもよい。甘く生っぽいソフトなタイプの腸詰めであった。壁に貼っているメニューを観たらなんとこれで400円。さっきの家常豆腐もそれくらいだと言う。安いではないか!

この店のつまみメニューは250円から600円と安いものが揃っている。しかもかなりのレベルで旨いということがこの後に証明されまくるのである。

「はい、牛肉の刺身です!」


おお、脂身の少ないモモ肉が細切りにされ、りんごを添えて出てきた。このコンビは非常に会うのだ。

薬味醤油につけて頬張ると、しっかりした肉の香りと食感が嬉しく溶けた。

というように運ばれてくる皿を楽しんでいる最中も、ひっきりなしにラオタの方々が登場する。

この写真で真ん中に立っている方はTVチャンピオンのラーメン王になった方だそうだ。つまりチャンプと準チャンプが集まったのだ。しかも隣には築地王が居る。すんげぇなぁ、、、こんな人たち集うリアルコミュニティがあるのだ。しかもこの日の後半には、かのカリー番長も登場した。なんだかすごいことになってしまったのである。

どうやら皆、スペシャリティを持っているようで、「この人はうどん!この人はカレー!」というような感じでご紹介をいただいた。僕のような広く浅くの人間とは違い、一本の道を深く掘り下げるその姿勢は凄まじい。口角泡を飛ばしまくって議論をしているその様は、とてもじゃないが僕には真似できないのであった。

■砂肝山椒煮(400円)

鶏の煮こごり状ゼラチン質の絡まった砂肝は、絶妙に中央部分がピンク色で、魅惑的な食感だ。

花椒の香りが柔らかく効いた旨い一皿だった!

■レタスのオイスターソース掛け(400円)

レタスは火を通して食うと旨い!特にこの、湯引きか炒めてのオイスターソースかけは旨いのだが、この店の一皿は400円にしては安すぎないか?というレベルだ。

レタスのシャックリ感を残しながらしんなり脱水させ、程の良いオイスターソースがかかっている。旨い。

そして僕が泣きそうになるほど気に入った一皿がこれだ。

■豚肉のニンニクソース掛け(600円)

この一皿、文句なしだ。生レタスの上にゆで豚が載っていて、ねっとりしたニンニク風味のソースがかかっている。

デートの前には絶対に食べてはならないが、激旨だ。この料理が最も気に入ってしまった。

さて座は入れ替わり立ち替わりで人が増えていく。

いつのまにかSPJこと加納さんも加わり、議論の声のデカサが倍増しつつある。
そんなタイミングでようやく麺である。ひととおり全部頼んだのが順々に出てきた。

この店を有名にしているのが、「ひんぎゃの塩」という伊豆の離島である青ヶ島産の塩で味をつけた塩ラーメンであるという。そこに海老ワンタンを載せたのが、この店一番のお勧めであるとおうさる氏は言う。

■ひんぎゃの塩 海老ワンタン麺

写真ではちょっと着手が遅く海苔がへたってしまっているが、とにかく淡く控えめな外観のスープと佇まい。そこに逆に旨そう感が漂っている!

スープはこの通りの透明な白濁感だ。一口啜ってみる。

おおおおおおおおおおおお
これは旨いなぁ!

ミネラル分のタップリ含まれた塩なのだろう、それがあっさりとしながらも芯の通った魚介系のスープにマッチして、えも言われぬ香りが発生している。

このワンタンがまた旨い。海老のプリプリと肉の旨味が一緒に味わえる。ワンタン皮はツルリとしており、スープと非常にマッチしている。

残念ながら話をしながら並行して何種かのラーメンを食べることになったので、麺がすこし伸び気味になってしまった。しかし、この麺も細めながらツルリとしたテクスチャ、癖のない風味で、スープと合っている。文句なく旨いラーメンである。

この他、醤油ラーメンと辛味噌ラーメンも食べた。

醤油ラーメンも、醤油があっさりめに使われているのでドブドブしておらずおいしい。

辛味噌ラーメンは麺が太麺に変わる。


太麺の食べ応えはかなり強い。辛みそスープが上品さを保ちながら濃厚なので、この太麺にマッチしている。

と、3種の麺を食べたが、やはりこの店のスープと麺には塩ラーメンが一番ピッタシ来る感じがする。実に感動的に美しいラーメンだった。こんなに多くのラオタが席に着いているのだから、それも当たり前かも知れないが、僕のようなラーメン知らずにも非常に美味しい麺であった。

しかし密かにそれ以上に気に入ってしまったのが、チャーハンだ。

一皿700円。特別メニュー的に壁に貼っている。

ぱらりと言うよりしっとりと炒められたこの焼きめし、実に素朴に旨い!ラー麺とチャーハンの双方を食べるべきだな。それに豚肉ニンニクソースというのが、僕の気に入った料理群である。

この日、さんざん食って、みんながまだ飲み足りないと言うので、これもおうさるさんのお気に入りの立ち飲みバーに寄ってさらにしばらく飲む。閉店後ももう一件とおっしゃるのだが、我々はここで離脱。ラーメンオタクの皆様の活力恐るべしである。

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さて、この日はおしゃべりとか、酒を飲みながらだったので、正直言って自分の味覚感に自信が持てなかった。そこで後日また訪れて気になる皿を食べてみたのである。

厨房内の彼女は「ああ、いらっしゃい」とニッコリ笑ってくれた。そしてテーブルにはやはりラーメンオタクの方々がすでに飲んでいらっしゃった!

さあこの豚肉ニンニクソース掛けからである。

やっぱり絶品!豚とレタスと一緒に食べると、シャクシャク感と瑞々しさ、ニンニクソースの旨味が重なり合って最高である!

そしてひんぎゃの塩ラーメン。


やはり端整で美しい佇まいだ!

スープは本当に淡い色だ。一口啜る。先日の、ちょっと酔っぱらった舌では感じられなかった複雑にしてサッパリとした旨味成分と香りを感じる。旨い!

先日はすぐに口に運べなかった麺をすぐさま啜る。

旨い!

この麺、実に繊細だ。ツルツル感の強い表面、美しい食感のコシ、淡泊な香り。全てがスープとの相性を考えた要素だろう。いやこれは文句なしだ。ラーメンはそれほど得意じゃないが、この店の塩ラーメンは食べたいと思う。

ラオタの方々との強烈な出会いもさることながら、この店の独特な雰囲気も堪能した。実はこの店、すごくいろんな経緯でここ茅場町に来ているのだが、その話はぜひこの店に来て、ラオタの方々に訊いて頂きたい。この店の、想像を絶する深い歴史が聴けることだろう。

八島、旨い!日本橋の事務所から歩いてもすぐだ。常用したいと思う。ちなみに昼もやっているので、ランチとしてもいけそうだ。おうさるさん、そしてラオタの皆様、歓迎して下さってありがとうございました!

Posted by yamaken at 01:47 | Comments (9) | TrackBack

宮崎マンゴー大襲来 あと少しで旬が終わる!

過日の披露パーティの席上、一つあたりの単価が最も高かった食材は、もしかしたらこいつかもしれない。宮崎の西都市からどどーんと15Kgも運ばれてきた完熟マンゴーである

アップルマンゴーの産地は沖縄・宮崎が有名だ。沖縄の石垣島はマンゴー産地として有名であるし、地温の高さでも沖縄は九州より有利ではある。

しかし、気候条件だけでは勝負は決まらない。宮崎の土質で、ハウス内で温度をかけながら絶妙な肥培管理で栽培するマンゴーは実に旨味が載る。マンゴーは自然に枝からボトリと落ちる瞬間が旨いので、全ての果実と枝にストッキング様のネットをかけ、落ちた果実がネットで受け止められるようにしている。

宮崎といえば僕の弟分を自称してくれている沼口君である。某農協で残留農薬の検査業務のエキスパートを任じながら、産地の生産者から厚い信望を集めている心優しく熱いオトコである。

「アニキ!披露パーティにはマンゴーたんまり持っていきますよ!」

と、むりくり15Kg捻出してくれたのだ。披露パーティ当日、このマンゴーは出た瞬間にあっというまに人だかりがし、皆が卒倒しそうになるほど美味しがり、そして瞬間的に消えていったらしい。口に入った人、貴方はラッキーである。

さて 披露パーティでは満足に食べられなかった僕らを気の毒がって、後日彼から新居にマンゴーが届いた。なんと6玉入りである。

「これはでかすぎて規格外品ですから安いんですよ!ばんばん食べちゃって下さい!」

確かにデカイ!ご存じの通り市場流通する青果物には等階級というものがあって、それ以上のものもそれ以下のものも、規格外品となってしまい、正規ルートでは安く買いたたかれてしまうのだ。でかければデカイほど嬉しいのにね。ふふふ

さてこのマンゴー色んな剥き方があるけど、簡単なのはピーラーを使うものだ。切れ味のいいピーラーを使わないと良くないけどね。

こんな風に周りの皮を剥いていき、スッポンポンに剥いてあげるのだ。

ででーん これがスッポンポンである。
マンゴーには真ん中に平べったい種がある。出来る限り種に沿って3枚におろし、あとはぶつ切りにすればよしである。

このアップルマンゴー、完熟だから歯をそっと入れるだけで甘美なジュースがほとばしる!トロピカルな、しかし上品で高貴でなおかつコクのある、奥行き感バッチリの味と香りだ。これを毎食後に食べてしまった。贅沢な生活である。披露パーティでは裏方の裏方に徹していたため何も口にできなかった加賀谷を呼んで食べさせると、泣いて喜んでいた。妻の華子のお父さんが来宅した時に食べさせたら、「いいムコをもらった」と喜んでいた。

くだらないことに気付いたが、この写真↓、イギリスのプログレバンドGENESISの、その名も「GENESIS」というアルバムのジャケットに似てないか?

さて
実はこのマンゴーもうそろそろ終わりの時期だ。それでもどうしても食べたい!取り寄せたいという人はこのコメント欄にリクエストしましょう。西都の沼口君がなんとか確保してくれるかも知れません。

Posted by yamaken at 00:55 | Comments (23) | TrackBack

2005年06月29日

沖縄キングタコス万歳!

 先週、加賀谷が沖縄に行って、キッペイら沖縄軍団との饗宴を繰り広げてきた。

■加賀谷のモブログ
http://www.kagaya.com/archives/2005/06/post_841.html

僕は加賀谷のモブログを観ながら「いいなぁ、いいなぁ」と羨ましがっていたのだが、そんな僕のために、やつらはキングタコスのサルサソースをゲットしてくれたのだ!

■キングタコスについてはこちらを参照
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000687.html

「へーい ヤマケンのためにサルサソース10人前分くらいもらってきたよーん」

おおおおおおおおおおおおおおお
愛してるぜ加賀谷!
速攻で仕事を切り上げ、何やら怪しい長電話をしている加賀谷宅のドアベルを鳴らしてサルサソースをゲットする。

もうすっかり心はキンタコモードである。事務所からの帰り、銀座にある沖縄のアンテナショップ「わしたショップ」にてタコスミートを買う。ホーメルのとオキハムの2種類があったので両方買った。どうせ大量に食うんだから、、、

銀座からの帰り道にある「肉のハナマサ」にて、カットチェダーチーズの1Kgを買う。そう、チェダーチーズじゃないとタコライスは旨くないのである!レタスも買うが、128円と安値だ。この空梅雨で、おそらく盆あたりには葉物野菜が高騰するし、果樹も相当高値になるだろうな。と思いながらレタスは3玉買い込んだ。

とにかくご飯を炊いておくように家人に連絡。自転車を走らせ(僕は自転車通勤である)、一路木場へ。

家に帰ると何よりも先にボウルに氷水を張り、レタスの芯を手でくりぬいて漬け、パリっと蘇生させる。なんと長島農園からトマトが他種類届いていたので、これをざく切りにする。

ご飯を皿に盛る。家人のと比べ無茶苦茶量が多いように見えるだろうが、ほんの2合分程度である。

オキハムのタコスミートを温めてご飯の上に盛る。オキハムのではホンモノの味にならないということは承知だが、仕方がないのである。

その上にオレンジのチェダーチーズをごっそりとかけまくる。

なにせ1Kg入りのを買ったから、どれだけ載せてもいいのである。これでもかこれでもかといわんばかりに載せる。

そこにレタスの千切りをワシッと載せ、ざく切りのトマトも載せる。レタスは金気を嫌うので、包丁で切るのは好きではないのだが、タコライスの場合はこの方が旨いので仕方がない。

さてここに、わが愛すべきキングタコスのサルサソースをドブドブとかける!

この写真はもうすでに半分以下に減ったタイミングのものである(←食うのに忙しかったのだ)

さあ完成だ!後はもう食べるだけである!

サルサソースを下の具と絡ませながら口に運ぶ。サルサの強い辛みと酸味、タコスミートの旨味、そしてシャクシャクしたレタスと、まったりとしたチェダーチーズの風味が重なり、激旨である!

おっと忘れてはならないのが、キンタコには欠かせないルートビアである!

先日の披露パーティ時に、キッペイ達が沖縄からA&W(エンダー)のジョッキを持ってきてくれたので、これを冷凍庫でカキンカキンに凍らせたのに缶入りルートビアを注ぐ!コレで気分だけは沖縄である!

大満足!

しかしあれだな、キンタコのサルサソース、本当に不思議だ。あっさりしていて、肉類の旨味はないので、トマトベースで非加熱で作られているのかと思うけど、まったくつくりかたがわからないや。でもまあどうでもいいのである。キンタコに行って食べるのがいいんだからな。

レタス2玉分、チェダーチーズ500g、トマト数個、ご飯2合半が瞬く間に消えた。しかし、沖縄の米と違い、秋田のネットリしたミルキークイーン(byひろっきい米)で食べたため、腹一杯である。しばらく動けなくなった、、、

加賀谷、キッペイ軍団、ご馳走様でした!

ビバ、沖縄! ビバ、キングタコス!

Posted by yamaken at 11:54 | Comments (8) | TrackBack

2005年06月28日

生産者必見。アグリセンサblogで、pHメータのモニタを募集します!

僕が運用を手伝っている農業用分析機器のディスカッションブログであるアグリセンサにて、スポンサーである堀場製作所のpHメータのモニタ募集をしている。

WS000025.jpg■agrisensor
http://blog.agrisensor.org/

現在、このアグリセンサで、「農業者が必要としている分析機器って何だろう?」というテーマでディスカッションが行われている。土壌や気象環境を簡易に計測・分析できる機器が求められているのだ。

その中で、土壌環境を分析できる携帯可能なデバイスへのニーズがあったのだ。これに応えるため、堀場製作所から2台の携帯型pHセンサを提供いただけることになった。


とはいっても 、本件は農業生産者・研究者限定である。周りにそういう人が居たらぜひ教えてあげて欲しい。絶対に喜ぶと思うので。

Posted by yamaken at 14:48 | Comments (1) | TrackBack

知られざる茄子王国・新潟の巾着茄子と梨茄子を食べた! ぐああああ 絶品旨い!

結論から言うけど、巾着茄子、梨茄子、共に凄まじく旨い!いやもう これにはやられました。

この茄子がきた経緯については、つい二つ前のエントリを読んで欲しいのだが、新潟のJINから届いたこの二つの茄子、巾着茄子(きんちゃくなす)のほうは、「蒸し茄子」(ふかしなす)にすべく、半割にして蒸し器で15分ほど熱をかけ、竹串がスッと通るくらいに蒸す。熱々を食べるのかと思ったら、JINから「冷やして食べた方が旨いです」という連絡があったので、冷蔵庫で冷やしてから食べた。

皮を剥いて蒸すのと、皮付きのまま蒸すのどちらでもよいということだったので、両方を試してみたのである。どちらもトロトロとした感じになるが、身肉はしっかりとした食感が残り、箸でつまんでも崩れることがない。これは、半割にした時に実感したように、果肉のしっかりした茄子品種だからだろう。通常の長ナス品種ではモロモロに蒸し崩れてしまってこうはならないはずだ。

さてカラシが手元になかったので、和歌山の津田君からもらったショウガをすり下ろし、ショウガ醤油でいただくことにした。

ご覧の通り身肉の部分はしっかりした組織を保ちながら、とろとろとふるえている感じだ。

一口に放り込んで噛むと、茄子のトロトロ肉質が舌にまでとろけながら、茄子のジュースがジュワッと横溢してきた!その香り、しっかりとした風味は絶品!

ううううううううううううううううううううう
                         旨い!

これは一本だね。蒸すという、ごくごくシンプルな調理法で茄子の旨さをここまで引き出せるなんて、他にはないだろう。通常、蒸し茄子といえば、中華でも酢と醤油と香味野菜をベースにしたタレをかけて食べたりするが、茄子自体に風味が乏しいためか、タレに技巧をつかい香り立つものにするのが通常だ。

しかし巾着茄子にはどっしりとした茄子の風味が強いので、これを活かすためには本当にあっさりとした醤油で食べるのが一番旨いと言える。いや絶品です。
しばらく、この茄子を使って色んな料理をしてみたいと思う。焼き茄子には向かないというか、地元では誰もやらないのだそうだ。何がいいだろうな。蒸して潰してトルコ風のディップにするか。揚げてみようか。いろいろやってみます。

ところで
茄子について書いておきたいことがある。それは「アクは抜くもんじゃない」ということだ。

よく料理本をみると、茄子は切った後、水にはなってアクを抜くということが書かれている。実際そうすると、数分で透明な水が茶色っぽくなり、多量のアクと呼ばれる物質が含まれていたことがわかる。

しかし、このアクこそが味の源泉である

栽培環境も整備されておらず、品種的にもまだ安定していなかった時代ならいざ知らず、今日の青果物に、アクを抜かないと食べられないようなものはほぼ無いといってよい。山菜のワラビなどには強烈なアクがあるが、それは栽培種ではない山菜だからである。

先日、週刊アスキーのホテルでご飯の取材時に、京都の宝ヶ池プリンスホテルのシェフである高垣さんと話をしていた時にもこの点では激しく一致した。

「そうなんですよ、賀茂茄子はアクを抜いたらいけません!アレが味になるんです!」

日本人は清潔神話が好きなので何でもあく抜きしてしまうが、日本料理の粋といえるような懐石を作るのでなければ、アクを味として活かすほうが良いのではないかと思う。すくなくとも、素材を入手したらまず生で、そして少々加熱して味を観て、その段階であく抜きが必要かどうかを判断した方がいいと思う。

今回の巾着、

実は今回、水に1時間以上さらしてアクを抜いたものと、あく抜きせず半分に割っただけのものを蒸して食べ比べをしてみた。結果は火を見るより明らかで、あく抜きしたものは風味に乏しくなってしまう。そのまま火にかけたものの方は、風味豊かで特に味の組成の複雑さがよく出てくる。

まあ、そういうことだ。

さてもう一つの梨茄子だけど、浅漬けにしてみた。

この瑞々しい断面をみていただきたい。小ぶりで堅く締まった肉質のためか、浅漬け液につけておくだけでは中まで浸透しない。重しを載せて圧しないと、うまく漬からないようだ。この写真のもそう言う感じ。

でも一口食べてみて驚愕。

あ、甘~い!

洋梨のような形だから梨茄子ということだったが、コレは違うな。強い甘さと、フルーティな香りが梨のような印象なのだ!刺身としても食べられるなこりゃ。

さて
あんまり旨いので、これ売りなよ、とJINに連絡した。あんましそういうことはやっていなかったらしいのですが、

「思い切ってやってみます!」

とのことだ。僕のエントリをみて旨そうだなぁと思った方は、注文してみてはいかがだろうか。いつものごとく僕には一銭のリベートもとりません。JINは実直なヤツなので、悪いものは送ってこないでしょう。もし食べたい方は下記をクリックしてみてください。

(発注方法は下記↓をクリック)

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配送・取り扱い期間:7月下旬~9月頃

1. 長岡巾着ナス:
   10~12玉(約2~2.5kg入り) 
   2900円(税込・送料別)

2. 梨ナス:
   25~30玉(約2kg入り)
   2400円(税込・送料別)

3. 長岡巾着・梨ナス詰め合わせ:
   長岡巾着5~6玉・梨ナス12~15玉 2700円(税込・送料別)

お支払い方法:銀行振り込み

送料はこちらをご参照

佐川急便・運賃表
http://www.sagawa-exp.co.jp/business/ryoukin/sagawa_faretable.html

問い合わせ・申し込みはメールでどうぞ(電話は受け付けません)

株式会社カネヘイ青果  担当:神保和弘
bejifuru@infoseek.jp

Posted by yamaken at 12:41 | Comments (7) | TrackBack

2005年06月26日

オーパ門前仲町店 水澤君がバーテンダーコンテスト世界大会に挑むカクテルはコレだ! 世界大会仕様ファンシーカクテル 「ウィンター・ジャーニー」

早いもので、バー・オーパ門前仲町店の水澤君が劇的な優勝を飾った昨年の全国バーテンダー技能競技会から一年が経った。あの大会のレポートは、僕のこれまでの食い倒れ人生の中で、自己ベスト5に選びたいと思えるものだ。競技会の緊迫感、水澤君との関係性、色んな意味で忘れることのできないイベントだった。

偶然にも、先週インデアンカレーを食べまくった大阪出張に、福岡で今年の大会が開催された。翌日の夜に西垣内に連れられて行ったバー「Besso」のマスターが今年の大会で準優勝をしたという偶然があり、昨年のことを懐かしみながらカクテルを楽しんだのであった。

そういえば、、、

「やまけんさん、そろそろ世界大会に出品する創作カクテルが完成します!」

と、オーパ門前仲町店の水澤君が2週間前に言っていたのだ!

そう、今年の大会が開催されたことで、水澤君は晴れて「前・チャンピオン」ということになったわけだが、実は今年、本番が用意されている。昨年度チャンプは、10月に開催される世界大会に出場することになっているのだ。

その出品創作カクテルができあがっているはずだ。覗きに行ってみようではないか。


ここのところ、週の前半の平日にいっても混んでいることが多いオーパ門仲店。混んでるのはいいんだけど、テーブル席に座る人がうるさく騒ぐことが多いのでちょっと困る。バーでは静かに会話して欲しいなぁ。と思うのであった。門仲にはいいバーはここしかないんだから、、、

水澤君に「できてる?」と訊くと、ニマっと笑って「出来てますよ~、ただ、デコレーションだけ、素材の関係で、出来ない部分もありますが、、、」とのことだった。何でもいい、とりあえず出してくれ!

世界大会では、出場者を大会運営者が各部門に割り振る。つまりテーマが上から決められるのだ。水澤君がエントリされたのは「ファンシーカクテル部門」

「ファンシーっていっても、よくわからないんですよ、、、日本の意味と海外の受け取り方も違いますし、、、昨年以前の傾向をいろいろ研究しないといけないんです」

と言っていたわけだが、果たしてどういうカクテルにしたのだろうか。しばらく前までは、デコレーションにとある果物を使い、針金でビヨンビヨンはね回るようにするとか色んなことを考えていたのだが、、、

と思っていたら、何やらカウンターの下でこね回している。団子みたいなのを作っているのだ。なんじゃそりゃ?

シェイクをしたのでショートカクテルになっているのだが、一体どういうのがくるのだろう。シェーカーから注がれたそのカクテルは、濃いピンク色、粒状感のある物体が浮かぶものだった。最後に柑橘系のピールを絞って完成。

「やまけんさん、これが出品カクテル『ウィンター・ジャーニー』です!」


ふふふ、なるほど!皆さんお分かりだろうか、グラスの左底になにか物体がくっついている。

そう、雪だるまである!ウィンター・ジャーニーというタイトルだけに、クリスマスムードで攻めているのか。たしかに大会が開催されるのは10月後半なので、丁度良いと言える。

「これに加えてスターフルーツなどをカットしたもので彩りを添えます。」

なるほどなるほど、では味はいかがなものだろうか、、、
カクテルグラスを鼻先に持ってくると、ブラッドオレンジのような爽やかに甘い香りが漂っている。最後に絞ったのはオレンジピールか。しかし、この傾向なら、カクテルの味としては良くあるものだな、、、

と思いながら一口啜った。

ん?

んん?

んんん?

なんだこりゃあ!?

香りと味が全然違うではないか!
口中に拡がったのは、完熟したベリー類の甘やかな濃い香りだ。オレンジ香は鼻孔から感じられるものの、口に含んだ本体からは苺の香りと甘さのほうが伝わってくるのだ。

「な、なんだぁ? 香りと味がコントラストになってるよ!」

と僕がビックリした顔をすると、水澤君がふふふと笑いながら解説をする。

「通常、カクテルの世界では、見た目と飲み口と香りが大きく変わってしまうのはいけないとされるんですが、そのギリギリのラインで攻めてみました。最後にするオレンジピールとご推察の通りブラッドオレンジの果汁の香りがしますが、中身は苺のソースとグランマニエをベースにしたものです。ファンシーカクテルにはグランマニエを使用することが規則になっているのですが、お酒はグランマニエだけです。実は40°もあるアルコールなので、それだけで結構酔いますよ。」

なるほど、なるほど! いやちょっと度肝を抜かれてしまった。

最近、再三に渡り僕が読み返している本に、山本益博さんの「エル・ブリ 想像もつかない味」がある。

4334031684エル・ブリ 想像もつかない味
山本 益博

光文社 2002-10-17
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この中で語られるエル・ブリの感動は、まさに「観ただけではわからない」感覚を裏切る楽しさとの出会いから生まれている。僕はまだエル・ブリの料理を食べたことがないけれど、、、
これは、料理の世界も現代美術のように、単に五感で味わうだけではなく、頭脳にもある種の刺激を入れることで楽しませるという方向性が入ってきていることを表している。そう、考えながら食べるのが楽しい世界というのがあるのだ。

水リンのこのカクテルの香りを味わい、そして液体を飲んだ時に鮮やかに感じた味と香りのギャップは、まさにこの世界を感じさせたのだ。これはちょっとすごいカクテルだと思う。

しかし、予想通り非常に甘い!

なんで予想通りかというとわけがある。

「この味は賛否両論でした。日本人の口に合うあっさりめのカクテルにするか、世界大会の主流であるヨーロッパ・アメリカの舌に合わせた、甘さと香りの強いものにするか。私は今回、世界の味覚で勝負しようと思い、この味に決めました!」

そう、カクテルの本場では、カクテルは総じてもっと甘くて濃いものらしい。そこに、日本人バーテンダーがこれまで大会で入賞できなかった理由もある。自分たちが美味しいと思うカクテルでは入賞できないのだ。

で、12月に開催された水澤君の祝勝会席上、お客さん代表として僕はこう言ったのだ。
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「先日、カツマタさんが世界大会で、味では2位という高得点を獲りながらも、全体では惜しくも破れてしまいました。実は野菜についてもそうですが、日本の素材の味は大陸のものとは違い、非常に細やかな味です。それを判別し味わえるように日本人はできています。だから欧米人には、日本の野菜の味が薄いと感じられる人も多い。

 さて、先日オーパで呑んでいたら、水澤君としてはヨーロッパで受ける味にするか、それとも自分ら日本人が美味しいと思うカクテルで勝負するかで悩んでいました。

 僕としては、ここは世界で勝つ味を選択して欲しい。 なぜなら、勝った人間にしか言えないことがあるからです。世界で優勝して、その席上でぜひこう言って欲しい。

『あなた方が飲んでいるカクテルは実は日本人の繊細な舌には合わない。我々はもっとデリケートな、こういう味を好んでいるのだ!』

と、世界に知らしめたい! そのためにも水澤君、勝ってください! 」
------------------------------------------------------------
ということで、この水澤君の選択を100%支持したい。

ちゅうことで、これからオーパ門仲店に行った時に、所望すればこのカクテルを出してくれるはずだが、無茶苦茶甘いのでご注意を。これが世界の味なのかなぁと思いながら楽しんでもらえればいいのではないかと思う。

世界大会は10月19日~25にちの旅程で、フィンランドのヘルシンキで開催される。僕ももちろん和服を着て参加するつもりだ。もしヘルシンキの旨いもの情報があれば教えて頂きたい。

ちなみにウィンター・ジャーニーとは、シューベルトの楽曲だそうだ。僕は聴いたことがない。今度CDを買っておこうと思う。

そうそう、雪だるまのマジパンはもちろん食べられる。マジパン団子を食べながらカクテルを飲むと、なぜか甘さが薄らいで飲みやすかったことを追記しておく。

Posted by yamaken at 18:28 | Comments (10) | TrackBack

知られざる茄子王国・新潟から巾着茄子と梨茄子到着!

梨茄子の説明部分を一部修正しました。

 過去3回のオフ会において、二回以上参加したことがある人は一人しか居ない。それは新潟在住のJINである。なんと僕と同じく青果物の流通の仕事をしている。新潟の市場にて仲卸をしているのである。オフ会のために新潟からわざわざ上京し、翌日も僕のエントリに掲載された店で食い倒れしながら帰っていく、笑顔の可愛いニクイヤツである。

競争率が高かった第二回の無二路に来てもらったのは、彼が新潟の大地震に被災した経緯があり、そのお疲れ様の意味も兼ねていたのだ。そのJINから、茄子を送るという連絡があった。

 約束していた長岡巾着ナスもある程度の量も出てきて、来週には送ることができそうです。

 まだ生り始めぐらいで正直実の締りが?ですが、大玉で良い物が出て来てます。巾着ナス作りの名人の○○さんから聞いたのですが、今はまだ生り始めなのでわざと大玉に作っているとのことで、最盛期の頃にはナスの樹も疲れてくる為、通常サイズくらいで収穫するとか。その頃の実の締まった巾着ナスも、時期が来たら他のナスと一緒に送るので食べ比べてみてください。

その○○さんのところに今年、料理の○人の○○○○さんからオファーが来たそうです。長岡巾着ナスを食べてみて「これは旨いナスだ。是非使ってみたい」って。

まあ正直、賀茂ナスなどで主流の水分が多く実の柔らかいナスと違って、水分が少なく実がしっかりしたナスなので評価は別れると思いますが・・・。

実は新潟は茄子王国である。以前も書いたと思うが、東北でも山形・新潟は茄子に関する美意識が、全国でも飛び抜けて高い。山形県には、初めて上京し、関東で通常売っている長ナスを見ると「あれ、なんで獲り遅れた茄子をこんなに売ってるんだ?」と思う人が少なからず居るそうだ。当然品種も多く、小ナスの段階で浅漬けにして楽しむことが多い。

そしてもう一つの茄子王国が新潟なのである!

新潟といえば実は大根でも地大根が多いことで有名なのだが、茄子に関しても、村が違えば
違う品種があると言われるほどに様々な品種に彩られているのだ。食べ方も浅漬けに始まり、田楽、焼きなす、蒸しなすといろいろなものがある。

さて今回JINが送ってくれたのは、彼の地元である長岡市の地品種である巾着(きんちゃく)茄子と梨茄子の二つだ。

巾着茄子とは、その名の通り巾着袋をキュッと絞った時のようなシワが果肉に寄るところから名付けられた、大型の茄子だ。

ヘタを下にするとこんなふうに巾着袋状のしわが寄っている。かなり手にずっしり来る大きさ・姿形である。

対する梨茄子は、洋梨のような形状と、甘みの強い果肉からその名が由来している。

一度品種として絶滅しかかったという記述をしましたが、品種違いでした。失礼致しました。

艶々とした果肉が美しい! この紫色はナスニンという色素による。一番手前の茄子を見ると、ヘタの下に色がまだ着いていない部分がみえるだろう。これは、太陽光にあたり色素が生成される速度よりも、生長が早いためにタイムラグで色づいていない部分が出てしまうのである。つまり成育旺盛の証拠だ。

写真でも見られると思うが、トゲがツンツンと飛び出ていて、手に刺さるくらいだ。そう、地茄子ってそんなものなのだ。

さてJINによれば、実は長岡では焼きなすにはあまりせず、巾着茄子は「蒸かし茄子」に、梨茄子は浅漬けにするそうだ。

長岡巾着は地元じゃ、終わり頃の皮の堅くなったものをカラシ漬けにする以外は、あまり漬けものにもしないっすね。もっぱら「蒸かしナス」にして食べます。

1.半分に切り、皮を剥く。(皮は剥かなくても可)
2.水に5分ほど晒し、あくを抜く。
3.15~20分蒸す。竹串がすぅーっと通ればOK。
4.蒸しあがったナスを縦に幅8mmくらいの厚さに切って、からし醤油または、生姜醤油をつけて食べる。

他にも味噌炒めや汁物に煮物他、色々試してみてください。長岡巾着には新しい調理法が必要ですから。

でも巾着ナスっていっても、たぶん想像しているとはまったく別物かもしれません。何年か前のビールのCMで中山○穂が食べてたものは、ここら辺じゃ巾着ナスとは呼ばないっすから。

なるほどぉ!
ということで巾着茄子は蒸かし茄子にすることに決定である。

もう一つの梨茄子は浅漬けなのだそうだ。

梨ナスも今日入荷がありましたので一緒に送っときます。長岡で梨ナスは主に浅漬け用に食べられていますが、炒めたり揚げ浸しにしても旨いです。

レシピを一応↓

梨ナスの浅漬け

<材料>   
なす…300グラム  水…400ミリリットル
食塩…16グラム   焼きみょうばん…0.5グラム
昆布…5センチ角

<作り方>
1.なすを水洗いし、塩とみょうばんを混ぜたものの半量をかけて3~5回かき混ぜる。
2.容器になすを入れ、残りの塩とみょうばんを水に静かにそそぎ、昆布をのせる。
3.1キロのおもりを乗せ、冷蔵庫に入れる。
4.6時間後におもりを半分に減らし、その半日後さらに半分にする。

よし、こちらは早速に浅漬けである。すぐさまミョウバン等を調合し、ボウルに漬けることとした。実際にはこれ↓に重しを載せている。

ちなみにこれが二つの茄子の断面である。

梨茄子の方が図体が小さいせいか、ミッシリと果肉が詰まっている。

JINが言うように、最近人気の水茄子のように、フワフワしてジューシーな果肉とは反対で、ミシッと果肉が詰まった感じがするのが新潟茄子の特徴と言えるだろう。その分非常に果肉の味が濃く、旨味も濃いのだ。

巾着茄子の果肉はこちらだ。

種子の詰まった心室が綺麗に分かれている。まだ最盛期とはおえないということだから、もう少し時期が過ぎてからのが本領発揮ということだろう。

我が家にはろくな蒸し器がないので、今晩にむけてどこかで調達することにしよう。蒸し茄子と、浅漬け。最高に旨そうではないか!食べたらレポートしますね。

Posted by yamaken at 13:23 | Comments (3) | TrackBack

2005年06月24日

し、〆切が、、、

本日、〆切が3本重なり。
最近気付いたら、色んな原稿を引き受けてしまっている。だんだん知らない内に真綿で首を絞められている感じだ、、、でも仕事がないのとは180度違う。有り難いことです。
思えば昨年の5月に独立した頃、とにかくやみくもに色んな仕事を引き受けていた。一年は早いなぁ。独立してよかった。

まず今テンパって居るのはこの「やさい畑」の次回号。今、字数校正まちです。なんとか仕上げるぞー

■やさい畑 夏号
家の光刊

この夏号では、イタリア料理の名店「アルポンテ」(日本橋濱町)のシェフが、カラフルポテトやキタアカリ、インカのめざめなどのジャガイモのスペシャル料理のレシピを出してくれている。初めてジャガイモの塩竃焼きを食べたけど、絶品! 上のリンクページにそのアップ画像を見られるようになっています。

それと農協さんの機関誌である月刊JA。

■月刊JA
全国農協中央会 刊

あと一冊は、日経RFIDという雑誌にトレーサビリティのことを書くんですが、やばいなぁ
間に合うのだろうか。かなり厳しい状況におののきながら、本日も家にいます。

では、復帰します。

Posted by yamaken at 14:52 | Comments (13) | TrackBack

2005年06月22日

アイラブ インデアンカレーと声高らかに謳おう 阪急三番街店 山田氏のルーかけ技に関する考察

孫さんの店でのたらふくの夜が明けると、相方は京都の友人宅へ行き、僕は一路大阪を目指した。

大阪、大阪、大阪。

僕にとって大阪とはインデアンカレーの街である!

河原町から阪急電鉄で梅田に着くと、すぐさま阪急三番街B2Fにエスカレータで降り、左斜め方向へと小走りながらインデアンカレー阪急三番街店へと向かう。

言うまでもないが、僕の著書「やまけんの出張食い倒れガイド」の中でインデアンカレーのページは超目玉コンテンツとして位置づけている。自分の本を自慢するつもりはないけど、ことインデアンのページ内容については、インデアンファンの方々には絶対に価値のあるものだと断言できる。おそらく今の時点で、僕の本以上にインデアンの社長さまが語っていただいている本は出ていないはずなのだ。

そしてその社長様のご発言中に「阪急三番街店は、特に出入りの多いお店ですね」という言葉があるくらいの繁盛店なのである!

昼の12時10分、この店が一番混み合う時間帯である。しかも土曜日。週末の土日は、平日にこられない家族連れなどが多く、凄まじい状態になるのだ。僕も列に並び本日の注文を考えている。

実は僕の定番はご飯とルー大盛り目玉ピクルス追加である。目玉とは玉子の黄身を二つ載せることだ。しかし本日は朝飯も抜き、昨晩の大飯もすでに胃袋の彼方に過ぎ去り、すこぶる快調である。ということで、入口食券担当の女性に初めてのオーダーを入れた!

「ご飯ダブルルーダブル目玉ピクルス追加!」

そう、ダブルとは二倍のことである!

「お客さま、ご飯とルーのダブルですと、レギュラー二杯分となりますが、よろしいでしょうか?」

「もちろんオッケーですよ!」と断言するとニッコリ笑って黄色プラカード2枚と、小さい紺色のプラカードを渡してくれた。ここで疑問が発生。

僕の本には、インデアンの全プラカードの色と大きさが、なんのメニューに対応しているかという表を掲載している。大阪につくまでの間、自分の本で確認していたのだが、おそらくルーダブルはピンク。ご飯ダブルは紺色の大。それに目玉ということで、玉子を表す茶色が二枚ついてピクルスの紺色小が来ると思っていたのだ。

しかし現実は違った!この謎は後で解かなければならないな、、、と0,001秒くらい思いながらカウンターを振り返る。ひっきりなしに出入りするお客さん向けにルーをかけながら、福永店長が僕をみてニヤっと笑う。

「あっヤマケンだ!」

と隣でご飯を盛りつけている山田氏に小さく言うと、カウンター内の店員さん全員が僕をみてニヤっと笑う。そういえばインデアン本社の広報をみている奥内さんによれば「全店の人間がヤマケンさんの本を読んでます」ということだったからなぁ。

しかし、超満員行列なので、余分に声をかけることはすまい。と思っていたらなんと、福永店長と山田氏の目の前の席が空いた!

「どうぞこちらへ!」

と福永店長が僕をスペシャルリングサイドへと迎え入れてくれた!

「本、拝読いたしましたよ。」

と小声で仰る。光栄の極みです。

この阪急三番街店でのラッシュ時定番の光景、副店長の山田氏がご飯をカッカッカッと盛り、福永店長がナチュラルなフォームでルーをかけるシーンが繰り返し展開される。

そういえば奥内さんいわく、

「福永店長は滅多に笑わないので有名なんですが、やまけんさんの本では笑ってますよね!実はインデアンの社員でもあの本で初めて笑顔をみたっていう人が多いんですよぉ!」

まじ?俺は結構福永さんの笑顔をみているゾ!ラッキーだなぁ、、、

さてルーとご飯ダブル目玉ピクルス追加はこんなんである!

わかりやすいようにレギュラーも載せてみると、こんな感じ。

当たり前の話だが、ダブルの場合はルーをレードルに二杯かけていた!なんという贅沢!うーむこれからはコレだな。

しかしなんだな、インデアンの社長様は「玉子は本当はかけるの好きじゃないのよ、ルー本来の味がわからなくなるから」と仰っているのだが、僕は玉子あったほうが好きなんだよなぁ、、、社長様、申し訳ございません。不肖のファンでございます。

さすがにダブルダブルは腹へのパンチが効く。店長以下全員に目礼をして店を出てJR大阪駅構内に居ると、インデアン本社の奥内さんから携帯に連絡がかかる。

「お着きになられましたか?お迎えにあがりますよ!」

そう、実はこの日、掲載の御礼も兼ねて奥内さんと飲みましょうということになっているのである!結果的には僕からの御礼どころか先方から御礼されてしまって恐縮千万だったのだが、、、

リーガロイヤルの滝の流れるティールームで奥内さんと色んなことを話し込む。その内容はここでは書けないので申し訳ないのだが、とにかく今秋オープンの東京店については、インデアンは気合い入りまくりである。

「もう今から綿密な計画で動いてます。期待していて下さいよ!無論、味などは全部同じです!」

そうだよな、そうでなくてはいけない!

それとさっきのルーダブルご飯ダブルのプラカードの謎が、いとも簡単に解けた!

「黄色プラカードはカレーのレギュラー・玉子入りですね。つまり、ルーダブルご飯ダブルと目玉というオーダーは、レギュラー×2として受けとるということです。」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なるほどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

言葉もない。そう言うことであったか。分量が多ければカードも多いという思いこみがあったが、真実は遥かにシンプルだったのである!

さてこの夜は奥内さんが強固に推薦する「野菜鍋」の店にいったのだが、その店は本当に衝撃の店というか笑激の店というか、、、凄まじい体験だったので別のエントリで書きたい。素晴らしく楽しい夜を過ごさせていただいた。

で、翌朝日曜日。大阪サンルートホテルから梅田まで歩いて10分。その途中の立ち食い「阪急そば」を通るとどうしても醤油味のダシが飲みたくなり、肉うどんを注文してしまう。アホだなぁ俺は、、、

さっさと食い終わって、ヨドバシの地下から阪急三番街へと急ぐ!10時10分、インデアンの開店直後である!

「いらっしゃいませ!」

おおおおおおおおおおおおおおおおお
店内には誰も客がいない!
やったぜ一番乗りか!

「ゆっくり食べられるなぁ、、、」

といいながら席に着く。まだ客が入っていないからか、ご飯盛りとルーかけは山田氏が独りで行っている。思えばこの山田氏のルーかけ美技「シャコッ」から全てが始まったんだョなぁ、、、としばし感慨にふける。この沈黙の名手・山田氏は本当に寡黙で、満足に声を聞いたこともないのだが、彼の人生はルーをかける際の「シャコッ」に凝縮されているので、それでよいのだ!

しかしながら本日のオーダーはちょっと違うのダ。久しぶりにまずはハヤシライスで攻めてみたい。

「今日はね、ハヤシ!」

「はい!」

と、厨房でハヤシが作られる。そう、ハヤシライスだけはお客さんからみえないバックヤードで盛りつけられて出てくる。このバックヤードで何が行われているかという謎が、最近の僕の最大のテーマなのである。

さて本日は瞬間的にハヤシが出てきた!

そう、みてお分かりの通り、インデアンのハヤシは独特である。ドミグラスソースでは全く無い!

ケチャップなのかトマトソースなのか、照り照りと輝くハヤシルーに大ぶりにザクザクと割られたタマネギ、ニンジンが絡む。グリーンピースとオレンジ色のコントラストが絶妙である。

口に運ぶと、ほどよく酸味が抑えられたルーの甘さと、タマネギのシャクッという歯触りがマッチしていて実に旨い!これはこれでアリのオリジナルハヤシライスなのである。

さっさと食べ終え、ご馳走さん。

「ありがとうございました!」

「いや、まだ終わりじゃないよ。」

と言ってカウンターへ。そう、終わるわけがないじゃないか!

「レギュラー!」

レジの女の子もニッコリ笑って「レギュラー一つです!」とカウンター内に声をかける。

ああしかしルーかけは目前で観たい!

「ちょっとルーかけるの待ってね!」と叫んで急いで席に戻る。さすが山田氏、数秒間でご飯を盛り終えている!

そして満を持して、マイ・フェバリット・ルーかけ職人・山田氏の美技である。連続画像でご覧いただきたい!

シャコッ!

美しい!というか、余程目をこらしていないと、手首の返しポイントが目にとまらない美技である。そしてこの連続写真の、レードルをもつ右腕の肘から先の角度に注目されたい。連続写真でそれほど角度が変わっていないのである!しかし下の写真では手首のスナップがクンッと返っている。

注目すべきは肘から先の部分以外にもある。皿を持つ左手がダイナミックに動くのである!そう、ルーをかける右手と、その受けをする左手がダイナミックに動くことが重要なのだ。なおかつ、下の画像では上体がわずかに後ろに反らされているのがわかるだろう。このように可能な限り軸をブレさせないように、力学的に無駄のないフォームがある上で手首の「シャコッ」返しがあるのである!

さあ ご馳走タイムだ! いつもうっかりピクルスをドドンと載せちゃってからカメラを構えるのを思い出すんだが、今回もそうだ、、、

しかし今回、インデアンラヴァーへの天からの贈り物があった!それはである!

今日の肉は、僕が通ってきた中で最大の肉塊である!うわーおヤッタぁ!

ホゴホゴと煮込まれたこの肉の大きさは、インデアンに通う者すべてが一喜一憂する重大要素である。

ああ、これで今日一日、幸せに生きていける、、、

カウンター内の女の子が水を注いでくれる。

「俺の本、読んでくれた?」

「読みましたぁ!」

ぽつぽつと他のお客さんも入ってきた。じっとり滲んできた汗を拭きつつ席を立つ。女の子が「ありがとうございましたぁ!」と朗らかに送るなか、山田氏はあくまでも寡黙である。いや一緒に言っているのかもしれないけどほぼ聞こえない。けどそれで佳い!山田さん、あなたはそのルーかけ道を貫いていただきたい。私はその全てを観ています。

二日連続インデアン。僕はしばらくこれで生きていけそうだ。

ところで東京進出の話題が、在京のブロガー達の間でも話題になっているみたいですね。トラックバックもいただきました。オープン時期についていろいろと情報が飛び交っていますが、僕が取材をさせていただいた4月29日時点では「11月初旬オープン」と仰っていましたよ。

今年の11月初旬は、何も予定を入れないでおこうではないか。


Posted by yamaken at 09:42 | Comments (11) | TrackBack

2005年06月21日

銀座 食学塾 本日であった

恒例の食学塾、なんと本日である。ちょっと僕は参加できない会が続いているのだけど、今回は僕の師匠さんである徳江倫明さん(著書「危ないものを作りすぎた」)と、あの有名な銀座のナイルレストランのナイルさんがパネラーである。

行きたいけどなぁ、、、本日も行けない。本来は自分が参加しない会の宣伝はしたくないんだが、僕も末座に加わっているので下記をご参照。

【タイトル】  『日本の食を支える世界の食材』

 第5回『銀座 食学塾』シンポジウムでは、「食の国際化」を話し合います。私
たちの豊かな食生活は、輸入食材なしには成り立ちません。銀座でも多くの外国料理
店が軒を連ねています。これほど海外の料理や食材が身近に感じられる時代はありま
せん。しかしそこに含まれる問題点も見逃すことはできないでしょう。 
 今回は輸入野菜の51%を占める中国で野菜の栽培・流通の管理を指導している
徳江倫明さん、フランス大使館の北上リグさんに加え、銀座にお店を持つ外国料理店
の経営者の方にパネラーを願いする予定です。日本人の食のスタイルがどうなるの
か、海外の食や食材について皆さんと考えていきたいと思います。

【日時】:平成17年6月21日(火)
   受付             18:30~
   第1部シンポジウム    19:00~20:30                    畜産会館
   第2部試食会&交流会  20:40~22:00                   紙パルプ会館パピエ

(続きは下記↓をクリック)

第5回 『銀座 食学塾』シンポジウム&交流会のご案内

 『銀座 食学塾』とは、「農」や土とは縁遠い銀座で、こだわり農業生産者と、
「食」を提供するお店、そして消費者の皆さんが出会う場です。
そして「食」に関連する「農業」、「健康」、「食育・農育」、「食の国際化」な
どのテーマについて意見を交換する場でもあります。ここから生まれる食や農の価値
観を、銀座から世界に発信していくことを目標にしています。

【タイトル】  『日本の食を支える世界の食材』

 第5回『銀座 食学塾』シンポジウムでは、「食の国際化」を話し合います。私
たちの豊かな食生活は、輸入食材なしには成り立ちません。銀座でも多くの外国料理
店が軒を連ねています。これほど海外の料理や食材が身近に感じられる時代はありま
せん。しかしそこに含まれる問題点も見逃すことはできないでしょう。 
 今回は輸入野菜の51%を占める中国で野菜の栽培・流通の管理を指導している
徳江倫明さん、フランス大使館の北上リグさんに加え、銀座にお店を持つ外国料理店
の経営者の方にパネラーを願いする予定です。日本人の食のスタイルがどうなるの
か、海外の食や食材について皆さんと考えていきたいと思います。

【日時】:平成17年6月21日(火)
   受付             18:30~
   第1部シンポジウム    19:00~20:30                    畜産会館
   第2部試食会&交流会  20:40~22:00                   紙パルプ会館パピエ

【参加費】 第1部 シンポジウム  一般1,000円                     学生  500円
      第2部 試食会&交流会 一般3,000円                   学生1,500円
(参加費は当日、会場にて申し受けます。)

【会場】   シンポジウム   : 畜産会館
               (紙パルプ会館向い側) 
       試食会&交流会 : 紙パルプ会館1階 ラウンジパピエ 
  (〒104-8193東京都中央区銀座3-9-11)
  銀座線「銀座」駅より徒歩2分(A12の出口)
 (お問合せ): TEL03-3584-8111(代表)
(アクセス): http://www.kamipa-kaikan.co.jp/)

             ~~プログラム~~

第1部 シンポジウム  (19:00~20:30)
           『日本の食を支える世界の食材』 

ファシリテーター

   藤田正美氏   フリージャーナリスト
1948年生まれ。東洋経済新報社で経済記者を14年勤めた後、ニューズウィーク日本版創刊に参加。
1994年から2000年まで7年間、同誌編集長、2001年より同誌編集主幹。
2004年に退社し、現在フリージャーナリストとして活動。

パネラー    

    徳江倫明氏  アファス認証センター代表
ダイエー勤務後、「大地を守る会」に参画し専務取締役。
「らでぃっしょぼーや」立ち上げ93年から代表就任。2000年から有機JAS農産物認証機関「アファス認証センター」代表。
現在、中国の政府や大学からの依頼で、中国での特別栽培農産物の栽培管理・物流管理のシステム作り参画中。

    北上リグ氏  フランス大使館広報部
 フランス滞在歴10年。味にうるさく、職場では「リグについていけば間違いはない」といわれている(いまは愛妻弁当)。自然食品と美味いものにこだわる父親の影響とか。10年間通った東京のフランス人学校の給食は、毎日フルコースだったそうな。自らも料理に腕をふるい、お菓子も作る(こともある)。モットーは「生きるために食べる」のではなく「食べるために生きる」こと。

    G.M.ナイル氏 ナイルレストラン オーナー             
     銀座ナイルレストランは、故A.M.ナイル氏が1949年創業。    
  G.M.ナイル氏は、2代目オーナーとして「日印友好は台所から」と父の意思を引き継ぎ、その味は、さまざまな年齢層のファンに支持されている。常連客には、芸能人も数多く、ナイルさん自身も歌舞伎出演の経験があり、多方面で、その才能を発揮している。


第2部【試食会&交流会】 (20:40~22:00)
   
 今回は、海外の料理で最も日本人になじみのある料理を集めて、交流会を開催します。 ご期待ください!

【定員】   70人  

【主催】  『銀座 食学塾』

【協力】  『未来塾21』
      『新世代の会』
      『日本オーガニックネットワーク』
  
【お申込み方法】
以下の内容をご記入の上、メールまたはFAXでお申込みください。
  
●記入事項  
1.氏名 2.所属(会社名等) 3.TEL&FAX 4.メールアドレス 5.紹介

●お申込み先  E-mail: shokugaku@a...  
  FAX: 03-5540-4118 TEL:03-5540-4117


*お申込みは、 6月16日までにお願いします。
 会場の都合で、70名を超えた場合お申込みをお受けできない場合があります。
 お早めにお申込みください。

・・・・・・・・きりとり・・・・・・・・・・・・・・・・
     第5回 『銀座 食学塾』 参加申込書

◎第1部 シンポジウム  (  参加 ・ 不参加  )
◎第2部 試食会&交流会 (  参加 ・ 不参加  )

1. 氏名
2. 所属(会社名等)
3.TEL&FAX
4.メールアドレス
5.紹介者(所属ML等)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Posted by yamaken at 09:57 | Comments (2) | TrackBack

絶品ヤンニョムで食べる名物焼肉店が京都・一乗寺ある! 焼肉 「いちなん」で嬉しい夜を過ごした!(後編)

「うちの店は南山というんですが、南山というのは全国に現在7店舗あります。僕の店は一乗寺にありますので、一乗寺の南山、略して「いちなん」です!」

京都の土地勘が全くないのでよくわからなかったのだが、一乗寺は京都駅から少し入ったところにある。河原町のホテルからタクシーでしばらく行った東大路通りのロードサイドに、目指す南山が発見されたのだ。


■「いちなん」 南山 一乗寺店
〒606-8114 京都市左京区一乗寺北大丸町51
電話番号 075-721-6937
営業時間 18:00-23:00
http://www.ichinan.com/index.html



Webページをみた印象とは違ってかなり(?)コッテリとした店構えだ!

表からバシバシと撮影していると、厨房内の孫さんがと目が合い「アハァー、恥ずかしいなぁ!」と笑いながら僕を出迎えてくれた。

「ようこそおいで下さいましたぁ!」


元気印の孫さん、人当たりの柔らかさは俳優のごときである。
入口脇に厨房カウンターがあり、テーブル席と座敷、そして二階席がある造りだ。

「二階席の上にも特等席があるんですよぉ!後でね、、、(ニヤリ)」

厨房に近いテーブル席に座り眺める。孫さんを含め3人がところ狭しと動き回っている。

メニューを観るとすべて良心的価格というか、学生が沢山入っているのをみても、大衆店価格である。

「やまけん、最初のビール何にする?ギネスでもいいし、ヨナヨナエールもあるよ!」

おっ じゃあまずはヨナヨナにしておこうかな!と、すたたたとアテがテーブルに並ぶ。

「まあまずはアテでビール飲んどいてね!肉とか焼いてくるからね!」

しっかり味の付いたキムチやナムルに加え、ズッキーニのナムルが出てきた。これがマジ旨。

熱を通ししっとりしたズッキーニがしんなり、シャックリとした歯触りだ。韓国産のズッキーニでないとこの味、このシャッキリ感がでないらしい。これ、おかわりしてしまいました。

それと旨かったのが、韓国風の塩辛。

「うちのお母ちゃんが、やまけんがくるっていったら『これだしな!』って作りに来よったんよ。」というその韓国風塩辛、よくこなれててビールのアテに最高であった!

さて そうこうしているうちに、京都大学農学部の若手助手ホープである大石登場。そう、しばらく前のエントリで賀茂茄子を送ってくれたのが大石である。

夜の予定がどうなるかわからなかったので事前には京都に行くと言ってなくて、今日になって「暇なら来てよ!」と連絡したのであった。

「いきなり呼ぶなよ~早めにいっといてくれよ~」

悪い悪い。でも来られてよかった!

「じゃあ、これ食べて下さいねぇ~ ハートですぅ!」

と孫さんが出してきたのが、牛の心臓ハツ、関西ではハートである。

ニンニク醤油で和えられたハツは、シャッキリトロリとした歯触りで鮮度の高さを間違いなく感じた!

この一発で内臓系の仕入れの素晴らしさを確認。続いてレバーがやってきた!


胡麻がまぶされたレバーを岩塩入りごま油に浸して食べると、このレバーがまた甘い!

色も赤身麗しく、綺麗な内臓だ。

「旨い!孫さんモツの仕入れ、いいですね!」

「うーん、やっぱりどこの業者さんから仕入れるかで決まっちゃいますからねぇ、うちがお願いしているところは、素晴らしいんですよぉ。だから僕は殆ど何もしれないんですけどねぇ(笑)」

さて お次は僕が取り寄せて感動した蒸し豚2品が出てきた!。

「手前のがアゴ肉、奥のが三枚肉です!」

皮付きの絶品蒸し豚は昨日紹介したばかりだ。そして割と堅いはずのアゴ肉が、ブリブリと歯を押し返す食感に柔らかく蒸し込まれている。

この蒸し豚の旨さを100%引き出すのが、韓国オフクロの味とも言える辛酢みそ「チョジャン」だ。

蒸し豚を食べる時にはいつも、韓国では豚の食べ方が洗練されているなぁと感嘆せざるを得ない。蒸した豚をタレに漬けて食べるだけで、なんて複雑玄妙な旨さを現出できるのだろうか。

まあとにかくこの「いちなん特製蒸し豚」は一度食べてみて欲しい。もう僕は自分の家で蒸し豚食べたい時は孫さんにお願いすることに決めた!

「はい~ やまけん、生ハム食べてねぇ!」

おお、出た!これは生ハムと言っているけど、冷燻された豚肉である。ベーコンの食感というより本当に生ハムに近いのである。

「うわっ 本当に生ハムみたい、、、ネットリしてる!」

と大石も喜んでいる!

冷燻と温燻の違いは一目瞭然である。どちらが美味しいということではないが、いずれ僕もぜひ冷燻にチャレンジしてみたいと思わせるネットリ感、風味であった!

「じゃあその生ベーコンとウインナーを焼いてみて下さいね!」

と出てきたのがこれだ!

このウインナーがまた旨いのだ、、、ウインナーは凄く塩梅が難しくて、過剰に味を付けるとしつこくなって旨くない。ギリギリ薄目の繊細な味加減が必要なんだが、いちなんのウインナーは絶妙なのである。

「ほい、豚焼いてきたよ!」

とカウンター内で焼かれた豚の肩ロース。

ゴロゴロとしたニンニクと一緒に食いまくったので、明日の吐息はもう想像したくないのである。


お次は豚三枚肉をサンチュに包み、特製のゴマだれを塗って巻いて食べる「サムギョプサル」である。


「鶏も焼けたよぉ」

焼き加減が重要なネタは厨房内で焼いてくれるのがこの店の特徴。カリッと最適加減に焼かれて出てくるのだ!

「はいぃ~ 今日はラムも焼いてみましたよぉ、火加減は保証しませんが、、、」

うおおおお 全然最高な火加減ですよ!の骨付きラムが出てきた!

ここは無二路か!というジューシーなラムである!

「学生向け焼き肉とは違うぞこれ、、、絶対に外観をもう少し変えた方がいいと思うけどなぁ、、、」と独りごちる僕であった。

「孫さん、モツ焼いて食べたいなぁ、モツ!」

「うーん やまけんゴメン!今日はあまり無くてね。関西ではホソっていう小腸くらいなんだけどいい??」

と言って出てきたホソがまた、とろける旨さなんである!

関東ではシロと言うけど、噛み切れないのが多い!ここのホソはトロッととろける感じで、しかも臭みが全くない端麗な味である!

「ぜーんぶ業者さんのおかげなんですよぉ。下処理が最高なんです。僕は本当に最低限の手間をかけるだけですよぉ」

と謙遜するがこの店、入店したらとにかくモツを大量発注するのが吉であろう。

さてこのいちなんのテーブルに乗っているステンレス缶がある。この中に満たされているのが、昨日のエントリにも少し書いた「ヤンニョム」である。

ヤンニョムは韓国の練り味噌というべきものだが、京都ではラーメン屋などにもこれが置いてあるらしい。しかし、このいちなんのヤンニョムは超特製なんである!

「実はですねぇ、、、やまけんに感謝しないといけないんです。まあどんな会のなんばんの粕漬けにヒントを得ましてね。もちろん僕、いの一番に買わせてもらって食べました!感動しましたよ、、、すごく複雑で美味しい!しかも、エゴマとクルミが入っているのに感動しました。で、うちで作っているヤンニョムにも使えないかと思ってね!クルミではなく韓国料理でよく使う松の実とエゴマを混ぜてみたんです!そしたら奥行きが深くなって本当に旨くなったんですよぉ!本当にいい食材を教えてもらって感謝です!」

おおおおおおおおおおお
まあどんな会のなんばん粕漬けがリスペクトされ、そして遠く離れた京都の地でこうやって美味しいヤンニョムに影響を与えている!素晴らしいことではないか!

このヤンニョム、うちに送られてきているのは、肉料理の際にかならず食卓に並んでいるほどの出現頻度である。どんな料理にも会う、万能調味料なんである!もし「いちなん燻製工房」で何か取り寄せてみようと思ったなら、絶対にこのヤンニョムを逃すべきではないゾ!

■いちなん燻製工房
http://www.ichinan.com/shopping-online.html

ここで嬉しいゲストが登場!絶品ケーキを焼いて下さった松下さんその人である!

本当に奥ゆかしい方で、最後の最後まで僕に名前すら教えていただけなかった。その方が披露パーティではフルーツケーキを焼いて下さり、来場して下さった。本当に嬉しかったのだ。

「松下さんのおかげでね、うちでノンアルコールドリンクで出してるアイスティーも美味しいのを教えてもらってね!」


というこのアイスティー、マジで絶品!「なんだこの薫りは、ピーチ?ローズ?何だかわからないけど複雑でフルーツ香がして旨いョ!」
アルコール大好きな人でもこのアイスティーは飲んだ方がいいゾ。脂が洗われて感覚をリセットできる!

松下さんも加わり、賑やかに鉄板が彩られていく。

カルビも脂を落とし、適度な部位にカットされているのに注目。

「僕は、脂を食べるような和牛の高いのは好かないんですよ。美味しいと思わない。赤身の旨さをきちんと味わえて、お客さんも安心して食べられる価格の牛肉を仕入れてます」

というのに僕も賛成。黒毛和牛の霜降り肉も旨いけど、サシが入れば入るほどいいという風潮には待ったをかけたい。実は僕のこのWebで焼き肉の話が入る時には必ず書いていることだけど、肉はサシより熟成が命だ!と思ってやまないのである。

「やまけん、イチボも食べてみて下さい」

と焼かれて出てきたイチボ肉も、リーズナブルで美味しい!

塊を焼いてレアで出てくるのを少し鉄板で温めて食べると、赤身のトロリとした旨さが立ってくるのだ。

〆はビビンパ。

「まだ食べるのぉ?」と言われながらガシガシ掻き混ぜていただく。この店のナムルは旨いので、ビビンパにすると最高に旨いだろう。ヤンニョムもタップリ放り込んで混ぜまくって、サンチュに包んでいただく。

この後、暖かいタレで和えた麺もいただき、満腹。お客さんも全員帰って片づけ進行中だ。

「そろそろ帰った方がいいかな、、、」と思ったら、孫さんがニヤッと笑って「第二部は上でやりましょう!」と。そう、この店の二階はライブハウスになっていて、そのまた上に登ると、気持ちのいい屋上なのである!

「ここはね、どんなに京都が暑くなっていても風がヒンヤリと吹いてて涼しいんですよ!大文字もばっちり見えますし、最高な場所なんです!」

おお、本当に居心地がいい!コーヒーが入り、静かに気持ちよくクールダウンするひとときがやってきた。


贅沢なことに、そのコーヒータイムのアテは松下さんのバナナケーキだ。しっとりとバナナタップリ、チョコレートも仕込まれたこのパウンドが最高に美味しいのだ!

なんで松下さんは絶品ケーキを売らないんですか?と訊くが、静かに微笑んで「そのつもりはないんですよ、、、」と言うばかりだ。夭逝されたご主人のことを想いながら焼いているというそのケーキや焼き菓子、絶品なだけに非常に惜しいのだが、いずれきっと他の人の口にも入るようになるだろうことを願って止まない。

「やまけん、これが僕の燻製器なんです!」

おお!これがあの数々の逸品を産み出す薫製機か!中に入っている煙突は、冷燻時には外に出て、室外でチップを燻して煙だけを誘因するようになっているのである。あー やっぱり屋上スペースとかあった方が燻製ってやりやすいよなぁ。ひたすらウラヤマシイ。でもまあ、燻製はプロに任せるか。

涼やかな一時を楽しみ、12時を回ったところでお開きにする。本当に気持ちのよい時間だった。

この屋上での会話で登った話題だが、いつか関西オフ会をやりたいとも思う。

「関西の美味しい店をもっと紹介しなきゃ!」

まったくである。「やまけんの全国出張食い倒れガイド」で関西編は、カレー三軒しか無かったしね。いずれやりましょう、、、

焼き肉「一乗寺 南山」は、ちょっとその前を通りかかっても気付かないような外観である。学生向けじゃないの!と思ってしまうだろうが、店主・孫さんのホスピタリティは最高である。ココでは書かない彼の波瀾万丈な半生と、南山という焼き肉レストランを巡る歴史は、彼の料理にいっそうの奥行きを与えていると思う。お金を無茶苦茶かけて、超高級な料理を食べに行くという感覚ではなく、工夫に工夫を重ね練り込まれた味、誠実な味を楽しみに行くのがいいだろう。予約する時に「食い倒れ日記をみて」と言えば、いろいろ用意してくれるだろう(と思う)。

今日も僕は、お土産に買わせてもらったまたあの蒸し豚とヤンニョムを食べるのである。ああ、夜が待ち遠しい、、、

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2005年06月20日

絶品ヤンニョムで食べる名物焼肉店が京都・一乗寺にある! 焼肉 「いちなん」で嬉しい夜を過ごした!

 どうにも気になる人、というのがいるものだ。孫さんはそんな人だった。今年の初めに企画された静岡でのオフ会に参加を申し込んできた人の中に「京都から参加したいです!」という人が居たのだ。いやさすがに京都からってのはなぁ、、、と思っていたのだが、、、しかし残念なことにオフ会は、主催者であり駿河若シャモ振興会の会長であった鈴木恵美子さんの急逝により、延期となる。
 そしてその後、この京都からの申込者である孫恵文さんから、「ぜひ味見をしていただきたい」という連絡と共に、自家製キムチとヤンニョム(韓国の辛い練り味噌)、ベーコンと焼き菓子が送られてきた。

「京都で小さな焼き肉屋をやっています。」

とあったのでなるほどと思ったのだ。送られてきたキムチは、やや甘めのヤンニョムで漬けられている感じ。これはおそらく焼き肉に合わせると最高のパフォーマンスを発揮する味にチューニングされているのだろう。旨かった。

そして一緒に入っていた、真空パックされたベーコン塊がまた秀逸だったのだ!この時写真を撮っていないのが悔やまれる。「生肉じゃないの?」と思うほどに生々しい生ベーコン。「冷燻だな」と少し薄めに切って口に運ぶと、まるで生ハムのごときネットリとした舌触りに、薄目の絶妙な塩加減だ。

「う、旨いゾこれ!」

とベーコンエッグ丼にして食べ、パスタにのせて食べ、と瞬く間になくなってしまった。

「こんな本格的な冷燻ができる設備を持った焼き肉屋なのか、、、」

冷燻とは、熱をかけないでじっくり燻す燻製方法だ。僕の過去ログで燻製(ハム・ベーコン)のエントリが多々あるが、これらは全て温燻といって、煙で燻す時に同時に熱をかけて肉に火を通す方法だ。対して冷燻は、熱源は肉に当てず、煙だけを煙突などで誘導して燻煙するので、このようなネットリした生肉味が残る。

「この人、タダモノではないな。少なくともすんごい食いしん坊だ。」

Webを検索してみると、あったあった、「いちなん燻製工房」。

■いちなん燻製工房
http://www.ichinan.com/shopping-online.html

燻製製品や蒸し豚など、旨そうなのが買えるではないか。ということで、ソーセージ、蒸し豚、ベーコン、カレーなどいくつか発注してみたのだ。

はっきりいって悶絶!全部無茶苦茶に旨かった!ベーコンの旨さはわかっていたが、繊細な味わいのウインナーが激烈に旨い。無二路からもらったクラテッロを食す会のパーティをした時にこのウインナーを焼いて出したのだが、「美味しい!」と瞬く間に15本くらいが消えていった。

そして絶品だったのが、蒸し豚である。

蒸し豚なんて自宅でも作れるんだけどな、でも切るだけでパーティに出せるから買ってしまおうという横着心で買ってみたのだが、一切れ食べてみて、自分の失礼千万な思い上がりを正すことになった。激ウマなんである。豚肉臭さが全くないのに、豚の旨味はきっちり残っている。そしてゼラチン質プリプリの皮が付いた蒸し豚なんである!これをスライスし、一緒に買ったチョジャン(唐辛子酢みそ)をつけて食べると、もう死にそうになるほど旨いのだ!

これでもう僕はいちなん燻製工房にどっぷりやられてしまった。こんなのを作る人の焼き肉の店が美味しくないわけがない。

「いずれ、京都に食べに行こう!」

そしてもう一つ。孫さんは、これらの肉製品を送ってくれる時に、「友人がお菓子を焼いているので」と同梱してくれた。

これもまたまさしく絶品なのである!

ガトーショコラがあるなぁ、と思ったら、デカイ栗が入っている。大ぶりに切って口に運ぶと、さっくり焼き上がった部分とチョコレートの生っぽさが残った部分のコントラストが見事である。そして、栗の直下にはチョコ塊が仕込んであり、カリッとした食感に突き当たって口が喜ぶのだ!

しばらくの間、ガトーは代々木上原のカストールにとどめを刺すと思っていたが、こういうやりかたもあるのだな、と感じ入ってしまった。

それ以外の焼き菓子も絶品。味の決まり方、焼き加減、整形の精緻さを観ても、どう考えてもプロか、10年以上、日常的に焼いてきた経験がないと到達しえないような味だったのだ。

しかしこのケーキ職人さんの名前やバックグラウンドを、なかなか孫さんは教えてくれようとしなかった。

「この方もやまけんファンなんですが、趣味で焼いているだけで販売はしない方針なんですよ、、、」

ますますつのる謎!一体どういう人なんだろうか、、、
何度か見事なお菓子を送って下さる中で、なんとその方が、先頃の僕ら夫婦の披露パーティ用にケーキを焼きたいと言って下さったという。是非お願いしたいと言うことでなんとか本名と連絡先を伺った。

その松下さんのフルーツケーキは、洋酒を一杯に染みこませたパウンドで、無茶苦茶風味豊かにして絶品なものだった。披露パーティで出したケーキはカストールのガトーショコラとこの松下さんのケーキの二種で、もちろんのこと超人気を博したのである。

時は満ちた。
このお二方に会いたい!

「京都に遊びに行こう!」

ということで今回、京都での夜が企画されたのである!
焼き肉「いちなん」と松下さんにお会いする旅である。そしてそれはやはり超食いしん坊の会になったのであった。

(続く)

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2005年06月18日

山形県の小松書店に感謝!

DSCF0024.jpg このブログ過去記事の山形県シリーズでよく出てくる一戸さんから嬉しい連絡があった!

「昨日、近所の本屋に行ったところ、なんと、レジ前に「やまけんガイド」ブースが!
店の方に聞いたら、

『すごく売れていて、並べるとすぐなくなってますよ!』

ということでした。写真撮らせてもらったので、送ります。」


とのことであった! まじっすか!? 東北編とか書いておいて山形県のことしか書いてなかったこのラブに応えてくれたのだろうか!

山形に行って本を買うなら小松書店に決まりである。

■こまつ書店 http://www.komatsu-shoten.co.jp/

Posted by yamaken at 10:47 | Comments (2) | TrackBack

現在京都・大阪出張中

これからインデアンカレーを食べに梅田に行く予定。
月曜日夜まで関西にいます。大阪近辺に3泊4日は初めてだなぁ。
更新、できればやっておきます。

関西の方、インデアン、ピッコロ、船場カリー、トクマサ以外に美味しいカレーの店があれば教えて下さいね。

Posted by yamaken at 10:40 | Comments (15) | TrackBack

2005年06月16日

こんな大・食い倒れ披露宴をやりました。(その3:イズミル編)

 ちょっと間が空いてしまったが披露宴ネタを続けさせていただきます。

 今回の披露宴のフードでは、前菜をシチリア料理の無二路とトルコ料理のイズミルにお願いしていた。イズミルは、阿佐ヶ谷にある超絶品トルコ料理店で、はっきり言ってこの店に出会うまではトルコ料理になんの魅力も感じていなかった。食い倒れ仲間のおうさるさんに連れて行って頂いた日、世の中にこんなに旨いものがあるのか!と驚いたことを忘れられない。しかも、見た目鮮やかで、本当に美味しそうな写真に仕上がっていたので、食い倒れ日記の中でも最もビジュアルに訴えるエントリになったように思う。数週間後にイズミルに足を運ぶと、女主人のエリフが僕を抱きすくめるのだ。

「スゴイよ!一日に5組くらいやまけんのWebを観てきたっていうお客さんが来るの!」

そして皆一様に「美味しい!」と舌鼓を打って帰ってゆくのだという。よかった。食い倒れ冥利に尽きるとはこのことだ。以来、エリフは僕のことを「おとうと」と呼んでくれている。厨房の中では寡黙なスレイマンが静かに微笑み、スペシャルなドネルケバブを削いで僕に出してくれる。

3月にこのイズミルの一周年記念パーティがあって、おうさるさん経由で僕と華子を招いてくれたので足を運んだ。結婚のことを伝えると、しばらくエリフが思案をしていたかと思うと、

「お願いですから、私たちにも何か出させて下さい」

と言ってくれた。日々客が大回転するこの店にお願いするのは大変だろうと思って控えていたのだが、有り難いことだ。喜んでお願いすることにした。ただし、披露宴が行われる日曜日はイズミルもランチがある。「私たちは行けないけど、おうさるが手伝ってくれると思うから、料理は出させて!」と言ってくれたのだ。おうさるさんとの検討の結果、あの極上トルコパンであるエキメッキ、そして3種類くらいの前菜カルシュク・メゼをお願いしたのだ。

当日、朝からおうさるさんと、トルコ大使館に勤めるアスルちゃんが駆けつけてきてくれ、テーブルには僕も食べたことがない前菜が並んだ!

当日、エキメッキを温めるホットプレートのようなものがある、ないでちょっとすったもんだしてしまったようだが、おうさるさんにはご迷惑をおかけしました。






もちろんこれらの見目麗しき前菜群はまたたくまに売り切れてしまったようだ!ちなみに僕の口には一口も入っていない。あーあ。

ということで、この御礼も兼ねて先日、イズミルに行って来た!

「あ~ 本当におめでとうねぇ!」

と言ってエリフはシャンパンを開けてくれた!

シャンパンをグラスに注いでくれているイケメンは、シェフであるスレイマンのおとうと君だ。
しかしこの店の料理は本当に旨い!トルコ料理であるとかそういうジャンルを超えて旨いと感じさせる料理なのだ。そして一つ言えるのは、野菜の使い方が無茶苦茶に旨い!この前菜盛り合わせの色とりどり感を観よ!食欲大喚起状態になってしまうのである!

この各種ディップ類を、超絶絶品のパンであるエキメッキにのせて食べる!


これがもう最高なんである。前菜の旨い店に駄店ナシ。イズミルはその筆頭であろう。

ちなみにこのエフェスというビールが、苦み少なく薫り高く、ほんとうにマジ旨である。ラキというアニス酒もあるのだが、個性が強すぎるので、料理に合わせるなら僕はこちらの方が好きである。

コクがあって、それほど臭みのないあっさりした羊のチーズがタップリはいったサラダを突いていると、スレイマンの必殺ドネルケバブが上がってきた!

正直、このドネルケバブを超えた旨いトルコ料理を僕は知らない!

薄く削がれた各種香辛料の染みこんだ肉片に、ローストされトロトロになったトマトと、薄切りタマネギにトルコ特有のスパイス(何かの種だそうだ)がまぶされたマリネをのせ、バターライスと一緒に口に入れる。

ドネルケバブマシーンには、羊の脂身を上に載せ、熱でタラタラと流れ落ちるようにしてあるので、薄く削がれた肉にも羊の芳香が薫る。もうこの一品で決まった!という感じなのだ。

そして最近のお気に入りはこのトルコ風ピッツァともいうべき「ラフマージュン」だ。
←最初、名前間違えてました。コメントでのご指摘ありがとうございました!

このキョフテ、そのまま食べるのではなく、添えられたトマトをのせてレモンを搾り、くるくると巻いていただくのだ。

かぶりつくと、「バリっ」という強い食感。そう、イタリアのピッツァのような生地ではなく、超クリスピーな強い生地なのだ。


薄さをみればピッツァとの違いは一目瞭然だ。バリバリの生地に、トマトと挽肉とチリの混ざり合ったソース、そしてレモンの酸味が絶妙に絡む。もうこいつにはノックアウトである!

と、スレイマンがメニューに載っていない特別の料理を作ってくれた。
カジキマグロのクリーム煮である。クリームソースにトマトがチラされて、何とも言えぬコクがあって旨い!

それと、白インゲン豆と羊肉の煮込み。

これは家庭料理って感じで、インゲン豆のトロトロになった粒状感のある汁がなんともしみじみ旨いのであった!

「あのねやまけん、トルコではこれをかじりながら食べるのよ!」

とエリフが開けてくれたのは、青唐辛子のピクルスの瓶詰めだった。

これが全然辛くなくて、風味があって、甘めのピックル液と相まってとても美味しいのである。


これ、手にはいらんかなぁ。家に常備してもいいと思う味だった。

さて食卓は佳境である。羊の串焼きシシ・ケバブが焼き上がってきた!

なんで肉を焼いただけなのにこんなに旨いのか、、、と思うのは間違いで、トルコ料理の香辛料の使い方は絶品である。魔法のような抑制された味付けで、肉の旨味が最大限に引き出されるのだ!

腹一杯! あとはライスプティングを頂いてのんびりする。

「今日も忙しかった!全部の席が3回転したよ、、、」

そう、イズミルもまた、予約が必要不可欠の店になりつつある。それはそうだろう、この店の魅力は先ず料理であるが、それ以上にスバラシイのがエリフやスレイマン、そして店員一人一人から発せられる絶妙なホスピタリティだ。エリフにあって話をすれば、誰だって彼女のことを好きに鳴らずには居られないだろう。本当に暖かい、一回会っただけでもう他人ではないと感じさせる、そんな人なのだ。ちなみにこの翌日は、なんとエリフの誕生日であったことを後で知る。エリフ、本当におめでとう!

実はもうすでに次なる本の執筆が始まろうとしているのだけど、今から予告しておこう。イズミルのことはぎっちりと書くつもりだ。だって、それだけの価値がある店なのだもの。
ああ、またあのドネルケバブが食いたい、、、

Posted by yamaken at 10:36 | Comments (8) | TrackBack

2005年06月15日

賀茂茄子万歳 ホンモノの京野菜は尊くて仕方がない!

 京都大学のセンセイをしている大石から、賀茂茄子が届いた。先日の披露パーティの際にお願いしていたもので、大ぶりのサイズのものが6玉も入っていた。感謝である。

 賀茂茄子は、この国で最もブランド力の高い野菜である京野菜の主力品種として知られるものだ。ただし、何が本当の賀茂茄子なのかということについてはいろいろと論議がある。その辺についても、ちょうど去年の夏に同じようなことを書いているので、読んでない方はぜひ覗いてみて欲しい。

■これぞ絶品 ホンモノの賀茂ナスをふんだんに食べる
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000381.html

さて
この賀茂茄子は正真正銘の賀茂茄子だ。まず、生産者の田鶴さんは京都の上賀茂で代々続く農家を継いでいる。賀茂茄子の「賀茂」はこの地名のことである。そして、この賀茂地区の風土により選抜されてきた種で作られたものが賀茂茄子なのである。田鶴さんの家には、代々伝わる種があるのだ。これぞ正統といってよい。

この美しい艶々とした紫皮、そしてヘタの部分に薄緑色の部分があるが、成長速度に紫色色素であるアントシアンの生成がついて行っていない、つまりぐんぐんと吸水し肥大しているそのただ中に採ったという証である。

スパンと割った断面をみると、そこには心室がいくつかあり、秩序だった組織に分かれていることがうかがえる。油で揚げたり焼いたりすると、この組織がはっきりと分かれて割れるので面白い。

さっそく熱めに切り高温の油で油で揚げてパスタにのせ、トマトソースで食べてみる。

断面をみて頂ければお分かりの通り、組織の塊ごとに、トロットロッと剥がれ、はずれていくのだ。

定番の田楽にするために揚げたら、少し表面を揚げすぎてしまった、、、

外はコンガリ中はしっとり。大阪・泉州名物の水茄子と比べて水分は多くはないが、その分、上品な薫りがするのだ。

茄子は身体を冷やす作用のある野菜だ。エアコンにあたるよりは、食べ物で調整した方がいい。夏場は沢山食べて、身体の陰陽の調整をしていこうではないか。

Posted by yamaken at 12:52 | Comments (3) | TrackBack

2005年06月13日

アグリセンサblog更新

WS000025.jpg堀場製作所とコラボで進めている農業向けセンサー機器の研究ブログであるagrisensor(アグリセンサー)の記事を更新しました。

■agrisensor
http://blog.agrisensor.org/

民間の気象情報会社であるウェザーニューズ社が、かなり刺激的な事業プランを立ち上げたというのが本日の更新記事なのですが、、、

その一つ前のエントリで、北海道の十勝でジャガイモ生産をしている十勝やっち君が、非常に困った問題に直面しています。十勝やっちだけの問題ではなく、十勝一帯に拡がる恐れのある問題なのですが、、、

ある企業が販売した種芋に、芋類の生産の最悪の敵といわれるシストセンチュウがくっついて伝染した可能性があるということなのだ。まだ調査中なのでなんとも言えないということらしいのだが、、、このセンチュウはジャガイモ栽培には壊滅的な力を持っていて、十勝全域が今後ゆっくりと汚染されてしまうことをおそれる声も多い。そんな現場にいる十勝やっちの生の声がコメントされています。

ということで、ご関心の向きは覗いてみて下さい。

Posted by yamaken at 20:52 | Comments (2) | TrackBack

食い倒れサポーターを募集します

さすがにもうダメだ。仕事が溜まりまくり過ぎて、一人ではさばききれなくなってきました。

昨年5月に独立して以来、一人で出来る範囲でのコンサルティングや取引を生業にしてきたのだけれども、おかげさまで引き合いが多く、食べていくことはできるようになってきた。そしてなぜか趣味的な活動としてやってきたこのブログのおかげで、思わぬ方向性の仕事が舞い込むようにもなってきた。有り難いことです。

しかし同時に、仕事が乱立し過ぎて、ただでさえ事務処理能力がない僕には回しきれなくなってきている。まだ、人をアサインするのは怖いのだが、バイトさんがいないとちょっと回らない状況だ。何より、食い倒れ日記の執筆を継続していくことが難しくなってきているのだ。クライアントさんも食い倒れ日記を読んでいる人たちばかりなので、「日記書く前にうちの仕事をしてくださいよ!」ということになってしまうのである、、、(涙)

ということで、唐突ですがサポーターを募集します。サポーターとしてはまず、食い倒れ日記の維持・インターフェース向上のお手伝いをして下さる方を募集します。そして、僕の仕事面でお手伝いいただけそうなバイトさんも、同時に募集してみようかなと思います。

■食い倒れサポーター

業務内容:
・食い倒れ日記のインターフェースの改造を手伝ってくれる方
・これまでの記事の県別インデックスを作って下さる方

あって欲しいスキル:(全部でなくとも大丈夫です)
・MovableType2.6と3.1の双方について少しは使える
・テンプレートを作ることができる

御礼:
・一回のまとまったタスク完成時に寿司処 匠 またはシチリア料理 無二路または 阿佐ヶ谷トルコ料理イズミル にてご馳走します。

■バイト

業務内容:
・Web作成・更新管理
・文献調査等
・報告書作成補助
        などなど

あって欲しいスキルなど:
・ブログエンジンの管理・運用
・報告書の作成できる作文能力
・農業・流通に関する知識
・食に関する関心

条件:
・詳細は応相談なのですけど、週2~3日程度の実働で、出勤はあまり必要ない形にしたいと思っています。
・私のオフィスが日本橋なので、週一回は顔を出せて、それ以降は自宅勤務みたいな形かと思います。できるだけ日本橋に近い処の方がありがたいですね。
・フルタイム業務ではないので、あまり職として期待しない方がいいと思います。ただ、農業や食関連の面白い動きに関わりたいという人には楽しいと思いますよ。

もちろん、サポーターとバイト兼任というのもアリです。

ご関心のある方はメールを下さいね。メルアドは本ページの然るべきところに記載してあります。
当然のことなんですが、冷やかしメールにはお返事差し上げませんのでよろしくお願い致します。

Posted by yamaken at 19:15 | Comments (3) | TrackBack

グレート山菜三昧の日々

いやもう
最近、山菜づいている。それもこれも、秋田県の食材指南役であるイトウさんのおかげである。

「今年も実家の裏山で獲れる山菜を一杯おくりますよぉ!」

というかけ声の元、本当にどどどどどどどどどっと届いたのだ!

先日来、何回か書いた「みず」も、赤みずと青みずの両方を送って頂いた。青みずの方は若干細めなので、みそ汁の具などにして、太い赤みずの方をたたきにして頂いている。

ちなみに僕のミズに関するお作法は間違っているらしく、農産物流通の大先輩であるA内さんからは

「ヤマケンちゃんねぇ、茹でる前に皮を剥くんだよ、茹でる前に。もうこれは実地で教えてやらにゃいかんなぁ」

などとコケにされまくりである(笑) ご覧の通りミズのエントリへのコメントも多く(皆様ありがとうございます)、東北出身の方々のミズへの愛着を感じる次第だ。ちなみに、ミズを湯通しすると、くすんだ色のミズが鮮やかな蛍光色のような緑色に変容するのだが、その証拠写真がこれだ。

手前に一本あるのが茹でる前、奥が1分ほど熱湯に通したものだ。全く色が変わっているのがお分かりだろう。光の加減で地味な緑色に見えるだろうが、実はド派手な蛍光緑色なんである!ここしばらくミズのたたきばっかりやって食べている。全く飽きないのだ!

さて今回入っていた中で最も感動したのが「山のアスパラ」と書かれて新聞紙にくるまれたものだ。ひょろんとした鮮やかな緑色をした茎の山菜で、みためはわりと貧相なので「ふうん」と思いながら塩ゆでにしてみた。

アスパラねぇ、こんな細い茎で、、、と思いながら口に運び噛んでビックリした!

本当にアスパラじゃん!

いや、アスパラよりある意味旨いかも知れない! アスパラガスのあの香ばしいコクのある香りが、この細い茎のなかに凝縮されているのである!

これはびっくり!思わず嫁には内緒で全部食べてしまおうかと思ってしまったほどである。いやもうビックリ。この山菜の正式名称を調べているのだけども、「しょでこ」てやつなのか「アイコ」なのかようわからん。知っている方がいらっしゃったらぜひコメントお願い致します。

それと、山菜の定番である山ウド。市販されている白ウドではなく、山間部に自生しているものだ。陽光を浴びているのでしっかり光合成しており、濃い緑色の皮部と、茎中の旨味を湛えた部分のコントラストが美しい。

本来的には酢みそでヌタにしていただきたいのだが、早く食べたくて、これも塩茹でにしただけで口にしてしまう。

ブワッと口中に拡がるほろ苦くも高貴な山の薫り。とても美しい!感動的な濃さである。

いや本当に素晴らしいなぁ、、、 山菜は。

山菜とは山が恵んでくれる菜である。農作物と違うのは、山菜は肥料をやらなくとも、世話をせずとも芽吹いてくれるということである。これは重要なことだ。山を歩いてみればわかるだろうが、何も肥料を撒いたりしないのにも関わらず、木々が青々と生い茂る。生態系の中で必要な栄養が循環するようになっているのだ。その中で芽吹いた山菜を、人間が恵んでいただくわけである。

山菜が栽培農産物と全く違うのは、人為的な肥料を全く投入されずに育つところにあるのだと思う。そう、完全に自然界にある養分をかき集め自生した野生植物の味の濃さに、有機肥料や化学肥料を与えられて育つ栽培農産物が敵うわけがないのである。無論、野生の山菜では計画的な生産などできないから栽培農産物が生まれたわけだから、それを卑下するのは絶対にあってはならないのだが、野菜や果物のあるべき原型は、山にあるということを忘れずに居たいものだ。

そして、山菜には必ずえぐみや苦みがある。これも重要なポイントだ。人間がデフォルトでは美味しいと思わない味がある。それを我慢して食べ続けていると、ある時点でいきなり「美味しい」と感じる瞬間が来る。こうやって味覚のダイナミックレンジが拡がっていくのだと思う。幼い頃から、糖分や油分といった、人間が学習しないでも美味しいと思ってしまうものだけで育てられてしまうと、こうした味覚のダイナミックレンジは拡がっていかないはずだ。そういう意味でも、山菜を食べるということは重要な文化だと思う。子供に山菜を食べさせるのは必須だと思うな。

ともあれ
今年は昨年以上に秋田の山の幸を楽しませて頂いた!また秋頃には秋田の旨いもんを巡るツアーがしたいものだ!

Posted by yamaken at 18:44 | Comments (9) | TrackBack

愛媛巡礼 じゃこ天を巡る冒険 with 二宮清純さんと堀江君 (二日目 その3)

もう腹一杯なんだけど、、、しかしこの旅の目的はとにかくじゃこ天である。しかもじゃこ天のもう一つ本場、宇和島に入っているのだ。

「なにが『もう一つの本場』だ!じゃこ天は宇和島の食べ物なの!」

という人も居るだろう。まあまあ、とにかくここから2店、宇和島じゃこ天のパラダイス巡りである!まずはこれも大手の島原かまぼこ店へ。パッケージはよく知っているのに、その製造元に来たなんてとても不思議な感じだ。

島原かまぼこ
愛媛県宇和島市祝森甲4668
0895-27-2345


中にはいると、充実の品揃えのケースの前で、若旦那であろう島原豊行さんが迎えて下さる。速攻で工場見学。二宮さんも堀江君もおばちゃん帽子をかぶる。ていうか僕もかぶっています(笑)

さて「大手」とか「工場」とか書いているけど、商品販売ケースの裏のドアを開けるとすぐそこが工場になっているのだ。そして、15人くらいの人たちが一斉にハランボを捌いている凄まじい現場をみた!

みなプロである!黙々と小さなハランボに包丁を入れ、頭と内臓を一気にそぎ取っている。

「頭はとってしまうんですね?」by堀江君

「ええ、堅過ぎるので食感が悪くなってしまうんです。」by島原さん

この人たちの黙然と包丁を操りハランボを捌く様が実に静かで地味で堅実で、素晴らしい。「とてもじゃないが機械化できません」というのはたしかにそうだろう。大型の魚なら機械化しようもあるが、ハランボは手のひらに収まってしまう小ささなのだ。

「うちではハランボのじゃこ天以外にアジをすり身にしたアジ天もありますが、材料費はダントツにハランボの方が高いんですよ。ハランボは一ケースで5000円以上しますからね、、、」

なんとビックリ!以前は獲りたくなくても獲れていたハランボが、かなり漁獲量が減っているのである。減少の理由はやはり生態系バランスのゆがみらしいのだが、いずれハランボのじゃこ天も希少価値のある高級食材になってしまうのであろうか。非常に不安になるのであった。宇和海と瀬戸内海も、温暖化の影響などで生態系に変化が出ているという。研究者も苦労していることだろう。関係各位のご健闘を祈りたい。

さて捌かれたハランボはすり身にされ、揚げられる。捌き場のすぐ横に、揚げ師が待機して油を温めていた!

じゃこ天の造り方はどこでも同じだ。すり身を型にはめ、油で揚げていくのだ。

この型にすり身をはめる時のちょっとした動作が気になった。平らに均すのではなく、微妙に指で押して凸凹をつけるのである。

アレは何でですか?と訊くと、島原さんは我が意を得たりとニヤッとしながら教えてくれる。

「宇和島のじゃこ天は手で押すことによって、火の通り加減が箇所によって違うものになるんです。一枚のじゃこ天に、火の強く通った部分と通りの柔らかい部分ができる。それが旨いんですわ!」

なるほど!そういうことなのか!

みていると、一枚一枚に微妙な指模様がついているのである、すごい!

「さあさあ揚げたてを食べて下さい!」


熱々のじゃこ天が回される。確かに適度な凸凹があるこのじゃこ天のテクスチャをみよ!島原のじゃこ天は今回の中で一番ダークな色のじゃこ天であった。

「うちのは、ハランボ100%に加えて、つなぎのでん粉を少ししか使ってませんから。余所のじゃこ天とは違います」

と、他地のじゃこ天とは違うとビシッと感じさせてくれるプレゼンテーションである。大根おろしをのせてかぶりつくと、やはり一番濃い味である。食感も硬めで、これは本当にハランボ100%に混ぜもの少なめのハードタイプという感じである。

「アジ天も食べて下さい!」

この写真の下にあるほうがアジ天である。

これもまた美味しかったが、アジの方が味が薄い。ハランボの濃厚さには味もかなわないのか、とちょっとビックリなのであった。

じゃこ天3枚にアジ天1枚。うーん 腹一杯だけど旨かった!

「ぜひ、このじゃこ天を日本全国に広めて下さい!」

という島原さんの熱はダイレクトに伝わった!

さてバスに乗ると「あと10分くらいで最後のじゃこ天屋さんに着きまーす」という。とうとう最後かぁ、、、
到着したのは、商店街の一角にある田中蒲鉾である。

田中蒲鉾(じゃこ天)
住所:愛媛県宇和島市中央町1丁目6番15号
TEL:0895-24-0215

さてこの店の社長の田中さんは、愛媛のかまぼこ界では有名なおっちゃんらしい。もうぼくは食い過ぎで苦しかったので、お話しとかは堀江君と二宮さんにおまかせである。

田中さんはかまぼこ原料には「エソ」しか使わないと言う。非常に大きな、型のいいエソを見せてくれた。

「これを安定入手するのが大変なんですよ」最近、入手できないアイテムが多すぎる。農作物とちがって海産物は海の中を覗くことが出来ないので、獲れた獲れないのアップダウンが激しく大変だろうな、と思う。

そんな田中蒲鉾のじゃこ天は、他のどの店とも違うオリジナルなものだった!もちろんハランボ100%のじゃこ天は、実にフンワリ、あっさりとした味なのである。

他の店では外側が香ばしそうな茶色になるまで揚げているが、田中のじゃこ天は揚げ色が着いたか着かないかのギリギリのラインで引き上げてしまう。だから水分も含まれており柔らかな食感なのだ。身肉はプリプリとフレッシュな感じが残っており、絶妙だ。

しかも、味付けが非常に薄口で優しい。

「うちのは本当にジャコの味をそのまんま楽しんでもらう味付けなんですわ。調味料はギリギリにしか入れてません」

そう誇らしげにいう揚げ師のおっちゃんが、大量に揚げたてのじゃこ天を下さった。

「いやぁ~ 食った食った 食いましたねぇ~」

こうして僕らのじゃこ天を巡る冒険の旅路は終わった。松山空港に戻るバスの中ではみな食べ疲れてぐったりしていた。もちろん僕も臨界点である(笑)

しかしそれにしても、僕にとっても今まで以上に愛媛を深く知る旅となったのであった。なんと言っても、どこで食べるじゃこ天も味が違う。同じ味なんて一つもない!

宇和島派と八幡浜派の違い、というのも感じてみたけど、僕には正直、どちらも美味しい!だって全然味が違うのだもの。だいたい、どこの蒲鉾店の人も一様にこう言うのだ。

「揚げたてのじゃこ天は、どこで食べても旨いですよ」

うん、それが全てだ。とにかく県外の人にじゃこ天の文化を味わって頂きたい!で、これが重要なんだけど、揚げたてのじゃこ天を食べてもらうには、愛媛に行くしかない!ぜひ愛媛を訪れて欲しい。

このblogにはまだアップしていないけど、このじゃこ天を食べるルート上には、日向飯(ひゅうがめし)という最高のぶっかけご飯がある!これは僕の本「出張食い倒れガイド」のメインコンテンツの一つなんだけど、とにかく愛媛はみかんだけではない、素晴らしい旨いもの満載の土地なのである。

僕は高らかに言いたい。
ビバ、じゃこ天! ビバ、愛媛!

今年はぜひ、愛媛を巡って頂きたい!

Posted by yamaken at 12:22 | Comments (4) | TrackBack

2005年06月11日

愛媛巡礼 じゃこ天を巡る冒険 with 二宮清純さんと堀江君 (二日目 その2)

なんだか愛媛出身者からのコメントが多く、とても嬉しいです。僕は今治で生まれてすぐに埼玉に移ったので、「育った」わけではないのだけど、埼玉でもオフクロの愛媛の味で暮らしてきたので、魚や蒲鉾は愛媛ラブなのであります。ま、そんな半端な愛媛人なので、南予の地名など間違いが多くてゴメンナサイ。メール等でのご指摘ありがとうございます。

そう、南予は、じゃこ天に関しては特に難しい土地柄である。なんつっても宇和島の人は「じゃこ天って宇和島のものだよ」といい、八幡浜の人は「じゃこ天は八幡浜のが一番美味しい」と譲らない。僕のオフクロの郷里の今治は東予なのでその辺の微妙な関係はぜーんぜんわからないのであった。

さて二日目の昼飯の時間にさしかかる。ていうか、僕は朝ご飯を食べ(おひつのご飯を全部食べた)、梶田商店で刺身とモチ麦ご飯を3杯とモチ麦うどんを1人前と芋炊きを食べ、おがた蒲鉾でじゃこ天と蒲鉾とちくわを食べるという、すでに食い続けの状態である。

「冷たいドリンクで一息入れましょうか!」

と、二宮清純さんの会社であるスポーツコミュニケーションのライターであり愛媛出身者なので今回同行サポートして下さっている石田さんが仰る。スポーツコミュニケーション社はライター軍団の集まりで、とにかくスポーツ関連の記事を日々マシンガン的に書きまくっているらしい。

■スポーツコミュニケーション
http://www.ninomiyasports.com/xoops/modules/news/

ちなみにこの記事が石田さんが書いたものである

石田さんも二宮さんも愛媛出身者だけに、愛媛のスポーツに関するトピックが濃い!野球やサッカーなどの球技が苦手な僕には余りよく分からない世界ではあるのだが、実に濃いドラマが展開されているではないか。ぜひ愛媛の「今」をお読み頂きたい!

■ゆずの里(高田商店)
愛媛県北宇和郡鬼北町近永1022
090-7572-3199

この鬼北町は、広見町・日吉村という二つの村が合併してできた町で、南予と高知県を結ぶ堺にある。高知と言えばゆず関連の商品が有名だが、この鬼北も昔から柚子が多く収穫されるのである。

キンキンに冷えた柚子ドリンクをいただく。このお店はそんなに歴史が古くはないらしいが、醤油蔵である。地域の人たちに直接販売するだけで、「顔が見えないお客さまには販売できない」と、他の販売ルートを持っていないという。柚子ドリンクは堀江君が「某航空会社の機内で出るやつより全然柚子の風味が濃くて旨い!」と絶賛していた。たしかに旨い。腹に溜まりすぎの僕にも清涼剤になってくれた。

「さあ、それじゃあご飯を食べに行きましょう!」

うおおおおおおおお
もう昼ご飯である。昼はとうとう宇和島入りして、鯛飯を食べる。

■かどや
愛媛県宇和島市錦町8-1
0895-22-1543

さて

みなさん鯛飯ってどういう料理だと思いますか?よくある鯛飯は、鯛の身を土鍋などでご飯と一緒に炊き込み、身をほぐして混ぜ込んで食べるものだろう。実は宇和島の鯛飯はそうではない。

甘辛い醤油ダレに鯛の切り身を入れ、玉子の黄身を入れて溶き、

そしてご飯にかけて食べるというものなのだ!

つまり鯛かけご飯なのだ。甘めの醤油ダレと鯛と、玉子の黄身の油分がマッチして実に旨い。お腹一杯でも掻込めてしまう。

「山本さん、もう一杯、茶碗じゃなくておひつにかけて食べてみて!」

と、愛媛側で企画を進めて下さっていた星企画の方々が、こともあろうにもう一つ一合くらいのご飯のつまったおひつを回してくる。しょうがないのでおひつ2杯分食べた。

「ぐあー もうお腹一杯ですよぉ、、、」

「次は鯛そうめんですよ!」

ぐおおおおおお
そうなのだ、実は鯛飯もいいんだけど、無茶苦茶立派な鯛そうめんが鎮座ましましているのだ。

宇和島の鯛そうめんは実に贅沢。尾頭付きの鯛を甘辛く煮揚げて、その煮汁でそうめん汁を作るのだ。

この日の鯛は、「地元でもこんなでかいのは10人以上の座敷じゃないと絶対に出てこない」という立派なものだった!

この鯛のみをほぐし、一人分の椀にそうめんと具を盛り込んで、甘辛い鯛の煮汁ベースのそうめん汁をかけたのがこれだ!

なんという端整な佇まい!美しいではないか!


この鯛そうめん、麺に絡む鯛の煮汁ベースのそうめん汁が実にコクがあって旨い。やや甘めの汁が、うどんよりはくせのあるそうめんに絡んで絶妙な味になるのだ!

鯛飯も旨かったが、僕はこちらのそうめんの方を有り難く頂いてしまった。お代わりを所望し、結局おひつご飯2つ分と鯛そうめん2杯食ってしまった。

んー
腹一杯である!

「さあ、では南予のじゃこ天を、宇和島派と八幡浜派の二種を食べに行きましょう!」

ま、まじ?俺はまだ食うの???
限界ギリギリの腹を抱えてバスに乗り込むのであった、、、

Posted by yamaken at 17:16 | Comments (13) | TrackBack

2005年06月10日

愛媛巡礼 じゃこ天を巡る冒険 with 二宮清純さんと堀江君(2日目その1)

松山、道後温泉で最も格式の高い温泉旅館「ふなや」で目覚める。結局、今回のメンバ3人とも自慢の温泉には浸からることがなかった!僕だけしっかり朝飯を食べて集合。

「今日は結構回りますよ!なので、大型バスで移動です!」

うおおおお本当に大型バスである。二宮さん、堀江君と共に乗り込み、本日のスケジュールを観る。

■2日目
④味噌・醤油の梶田商店(大洲)

⑤じゃこ天・おがた蒲鉾(宇和)

⑥ゆず商品・高田商店(広見)

⑦じゃこ天・かどや(宇和島)

⑧じゃこ天・島原かまぼこ

⑨じゃこ天・田中蒲鉾

⑩以降、現地対応

「最初は味噌と醤油ね。チョイっと舐めればいいんだな」

なーんて話していたのだが、全く甘かった!松山から小一時間、大洲(おおず)の河原に駐車し、古い町並みに入る。

最初の店、梶田商店の暖簾が見えてくる。若旦那と大旦那が半纏を身にまとい出迎えてくれた。

「こんな遠いところまでよくいらっしゃいました!」

この梶田商店のメインは言うまでもなく醤油である。四国の醤油は若干甘め濃い口が多いのだが、果たしてこの店のはどうだろう。二宮さん、堀江君とともに醤油蔵を見せて頂く。

この四角く区切られたコンクリの部屋一杯にドロドロに満たされているのが、醤油のもろみである。上の方は醗酵しぶくぶくと泡を立てている。

「うちは、通常の脱脂大豆での醤油だけではなく、丸大豆の製品や、もっと手をかけた再仕込み醤油というのも作っています。あとでごゆっくり味わって頂きますよ!」

そう、醤油や味噌を仕込む際には、コストの面から油を絞った後の脱脂大豆粕が使われていることが多い。丸大豆で仕込んだ方が旨いに決まってるのだが、価格差が1.5~2倍になるので消費者はどうしても安い方を選びがちだ。

でもね、醤油っていつも使うものですよ。基本中の基本調味料。それの質がアップすれば、なんだって美味しくいただける。500円の普及価格帯の醤油と、1000円の醤油を比べても、日々使って1ヶ月で使い切った場合、日々の価格で割って考えて欲しい。20円30円の差だろう。それをケチったところで微々たるモノだ。ということで僕は味噌・醤油はお金に糸目をつけないことにしている。

で、ここの醤油だが、丸大豆もあるが再仕込み醤油があるという。これは、できあがった醤油を、新しく仕込む醤油のもろみに半分程度足して再度熟成をかけるというものだ。醤油がどんどん濃縮されていくわけですな。当然、旨味アミノ酸含有量は比べモノにならない。

「な、舐めたい、、、」

「ぜひぜひ、沢山味わって下さい!刺身を用意してますから!」

おおおおおおおおおおおおおお
なんと刺身!

そうだよな醤油だけなめたって個性がわかるわけないもんな!瀬戸内の新鮮なイサキとアジの刺身を、この梶田商店自慢の丸大豆醤油と再仕込み醤油「巳登勢(みとせ)」でいただく。

丸大豆醤油にイサキをちょいと浸して口に運ぶ。甘めのアタリを想像していたが、予想を大きく裏切り、実にシャープな切れ味の醤油の香りが立ち上ってきた!

「うぉっ 旨いじゃないか!これ、甘草とかはつかってない感じですね。」

大旦那が静かに
「うちは余分なものは入れません」
と仰る。うん、そう言う味である。ただし丸大豆は切れ味があるが、逆にコクの深さがもう少し欲しい。そこでとなりにある再仕込み醤油「巳登勢」を味わってみる。

イサキの淡泊な身に醤油を流すように漬け、舌にのせる。瞬間、見事な深いコクと醗酵香が舌と鼻に抜けた!再仕込み醤油のまろやかで拡がる味わいが、淡泊なイサキの身の甘さを最大限に引き出している!

「ぬおおおおおおおおおおおおお こいつぁ 素晴らしい醤油じゃないですか!」

いやビックリである。正直、舐めていた。醤油なめてバスに乗ってじゃこ天だ、と思っていたんだが、初っぱなからかなりハイグレードな攻撃である!

「実はうちでは、この辺に自生していたモチ麦の製品開発をしていまして、、、モチ麦を麺にしたのがこれです。」

なんとモチ麦のうどんである。
モチ麦とは、大麦に由来する品種で、名の通りモチモチとした食感の品種だ。βグルカンという食物繊維が豊富に含まれているので、昨今では機能性が見直されている。けど、そんな機能性より何より旨いかどうか、である!と思いながら啜った。瞬間、なんとも強いもちっとした弾力が歯に圧力をかけてきた!しかも小麦より風味が豊かで、蕎麦とも違うが小麦とも違う、独特の香りと味がするのだ!

観よ、このテクスチャー!うどんって感じじゃないね。

「いやぁー旨いなぁ!」

と、どんどんこのモチ麦うどんをすすり込んでしまった!あとでこれが尾を引くのだが、、、

「山本さん、これも舐めてみて下さい!」

と出てきたのが、モチ麦味噌である。す、すげえ旨そうなんだよねぇ、、、

結果的に実はこのモチ麦味噌が一番僕の気に入った!モロモロとしたこの外観通り、モチ麦がもろみ状態の一番セクシーな香りのする醗酵加減で、塩加減はそれほど強くないため、ご飯にドンとのせて食べることが出来る!

「ごはんにはもろみもありますからこちらを、、、」

といわれてもろみ製品をいただいてみたが、こっちのモチ麦味噌の方が旨い!これ、実に最高である!
愛媛の味噌は、麦の含有量が他地方より高い。麦は強く糖化するので、甘めで旨味の濃い味噌になる。そして独特の麦の風味が漂うのだが、これがマジで僕のスイートスポットを突いた!思わず、出してもらったモチ麦ご飯を3杯も食べてしまったのであった。

「いやぁ~ 醤油と味噌をなめるだけかと思ったら全然違ったなぁ、誤算だったよ」

二宮さん、堀江君と話ながらバスに乗り込む頃には、もうすでに腹が4割方満たされている状態になってしまったのであった。

さて
高速に乗って一路宇和までひとっ走りである。お次は、嬉しいことに僕のblog本にも登場している「おがた蒲鉾」にて、揚げたてのじゃこ天を食べさせてもらうのである!

■おがた蒲鉾
愛媛県西予市宇和町大江412-1
0894-62-5880

この店は本には書いたけど、このblogの記事にはなっていない。まあ、詳細は本を読んでください(笑)
このおがた蒲鉾は、元々八幡浜(やわたはま)という地域にあったのが、宇和町に移ってきたのである。従って八幡浜の味と言って良いのだろうと思う。

前にも書いたと思うが、じゃこ天は地域によって味が違う。これがヘタをすると地域間紛争になるくらいの好みの違いがあって、南予の宇和島の人たちと八幡浜の人たちは「うちのがホンモノじゃ」と譲らないというくらいのこだわりを持っているのである。僕が生まれ落ちた今治の蒲鉾やさんのじゃこ天はさらに全く違って、南予のじゃこ天よりも色が白っぽい。これは、宇和海でしか原料魚のハランボ(ホタルジャコ)が獲れないからだろう。このように土地、素材、造り方などでまったく味が変わるのがじゃこ天なのだ。こんなにも多様な世界があるなんて、素晴らしいではないか!

さてこのおがた蒲鉾のじゃこ天は、八幡浜派という感じなんだろうが、非常にバランスのよい、誰が食べても美味しいと言うだろう味だ。

さっそく出てきた揚げたてじゃこ天にかぶりつく。

「おおっ 揚げたては本当に旨い!」

と堀江君がビックリしている。二宮さんと僕はニマーっと笑う。そう、揚げたてのじゃこ天は、旨いもの世界ランキングでも上位に入ること間違いないんである。あ、でも静岡県の「黒はんぺん」のフライにソースをかけたヤツも、相当上位に入るけどね。

ブログ本の取材でお世話になった河野さんが「どうぞ工場内を観ていってください」と言って下さるので、3人で中に潜入。


これがじゃこ天の原料、「ハランボ」である。学名はホタルジャコ。宇和海でしか水揚げされない希少な魚である。

このハランボの頭などを落として粗くすり身にされた状態で、最後の練りと揚げがあるのである。灰色で決して見た目は旨そうでないが、これが薫り高く味わいの濃い絶品に仕上がるのだから、世の中面白い。

さてじゃこ天の横では蒲鉾(かまぼこ)が作られている。蒲鉾の原材料はエソという魚だ。これに塩分と少量のつなぎすり身にした物を板にのせて蒸したりボイルしたり揚げたりという形で蒲鉾になっていくわけだ。

このすり身を薄い油揚げに塗り、それを巻いて蒸した物が、揚巻だ。

これがまた旨い!仕上がりはこんな感じである。

こういうのを食べつけていると、なんだかクスリ臭い人工的な蒲鉾は食えない!

あと、旨かったのがちくわだ!

焼きたてのちくわは本当に旨い!蒲鉾にするのもちくわにするのも実は同じすり身だ。なのにこんなに味わいが違うなんて、面白いではないか!

「いやぁ ご馳走様でした!」

しかしじゃこ天も蒲鉾も食いまくって、だんだん腹が重くなってきた。この先大丈夫なんだろうかという不安をはらみつつ、巨大バスに乗るのであった、、、

Posted by yamaken at 19:23 | Comments (6) | TrackBack

2005年06月07日

「出張食い倒れガイド」 重版決定!

4×4マガジン社の宮島さんから嬉しい連絡。

「やまけんさん、○書店さんから100冊単位のオーダー、○○書店さんからも、ということで、早速増刷します!

うおおおおおおおおおおお 
         発売1週間と少しで増刷決定!

嬉しいなぁ、、、 んー、しみじみ幸福です。
首都圏ではけっこう出ているようです。地方にいくと売ってない率もわりと高いらしいのだけど、大書店にはあるみたい。買ってくださった方、どうもありがとうございます。
それと金子、今度はイラストのクレジットきちんとのせるからね。

Posted by yamaken at 08:43 | Comments (8) | TrackBack

愛媛巡礼 じゃこ天を巡る冒険 with 二宮清純さんと堀江君

昨日の日テレを観た人へ。先ずはじめに言っておきたいのだが、僕は「料理評論家」ではない。まあ、日本テレビの人も困ったのだろうな。
「おいこのやまけんって人は何て職業なんだ?」
って感じだったのだろう。なにせ僕の名刺には肩書きが書かれていないのだ。

まあ何にしても一昨日、昨日のテレビで堀江君の姿を見つけた人は、その横で僕が居たのにビックリされたことと思う。

「スポーツライターの二宮清純さんと今度、愛媛のじゃこ天を食いに行くんだけど、やまけんもこない?二宮さん、愛媛出身なんだよ~」

と言う連絡があったのだ。一も二もない。僕の本を読んだ人はお分かりだろうけど、僕は愛媛県今治市の病院で生まれた愛媛ラヴァーである。追ってライブドア副社長さんから送られてきたスケジュールを観ると、凄まじい過密スケジュールなのであった。

■1日目
①タルトの六時屋(勝山町)

②うどんの大黒屋道後店

二宮&堀江講演 at 松山市民会館

③道後ぎやまんカフェでじゃこ天といろいろ食事

二宮清純を囲む会(清談クラブ)&会食

三崎漁師物語りにて宇和海の海の幸食い倒れ

■2日目
④味噌・醤油の梶田商店(大洲)

⑤じゃこ天・おがた蒲鉾(宇和)

⑥ゆず商品・高田商店(広見)

⑦じゃこ天・かどや(宇和島)

⑧じゃこ天・島原かまぼこ

⑨じゃこ天・田中蒲鉾

⑩以降、現地対応


特に二日目にじゃこ天が重なっているのをみてお分かりの通り、このツアーのテーマはとにかくじゃこ天である。堀江君がじゃこ天好きだとは知らなかったが、僕も本でじゃこ天を採り上げた人間である。愛媛県のじゃこ天は世界に誇ることができる素晴らしい食べ物だ。どんどんやろうじゃないか!ということで空港に向かったのである。

羽田空港のゲート前に集合すると、背の高い飄々とした表情の二宮清純さんがいらっしゃった。

「どうも~ 食い倒れの人ですね?」

と仰るので、食い倒れ本を一冊プレゼント。なんと機内でちゃんと読んでくださったらしく、「あのシチリア料理の店に行きたいですよ!」と仰る!今度お連れしようっと。

堀江君は帽子をかぶって参上。羽田ではあまりパニックは起きず安心だが、それでも飛行機に乗るまでに何人も握手を求めたり写真を撮ったりする人がいる。

さて愛媛に着いてミニバスに乗り込む。こちらが二宮さん。

こちら堀江君。

と、一緒にテレビカメラマンさんも乗り込む。なんと今回のツアーには日本テレビさんの取材チームが同行。ニュース番組の特集になるんだと。僕はそのことは前日に知った、というかスケジュール表に書いてあることに気付いたのであった。

さてまずは、愛媛でタルトと言えばこれだ!の六時屋タルトである。

■六時屋のタルト

県外には「一六タルト」が有名だが、愛媛県内では圧倒的に「六時屋」という老舗がスタンダードである。お茶とタルトが食べられる店内に入ると他の客がひっきりなしに堀江君を撮影しにやってくる。あたりまえか、、、

さて
愛媛県でタルトといえば、カステラ生地であんこを巻いたこういうものを指す。

オランダから伝来したと言われているのだが、なぜこれをタルトというのかは実はよく分かっていない。ちなみにあんこの中には柚子が練り込まれていて、独特の風味を醸し出している。非常に変わったお菓子であることは間違いない。

ちなみにこのタルトは通常の普及版ではなく、六時屋が誇る「特選」である。通常版と比べて素材が吟味されていて、僕が子供の頃に食べたのより全然上品な味がする。


社長さんいわく「この、カステラ生地とあんこの境目に糖分が滲んでいるくらいの時が一番美味しい食べ頃なんですよ!」
ということであった!確かに美味しい。

しかし愛媛ではタルトと言えばこれだが、県外人には全くわけのわからんシロモノである。

「もっと宣伝しないとダメですよ。」

と堀江君は言うが、「いやいや宣伝下手で、、、」という社長さん。そう、間違いなく愛媛県人は宣伝下手である。美味しいお菓子なのだからもう少し宣伝すべきだな。

ただ、僕はタルトもいいけど、愛媛を代表するお菓子は母恵夢(ぽえむ)だと思っているので、次回はそっちに行きたいなと思うのであった。

さて「ではそろそろ次へ、、、」ということで、バスに乗って移動である。

■うどん・大黒屋
これもまた食い倒れ本で書いてある通りだが、愛媛のうどんは旨い!ほんとは「踊るうどん永木」に連れて行きたいところだが、講演会場に近いというロケーションからだろうか、「大黒屋」にて昼食。

じゃこ天を巡る旅は本当は明日からなのだが、メニューにじゃこ天を発見してしまう。「小手調べにいっちゃおうか!?」ということになる。
これが大黒屋の揚げたてじゃこ天である!

実は格別期待していなかったのだが、結構旨そうなプレゼンテーションである!食べると、ブリブリした食感と、原料魚であるハランボの香りが濃い。旨いじゃないの!二宮さんと僕とで目が合う。

「いけるじゃない!もしかして店で揚げてるのかな?」

「もちろん店ですり身を揚げてつくってますよ!」

なあるほど。愛媛では揚げたてじゃこ天を食べさせる店が多いのだが、ここもちゃんと店内で揚げているのであった。

もちろんうどんもなかなかイケル。僕は最初から飛ばすつもりなので、名物の大黒うどんに海老天のせと玉子ぶっかけを食べる。




まあ、愛媛のうどんの神髄を味わってもらうためのベストチョイスかどうかはわからないが、堀江君も美味しい美味しいと食べていたのでよしとしよう。

さて大黒屋から歩いてすぐの処に、「にきたつ」という通りがあり、そこに造り酒屋がある。

「ここが道後ビールの醸造元ですよ!」

おお、道後ビールか!愛媛県の地ビールである。そうか日本酒メーカが作っていたのかと合点しながら入ると、当然ながら地ビールの振る舞いを受ける。気持ちよい苦みがスッと切れる、食中酒にピッタリの旨い地ビールだ。

「実は焼酎を仕込み始めました。免許を取ったばかりで、まだ商品名も就いてないのですが」

と、未発売の焼酎原酒をいただく。

大吟醸の酒粕を使った、いわゆる粕とり焼酎である。大吟醸の吟醸香がとけ込んだ、綺麗な香りの焼酎だった。仕込み水を少しもらって原酒を20度くらいに割ると、香りが膨らんで甘さが出てきた。悪くない。

「旨いじゃないの、、、やまけん、ライブドアデパートで売ってよ!」

売れるわけ無いじゃん、俺は酒販免許を持っていません。
さてこの酒造に隣接して、ビールと日本酒と料理が食べられるカフェレストランに移動。

ここでも当然ビールセットとじゃこ天を頼む。

まあ、ここのじゃこ天には全然期待していなかったのだ。日本酒の醸造もとだしね。しかし!出てきたじゃこ天は全くのオリジナルじゃこ天だったのだ!

この外観を見た瞬間、またもや二宮さんと僕で目が合い、「おや?」という感じに。

一口噛みきると、通常のじゃこ天よりも強い弾力が歯を押し返す!ブリンブリンとした強い食感で、個性的な味だ。

「実はこのじゃこ天には、ビール酵母が入っているんです。」

おおおおおおおおおおおおおお
なるほど!しかしビール酵母が食感を強めるとは知らんかったゾ!
いや、これは旨い。健康のためとかそういうんじゃなくて、単純に食感が増強されて旨くなる。これが増粘多菌剤なんかで人工的に出されているのだとイヤになるが、ビール酵母の作用だとすればかなりセンスがいいではないか!結構ビックリ。

ちなみにこのカフェ、従業員の女性軍がかな~りキュート揃いであった。今度また行こうっと。

さて講演会場の松山市民会館は、「2000人のキャパシティがほぼ満杯ですよ~ こんなの、市民会館始まっていらいですわ!」ということであった。

舞台の袖で二人の対談を訊きながら、凄いことに気付いてしまった。僕は堀江君のお仕事モードの話を訊くのは初めてだ!話し上手でなかなかやるでないの。メディアや聴衆が「堀江モンにこんなこと言って欲しい」という内容を把握していて、そこになおかつ新鮮なネタと文脈を付加している。しかも、テレビの所業で悪役に切り取られたイメージを払拭するような、かなり聴衆を味方に引き込むしゃべりである。お見事お見事。

それにも増して二宮清純さんという異才の人を初めて間近で観た。切れ味、半端ではない。実は20年くらい前に、毎週読んでいたプロレス雑誌・週刊ゴングにコラムを書いているのを読んで「この人何もの?」と思っていたのだが、まさかそのご本人がいらっしゃるとは。感動である!

さて松山市民会館始まって以来のフィーバーが終わり、地元の名旅館「ふなや」に移動。荷物だけ置いてすぐに「道後ぎやまんの庭」に併設された「ぎやまんカフェ」にてお茶っつうかじゃこ天を食べに行く。

道後温泉の町中を堀江君が歩く。カメラも着いてくるからイヤでも目立ってしまうのであった。

■ぎやまんカフェ

いや実はこのカフェが実に素晴らしかった!水の流れの横にデッキテラスのある、今風小綺麗つまらないカフェかと思ったら、かなりフードメニューが充実している!

「ここはけっこう地産池消を意識していて、地元の農家さんから野菜を買ったりしているらしいですよ」

というだけあって、僕も非常に楽しめる内容だったのだ。

野菜の盛り合わせは、ほぼ愛媛県内の農家さんから直接買う野菜で構成されていた。実に美味しい。

とくにこのなんとか蕪(カブ)が実に秀逸。甘く雑味のない透き通った味だった。

そしてここでもじゃこ天オーダー。

この店のじゃこ天、カリカリのしらすを上に載せた、ダブルジャコという感じのものだ。カリッとしたしらすの食感とじゃこ天の香りが相まって非常に乙なものだった。
昼飯食べて時間経ってないんだけど、フードが旨そうなのでどんどん食べてしまう。

このゴボウの揚げたのが非常に旨かった!また食いたい。

伊予地鶏の黒七味焼き、伊予地鶏は大したこと無いけど、料理は旨かった。

このビビンパみたいなのも野菜がタップリ入っていて旨い。

「山本さん、よく食べるねぇ~」

と、この辺から二宮さんが僕を観る目つきが変わってくる(笑)

この旅で二宮さんは僕のことを「とにかく食うヤツ」と認知したに違いない。まあ確かに今回はよく食べた!

さて旅館に戻り、道後温泉名物の足湯につかりにいく。

足湯の広場はもう堀江フィーバーである。

ちょっと貴重な足湯ショット。左から堀江君、僕、二宮さんである。

さて次は二宮さんの講演会である。そこに堀江君を招いての対談懇親会という感じであった。

びっくりしたのだが、愛媛県での二宮さんの知名度は無茶苦茶高い!愛媛出身の有名人のなかでもインテリだしスポーツだしカッコイイので、当然と言えば当然だが、各界のお歴々が二宮さんの後援会に名を連ねているようである。

この懇親会でホテルの中華料理とか寿司とかでて、大したこと無い料理なんだけどまたバクバク食べてしまった。

「あー 山本さん、そんなのでお腹一杯にしちゃダメだよ、これから三崎の旨い魚たべにいこうよ!」

という二宮さんの号令で、またもや移動!三崎というのは愛媛県の南側、南予の漁港である!その三崎から直送の魚が食べられる店があるのだ!

■三崎漁師物語り

この店の刺身が凄かった!

関サバや関アジとほぼ同じ漁場で揚げられる岬(ハナ)サバや岬(ハナ)アジを、「なんじゃこりゃぁああ」と叫びそうになる厚切りで供するのである。
これは太刀魚の刺身。ものすごく甘くて旨い!

岬アジ。分厚い切り身を観てくれ!

そして岬サバ。これもすさまじい厚切りである。刺身というよりぶつ切りだな。


そしてこれも名物の伊勢エビ。トロントロンの身肉が旨い!

海老の味噌も濃厚なウニみたいな味で旨い!

ホテルの料理のつまらない寿司を13貫たべちゃったんだけど、それでも寿司はどんどん腹に入ってしまう!

そして〆は鯛茶漬けである。

胡麻をまぶした鯛の身に土瓶にはいった出汁を注ぐ鯛茶漬け、まずかろうはずがない。旨い!

この他、岬アジやキンメの干物なども食い漁ったが、15人くらいのテーブルの中で、二宮さん、堀江君、僕のテーブルだけが凄まじい勢いで目の前の皿を消費していた!

みよ、この手の伸ばし具合!

「いやー喰った食った、、、」

「食い過ぎだよ、山本さん!」

もうこれ以上ははいらん! 実はこの旅のメインイベントは明日である。そう、じゃこ天をめぐる冒険の本番が待っているのである、、、


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2005年06月05日

明日6日(月)17:25からの日テレを観ると。

IMG_4501.jpgもしかすると僕もチラッと出てくるかも知れません。

ニュースプラス1
放送日時 6月6日(月)17:25~19:00
日本テレビ 

この週末土日は、愛媛県のグルメツアーだったのですよ。
有名なお二方と、、、
そのテーマはズバリこの写真に載っている食材です。ふっふっふ

お楽しみに!経緯と報告は明日以降。

Posted by yamaken at 23:33 | Comments (10) | TrackBack

2005年06月03日

山菜の季節が過ぎゆく、、、ミズとワラビのたたきが旨い!

 5月もあっという間に過ぎ、山菜の季節の第一フェーズが終了してしまった。この間じつは、山形のまあどんな会の佐藤さん、長野県の矢島さん、秋田県の伊藤家から、凄まじい物量の山菜群が送られてきていたのだ!食いきれないよ!と叫びたくなるような量だったが、実は全部食べきってしまった。それだけ旨いのだもの!

比較的最近作ったものを2品。

東北で食べられているミズという山菜については、昨年こんなエントリを書いている。

■東北を代表する山菜・「みず」を秋田県食い倒れ水先案内人からいただく

で、ここではミズたたきじみたものを作っているのだけども、実際に秋田でミズのたたきを食べたら、たたき方が無茶苦茶徹底していて、その粒子が細かく、ネトネトのドロドロになるまで叩いたシロモノであった!ガーン全然想像もつかなかった!

■ちゃわん屋のミズ味噌たたき

■おいらの作ったミズたたき

ぜんっぜん違うじゃねーか!まあ実物をしらないで作ってたから仕方がないか。

その後、同じ農産物の流通業界の大先輩であるA内さんから「ミズは皮を剥いた方がいいぞ」というご指摘をいただいていた。もうズタボロである。

まあ、勉強である。今年はリベンジだ、と思ってたら、秋田の伊藤さんから今年もどっさりとミズを送って頂いた!きっちりとしたたたきを作るぞ!ということでチャレンジしてみた。

まず、ミズの葉をとって茹でる。すると鮮烈な蛍光色っぽい緑色になる。

 水に放ってあら熱をとって皮というか繊維をピーッと引っ張ってとる。それをひたすら出刃包丁で叩いていく。
 前回はこんな↓レベルでたべていたが、、、

今回はここまで↓叩く!

細かくなったのに、甘めの味噌と、まあどんな会のなんばんの粕漬けを加えて叩く。

それとともに、まあどんな会の佐藤さんから送られてきたワラビの一本漬けもたたきにしようと思いつく。一本漬けが旨いのだけど、たたきにしてもトロッとしそうだ。

これもここまで↓叩いた。もくろみ通り、トロッと糸を引く感じで旨そうだ!

さっそく、炊きたてのひろっきいの米にのせていただく。

いやぁ 最高だね!

ビバ山菜!という感じ。ミズの、すこしトロッとした食感とシャクシャクした繊維感、清々しい風味と味噌となんばんの出会いが実に最高です。ご飯と合う合う!

ワラビもトロッとして旨い!こりゃぁ、手間はむちゃくちゃにかかるけど、やった甲斐があった!

 ミズはまだ時期が続くらしいから、伊藤さんにまた所望することにしよう。伊藤さん、ぜひぜひよろしくです。

 しかし山菜というのは、何もしなくても山から生えてくれる。山の恵みである。当然、自然を大切にしないと生まれてこない。山のそばに住んでいないと実感できないな。いずれ、住まいを移す時には山菜が出る場所にしようと思うのであった、、、


Posted by yamaken at 17:18 | Comments (9) | TrackBack

2005年06月02日

こんな大・食い倒れ披露宴をやりました。(その2:飲み物編)

 食い倒れ披露宴のエントリを軽く書こうと思ったのだけども、1.2GBに上る当日画像を観ているうちに、やっぱり今回集まって下さった各飲食店・生産者さんのことをきちんと紹介しなければならないと思うようになった。それほど無茶苦茶なイベントだったのだ。
 ので、いくつかテーマを分けて書いていきます。今回は飲み物編です。
 今回の披露宴での飲み物は、通常のパーティで用意されるようなビール・ウイスキー・ワイン・シャンパンではなく、全てに何か手が入ったものをお出ししたいと思っていた。もう一つ、日本酒をお燗で出したいというのも強く思っていた。そこで声をかけさせて頂いたのが下記の面々だ。

 あまりに偏ったラインナップだ(笑)準備段階でこれを観た竹澤は、「ホントにこれでやるのかぁ?普通の飲み物も入れとけよ!」と言ってくれたのだが、乾杯用のビールと、希望者だけに出すワイン数本以外はこんな感じでやるぞ!と思っていたんだった。

 まずこの人、このお店は絶対にはずせない!と思っていたのが、全国バーテンダー技能競技会の昨年優勝者、オーパ門前仲町店の水澤君だ!

■オーパ 門前仲町店
 オーパ門仲店のチーフである水澤君とは、ここのところ濃密な時間を過ごしていた。多忙になってしまいまだ書いていないが、実は今年の3月は、竹鶴酒造に一緒に造りの見学に行ったのだ。

「日本酒の仕込みはまだ観たことがないんです。世界大会の前にみておきたいんですよね、、、」

ということで、すでに数回連れてきていた敏夫専務や石川杜氏にお願いをし、同行してもらったのだ。この模様はまたいずれお届けしたい。広島の竹鶴酒造にて、彼はシェーカーを振ったのだ!

 その水澤君に数ヶ月前、「今度披露宴をするんだけど、、、」と遠慮がちに切り出した瞬間に、間髪入れずに水澤君の方から「何かできることがあれば言って下さい!」と言ってくれた時の喜びは忘れられない。しかし彼は、人数を聞いてびっくりしてしまった。

「え、100人以上になるんですか!」

 結局、オーパは日曜日休みであるにも関わらず、門仲店のスタッフが全て集まってくれるという有り難いことになったのだ。200人程度の規模でカクテルを造ることになると、どうしても人数が居る。しかも彼は作り置きをしない主義なのだ。結果、フルメンバー出動。申し訳ありませんでした!

当日は店のメニュー黒板を持ってきてくれた!

ご覧の通りジントニック、モスコミュール、ブラッディーマリー、カンパリ・オレンジ、カシス・オレンジ、スプリング・ヒルという豪華な布陣だ!しかも素材も今回用に改めて調達。ブラッディーマリーには、北海道の岩崎農場特製の濃厚なトマトジュースを使用!水リンの後ろに少し見えるのがトマトジュースの瓶だ。

そしてオレンジ系は、すべて和歌山の津田君が経営する生産者団体「サンライズみかんの会」のストレートみかん果汁ジュースに統一。なんていってもストレート果汁である。旨いに決まっている。こちらも、温州みかん、いよかん、セミノール、甘夏と、それぞれの果汁のジュースを揃えていたのだ。飲めた人、幸せである。

飲食ブース総監督の工藤ちゃんが、「人数が多くて混乱するので、ホテルのバンケットみたいに、作り置きをしておいて頂きたいんですよ」というお願いをしたのだが、水リンはガンと譲らず、「オーパは作り置きはお出ししません」と、全てをその場でシェークまたはステアして供したらしい。ひえええ大変なことをさせてしまった、、、

「しょうが、山ほど買ってきました!」と言ってオーパ門仲店のスタッフである内藤君と中軽米ちゃん、城戸君が大量のショウガすり下ろしをつくる。そう、オーパのモスコミュールは、フレッシュのショウガにジンジャービアを使う、超本格派なのだ。その甲斐あってか、来場者の並び具合も上々。

もちろん水リンの代表作である「スプリング・ヒル」も飲める。日本一を獲った創作カクテルである。

実は水澤君にはこの後、披露宴終盤で「高砂」の前に特設テーブルを設置し、そこでスプリング・ヒルをシェイクしていただいたのだ!

ハプニングで来場者さんから5人だけが飲めるスプリング・ヒル完全バージョンを、みんなの前で振って頂くという趣向だ。競技会と同じようにきちんとフリをつけてもらったのである。

このシェイキングシーン、非常に極まっている絵ではないか!(カメラマンさんありがとう)


スプリング・ヒルの完成バージョンとは、りんごとレモンの皮を使った蝶のデコレーションが付くものだ。そう、サクラのリキュールを使ったこのカクテルを春の丘=桜の花とみたてて、そこに蝶がとまっているという画なのだ。

この5杯を飲むのに選ばれた5名には、日本酒ライターの藤田千恵子さんもいらっしゃった。スプリング・ヒル、とっても気に入って頂いたようだ!よかったぁ。

と、こんな感じでオーパには頑張って頂いたのである。氷の手配や、その氷を保存する機械の手配など、水澤君と工藤ちゃんにはかなりの負担がかかっていたと思う。大感謝である。

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さてオーパにはカクテルをお願いしたわけだが、その双璧としてお願いしたのが、各種の酒とくに日本酒である。日本酒といえばこれはもう、僕のblog読者にはお馴染みだろう広島の竹鶴酒造と、島根の桑原酒造の扶桑鶴につきる。で、今回はここにも趣向をこらしたのだ!

「やまけんさん、blogで登場するあのイラストでオリジナルラベルを造りましょうよ!」

なんとはだか瓶で出荷してもらい、僕のオリジナルラベルを貼って頂けるというのだ。うわー恥ずかしいけどすげえ!

で、今回の披露宴では、実はスタッフが着るオリジナルTシャツを造った。そのデザインはもちろんデジタル漫画家、金子重人だ。

彼が持っている瓶のラベルがそのオリジナルラベルである!


こんな遊びが出来るのも今回くらいなもんだろう。実は一部、「このラベルだけでも欲しい」という声がでて、何枚か刷ったのだが、、、

ブースを作ってくれたのは、工藤ちゃんの腹心の浅見君だ。徹頭徹尾、日本酒を飲ませるぞ!という心が伝わるでしょう?

■竹鶴ブース

竹鶴ブースは、実は強烈個性の富良野・唯我独尊カレーのブースに近かった。そこで杜氏のタツヤンは「カレーのあとに日本酒飲んでも旨いですよ!」と呼び込みをかけたらしい。

果たして、唯我独尊の強烈な旨味を湛えたカレーと、水分をガンガンに落としてハードに仕上げたソーセージと竹鶴との相性も最高だということを証明したのであった!敏夫、タツヤン、どうもありがとうね!

■扶桑鶴ブース

 島根県からは扶桑鶴の桑原酒造から、大畑専務が来てくださった!実はあとで来場者から色々訊いたら、「竹鶴がスゴイ!」と言っている人と、「あの扶桑鶴ってスゴイ酒だね!」という人の双方が居た。そう、この二銘柄、全く違う個性を持っているのだ!
 もちろん扶桑鶴もお燗で供して頂いた。おそらく匠の寿司にはこちらの方がピッタリ来たのではないかな、と思う。大畑さん、どうもありがとうございました!

■京屋酒造
 さて宮崎の芋焼酎「かんろ」を醸す京屋酒造からは、渡邉社長さんが駆けつけて下さった!写真右の方である。

 この京屋酒造のことは何回か書いたとおりだが、とにかくネットショップの立ち上げに関わらせて頂き、その後大成功を収めたのである。焼酎専門のオンラインショップで、商品の数量情報を修正するだけの手間で、月間500万円以上の売上げがあるサイトなんてあるのだろうか?京屋酒造のe-shouchu.comはそういうバケモノサイトなのである

 渡邊社長さんからは、僕の大好きな特選かんろと、ネット上では2ヶ月先まで予約が埋まっている「かめしずく」を祝として送って下さった。



これがバケモノ的ヒット商品の「かめしずく」だ。そしてこちらは宮崎スタンダードといってよい特選かめつぼ仕込みの「かんろ」である。

引き出物を作って下さった陶芸家の佐々木浩章さんが「この焼酎、すごい美味しいゾ!」と絶叫していた。よかった、、、この京屋酒造の焼酎は、あっという間にカラになってしまったのであった。

■開運

 静岡県の土井酒造場からは、銘酒「開運」の樽が!そう、実はこれ、御神酒割りをやらせていただいたのだ。

御神酒割りをしたのは初めてだ、、、樽の蓋が割れなかったらかっこわるいと思って強めに叩いたら、上部がすぽーんと飛んでいったのが、この写真でお分かりになるだろう(笑)

■TYハーバーブルワリー
 さて最後にこの飲み物のラインナップに入ってくれたのが、なんと東京・天王洲にある地ビールメーカ&レストランのTYハーバーブルワリーである!実はTYの経営をやっているのは僕の大学同期のシンペイなのである。

TYのビールとくにペールエールはものすごく旨い!ライブドアの堀江君なんか、後半戦はずっとこのTYの周辺でビールばっかり飲んでいたらしい。

どうだろう、これがお酒の出店ブースである。この他お茶が出るのだが、それは別途書かせて頂こうと思う。

いやぁしかしお酒だけでも多いな、、、

Posted by yamaken at 08:57 | Comments (7) | TrackBack