いや、僕まで泣けてきた夜でした。
4月26日、早朝からやらなければならないことでテンパっていて、オフ会の準備が殆ど出来ないまま無二路に向かった。まあ何とかなるだろう、人が集まり、美味しい料理が出てきて、そして強烈なパスクワリーノがテーブルを回れば、それだけで十分過ぎるほど楽しいはずだ。
会場1時間前の17時に店にはいると、ふだん、壁などには最低限の装飾しかない店の内装が、パスクワリーノモードに一新されていた!
そう、パスクワリーノはけっこう芸術家肌なのだ。彼特有の美学があって(ムチャクチャだけどね)、こういった装飾にやたら手間をかけるのだそうだ。
「すごい内装だけど、パスクワリーノが帰ってこれをはずすと、少し寂しくなるんですよぉ、、、不思議ですね。」とは大塚オーナーの談である。
「オオ!ケンジ! ○△■~◎☆、、、」
と僕を普段着のパスクワリーノが笑顔で迎えてくれた。なんか、シチリアでは「ケンズィ」と発音していたのが「ケンジ」に修正されている!だれが直したのだろうか??
もう1週間くらい大塚オーナーの実家に居候しているパスクワリーノで、日本での生活にも慣れている感じで、落ち着いていた。一通り挨拶が終わると、ブラッドオレンジジュースを小脇に抱えて店の外に出る。
「俺は開始時間までジュース飲んで着替えて待ってるからな、お客さんが揃ったら電話しろ!」
と、オーナーのご実家に帰っていった。なかなかニクイ登場を考えているようではないか!
さてそうこうしているうちにぽつりぽつりと人が集まり始めた、、、と思ったら、どどどっと本日の来場者さん達が集結。初めて合う人、そうでない人多種多様人種雑多!みるみるうちに席が埋まっていった!
ちなみに本日のメニューは、このような内容だ。
-----------------------------------------------------------
■アンティパスト
前菜盛り合わせ”リストランテヨニコ”風
■パスタ
エトナ山のようなイカスミのリゾット
カターニャのリストランテ”ラ・シチリアーナ”のスペシャリテ
手打ちフェットチーネのペスカトーレ
ウニのリングィーネ
■セコンド
乳飲み仔羊のオーブン焼き シラクーサ風
■ドルチェ
シシリア風カッサータ・リモーネのケーキ
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このメニューもパスクワリーノデザイン。大塚オーナーがパソコンで打ち出すのだが、「あれはこうしろ、ここの色は赤だ、ここはそうしろ、、、」とすぐに変更変更となるので、大塚オーナーも死にそうに苦労したらしい。パスクワリーノが情報システム開発のクライアントだったら、仕様が二転三転して大変なことこの上ないだろうな、、、(笑)
さあ、時間だ!大塚オーナーにパスクワリーノに来いと連絡をしてもらいながら、店の入口にたって37人の来場者に声を張り上げた。
「皆さん!オフ会とは言っていますが、本日はシチリアからやってきてくれたパスクワリーノを気持ちよ~くして帰すためのイベントです(笑)生パスクワリーノをご堪能下さい!今からパスクワリーノが向こうから登場しま、、、」
「やまけんさん、パスクワリーノが本日のメニューに一人一人へのサインを書き込んでいるので、もう少し待てとのことです」(大塚オーナー)
うおッ!なんだよまたかよ!パスクワリーノと付き合うのは本当に大変なのだ。超マイペースというか何というか、、、大塚オーナーがパスクワリーノを迎えに行く。その間、参加者皆さんとお話し。と、井の頭通りの向こう側から、白いコックコートにメダルやバッジを色とりどりにつけたパスクワリーノの姿が!道を渡り、コック帽を頭に載せ、そして店の入口に到着した!
「みなさん盛大な拍手でお迎え下さい、シチリア・シラクーサからやってきた、偉大なシェフ パスクワリーノ・ジューディチ!!」
入口を開き入ってきたパスクワリーノはしばし、37人の盛大なスタンディングオベーションのシャワーを浴びて突っ立っていた。手を軽く広げ、ゆっくりと店内を見回して、なかなか口を開かない。
ふとみると、なんと彼は感極まって涙を流していた!
僕はみてしまった。鉄の男パスクワリーノの両目から涙が確かにこぼれているのを、、、
「皆さん、本当に今日私は満足しております。このような歓迎を受けて、本当に嬉しい。私は日本のリストランテのシェフに沢山料理を教えてきました。しかし無二路はその中でも本当に特別な店です。今日は、私の一番腕のよい弟子であるキーコが私のレシピで腕を振るいます。どうか最後まで楽しんでいって下さい」
というようなことを10分以上かけてとつとつと語ったパスクワリーノ。僕と大塚さんは顔を見合わせてしまった。彼が泣くなんて本当に初めてみたし、想像だに出来なかったのだ。
ちなみにこの日、イタリア在住歴10年の加納さんに通訳をして頂いた。この方も今後、食い倒れ日記にそうとう絡んで頂きたい人であるが、それはまた別のエントリで。
さて、宴の始まりだ!
どの席からも、むんむんと料理とパスクワリーノに対する期待充満!
■前菜盛り合わせ”リストランテヨニコ”風
10種類くらいの前菜が盛り合わせになった皿、いつも出ているものだけではなく、豆の入った海老のマリネなど、たしかにシチリアに行った時にヨニコで出てきたものが並んでいる!
「す、すごいですねぇこれ前菜ですか?」
とは、初無二路の人たちの感想だ。
■エトナ山のようなイカスミのリゾット
なかなかパスクワリーノが厨房から出てこないなと思ったら、何やらスゴイものを作っている!
厨房奥に見えるのは、「黒い山」エトナ山から、マグマが噴出している立体オブジェ!と思ったら、山のようにうずたかく盛り上げたイカ墨リゾットのエトナ山頂からチーズ、トマトソースが噴出しているようなデコレーションであった!
パスクワリーノがこれを持って各席を回る!
「おおぉ~ 山だぁ~!」
とどよめきが起こる!そしてパスクワリーノがいちいち「フォトぉ!フォトぉ!」とポーズをとるので、各席で凄まじい大撮影大会である!みよ、このカメラを持った一群の前でポージングするパスクワリーノを!
もう、会場内は大興奮のるつぼである。
こんな感じでいろんなところに見せて回っているから、リゾットは少し冷めて出てきてしまった(笑)
けど旨い!イタリア米をしっかりと芯を残したアルデンテに仕上げているので、ガツっとした食感だ。
そしてお待ちかねのパスタである。
■手打ちフェットチーネのペスカトーレとウニのリングィーネ
やはりうずたかく手打ちフィットチーネが積まれている!
ここでもパスクワリーノのポージングタイム炸裂!パスタが伸びるっつうの!
ご覧の通りトマトは微妙にしか使われていない二品。手前のウニのリングィーネが超絶品だ!ニンニクをきかせたオイルに鮮度のよいウニのクリームが溶けて、魚介類でとったブロードが硬めのリングィーネに絡んで、ウニのアロマがブワッと口中を満たすのだ!
奥のフェットチーネも旨かったが、手打ちパスタだとどうしてもいつものキレの良さが出てこないな。でも、これがパスクワリーノのご指定パスタだったらしい。これはこれで美味。
ちなみにパスタを作る厨房内もものすごい量を一度に出すので大変。
でか鍋を使ってサルサとパスタをサルターレ(和える)しまくるのである!!
(続く)
いやはや すごい会になりました、、、
本日夜、なんとかアップできると思います。
ちょっと涙が出てきましたよ。
昨日、ついに夢が叶ったのだ。
食い倒れ日記史上、僕が最大に愛する店、、、読者の皆様ならおわかりだろう、それは大阪にあるカレーの老舗、「インデアンカレー」である。
※最近の読者さんは、本ページ右上の検索窓で「インデアン」で検索してみてください。「インディアン」ではありませんよ。
ある出張中の昼食でふらりと阪急梅田の地下街にある店に入って初めて食べた時に衝撃を受け、以来僕は関西方面の出張では必ず途中下車して食べるようにしている。
そしてこのblogでも何度も書いたように、このお店のことをもっと知りたいと願ってきた。その熱意を汲んでくれた大阪在住の親友・西垣内がインデアンカレー本社に掛け合ってくれ、今度出る本の取材をご承諾頂いたのだ!
そして昨日、僕は秘密の扉を開けた。
インデアンカレーの本社はマンションの一室だった。マスコミ嫌いと噂される社長さんは、実はきさくで繊細な素晴らしい女性だった。広報・戦略・全体プロデュース担当の奥内さんは僕と同年代の方であった。今後僕はこの人と仲良くしていきたい!
そして僕が愛して止まない梅田地下の阪急3番街店の「山田チーフ」の謎も解けた(チーフではなかった)。しかも、阪急3番街店の福永店長によるご飯盛り&カレーかけの美技もきっちりと写真に収めさせて頂いた。
11月にオープンする東京店の話も伺った!食い倒れ日記ではこの東京店を全力サポートしていきたいと思う!オープン当日は動員するよ!
もう、帰りの新幹線で事故にあって死んでもイイ、、、そうまで思ってしまった。
短い時間ではあったが、おそらくここまで微に入り細に入り取材をさせていただいた例は過去、ないだろう。
インデアンカレーの皆様、本当にありがとうございました!
さて そろそろこの本の出版についていろんなことを明らかにしましょう。
発売日は5月26日。
出版社は4×4マガジン社(4駆の雑誌を主に出版している出版社です)
価格とかは調整中。
ネット上のエントリをしばらく休んでて申し訳ありません。でも、この食い倒れ本出版もまた、僕の夢。ぜひ心待ちにしていただけると嬉しい!
その前に、やるべき仕事をやります。よし、今日も生きよう!
PS
本文中にも書いたが、取材の申し込み手配をしてくれた西垣内に再度感謝したい。電話ではらちがあかないとみるや、本社までアポ無しで突撃し、僕の食い倒れ日記のプリントアウトを渡して「ただのマスコミ取材じゃないんです、とにかく読んでみてください」と掛け合ってくれた。そのおかげで秘密のベールが少しだけ開かれた。
勝手ながら彼を食い倒れ党名誉党員とさせていただく。今度無二路で死ぬまで食わせてやるぞ。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。連絡とれました!
名古屋周辺に移転しているのかと思いきや、岐阜ですよ岐阜。
んー、、、遠いぜ。でも旨いから行くか。
業務連絡です。
名古屋のあんかけスパゲティの名店「パストランテ」が、昨年末にビル取り壊しのために閉店し、どこかに移転するはずでしたが、その後の行方が分からず連絡先もわかりません。
問い合わせ先をご存じの方、ご一報頂けませんか?
よろしくお願い致します。
うーむ まだ終わっていない報告書の仕事があるので自粛していたけど、本日は書かざるを得ない、、、マジックが3連発花開いてしまったのだから!
すでにパスクワリーノが来日して無二路にいるということは先日書いたとおりだが、本日の夕飯は僕が接待申し上げることになっているのであった。
「いつも、それほど日本滞在中にアクティブに動くわけではないので喜びますよ!とにかく集合場所に送り出しますから、、、」
と無二路のオーナーの大塚さんが言う。そう、2週間くらいずっと無二路のそばの家に滞在するので、ずーっとその相手をしなければならない大塚さんも大変なのだ。なんつってもパスクワリーノ級の台風である。一日、それも夜くらい僕が日本を案内して差し上げないといけないのである。
何を食べに行こうかといろいろ考えたのだが、パスクワリーノはカルネ(肉)が大好きである。というか、野菜と魚はほとんど食べない。唯一彼が好きなフィノッキオ(和名ウイキョウ)以外は、殆ど野菜を食べていなかった。肉、、、だとしたら何がいいかなぁと思ったのだが、バードコートの繊細な焼き鳥よりは、もっとグワッと味の濃いのがいいだろうと思った。ということで必然的に安定的火力を誇る関東有数の居酒屋・森下の「山利喜」に行くことにしたのである。
キーコ(重シェフの愛称)に連絡をすると、
「なんかパスクワリーノが、早めにいって散歩するって。『ノンチャ・プロブレーマ(問題ないよ!)』って言ってるよ」
という。そういわれると逆に嫌な予感、、、森下で彼が迷子になって彷徨っていたらどうしよう、、、と思って、早めに仕事を切り上げ森下に向かう。A4出口を出ると、まず先に今回の協力な助っ人である加納さんが現れる。
「どーもぉ!」
なんとこの加納さんは、10年間イタリアで仕事をしてきたスペシャルイタリアーノジャッポネーゼなんである!この後、自由人・加賀谷も登場。しかし肝心のパスクワリーノが来ない!案の定である。大塚さんに連絡をすると「パスクワリーノが、駅にいるのにケンズィが来ていない!って連絡を寄越してきたんですよ、、、」と言うではないか。うーむ、、、
この後 すったもんだ色々歩き回った末、加納さんが地上、道の向こう側でぽつんと後ろを向くパスクワリーノを発見!僕が「パスクワリーノ!」と叫ぶと、やれやれという顔でこちらに向かってきた。会えてよかった、、、
「エイ、ケンズィ!」
握手をして抱き合った後、4分くらい「なんでいなかったんだよ!」という文句たらたらにつかまってしまったが、すぐに山利喜に入店。無事、ギネスの樽生にありつくことができた。
そう、山利喜は樽生が飲める、素晴らしい店である。焼きトン串に甘辛タレとマスタードをつけてかぶりつき、肉の濃い旨味と甘辛酸が充満したところでギネスの黒い奔流を流し込むと、これはもうコタエラレナイ快楽である。
さてこの山利喜の煮込みと、焼きトンをパスクワリーノがなんと言うかに関心があった。イタリア歴10年の加納さんに通訳してもらいながら食べてもらう。
「煮込みは、、、ん、まあまあだね。油が浮きすぎているのがあまり好みじゃない。だけどこの茹で玉子はモルト・ヴォーノだね。」
「(焼きトンをみてすぐさま一言)これは豚だな! んー タレが甘すぎるな!マスタードつける?どれどれ、、、うおっ 辛い!鼻にくるぞ!こいつぁいただけない」
という感じでかなり辛口である。うーーー 当てがはずれた、、、
ただし、山利喜の必殺スペアリブが運ばれてくると、「モルト・ヴォーノ!」(すっげえ旨い)というのが出た!
その後も鶏レバーのテリーヌに「これもモルト・ヴォーノ!」とお気に入りになった。んーなるほど、やはり微妙な味付けがされているものは、料理人としてのデリケートな味覚に合うんだな。
さてそんな中、彼の視線がある一点に吸い込まれていく、、、
「ケンズィ、あの絵を見せてくれ!」
彼が言うのは、二階の座敷席の端にかけられていた、色紙に筆で書かれた馬の絵だ。
「これは素晴らしい!アーティスティックだ!」
というやいなや、「店の人を呼べ」という。いやーな予感がしたがそれが的中!
「パスクワリーノが、『俺が持ってきたイタリアの絵二枚とこれを交換してくれないかって店の人に訊いてくれ』っていってますよ!」
しかも「訊くだけならタダなんだからとにかく訊いてくれ!」と言っているらしい。うおおおパスクワリーノ節炸裂である。で、若い衆に訊いてみたら、「うーんどうなんでしょうねぇ、上の者に訊いてみますね」と、若旦那に訊きに行ってくれた。しかしまあ、無理だろう、、、
ほどなくしてソムリエでもある若旦那がやってきて、なんとここでマジックが起こってしまった!
「あの、これは常連さんが書いて下さっているもので、おそらくそういう事情であれば彼も喜ぶと思うので、差し上げますよ」
ええええええええええええええええええええええええええええええええ
まじですか!?
パスクワリーノ、喜びまくり。そして、若旦那に、
「実は俺は、国際的に有名なシチリアのシェフで、故ローマ法王パウロ二世に3回飯を作り(←これはホントらしい)、日本のモルト・インポルタンテ(最重要な)リストランテに料理を教えた偉大なシェフなんだ」
と自分で解説をする。いやー これがパスクワリーノだ!若旦那、お付き合い下さってありがとうございました!
さて2発目のマジック。ヒラメのカルパッチョが出てきて一口食べた瞬間に顔をしかめ、店員君に「塩とオリーブオイルとパセリとリモーネ(レモン)をくれ!」と言う。店員君、「あ、大丈夫ですよ」と言ってとりに行ってくれたが、まさか、、、
そう、まさかであった。空いている鉢にヒラメの切り身をすべてぶち込み、塩、オイルを振ってリモーネを絞り、パセリを刻み入れて掻き混ぜる。シチリアのアンティパストじゃんか!
店員君にも勧めると
「いや、勤務中ですから怒られちゃうんですよ!」
というのを無理矢理食わせると、「おおおおおおおおお」と派手に喜んでくれた。
いやー 合わせてくれてどうもありがとうね!これがマジック第二弾。
いや本当にテンションが落ちない。こっちは疲れるけど、面白いからそれもまたよしである。
さて山利喜を出て門前仲町のバー・オーパに向かう。その道すがらパスクワリーノが「ドルチェが食べたいぞ、ジェラッテリアはないのか?」という。うーむジェラートはないなぁと思いながら門前仲町のサーティワンアイスクリームに入る。まああまり気に入らないだろうと思いながらみていたら、マンゴタンゴとピーチとカフェの3段重ねを頼んでいるではないか!そんなに食うのか?
そしてびっくりしたことに「この店のレベルは高い。素材の味がよく引き出されているぞ」と真顔で言うのである。そうなのかぁあああああああああ
とりあえずシチリアーノはサーティワンアイスクリームに連れて行くとイイかもしれない。
店を出て深川不動尊の参道にさしかかると、出ていた焼き鳥の屋台に吸い込まれるように入っていく。地元のおっちゃん達が親切に相手をしてくれる。
焼き鳥食いたいのかと思ったらそうではなくて、単に写真を撮りたかっただけらしい(笑)
そんなこんなでオーパ到着。本日もこの店は静かにシックに決まっている。しかしその雰囲気はパスクワリーノによって数分でズタズタに(笑)
「パスクワリーノ、彼は日本のバーテンダーのカンピオーネ(チャンピオン)なんだよ」
「おお!そうか、それじゃ俺のオリジナルカクテルを教えてやろう!」
と、なんとパスクワリーノのカクテル「ロッソ・ロッシーニ」のレシピをメモに書き、水澤君に創れと言う。水リンはプロである。「喜んで」と作り始めるが、その前のお客さんの間ににぬっと立ち、じーっと作業を見つめるパスクワリーノ。しかもフラッシュを焚いて写真を撮っている。あー フラッシュはやめておこうね。
さてこうしてできた「ロッソ・ロッシーニ」は、非常に旨いカクテルであった!パスクワリーノも「プロフェッショナルの仕事だ」と褒めまくり。
いやそれにしてもミラクル3連発。パスクワリーノ節大炸裂である。こんなに素晴らしいキャラクターはどこにもいないだろう。
オフ会当選の皆様お楽しみに!
そして惜しくも落選された方々は、ぜひ彼が滞在中に無二路に連絡して行ってみて下さいね。さて、仕事仕事、、、
来週火曜日、恒例の食学塾を開催します。今回は「オトナの食育」について。ご関心の方はぜひご参加を!試食パーティも今回は「野菜料理」で開催ですヨ!
第4回 『銀座 食学塾』シンポジウム&交流会のご案内
【タイトル】 『食を育てる、食が育てる』
第4回『銀座 食学塾』シンポジウムでは、大人の為の「食育・農育」がテーマです。パネラーの皆さんは、それぞれの分野で豊富な活動経験をお持ちの方ばかりです。
土とのふれあいの素晴らしさや、農業を意識した生活・食の選び方のお話や、前回に続く、健康的な食生活や生き方にスポットをあてディスカッションしていきます。
【日時】:平成17年4月19日(火)
受付 18:30~
第1部シンポジウム 19:00~20:30 畜産会館
第2部試食会&交流会 20:40~22:00 紙パルプ会館パピエ
(続きは下記↓をクリック)
『銀座 食学塾』は、「農」的な物や、土から一番離れたイメージの銀座で、こだわ
り農業生産者と、「食」を提供するお店の人、そして皆さん(お客さん)が出会い、
「食」に関連した、「農業」、「健康」、「食育・農育」、「食の国際化」などの
テーマについて意見交換するコミュニケーションの場です。
この出会いから生れる、食や農を意識した生き方や価値観を、銀座から世界に発信し
ていきたいと思います。
【会場】 シンポジウム : 畜産会館 (紙パルプ会館向い側)
試食会&交流会 : 紙パルプ会館パピエ
(〒104-8193東京都中央区銀座3-9-11)
銀座線「銀座」駅より徒歩2分(A12の出口)
(お問合せ): TEL03-3584-8111(代表)
(アクセス): http://www.kamipa-kaikan.co.jp/ )
【参加費】 第1部 シンポジウム 一般1,000円 学生 500円
第2部 試食会&交流会 一般3,000円 学生1,500円
(参加費は当日、会場にて申し受けます。)
~~プログラム~~
第1部 シンポジウム (19:00~20:30)
『食を育てる、食が育てる』
ファシリテーター
高安和夫 有限会社アグリクリエイト 東京支社長
有機農業を目指す仲間達と『有機栽培あゆみの会』(会員約250名)を結成し、そ
の物流・管理業務を担当しているのがアグリクリエイトです。東京支社では消費者の
声を農家に伝え、消費者の望む農産物を提供する役目を負っています。
また食品リサイクルを通して、農村と都市との交流に力を入れています。
パネラー
外山たら NPO日本コミュニティーガーデニング協会理事長
(財)日本特産農産物協会認定・農産物マイスター。NPOコミュニティーガーデニン
グ協会理事長。NPOジャパン・ハーブ・ソサエティー理事。グリーンアドバイザー・
東京技術研修委員会委員長。著書「ハーブのレシピ春夏秋冬」「感じるハーブ」があ
る。また、4月から「ハーブ&おいしい野菜塾」を開講します。
樋口恵子 NPO日本糖友会理事長
2001年3月特定非営利法人日本糖友会を設立。糖尿病患者を中心に、食事・運動療
法の提案、心のケアとしてのヘルスカウンセラーを行っています。その中で低カロ
リーでありながら豪華なレシピ「美食良菜」を作成し、見た目の美しさや食べた時の
満足感を重視した料理提案をしています。
嵯峨生馬 NPOアースデーマネー・アソシエイション理事長
2002年NPO法人アースデーマネー・アソシエイション設立。アースデーマネーの発
行を通じて寄付やボランティアを促進し、NPOやNGO、任意のグループによる環境や社
会に貢献するプロジェクトを応援しています。また3年前からアースデーファームを
開園し小麦栽培に着手し都市と農村交流も行っています。
山田薙夏(ちか) 有限会社 アリスト 代表取締役
病院という枠を越えて、社会というフィールドでライター・編集者として看護実践
(ケア)をしている看護師。最も身近な自然環境である自分のからだは、食を中心に
ケアしている。それは自身が看護師であることもあるが、それよりも、自分が虚弱だ
ということがきっかけだったと記憶しているからです。
第2部【試食会&交流会】 (20:40~22:00)
今回は、「キッチンゆびっこくらぶ」の皆さんが腕をふるう野菜料理12品が皆さ
んをお待ちしています。日ごろ野菜不足の皆さん、ぜひ食べに来てください!
「こんなに野菜が美味しいなんて!」
野菜の味の新発見をご期待ください。
【定員】 70人
【主催】 『銀座 食学塾』
【協力】 『未来塾21』
『新世代の会』 『日本オーガニックネットワーク』
【お申込み方法】
・C
鹿児島出張等入り、またかけない日々つづいています。黒豚、黒牛、薩摩若シャモ等々食い倒れてきました。
さて
オフ会落選した人たちには本当にゴメンナサイ。僕も辛くてしょうがないです。今回時間があまりにもなくて、一人一人にゴメンナサイメールを出している余裕がありません。本当に申し訳ないです。
で、
オフ会はしょうがないけど、パスクワリーノの料理が食べたいという方、大丈夫です!
実はパスクワリーノはもうすでに来日しています。今週頭、僕のところに無二路から電話あり。
「パスクワリーノが到着しました、、、いまかわりますね」
「エイ! ケンズィ!」
そこからはあの喧噪の日々に頭から浴びまくったパスクワリーノのしゃべり炸裂!
で、彼は基本的に毎日調理場に立っています。ぜひ食べに行って上げて下さい!
「やまけんコースの上に、パスクワリーノコースをつくりました。6500円になりますが、シチリアの味をお楽しみいただけるような内容にします。」
ということで、オフ会に漏れてしまったけど料理食いたい!という方はすぐに無二路に連絡をお願いします。
無二路
03-3466-2242
僕はパスクワリーノをどこかで接待しないといけない。うーん どこに連れて行こうかなぁ、、、彼はペシェ(魚)を食べないんですよ。んー 山利喜の焼きトンがいいかなぁ、、、
はぁああ
昨晩仕事終了後に1時間くらいかけてオフ会の抽選しました。今回キャパが小さいのでバランスよくするためにかなり難航。今さっき当選者の方々にメールをしておきましたので、申請時のメールでご確認おねがいします。
当選された方、楽しく食べましょうね。
今回は漏れてしまった皆様、大変に申し訳ありません。心のこもった一言コメントをみて、なんとかして全員に参加して頂きたいと思ったのですが、無理でした。無二路からは「何日かやれば?」と言われたのですが、さすがに私もコレばっかりやっているわけにはいかず。
漏れた方々の中には私がじっこんにさせていただいている方々が多いです。やまけんの薄情者と言われそうですが、どうかお許し下さいますよう。
昨晩は、健康診断結果に気をよくして、雨の中を10分歩いて銀座のロメスパ「ジャポネ」に行き、ナポリタン親方を食べました。注文したら、他のお客さんがギョッとした顔でみてた、、、
もちろん完食。ていうか、親方クラスは結構普通に感じるようになってきた、、、
そうだ。昨日、事務所に京阪神エルマガジン社から、MeetsRegional5月号という雑誌が送られてきました。
ほんとは濃い味、好きなんです。ソース、背脂、カレー、味噌ダレ、、、かけ過ぎて「ええやん!」
いや
この雑誌最高!惚れました。全ページソース色茶色!脂っこそうなものばかりだ!
どなたかわかりませんが、送って下さって大変にありがとうございました。編集者さんもライターさんも素晴らしいセンスだと思います。
さて、今日も一日仕事しましょう!
食い倒れ系エントリはしばらく自粛なのですが、速報。
健康診断行ってきました。
前の会社にいたときから、体調管理にはかなり気を遣ってきました。だって俺が糖尿病になってしまったら、もう食い倒れが出来ないから!
しかし独立してからしばらく健康診断にもいけず、食い倒れ系の話はどんどんエスカレートしていくばかり、、、
それに最近、コメント欄をみると「お身体が心配です」というのがかなり目に付く、、、
で、本日。かなりドキドキしながら行きましたよ、八重洲の健康診断センターに、、、結果報告を受けると、
「綺麗な肺ですねぇ タバコは吸わないんですか?ああ、吸わない。いいですねー」
「眼底も非常に綺麗で、子供の頃のようですよ。」
などなどなど
結果としてはいいんだけど先送りになってすげー不安はつのる!
そしていよいよ血液だ!
「血液検査では、注意して欲しいという意味の☆印が2つついてますね。」
うおっ ドキッ
「一つは中性脂肪です。そうですね。これは努めて下げるようにしてくださいね。それで、もう一つは、、、血糖ですね。」
ああああああああああああああ
もう泣きそうである。
もう俺は食い倒れできないのか、、、
「ええとですね、山本さんの場合、通常値より低いので☆がついてますね。」
え?
それって、大丈夫ってことですか??
「ええ、まったく糖尿病の気配はありませんね。親御さんに感謝してください。いい体質を引き継いでおられます」
ま、まじ?
やったぁあああああああああああああああ
父さん母さんそしてご先祖様方、どうもありがとうございます、、、
皆さんまだしばらく食い倒れを続けられそうです。ご安心ください。
PS 本の出版にむけた作業が始まっています。僕の食い倒れ日記にもよく登場する、謎に満ちたあの店がもしかしたら取材を受けて頂けるかもしれません。もう少しで分かります。こうご期待!
皆さんのご察しの通り、超繁忙続いていて更新ができませぬ。
ようやく新居に引越終了。ようやく梱包といて仕事が出来るようになりました。
さてパスクワリーノを迎えるオフ会、多数の応募ありがとうございました!
ていうか、160人を超えているので、もう全てのメールに目を通すのが精一杯で、皆さんいろいろ書いてくださっているのですが、返答ができません。この場を借りてお詫び申し上げます。
ええと、すでによく知っている人や、全く知らない人織りまぜて多数。エイヤで抽選にします。よく知っていてお世話になっている人は何とかしたいと思うのですが、そういう人だけで30人以上になっているので、これは公平にできなさそう。手心ナシってことで行きたいと思います。
火曜日以降、当選者さんにはメール連絡しますね。
さて
ネタもいっぱいあるし書きたいのですが仕事優先なのでしばらくエントリ更新がなくてもご容赦。たくさん美味しいもの食べてるんですが、、、タケノコの季節ですから、皆さんもぜひご自分で茹でるところから楽しんでみてくださいネ。
では、では、、、
かねてより発表しておりました、シチリアの豪腕シェフ・パスクワリーノを迎えてのオフ会を下記の通り開催したいと思います。
趣旨:
食い倒れ日記シチリア編でお世話になったシェフ・パスクワリーノ氏を歓迎し、日本を大好きになってもらうことを第一義に、ついでに食い倒れ日記の読者さんが集まり、親睦を深める会とします。合コンとか出会い系パーティではなく、ひたすら美味しく料理を楽しむ会ですのでその辺ヨロシク。
参加条件:
食い倒れ日記シチリア編(未完)を読んで「シチリア マイラブ!」と思える人
日時:2005年4月23日(土) 18時開場 18時半~21時半まで
場所:シチリア料理 無二路
地図等は お店のWeb(暫定版)へ http://www.muniro.com/
会費:8000円 (食事・ドリンク込み)
※パスクワリーノ氏へのプレゼントを準備したいと思いますので、会場で会費以外のカンパを有志で募ります(300~500円程度で結構です)。
募集人数:30名
申し込み方法: netfarm@mail.goo.ne.jpあてに、参加者の名前と人数、連絡のつく電話番号とメールアドレス(必須)、そして参加にあたり一言アピール!をご連絡下さい。
申し込み〆切: 9日(土)の23:59までとします。
少しでも多く色とりどりの方たちに参加して頂きたいので、4人以上での申し込みはお避け下さい。
当日は、シチリアの前菜たっぷりと特製パスタ数種、そして今年最後の乳飲み仔羊のロースト、そして強烈にスイーティーなシチリアンドルチェがあなたを待っています!
とにかくパスクワリーノ氏を気持ちよい気分にしてあげましょう!
では、では。
あるネタを書きたい書きたいと思っているところに、絶妙なタイミングですばらしい贈り物をいただいた。それは、ジャガイモである。ジャガイモといってもただの芋ではない。越冬貯蔵したジャガイモなのである。
越冬したジャガイモの何がよいかということだが、それはもう味である。おそらく一般の方からすれば、農産物とくに野菜・くだものは、とれたて新鮮な状態が一番美味しいと感じられるだろう。しかし、とれたてよりも、一定の条件下で貯蔵をして熟成させたものの方が美味しくなるものもある。例えば柑橘の文旦(ぶんたん)、伊予柑などは、もぎたては酸が強いため、土で室(ムロ)を作ったりして、その中でしばらく熟成させることが多い。これにより味がまろやかで香気を放つようになるのだ。最近では雪国の貯蔵キャベツもテレビで紹介されていた。
で、それらとは理屈が違うのだが、ジャガイモも貯蔵したほうが美味しくなる。おそらく感覚的には「新じゃが」の方が美味しそうと思われるだろう。無論、ほりたての芋はフレッシュで美味しいそのままフライドポテトにしても、焦げることもなく綺麗に美味しく揚がる。
しかし、実は堀たてよりも、低温で熟成しておいたほうが美味しくなる。家庭菜園などやっている人はご存じだろうが、サツマイモは収穫後、かげ干しをすることで糖度が上がって美味しくなる。これは、芋の中のでん粉が糖化するからである。つまり甘く、深い味わいになるのだ。よく掘りたてのサツマイモを焼き芋にしているのをみかけるが、あれでは味が乗っていない。それと同じで、ジャガイモも熟成した方が美味しいのである。ただ、「甘い芋は嫌いだ」という方にとっては美味しいとは言えないかも知れないが、それはまあよしとしてください。
ジャガイモを熟成させる方法は簡単だ。まず、もし菜園などで自分で作っている場合は、地上部が黄色くなり、カラカラに枯れる(自然枯凋という)まで待ってから収穫した方がいい。その状態で食べると、それだけでもただの新じゃがより美味しいが、まだもう一段熟成させた方が旨いということもある。大きな野菜庫がないと厳しいが、黒いビニールか新聞紙にジャガイモを包んで完全に遮光し、野菜庫に1ヶ月ほど放り込んでおこう。こうすることで否応もなく芋の体中で糖化酵素が働き、甘くなる。びっくりすること請け合いだ。
じゃあ、すべてのジャガイモを熟成させりゃいいじゃん!と思うかもしれないが、農産物というものは、貯蔵するとそれだけリスクも高まるものだ。まず大型の冷蔵庫スペースの費用と、貯蔵期間分の電気代が発生する。そうして熟成を始めても、途中で腐るものもあれば、水分が抜けてスポンジのようになってしまうものもある。半年貯蔵した時の歩留まりはせいぜい8~7割くらいだろう。したがって貯蔵した芋は通常より高く売れないとペイしないが、小売店等で「貯蔵芋だから」といって高く売られているのを観たことがあるだろうか?日本の小売店では、そういうことまで気を回してくれないのが通常なので、期待できない。そういうことで、ジャガイモ販売業者はなかなかに大変なのである。
さて、それはともかく本題に戻ろう。
届いたのは、過去ログでもさんざん書いた「インカのめざめ」である。
■じゃがいも三種のテイスティングhttp://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000081.html
「めざめ」は栗のような、甘さとナッツのような香りで最近有名になった品種だ。ただ、この芋、生産者そして流通業者にとっては致命的な性質がある。それは、貯蔵が難しいのだ。インカの目覚めは、通常の芋よりも芽がでるのが早い。買ってすぐ先述のように冷蔵しないと、芽がスルスルと出てきてしまうのである。
「でもね、そのリスクを背負ってでも、旨い『インカのめざめ』をお届けしたいんですよ!」
と言うのが、ししゃも漁師の近江さんだ。
■北の国からホンモノのシシャモが来る!川魚のような繊細な香りにすぐさま降参しました!
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000510.html
そう、浦幌(うらほろ)の荒波の中、本物のししゃもを獲り、ネット上ですぐさま完売してしまう凄腕ネット漁師、近江さんである。あのししゃも、本当に旨かった!
その近江さんが熱を入れて、越冬インカのめざめの旨さを語っていたのだ!僕が「越冬旨いですよね」と言うと、目を輝かせて「でしょ?送りますから!」と仰っていた。それを律儀にも覚えて頂いていたようで、このたび新居に届いたのである。
インカの目覚めとレッドムーンという紅いもの二種が届いたのだが、とりあえずインカを食べることにした。
ちなみにインカもけっこうみてきたが、生産者の技量がわかる立派な芋で、いい型が揃っている。これを味わうわけだが、まずはやはり素のままが一番いい。ダッチオーブンのフライパンであるスキレットを用いて、皮付きのまま洗っただけのインカのめざめを弱火で蒸し焼きする。スキレットの蓋をすると、中が真空状態になって、素材の水分だけで焼くことが出来るのである。
さて20分ほどで火が通る。割ると食欲をそそる、綺麗な黄色の果肉だ。
この断面をみただけでは、サツマイモと勘違いする人も出てくるだろうと思うが、これはれっきとしたジャガイモなのである。
さて、何もつけないで食べてみようと一口頬張ってみた。
ん!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これは甘いぃいいいいいいいいいいいいいい~
凄まじく甘い! ビックリした! 甘みの乗ったサツマイモと同等の糖度ではないだろうか。しかしながら食感は、じゃっかん粉質系のホクホク感。これは旨いねぇ!
いや、本当にびっくりである。兄弟分の工藤ちゃんも来ていたので食べてもらったが、ビックリしていた。
「あ、甘くて旨いですねぇ、、、これ本当にジャガイモ?」
ジャガイモなのである。
甘いだけではなく風味がきちんとあるのがこのインカの越冬芋の偉いところだろう。いや、近江さん、素晴らしいです。よくぞあなたは、、、
ということで、食い倒れ日記的にはこの近江さんのWebを大推薦したい!!!
、、、と思ったのだが、、、
いま確認したら、すでにこの芋、売り切れではないか!
■幻の逸品やさん ~越冬じゃがのスウィーツin代官山~
http://www.rakuten.co.jp/shishamo/689284/
なんだなんだなんだ、、、
でもそれをみてまた僕は感動してしまった。
近江さん、僕に送ってくれたのは、宣伝してくれとかいうことではなく、本当にご好意以外の何ものでもなかったわけだ。
近江さん、しかと味わいました。あなたは正しい!越冬インカ、最高である。来年は買います。
十勝の農業者である十勝やっちにもぜひ来年は越冬ジャガイモをやって欲しいな!
ところで、ジャガイモ先進地帯であるヨーロッパでは、ジャガイモは日本のような粗雑な扱いは受けていない。まず、ジャガイモの保存で最も気をつけるべきことは日光を遮ることだ。日光を受けるとそこが緑変し、味も落ちてしまう。ヨーロッパでは黒ビニールに包んで売っているスーパーがけっこうあるということだ(みたことはないけど)。
日本におけるジャガイモの位置づけがあがりますように。
ちなみに、今回書いた内容とは全く趣旨が違うけど、菜園家向けの雑誌「やさい畑」の2004年冬号では、「じゃがいも13種食べ比べ」記事を僕が手がけさせて頂いている。ご関心あれば読んでくださいね。最近、著名な野菜の勉強会でもこの「やさい畑」の記事が参考資料として使われているらしい。嬉しいもんです。
久々に、食材ネタでした。
※設定を間違えていつもよりデカイ画像サイズになってしまったけど、めんどいのでこのまんまアップ。
那覇市内に戻り、ホテルにチェックイン後すぐ、タクシーに乗ってキッペイに教えてもらったとおりの指示をする。キッペイは、居酒屋「こうちゃん」にて沖縄軍団と飲みをしながら、僕らを待ち受けるという寸法なのだ。そして僕と華は「琉球料理乃山本彩香」へ向かう。
実は前回の沖縄行で一番反応が大きかったのがこの店なのだ。
「私が一番行きたいと思っていた店に行ってしまうなんて!」
とか
「あの店は琉球料理では頂点の店なんだからこんなのに出しちゃダメ」
とか色々と言われた。山本彩香さんのなんたるかを全く予備知識無しで行ってしまったのが相当にタワケ者的行為だったらしい。しかもそんなビギナーなのに、彩香さんと家族同然の付き合いをしている川端父子の導きにより、特別個室で彩香さんに歓待を受けてしまったものだから、なおさらなのだろう。いや申し訳ないといいつつ、これも食い倒れ運。
で、その後、僕からはあの千住葱を、一番旨い時期に彩香さんの店にお送りしたのだ。卓にきいたところ「すっごい喜んでいたみたいだよ!」とのこと。よかったよかった。沖縄には長葱はないものね。
さて彩香さんのお店については前回のエントリを参照されたい。
■琉球料理逍遙~未来に繋がる郷土の魂を堪能させていただいた 「琉球料理乃 山本彩香」
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000456.html
前回のが9月だから、ほぼ半年ぶりですな。こんなに早くに再訪できて幸せだ。
ちなみに覚えている人もいるかもしれないが、この山本彩香さんの店で目に付く文字(看板とかメニュー)は、すべて川端パパが書いておられる。そして、ぼくのこのブログの題字を書いて下さっているのも川端パパである!
さて店にはいると、前回同様、現在の一番弟子なのであろう、早苗さんという細身のさっぱりとした女性が迎えてくれる。
「やまけんさんのホームページみましたよ、、、いくつか料理の材料の名前が間違っていて、、、」
ああああああ ごめんなさーい
実は前回の記事で「イラブチャーの酢みそ」と書いているの、イラブチャーではなかったらしい!けど、正しいのが何だったかもう忘れてしまった!うわーん ゴメンナサイ、、、
「いえいえ いいんですよ(笑)」
とにこやかに、彩香さんの店の代表的な先付けである「とうふよう」が運ばれてくる。
いつもながらこのとうふよう、最高である。土産物売り場にあるようなのとは一線を画す上品な風味。チーズのような世界だが、確実に泡盛または日本の酒に合う。
そういえばブセナテラスの鉄板焼き「龍潭」で前菜にいただいたとうふようも非常に旨かった。これはある業者から仕入れているというものだったが、彩香さんの店のより淡い癖のない味わいで、豆腐ようのトップレベルにも様々な味の違いがあるのだなと思った。
さて
この店定番の前菜盛り合わせが出てくる。
手前の黒いのが、豚肉の上に黒ごまのペーストをのせた「みぬだる」、左側のが「たーむ(田芋)」を揚げたもの、そして右上のが、島ラッキョウの天ぷらだ。
「みぬだる」は非常に地味の濃い、極めて伝統料理食の強い一品だ。実に素朴な力強い旨さがある。味付けが最低限に抑えられているので素材の微妙な味がかち合い、噛む毎に複雑性が付加される。
そして今回はたと膝を打ったのがこの島ラッキョウの天ぷらだ。
昨夜、もうろうとした意識の中で、キッペイが持ってきてくれた島ラッキョウの塩漬けをポリポリ食べながら、思っていたのだ。「これは加熱したらまた違った味わいになるだろうなぁ」と。
島ラッキョウの塩漬け、これが少しだけピリッと辛みの効いた、強烈な香りの一品で、たしかに泡盛にベストマッチだ。よく酒肴に出されるエシャレットと少し似ている(ちなみにエシャレットと、フレンチの基本素材である「エシャロット」とは別物である)。タマネギに含まれる硫化アリルを同じく含んでいるのだろう、であれば、加熱するとこの辛み成分が甘さと香り高さに変換され、旨いはずだ、、、と思っていたのだ。
そう思っていたらこの天ぷらが出てきた!嬉しいなぁ
「粟国の塩」につけていただくと、ポリッとした食感はそのままに、やはり気高い香ばしさが立ち上る。すこしシャクッとした感触が残りながらも熱が通っており、官能的な食感だ。旨い!
これをいただきながら、ある相関・相似が頭に浮かんだ。それは北海道~東北で食べられる行者ニンニクだ。北海道ではアイヌネギというが、こちらは5月あたりから山中に自生しており、収穫して生で食べたり醤油漬けにしたり、ジンギスカンに入れたり、または富良野のラーメン富川のように餃子に入れたりする。ジンギスカンに入れて食べると、「3日間くらいは身体中から匂いがして、誰にも会えない」と言われるほどの強烈な香りを持っている。
島ラッキョウの位置づけは北海道のアイヌネギに似ている、というと的はずれだろうか?食材の特性からしてもそうはずれていないような気がするのであった。
さてくだんの魚の酢みそかけが出てきた!早苗さんこれなんて名前でしたっけ?コメントででもおしえてください~
この酢みそは甘めなのだけど、しっかりとした酸味とビリッとした辛みがしこまれていて、実に旨い。この辛みは何かな、と思ったら、なんと沖縄のトウガラシの泡盛漬け「こーれーぐーすー」だとのこと。なるほどねぇ!
というところで、卓パパが登場である!
「やあどうもこんばんは。先客のところから少しだけ抜けてきました。顔を見て、すぐに帰りますよ」
いやしかしいつもながらダンディーである。
沖縄放送など、返還後の沖縄のメディア界で活躍された卓パパ、ほっそりとした身体にすさまじいロゴスが詰まっているのである。華子が着物の仕事をしているということを知るや、琉球や鹿児島の着物事情などをレクチャーして下さる。
「大島紬はねぇ、、、」
という話になった時、僕の無知さ加減が暴露してしまった!「大島紬」は、東京の伊豆大島で織られているものだと勘違いしていたのだが、なんと奄美大島で織られていたのね!ひえええ
「ああ、こりゃ話にならないや。華ちゃん、やまけんを教育してやってよ、、、」
とパパもあきれ顔である。その分、華のことは非常に気に入って頂けたようで佳かった。着物と本の話でよい感じに盛り上がった。
さて
この店で僕が一番好きな料理がでてきた! 「どぅるわかしー」である!
「たーむ(田芋)」をつぶして豚肉やカマボコ、シイタケ、豆などと和えたもので、たーむの甘さと具材の味と旨味、ネットリとした食感が実に色っぽくて美味しいのだ!
じゅうしいもそうだが、油の使い方が絶妙だ。脂っこくないのだけど、料理のネットリ感やコクを出すために様々なところに使われているのだ。
もう一杯食べたいなぁ、、、
と思っていたら、彩香さん登場!
「あら、よく来たわねぇ、新婚さん!」
相変わらず、小柄な身体に凝縮・抑制されたパワーがみなぎったような方である。すぐさま盟友である卓パパとの丁々発止なたのしいお話しが始まる。
どうやら4月のNHK 「食彩浪漫」に、宮本亜門氏の心の料理ということで出演されるらしい。
「一品作ればいいのかと思ったら、『あれもこれも』っていわれて、ほとんど全部の料理を作らされたのよぉ~ 大変だったわ!」
読者さんはぜひ食彩浪漫観るべし! 現在発売中のテキストに掲載されているようだから、チェックを。
どぅるわかしーのおかわりは見事OK。やったぜ!
そしてメインディッシュとも言える、白みそ仕立ての、コッテリしながらも上品な「らふてー」。おそらくピーナツも裏ごしされて入っていると思う。
この他、色とりどり、心づくしの料理が運ばれてきたのである。
最後の締めはトゥンファンという、じゅうしいのような炊き込みご飯にを旨味の濃いダシをかけたもの。これも定番だ。
ダシを回しかけ、、、
蓋をしてしばらく蒸して、一呼吸おいて崩していただくのだ!
コレがもう最高! 琉球料理は実に人の食の欲求を絶妙に刺激し、満足させてくれる!
先回もいただいた大粒のタピオカをショウガ風味とシナモンの効いた甘い蜜でいただき、彩香さんも「ここは美味しい」と認める手作りちんすこうをいただく。
たしかにこのちんすこうは旨い!いままでちんすこうを食べて美味しいと思うことはなかったが、これは実に風味のある、ホロホロと崩れるはかない食感の逸品だった。
しかしこの上、卓パパと彩香さんにはお祝いの品をいただいてしまった。卓パパには琉球ガラスの超一流作家、稲嶺氏のグラスと皿を。彩香さんには店でも使っている琉球柄の湯飲みをいただいた!この上なき大感謝である。
このお二人、本当に仲が佳い。僕もこんな洒脱で洒落た関係というのを、50代以降に築いていけたらいいなぁ、と思った。
それにしても彩香さんの料理はやはり素晴らしい!
「もっとこういう伝統的な料理をきちんと出す店があって欲しいのよ。私のところは3部屋しかないから、お客さんに対応しきれない。」
という彩香さんは、本当に心の底からそう思っているようだった。
沖縄にいったら、ぜひ「琉球料理乃山本彩香」にトライして頂きたい。静かで充実した時間を過ごすことが出来ると思う。
そして、さらに夜は続く。「居酒屋こうちゃん」にてウナギオムレツが僕を待っているのである!
(続く)
週末だから、来られる人が多くなるかな?
新居への引越し準備で、4年半住んだ木場の家を片づけ&荷造りしています。来週は、まだ全然終わってない仕事と引越しですべてが終わり、あまり更新できない模様です。ゴメンナサイね。こうしている内にも書かねばならないことが沢山蓄積されていくのですが、、、
引越しに際して、我が家のベランダに設置しているウェザーバケットのサーバ移設のため、しばらく木場の天気情報の配信ができなくなります。プロバイダへ移転の連絡を忘れていたため、ブロードバンドの開通が2週間かかるらしいのです(涙)。この際、光ファイバにでもしてやろうか、、、メリット無いな。
コメントももうレスつけられていないのが多くてゴメンナサイ。
中目ののんだくれさん、まだ起きてるんですか?たしかに千住葱は最近売り場で見かけますよねぇ。私の記事が一役買っているとするなら幸いです。それと、いただいた稲庭うどん食べてます。ウマいっす。
ああ、夜は更けていくなぁ。
新居には、前から欲しかったリンナイとクロワッサンが共同開発した、片側の出力が最大6,000kcalになる巨大火力コンロを購入しました。
これがものすごい火力でねぇ、、、本日、担々麺の麺を2玉鍋に投入したとき、通常の家庭用コンロの火力なら再沸騰まで時間がかかるのに、こいつはすぐさま再沸騰するのですヨ!
最近の買い物でピカイチですね。
執筆に取りかかりつつある本ですが、5月末に出ます。それの原稿整理と再取材などで4月は追われますので、こっちの食い倒れ日記の頻度は少し下がらざるを得ないんですが、何とぞお許しをいただきたいと思います。
ああ、
なんばんの粕漬け、いま覗いてみたらやっぱり売り切れてた!
さすがに追加の追加だから、売れ行きは鈍ると思っていたのですが、、、すごいなぁ
実はなんばん粕漬け、完全な手作りですから、出荷ロットによって味が少しずつ変わるんです。例えば、一昨年のなんばんと昨年のなんばんは、すこし味が違いました。原料の酒粕とか、なんばんとかが毎年、味が微妙に変わるからでしょうね。面白いものです。さあ、追加ロットはどんな味でしょうか。
そうそう シチリアの豪腕シェフ・パスクワリーノ氏の料理を食べるオフ会ですが、22日(金)から少しずれる可能性大です。確実にきまったら応募等かけますのでよろしくです。たのしみだなぁ。
さて、荷造りに戻りマース。 なぜか書いてて癒されるな。ありがたいことです。
はこちらです。
■暫定版です。
http://tenant.depart.livedoor.com/t/ldshop-anex/
なんで暫定版かというと、当初は隣町のなんばんを使うということだったのでそれようのコンテンツを作っていたのです。けどその後、まあどんな会の会員さんが自宅分を供出してくれたので、急いで原稿書き換えしたのですが、ライブドアデパートのデザイナーさんがまだ出社されてないようで、ページが完全にできあがってない!
一応ここに全テキストアップしておきますね。
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激賞にお応えして、「なんばんの粕漬け」特別バージョンを販売します。
凄まじい売れ方でした、、、初回500セットは7時間で売り切れ、追加の200セットも1日で売り切れ。「なんばんの粕漬けセット」今年度はもう、まあどんな会の手作りなんばん(トウガラシ)の塩漬けが無くなったので、終了とさせていただきました、、、
の、つもりだったんですが、、、終了直後から、「なんとかして売ってくれ!」「さらなる追加を!」の連絡が各所から寄せられました。しかし、もうなんばんの原料が無いんですよぉ、、、
と思っていたら、まあどんな会の佐藤洋子代表から連絡が!
「じゃあ、仕方がないから隣町からなんばんを分けてもらって作りましょうかね。私たちが作ったなんばんではないけれども、同じくらいの辛さと美味しさのものができることは間違いないです。」
おおおおおおおおおおおおおお
その手があったか!
じゃあそれでぜひ!と思ってお願いしていたところ、本日嬉しい連絡が!
「やまけんさん、うちのまあどんな会の会員が自宅用に漬けているなんばんを提供してくれましたよぉ、だからやっぱりまあどんな会の手製なんばんが作れます」
んんんんん
だったら最初っから出して下さいよぉ、、、
でも、自宅用をとっておくのは、そりゃそうだよね。みんな自分用に漬けてるんだもんね。それを供出させちゃってゴメンナサイ!
ということで、なんばんの粕漬け、つぶあぶらなんばん共に、目の届く範囲の原料を仕入れてもらうことができた。
「ただ、もうそろそろ時期的に酒粕が終わります。今回の追加も300セットくらいが限度ですね。それと、『まあどんな漬け』は気温が上がってきてしまったのでちょっと難しいです。」
ということで、今回は「オリジナルなんばんの粕漬け」と、「つぶあぶら入りなんばん」の2本セットとなります。酒粕が終わりますので、今度こそ売り切り次第終了。
果たして買いそびれていた方に行き渡るだろうか、、、武運を祈ります
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