カボス王国 食材満載 美味大国・大分を行く! その3 カボスとはこういうものであったか!

2005年12月 1日 from

翌朝目覚めてビックリした。この座敷、旅館の中でも最も見晴らしのよいスポットだったのだ!目の前からみえるのはあの殺風景な造船所の景色ではない!圧倒的な日の出が目の前で展開されているのだ!

しかも立派な内風呂が付いているので、その中からポカポカとまどろみながら、日の出を楽しんでしまった!いや贅沢極まりない。

さて朝飯を食べると市長さんが迎えに来て下さる。

「大分でカボス栽培が行われるようになりましたが、市場流通の関係上、グリーンのカボスが主流になり、完熟したカボスは農家も収穫せず、樹の上で腐らせてしまうことがほとんどです。」

実はこの間、完熟かぼすを色んな人に味わって貰っているのだが、一様に「おいしいおいしい」と言う。北千住バードコートでも、「カボスを添えて手羽を出したりすると、皆さん『これなんですか?』っておっしゃるんですよ。レモンではないってことはわかるけど、何なのかがわからないってかんじなんでしょうね」ということだ。そう、おそらく初めて体験する味ではないだろうか。

そして皆さん、「なぜこんなに美味しいのに流通しないの?」という。そう、それが流通なのだ。農産物流通の大家である江澤先生という方が「野菜は文化、流通は文明。文化は自由で、文明はそれを規定する」と仰っていた。そう、完熟カボスは、売り込み方がグリーン中心だったせいか、流通という規制の中ではグリーンのものしか販売されないのである。それはひとえにマーケットが存在しないからだ。存在しないマーケットを一から開拓するのは非常に大変な作業だ。しかし、この後藤市長はそれをやろうとしている。

「さあ、ここが私の会社で育てているカボス園です。無農薬ですから外見はきたないかも知れませんが、味はいいと思います!」

カボスの園地も、他の柑橘同様と考えていいと思うが、9月後半ではまだ全部がグリーンなので、どこに果実がなっているかわからない。しかし、近づいてみると果実だらけなのだ!

「私の会社では完熟カボスの果汁を販売することにしたので、これらのカボスはこのまま出荷せずに黄色くさせます。そうでないと美味しくないんですよ。」

実は後藤市長は、臼杵では超有名な企業であるうすき製薬の経営者でもある。九州の人なら風邪薬の「後藤散」を知っているだろう、あれを製造している企業である。しかしこの臼杵市の地域振興、農業振興を考えると、カボスの秘められた市場開拓をしなければならない。それを、自身の取り組みとして体を張っているのである。

ちなみに柑橘の栽培はトゲとの戦いである。みかんの樹にはトゲがビッシリとつくことが多く、それをかき分けながら収穫するのである。

農家さんの庭先で出荷を待つグリーンのカボス。みんながよく知っているこの状態のカボスが、現在の市場では最も高価な値が付く状態なのである。

「さあ、この大分で初めてカボスが植えられた時の樹が残っていますから観に行きましょう!」

え、そんなのがあるの?
そう、大分にカボスが来歴したのは1695年。京都から訪れた漢方医が、苗木を臼杵に持ち込んだのだ。この木はその元祖の木から株分けをした二世らしいが、まだ立派に実がなるのだという。うおーーーそのカボス、食いたい!

「さて、カボスについての知識を深めてもらったんで、これからカボスの加工品を味わって頂きますよ!」

と連れられたのは臼杵市内の観光通りにある、「かぼす工房」だ。

有限会社かぼす工房
臼杵市大字臼杵627番地
0972-63-5487

実はこの店、大分のカボスを色んな形に加工した食品が販売されている。柑橘類はどうしても青果として販売される量に限界があるため、加工に回さざるを得ない。その商品開発の実験工房がここなのである。なんと後藤市長の奥様が陣頭指揮をとっておられるのである。

この店には大記録がある。夏の暑いさかりに、カボスソフトクリームを一日で1000本売ったというのだ!

これが伝説のカボスソフト。もちろんムチャ旨である。カボスの落ちついた香りとソフトの相性ばっちりなのであった。

この他にもビックリするほどいろんな食品を開発しておられた。かぼすブッセとかの定番もあったが、僕が気に入ったのは意外にも(?)カボス羊羹(ようかん)である。

甘さ控えめ、小豆とか芋っぽくない、爽やかな風味としっとり感のある、美味しい羊羹だった。

こちらはカボスのピールをつかったチョコレート。非常に美味しかったが、もう少しチョコをビターにしたほうが、味に上品さが出るような気がする、とお伝えしておいた。

さて
ここで超弩級のビックリな発見が。ここに来るまでに、車中で後藤市長からこう聴かされたのだ。

「完熟したかぼすは旨味成分が多量に含まれているので、カボスと醤油と酢を1:1:1の割合で合わせるだけで、とても美味しいポン酢ができるんですよ!」

正直、これは鵜呑みにできなかった。ポン酢には昆布だしなど、グルタミン酸を添加しないと美味しいものにはならないだろう?と思ったのだ。カボスを思う気持ちはわかるが、そりゃああまりにもひいき目ってもんでしょう、と、、、

「さてやまけんさん、 それを証明しますよ!」

と出てきたのが、うすき製薬で製造しているカボス果汁だ。この黄色をみてわかるとおり完熟カボスの果汁である。

奥にあるのが業務用に使える大きなPET、手前が家庭用のものだ。

これを1:1:1に調合して頂くのが奥様である。

あっという間にできあがったこの即席ポン酢、僕もしっかり目の前でみた訳だが、本当にカボス果汁と醤油と酢だけである。

「お一口、どうぞ」

とスプーンを渡され、啜ってみた。


のぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ビックリした!

実にしっかりとしたポン酢になっている!
しかも、添加していないはずの旨味成分が多量に感じられるのだ!

「これがカボスの旨味なんですよ!他の柑橘でもあるかもしれませんが、完熟かぼすの旨味はこんなにも濃いんです。」

いや~ やられた!
あまりにショックで、家に帰ってから色んな人にこれをやってみせたのだが、みな驚くばかりなのである。
カボスって本当に旨味が強いんだ!

使ったのはこの三種。こんなどこでも手に入るもので、旨いポン酢が出来るなんて、、、もう大メーカのポン酢は使えないのである。

それにしてもカボスは奥が深いな、全く知らない世界でした。


ちなみにくどいようだがこのエントリ、今書いているけれども実は9月末の話だ。現在はこのようなグリーンかぼすの時期は過ぎ去り、黄色い完熟カボスしか園地には生っていない。そしてそれらは通常の農家さんは放っておきます。市場出荷の途がないからだ。だから、農家さんはそのまんま放っておくのが通常なのだ。

こんなに旨いのに!

ということで、先に画像にあったように、うすき製薬さんでは完熟カボスの果汁を業務用に販売している。殺菌のため加温してあるけれども、完熟カボスの風味、旨味は損なわれていない。市長の奥様が作ってくださったカボスポン酢も、この完熟カボス果汁で作ったものだ。関心のある方は、先述の番号まで問いあわせてみていただきたい。

さて、、、
このエントリ書き始めた頃から「完熟カボス欲しいけど、どこにも売ってない!」というメールがけっこうきている。で、うすき製薬さんの方で、果汁用にとってある完熟カボスを特別におわけ頂けるそうである!

--------------------------- やまけんさんのブログを拝見させていただきました。黄かぼすの記事本当に美味しそうですね。「かぼスカッシュ」を自分でも作ってさっそく飲んでみようと思います。

さて、黄かぼすの果実ですが、通常は直販しておりません。当社としては、広く黄かぼす果汁のまろやかな味をいつでも味わえるようにストレート果汁の商品「後藤散本舗の黄かぼす果汁100%」を販売しております。こちらも、やまけんさんにお送りしますので、ご賞味いただければ幸いです。

さて、黄かぼす果実ですが、折角やまけんさんがブログで話題にして頂いているので、ブログをご覧になっているみなさんに、黄かぼすをお分けしたいと思います。
果実は、合成肥料や合成農薬を使っていませんので、中々綺麗なかぼすはありませんし、黄かぼすは、成熟した果実ですので、未熟のものに比べれば、日持ちもしませんので、限定でお分けしようと思います。

申込みが多すぎたときに対応できないので、50名様にお分けしようと思います。申込みが50名様を超えても、できるだけ対応しようと考えています。いかがでしょうか、ご検討下さい。

尚、東京では、季節限定で少量ですが明治屋さんの店頭でも販売しています。


※ 募集要項

販売店名 (有)かぼす工房 
大分県臼杵市大字臼杵627番地 
TEL 0972-63-5487

商 品 名 「後藤散本舗 黄かぼす果実」 
内容量:約2Kg かぼすが10個~15
個程度入っています。
販売価格  1500円(送料込)
支払方法 代引きにさせていただきます
申込方法
FAX:0972-63-5487
「後藤散本舗 黄かぼす果実 申込書 」とご記入の上、お名前 住所 電話番号もご記入下さい。

申込期日  12月5日くらいまで
発送日    12月7日~中旬


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送料込みでこれなら十分安いと思う。ていうか手間を考えると全然儲けは出ないだろう。でも、完熟カボスを味わって貰いたいという心意気である。関心のある方はご連絡を!もし完熟カボスが足りなくなっても、ぜひ瓶入り果汁でポン酢を試して頂きたい。ビックリすること請け合いだから、、、