2005年11月28日 from 出張
さて本来なら大分市内に宿泊して県の方々と情報交換&懇親することになっていたのだが、大分におけるカボス生産の元祖の地・臼杵市の市長さんが『こっちに連れてくぞー』といきなり強奪される羽目になったんである。前のエントリでも書いたが、一昨年中に僕が書いた完熟カボスについてのエントリを読んで共感してくださったのだ。
従って今回予約しておいたホテルは結局泊まらずに、チェックインだけすることになる。
「後藤市長さんが『もうこっちで宿泊とってあるから!』て仰るんですよ~」
と県のナラさんが笑う。臼杵市長である後藤さん、相当に強引な方である。なんといっても僕の了解など全く関係なく話を進めて居るんだから本当に剛腕だ。しかし面白い成り行きだなぁ、「これから一体どうなるんだ?」というドライブ感、最高である。
程なくして、後藤市長、ご自分の車で現る。
「愛知に出張していて、今空港から直行してきました。お待たせして申し訳ない!」
臼杵までの車中でポツポツと話をした。なんと不思議な縁がまたあるもので、愛知に移動する前日は、僕が最近親しくしているホンモノの酢の醸造メーカである「飯尾醸造」を訪問していたらしい!
「ヤマケンさんの話題になりましたよ。世間は狭いですねぇ」
本当に狭いというかなんというか、、、ただ、ホンモノの価値ある食品類を作っているところはかなり限られているので、そのせいだろうな。
「ここから臼杵市に入ります。本日お泊まり頂くのはフグを食べさせる料理旅館でしてね。今は夜だからあまり景色が見えませんけど、朝になると『ええっ』ていうところにあるんですよ。」
臼杵の海側を走っていると、街灯もあまりないため、暗くてよくわからない。しかしかなり大きい造船所があり、その横を車はすーっと走り抜けている。どちらかといえば殺風景な風景です。
「そう、殺風景と思うでしょ?でもね、明日になったらビックリするんですよ、、、はい、ここです!」
と、造船所の横をひょいと曲がったところに、いきなり粋な料亭旅館風の建物が現れたのだ!
■川口屋旅館別邸 久楽
http://hisaraku.com/index.html
波の音が微かにきこえる玄関をくぐり、座敷に通してもらうとすでにフグの用意がしつらえてあった。
「さあ 今日は御礼ですから沢山食べて下さいねぇ。娘からやまけんはとにかく大食いだからときいているので、余計に頼んでありますから!」
そう、実はこの後藤市長の娘であるリョーコちゃんが僕の友人で、その関係で僕に完熟カボスが送られてきて、この出会いとなったのである。
さてさて何はともあれフグである!
「まずはフグの一口サイズの寿司をどうぞ!」
なんと美しく可愛らしくそしてツルツルのテクスチャが美しいんだ!甘めのポン酢に漬けて一口に頬張ると、フグのよく締まった身がギュッと歯を押し返してくる弾力!
そしてこの身がもつ、魚の中でも屈指の高貴な旨味成分が静かに弾ける!この導入に、胃袋爆発寸前である。
「さあ どっさり食べなさ~い!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ふぐ刺し山盛りだああああああああああああああああああああああああ
どどーんと盛りつけられたふぐ刺し、そして皮や腹身などの各部位。気を失いそうである!
「これはもう、ガシッと数枚さらってポン酢で食べてみてね!」
と市長。これはもう遠慮していられない。
口に運ぶと、あのブリンブリンした弾力が歯を楽しませながら、具材の濃厚な旨味と香気が溶け出し、フグの旨さを倍加させるのだ!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
いままで食ったフグの中で一番旨い!
ゼラチンタップリの皮の部分もコリコリしていて、ポン酢の旨味が添加されてムチャクチャ旨い!
腹側のふっくらした身を湯引きにしたものが、これまた秀逸。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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