2005年10月31日 from
札幌駅につくと、アグリウェザー社の横山社長とSECのヤナさんが迎えに来てくれていた。アグリウェザー社は、僕も応援している気象情報ロボット「ウェザーバケット」の販売元だ。
実は今、アグリ社と僕と数社とで協力をしながら、農作業日誌のソフトウェアに、気象情報をリアルタイム入力して、気象条件でどのような品質の農産物ができるかという結果予測をする仕組みを作ろうとしている。農産物の生産には肥料の内容や栽培方法といったキーポイントがあるが、それより何より気象条件が最大の影響要因となる。
その気象情報も、作物のある土地その場の情報がわからなければ仕方がない。このソフトは、ある品目の栽培期間中の積算日照と気温をウェザーバケットと連動して記録することで、気象条件からみた品質レベルを導き出すものだ。つまり、日照と気温が十分レベルに達していていれば、ある程度の品質に達していることが導き出される。それでも味が悪かったり収穫量が少ないのであれば、栽培方法など他の条件がおかしいはずなので、見直しをするということができる。今後、農産物の高品質化を進めていく時には有効な仕組みになるはずだ。
実はウェザーバケットを利用したシステムですごいソリューションが完成した。それは、自分のバケットが置いてある近辺の52時間先までの予報を導き出すシステムだ!
一般的な天気予報は、数キロ毎に設置された気象観測ポイントのデータを元にしている。従ってそのポイントから外れているところでは、精度的には乖離がでてきてしまう。アグリ社の社長である横山さんは元々気象会社の支局長をしていた人だから、予測アルゴリズムの大家だ。自分で、ウェザーバケット設置ポイント周辺の予報を導き出すプログラムを完成したのだ!スゴイの一言に尽きる。
実はこれから全国数カ所の農家・中学校などでこのシステムを導入することになっていて、面白いシステムが組めることになる。このブログでも経過報告するので関心のある方は観て欲しい。
さて、白熱した会議中、横山さんがかってきてくれた、鮭の昆布巻き寿司などつまんでいたが、腹が減った!あれだけ(豚丼+ミニ蕎麦+豚丼+サンドイッチ3つ)午前中に食べたにもかかわらず、凶悪に腹が減ったのである!
「はい~ やまけんさんにご満足いただけそうな、僕が仲良くして頂いている店にお連れしますよ~ まずはフレンチのビストロです!」
おお、北海道でフレンチはなかなかに素晴らしいチョイス。何と言っても魚介や野菜などの素材が最高だからだ。
ススキノを歩き、とあるビルに入り2Fに上ると、小呈な店に到着した!
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BISTRO poele (ビストロポワル)
札幌市中央区南四条西3-2-7 第2グリーンビル 2F (地図)
011-530-0311
日曜・祝日・第3月曜
18:00~23:00
http://www.h5.dion.ne.jp/~sakai-t/index.html
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入口をみると小さそうな構えだったが、ゆったりくつろげるスペースだ。オーナー夫妻の坂井利幸/貴美子さんがシェフとソムリエを兼ねている、家庭感覚あふれる店作りだ。
店内の黒板に書かれているメニューを観ても非常にリーズナブルな価格が書き込まれている。
「まずはここで軽く、軽ぅ~くつまむ感じにしましょう」
と横山さんが仰るが、そういうわけにはいかん!食欲満開でいろいろ注文してしまった!
■レンコンサラダ ¥420
最も安い一皿となるこのサラダ、薄く効いたワインビネガーとクリーム系のソースで和えていて、素晴らしいつきだし前菜となる。次ぎに頼んだ野菜の白ワインマリネ(850円)も酸味と風味のバランスが秀逸で、流石北海道素材王国と唸る品質である!
さて
どこの店でも見つけたら必ず食べる様にしているレバーペーストなのだが、ここでも発見。
■白レバーのムース 850円
この美しい色目もさることながら価格が凄まじくリーズナブルであるのが北海道たるゆえんだろうか。
バゲットにタップリとムースをつけて頬張る。
旨い!
北千住のバードコートで食べる奥久慈シャモのレバーパテや、静岡の駿河若シャモのような濃厚系のペーストではなく、マイルドで全く尖ったところのない香りとコクだ!これはこれは、素材だけではなくシェフのレベルが高い!
ちょっと感動してしまって、皿をかなり追加。一軒目でもうこれである。横山社長苦笑。
■フォアグラのポワレ栗添え
フォアグラ3切れに栗がタップリ添えられたこの一皿が1980円はかなり安いと思う。栗のホックリ感と風味がフォアグラとの相性バッチリで、油分をこっくりと吸ってくれる感じである。
■青つぶ貝と茸のガーリックバター 980円
エスカルゴのかわりにつぶ貝を使ったこの一品は結構よく見かけるが、つぶ貝の本場はなんといっても北海道である!鉢一杯に入ってこの値段は、しつこいようだけど安いゾ。
つぶ貝のコリコリした食感と濃く清々しい旨味に、茸のネットリした食感が絡んで言うこと無し、である。
こうなるとワインで口を潤したくなる。ソムリエは店のおかみさんだ。銘柄は忘れたがしっとり落ちついた赤を注いでくれた。
さて第一ラウンドの後半戦(←なんのこっちゃ)である!
■天然鯛のムニエル アメリケーヌソース 1850円
僕は無類のアメリケーヌ好きである。何十匹もの海老を使い旨味を抽出したこのソース、ドミグラスよりも好きなんである。
この店のアメリケーヌは輝くオレンジ色。ムニエル仕立ての鯛の身にネットリ絡んでいる。
口にすると爽やかな海老の風味が拡がる。海老などの甲殻類は、鮮度が命で、すぐに臭みが発生する。ここのアメリケーヌは非常に上品で、鮮度の良さを感じさせる!高級レストランで味わう様な、死ぬほど濃い海老ソースという感じではないが、この価格でこの味ならいうことありません。
列席者も第一ラウンドにしてかなりいい感じにまったりしてきました。
そんなところで〆の麺にはウニスパゲッティ!
北海道だよ!絶対にいいウニ使ってるはずだ。
と、ここでシェフに大接近。厨房内のシェフ・坂井は眼光鋭く鍋を振っている!
いいウニは加熱しすぎると台無しになる。火加減とパスタの腰を調整しながら鍋を振っているのであろう!
完成品がこれだ!
このプレゼンテーション、実に美しい!
テリテリの黄金色、いや雲丹色に輝く小高い丘である!
目論見通り、北海道ならではのミョウバンを使っていない、薫り高くクリームのような雲丹だ。少し太めのスパゲティによく濃厚に絡んでいる!
「うーん マジでいい店ですねココ!」
「やまけんさーん、この店自慢の料理がまだあるんですよ!」
と社長がオーダーしてくれたのが、牛頬肉の赤ワイン煮込みである。
暗赤色に鈍く光る、煮詰めた赤ワインソースに、クリームと合わせて練り込んでいるのであろうマッシュポテトのベージュが映える!
牛頬肉は、ナイフを使うまでもなくホロホロととろける様に煮くずれている。ゼラチン質がねっとりと舌にあたり、柔らかな酸味とコクが溶けていく!
いやお見事!これは実に素晴らしいアラカルト群でした!
ドルチェまでしっかり食べて、かなり満足!
ソムリエであるおかみさんが、「よく食べる方がいらっしゃるっていうんで楽しみにしてたんですよ!」と言ってくれるが、この後さらに2軒ハシゴするつもりだって訊いたらどう思うだろうな。
眼光鋭いシェフは実は温和なお方。
「ありがとうございました!」
とお見送り頂いた。いやー いい店だった!また食べに来たいな。
さて実はこれが始まりである。
「やまけん、ジンギスカンは食べたいでしょう?」
食べたい食べたい!でも、どうせいくなら美味しいとわかっている店に行きたい。
前回札幌来訪時に美味しいと思った「味の羊ヶ丘」に行きたいのである。
「じゃあ、行きましょう!」
ススキノのジンギスカンといえば「だるま」が旨いわけだが、この羊ヶ丘のような新興店もかなり勢いがある。ジンギスカンは羊肉の品質がよくなければ旨くないのは当然だが、それ以上にタレの旨さが成否を分けているような気がする。んで、この羊ヶ丘のタレは僕好みなのだ。
店の中はかなり熱気ムンムン。早速肉を3人に4人前くらいの割合で頼んで焼き始めるのである。
東京でもジンギスカン店が沢山出てきているが、ぼくが通いたいな~と思う店はまだ出会ってないんだよな。北海道のジンギはかなりの確率で旨いと思うんだが、、、
ジンギスカン鍋のてっぺんに羊油を載せ、タラタラと垂らしながら肉を焼く。こげ目ができないとタンパク質が凝固して旨味が出ないので美味しくないぞ!ある程度しっかり焼いた方が旨いのである。
そして魅惑のタレに漬ける。醤油の味、甘み、フルーツの酸味などがバランスよくミックスされていて、濃度も適切!肉を口に放り込んで噛みしめると、ジュワッと羊の脂が染み出て、えも言われぬ肉の香りに満たされる。うーん最高!
とりあえず肉追加!
野菜も焼く!
でもって肉をまた食べる!
この繰り返しで、だいたい4人前くらい食べたのかな、、、そんな感じだ。
「いやーさすがに腹が一杯になってきたなぁ」
「え?やまけん、寿司ははいらないの?」
そういわれちゃぁ後には引けない。
またもや横山社長がよく行くらしい魚の旨い居酒屋に移動。しかしさすがに皆グロッキー気味。
秋刀魚の刺身
寿司数貫
これが札幌での激闘ぶりである。
いやぁ 食った、、、
明日は親友・岩崎農場の夫妻とアソブのである。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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