2005年5月21日 from オフ会
(間が空いてしまいました。前編はこちら)
厨房内は本当に戦場と言っていい凄まじい合戦模様!38名分の料理を4人でサーブするので強烈な回転スピードだった。
「38人だから、伸びない麺を使ったり、硬めに仕上げたりする必要があるんだ!でもこういうのはシチリアのホテルでも毎日だったな。この回転スピードをこなす集中力がつくと若い連中もいいんだけどね!」
とキーコが手を動かしながら言う。
「ほら、これがセコンド(メイン)だよ!」
おおおおおおお
出たぁ! 無二路必殺の仔羊の足一本、この日がシーズン最後の乳のみ仔羊である! キーコが指で押して、焼け具合を確かめている。
ベンチタイムをもって中までしっとりと火を通して、切り分ける。この羊ローストについてはキーコの見極めはグレートである!
焼き上がった羊をパスクワリーノがまたもや、皿に盛る!足の骨の部分にローズマリーの茎を刺し、案の定(笑)オブジェ風にしあげる!
※写真提供:Minevaさん
客席に出るともう、恒例の拍手大喝采である。パスクワリーノ真骨頂!幸せそうではないか、、、
少し酸味のある強いソースとの相性もバッチリな、乳のみ仔羊のロースト一皿である。会場、爆裂。これは誰が食べても旨いでしょう。
さて厨房では、恐るべきドルチェが日の目を見ようとしていたのである。
やたらめったらに飾り付けられているこの巨大なお菓子は、、、
そう、シチリア名物「カッサータ」である!しかし通常のカッサータではない、「シラクーサ風」だというのだが、その表面に施されたデコレーションを観よ!
「紙の切り抜きとかそんなんばっかり貼り付けてますよ、、、」
何度も言うが、パスクワリーノはアーティストなのであった。
さてこれが会場内に運ばれると、満腹中枢がかなりめいっぱいになっている参加者に新たな興奮を産み出したのである!
写真を撮ろうとドヨッと動くみんな!
さてカッサータというお菓子、本場シチリアでは、無茶苦茶に甘い、頭が痛くなるくらいの甘さなのだが、この日は丁度よい風味。一緒に焼かれたリモーネ(レモン)のケーキと合わせると非常によい相性だった!
「パスクワリーノのレシピだとこんな感じで、あまり甘すぎないんだよね」
ということであった。
いやぁ どうやら皆さん満腹である。あ、約一名、僕のblogにもよくレスを投稿して下さっているMinervaさんが「まだ食べたいですよぉ」と仰るので、羊の残ってる肉を切り分けてもらって、僕も一緒に食べました。
※写真提供:Minevaさん
ソースつけずに食べたこのローストがやっぱり旨い!何もつけなくても旨いのね、、、
さて会も中締めである。パスクワリーノも実はこの辺でヘロヘロになっていたのだが、、、
壇上に上がった瞬間、このテンションである!最後にまた長演説が始まったのであった!
「とにかく今回のパーティでは私は大変に満足しました、、、
無二路は私にとっては特別な場所です。それは大塚オーナーご家族の暖かさもありますが、第一に、私の一番の弟子であるキーコ、、、いや、もう私を超えたと行ってもいいでしょう、彼が居るからです。本当にどうもありがとう!
また来年も来ます!また会いましょう!」
大拍手のうちに、会は終了。皆、名残惜しそうに、終了後1時間くらいかけながら去っていったのでした。いやしかし本当に疲れた!
けど楽しかった、、、参加してくれた皆さんは本当に楽しんでくれたようだ。何よりパスクワリーノが喜んでいたのが嬉しい。まさか涙を観るとは思っていなかった。
さてこの日、皆さんからいただいたカンパが25000円に達した。どうもありがとうございました。パスクワリーノが欲しがっているのが、こういう楯なんですね。
ここに、日本語で「我々無二路とグッドテーブルズは、シチリアの偉大なシェフ、パスクワリーノを迎え、、、」というようなのを彫って欲しいと。そういうことらしい。わかったよやっときますよ、、、もうすぐ発注して、イタリアに送る予定です。それと共に、パスクワリーノが欲しがったのが、なんと日本の雪駄(せった)。これは、私の嫁が浅草橋の専門店でいいのを買って参りました。
僕が帰る際、パスクワリーノが僕の両頬にキスをする。
「もう望むものはない」
という感じだった。いいことをしたな、と思う。シチリアも日本も、「カネよりコネ」と、本当にそう思う。パスクワリーノ旋風を味わった人たちには強烈な印象が残っただろう。行ったこともないシチリアという国の雰囲気の一端が味わえたはずだ。
ご参加いただいた皆さんどうもありがとう!
そして、パスクワリーノに付き合って通訳して下さった加納さん、本当にどうもありがとうございました。実はこの加納さん、台湾屋台料理である魯肉飯(るーろーはん)のチェーン店である「ひげちょう」の取締役であることが判明!しかもなぜか築地王のご友人でもあらせられた。ということで近日、ひげちょうの全てを食い尽くす特集をやらかすことに決定しました。こうご期待!
最後に、パスクワリーノが「来年は無理かも知れないが、再来年にはまた来るよ!」と言っていた(誰も頼んでないのに)ことをお伝えします。元気でね、パスクワリーノ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
本サイトの著作権はやまけんが保持します。出版物・放送等に掲載される場合はご連絡を下さい。トラックバックはご自由に。