2005年3月15日 from
親友の本城しんのすけが、全国で最年少の中学校校長になった、という話はお伝えしたとおりだ。その中学校の見学会に誘われたので行ってきた。センター北駅からバスにのり、山田小学校前というバス停で降りる。東急線のテリトリーらしく閑静な住宅街だ。青空が心地よく、暖かだ。平和な気分に包まれてスロープを上っていくと校舎があった。
11時から説明会だが、10時過ぎに着いてしまったせいだろうか、校門は閉まっている。最近は物騒な事件が多いから、開門時間も限られているのだろう。それにしても人気のない校門だったので、正門は裏側かと思い、ぐるっと回る。あたたかく陽光がふりそそぐ側に回ると、校庭ではサッカー大会が行われているようで、歓声がしている。ああ、こっちだなと思い校舎に入ろうとするが、どうも入り口が明示されていない。どこもかしこも閉ざされている。職員室も一階にあるのに、誰もいないようだ。説明会が控えているのだから立ち働く人が居てしかるべきと思うが、どうしたことだろうか。
校門に腰掛けてPCを立ち上げ、しんのすけからの案内メールをみるが、今日で間違いはないはずだ。んー でも現実には誰もいない。これはまあ、連絡の行き違いなんだろうな、と納得することにした。しんのすけがどこで働くのかということがわかったのだから、これを観ただけでも満足だ。いい日光浴もできたし、、、
しかし何か腑に落ちない。いそぎ、前々日に説明会に参加した加賀谷に電話を掛ける。
「え、おかしいな、今日もやっているはずだよ!」
「でも、どこも開いてないんだよ、、、」
加賀谷も困惑している。おかしいなぁ、、、 と、加賀谷が僕に尋ねた。
「あのさ、やまけん、どこにいるの?」
そこから自分でも笑いを抑えることができない出来事が起こってしまった。その模様は加賀谷のblogをご覧いただきたい。
ちなみに僕のWebの読者さんからよく「加賀谷さんって何ものですか」ときかれることが多いのだが、自由人である。最近のエントリに「講演やスピーチを専門に配信する仕組みがあるといいな」と書いているが、まさにそのサービスは欲しいところである。
さてそんなこんなで無事に到着した。正門には新しくこの中学に入る子であろう制服をきた女の子達が立っており、「おはようございます!」と来場者に挨拶をしている。
「本城さんが校長をする学校はここですか?」
ときくと、実に晴れやかな笑顔で
「はい、そうです!」
と応えてくれた。持参した上履きを履き、講堂に向かう。構内には子供連れの来場者がわんさかいる。これはしんのすけに声を掛けるどころの騒ぎじゃないなと思いながらトイレに寄り小用を足していたら、なんとしんのすけが隣の隣の便器で用を足している!
「おはようございま、、、何だやまけんじゃないか!」
二人して笑う。久しぶりに観たしんのすけのスーツ姿であった。講堂に向かうみちすがら、親校から手伝いにきた生徒(現在は学区内の違う学校にいて、春からこの中学に通ってくる2年生以上の生徒)に「今日、あてるとおもうから前の方に座っておいてね!」と声を掛けている。生徒も「はい!」と応えている。すでにいいコミュニケーションが確立しているのをみて、かなりいい印象だ。
講演が始まった。
その内容についても先述の加賀谷のエントリに書いているのでここでは深く述べないけど、しんのすけらしい素晴らしい内容だった。彼は父母や子供達にたいして1時間、徹底的に「本城しんのすけについて」の話をしたのだ。生まれ育った北海道の音別町のこと、進学した学校のこと、会社のこと、、、そして、そのそれぞれで受けた教育やコミュニティの在り方のなかで感じたことを述べ、最後に「この学校で目指したいこと」を話すのである。
この話に非常に感銘を受けた。最初「なに自分の身の上話をしてるんだよ」と思ったのだが、考えてみれば子供を預けようという親たちが知りたいのは、教育方針を決める校長先生が「何を行動原理としているか」ということではないか。そしてそれは、校長先生がどのような人生を送ってきたかということから明確に浮かび上がってくる。
事実、講堂に集まった父母たちを観ていると、いぶかしげな表情を浮かべるひとも少しは居たのかもしれないが、殆どがキラキラとした目をしんのすけに向けていた。そこには清潔な期待感があったと感じた。
ビバ、しんのすけである。本番は4月以降のこれからだけど、良い学校になるだろう。それも、最初からよくなるのではなく、だんだんよくなっていくだろう。
良い気分で講堂を後にした。東山田中学校の最寄り駅はセンター北駅だ。センター北といえば有名なラーメン屋である「くじら軒」がある。ずっと前のdanchyu誌でみかけてから行きたくて、でもセンター北に用事がないので行ってなかったので、道を訊きながら行ってみた。
パーコーチャーシュー麺大盛りとしなちく飯を頼んだ。
席についてから来たのは、大盛りになっていないパー粉チャーシュー麺に、シナチクがトッピングされたものだった。うーむ 大盛りになってないのはいかんともしがたいので、シナチク飯を追加してもらった。
感想としては、スープとパーコは旨かった、という感じだ。
あのあたりの旨い店についてはしんのすけに開拓してもらおうと思いながら、原稿の打ち合わせに向かうのであった。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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