2005年3月10日 from 出張
朝目覚めると、しとしとと雪が降っていた。畜産業者さんのところに調査に行く道すがら、北海道とはまた違う東北の冬の風景が拡がっていた。雪の白に染まった山は美しいが、その危険さには少しぞっとしていしまう。
ヒアリングを終える頃、空は一転して蒼く澄んできた。小坂高校前のバス停から盛岡へ向かう車中で、すっかりピーカンの青空が拡がってきた。盛岡に着くころには、吹き付ける風はほぼ氷点下ながら、雪はどこかへいってしまった。信じてもらえないかもしれないが僕は晴れ男である。昨日の青森でも「昨日までひどかったんですけどね、今日は天気が良いな。明日からまた雨か雪になるそうです。」と言われた。ふふふ、、、
バス停近くにいると、農業関係の研究者のI坂さんが車で迎えに来てくれた。1ヶ月前に東京の農業関連エキスポで会って以来だ。こんなに早く彼を訪ねることができるとは思わなかった。I坂さんは、格闘プロレス団体であるUWFにいた、超高速スープレックス男である中野龍雄に顔もガタイも似た人である。彼が無言でのしのしと歩くと怖い。しかし一端口を開くと無茶苦茶柔和で温和な人なんである。
「いやーようこそ盛岡へ!じゃじゃ麺の白龍ですが、まずは本店に行きましょう。それで本店が満席でもその近くに分店がありますし、一日中開いているカワトク百貨店の地下店もあります。どうしてもお忙しければ、それらを駆使して行きましょう。」
と車を走らせ、盛岡の中心街へと向かうのであった!
さて食い倒れ日記を読んでくれている皆さんは盛岡名物「じゃじゃ麺」をご存じだろうか。盛岡最大の名物はこのじゃじゃ麺であると行って過言ではない!それも「ジャージャー麺」ではなく「じゃじゃ麺」だ。この両者は同じようで違う。その辺は、過去ログに書いてあるのでご参照されたい。
■三軒茶屋 盛岡じゃじゃ麺「じゃじゃおいけん」と カレー「とんがらし」のハシゴ その1
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000186.html
とにかく盛岡の「白龍」(←パイロンと読みます)は、本場中国で食べられているじゃじゃ麺を忠実に再現しなおかつオリジナリティを付加した、東北麺類界の王様といってよい存在である。盛岡といえば冷麺が有名ではあるが、僕はほとんど食べないな。やっぱじゃじゃ麺でしょう!
「最近はじゃじゃ麺の店がいくつか出てますけど、やはり白龍に勝る店はないような気がします。」
と駐車場から歩きながらI坂さんが仰る。そりゃあそうだろう。あのコッテリして深みがあるのにくどさのない、薫り高い肉みそは真似できないはずだ。立派な神社の前、鳥居のある小さな飲食店街の中に、白龍が立っている。僕もここに来るのは9年ぶりだ!
■白龍
岩手県盛岡市内丸5-15
019-624-2247
営業時間:11:30~20:00(本店)
日曜休
「おおおおお 懐かしいなぁ、、、」
本当に懐かしい。当時付き合っていた女の子と東北レンタカー一周旅行をしている時に来たのが最後なのでよーく覚えているのである。ちなみによくある話だがそのコとは旅行中にソリが合わなくなり、ほどなく別れた。
なんて感傷に浸っている最中にもスーツ姿のサラリーマンが店に吸い込まれていく!う、早く入ろう。
狭い店内はギッシリとじゃじゃ麺を啜る人々で満たされていた!オープンキッチンなんてもんじゃない目の前が厨房のため、麺を茹でる香りと立ち上るマイナスイオン(笑)が心地よい!
メニューを観て感動!小350円、中450円、大550円という安さは当時と変わらない!これでは追随店も大変だろうなぁ。
「やまけんさん、本当に大をたのむんですか?」
「当たり前じゃないですかぁ!それ以外にあるわけないでしょう!」
勢いよく大を頼み、しばし厨房に見ほれながら麺のゆであがりを待つのであった。
(おもわせぶりに続く。ていうか時間がない。これから富山日帰り出張。)
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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