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2004年08月31日

バードコートの串アップ画像とオフ会ごめん

 和歌山の津田君が上京してきたので、久しぶりの北千住のバードコートに行った。実はこの日、午前中にバードコートの野島さんから嬉しい電話をいただいたのである。

「やまけんさん、すっごいBBQをやるから、行きましょうよ!」

なんでも、バードコートで使っている奥久慈地鶏の生産組合の近くにある素晴らしいBBQスポットに従業員などみんなで行って、地鶏やら常陸牛やら何やらを焼きまくるという、痛快企画があるらしい。選択の余地無し。行かせて頂くことにしたのである。その話で電話を下さったので、丁度いいわい、と夜の予約をしたのだ。

 さてみなさん覚えておられるだろうか。野島さんとは、「和服を着る男の会」結成をした仲で、一緒に浴衣を作りに行ったのである。詳しくはこちらをご参照。あれ、そういえば浴衣オフ会どうなったのかな?と思っている皆様。浴衣、作りました。かっちょいいのが出来てきました。でも、、、おいらが忙しくしている間に、もう9月です。浴衣着る季節ではなくなってしまうらしい。しかも、来週は沖縄食い倒れツアーがあるので、急遽にしてもやっている余裕がありません。

 ゴメンナサイ。浴衣オフ会は今年は出来ませんでした。

「いや、僕は和服、着まくってますよ!」

心なしか痩せてすっきりした野島さんが、にっこりと笑う。

野島さんは、僕と一緒に呉服屋「千菱」に行った際、浴衣と和服を仕立て、その後また訪問用の和服を買いにいっているのである。

「いや、和服って素晴らしいですよぉ、、、僕は今までストレス発散する時はとにかく美味しい物を食べるだけだったんだけど、和服を着ることによって、それだけで気分が変わってゆったり出来るようになったんです。いや、本当に素晴らしい!」

そうか、そうだったのか、、、僕はできあがってきた浴衣を、つい先日着て東京湾花火大会に赴いた。しかしその一日雪駄を履いただけで、足の皮が破れ、涙が出そうになるくらい痛い思いをし、次からはビーチサンダルでいいや、と思ってしまったくらいである。野島さんとは雲泥の差なのであった。

 そんなわけでバードコートである。いつものL字カウンター横の野島さんリングサイドに座らせて頂き、とっくりと仕事ぶりを眺めさせて頂く。今回は、串の様子をアップ画像で見て頂こう。

■ササミわさび

■レバー

■皮

■ボンボチ

■ネック(首)

■ソリ(だったと思う)

■ぎんなん

■つくね

■どんこしいたけ

■ねぎま

■レンコン肉詰め

■粟麩(あわぶ)の味噌焼き(←新作。絶品!)

■手羽先

■親子丼

■プリン!

いやごちそうさまでした。食っている間にも、頻繁にあったのが、予約なしで来たお客さんに、奥さんのチーさんが「申し訳ございません、予約で一杯なんですよぉ、、、」とお断りしている風景。

「どこかのホームページで、予約できないとか書いている人がいらっしゃるみたいなんですけど、うちは予約できます。予約して頂いた方が確実です。」

皆さん、バードコート行く時は予約をお忘れ無く。今日だって、21:30からしかとれなかったのだぞ。

さて 野島さんとは色んなつながりの仲間なのだけど、もう一つ大きいのが、DDIポケットのPHSを愛用していることだ。いわゆるH"(エッジ)である。しかも端末が同じなのだ!絶対に誰もが選ばない「キャメルオレンジ」という派手な色の端末なんだが、初めて野島さんに会った時、同じの持っているのでお互いにびっくり。

しかし!

「やまけんさん、僕、カメラ付きのに換えちゃいましたよ、、、」

ああああああ
ずるいなぁああああ

ちょっと悔しい僕なのであった。次回バードコートへは、さらに新しい端末を持っていってやろうと思う僕であった。

Posted by yamaken at 07:35 | Comments (3) | TrackBack

2004年08月30日

ジャポネ学の権威からメールをいただいた。

IMG_2174.jpg 有楽町のロメスパ名店ジャポネについての記事は、僕のblogの中でも比較的読まれている率の高いエントリである。無論、僕のエントリの内容がどうこうということよりも、ジャポネのスパゲティの圧倒的な存在感、余りにも魅惑的なメニューが関心を惹いているのであろう。

 そのジャポネについてWeb上で最強といえるコンテンツがある。僕もずっと参考にしてきたWebだ。これぞ「ジャポネ学」といえよう。

■おうさる.com
http://www.ousaru.com/

このWebの中盤に、「ジャポネ」の項がある。これが、

「ジャポネ全制覇計画」
である。
内容はぜひ直接観て頂きたいのだが、彼が制覇したジャポネのスパゲティ画像がドコンドコンと掲載されている。文章は少なめだが、その圧倒的な写真をみるだけで腹が一杯になる、絶妙なコンテンツである。

 なんとその主催者 おうさるさんから、コメントとメールをいただいてしまった!

先日はジャポネのコメントへのレスありがとうございました。当サイトも見ていただいているそうで、ありがとうございます。 やまけんさんのサイトは、最近始めた当ページでのアクセス解析によって知ることができました。写真の数々、的確なコメント、どの記事もとても楽しく拝読してます。 私の方ですが、文才がないというかイマイチ熱い文章を書けないものですから、写真のアップ中心になってしまっているのでかなり刺激を受けながら読んでいます。 そして多分、嗜好が似ていそうだなぁ、と勝手に想像しています。

今度是非、食事をご一緒しましょう。

うおおおおおおお
嬉しい~!!!!!

食事はおうさるさんお得意のトルコ料理ということになりそうである。しかしながら僕としてはぜひジャポネ学の権威と一緒にジャポネ親方を食べに行きたいと思うのであった。そう連絡すると、素晴らしき配慮に満ちたメールが!

 ジャポネにご一緒するのはいつでも大丈夫ですが、親方はやまけんさんのを拝見することにします。  昼時の混雑時をはずさないとお店に迷惑が掛かるので、開店直後か遅い昼に行きましょう。

、、、これだ、、、 この、お店に対する深い愛情と配慮。ホンモノである。

ぜひご一緒させて頂きたい! 僕が繁忙期から抜け出る9月中旬以降にお誘いしようと思っている。 このおうさるさんとの逢瀬は、ぜひ実現の暁には掲載したいと思う。

Posted by yamaken at 17:26 | Comments (8) | TrackBack

復活ののろしは魚仁~匠コースで久しぶりに食い倒れた!

 一番重要なレポートを8割方書き終え、少しだけ余裕ができた。と、コミュニティサイトのGree.jpから、「あなたの友達の加賀谷友典さんがお誕生日です」という通知メールが来る。そうかそうだったよなと電話をすると、ヤツは多数の女性からの誘いを断り、ひたすら〆切間近の原稿執筆をしてるとのことであった。

「じゃあ飲むかい?」

「お、いいねぇ、台風が来てるから近場で頼むよ」

「じゃ、魚仁でログマー(まぐろ)行きますか。」

ただし、加賀谷が原稿をダッシュで仕上げるまで時間調整をすることになったので、門前仲町のフレッシュネスバーガーでお気に入りのスパムサンドを食べる。そうでもしないと魚仁でマグロを食ってもおさまらないだろうと思い、ちょいとスターターを入れとこうという感じである。程なく加賀谷から連絡あり、速やかに大江戸線で月島に移動。

 台風が来るかも!というざわついた雰囲気の中、魚仁は全く影響を受けておらずほぼ満杯の入り。相席で座らせてもらう。マグロのブツはいつも足りなくなるので2皿頼む。今日は今ひとつの盛りと部位だが、まあいい。

「この煮込みが、まったく見た目とか上品さとかを考えてなくて旨いんだよな」 (加賀谷)

確かに!モツの脂も落としたりせず、ギトギト感の強い煮込みが旨い。

これに加えてサンマ刺しが絶品だった。

マグロぶつ×2、煮込み、サンマ、ポテトサラダ、銀だら塩焼き、豚ソテーを食べる。これまた月島在住の竹澤に連絡がとれたので呼ぶ。原因不明の熱と右目が腫れ上がるという奇病にとりつかれてしまったタケは、登場直後は憔悴した表情だったものの、次第に調子を取り戻し女性論をぶちあげ始める。大体この男はイケメンなのに女性には酷薄である(笑) きっと過去の女性の恨みが眼に来たんだよ、と優しく諭し、性病感染症の検査をしてくれる医者を紹介してあげたのであった。

 と、そこに電話が。寿司処 匠の加藤ちゃんである。

「メシ食ったぁ?」

「今、月島でガンガン食べてるよ!」

「今日、台風だからお客さん来なくてネタ、余りまくってるんだよ。久しぶりにやらない?」

おお! 久しぶりの 寿司 満干全席である。

まだ匠がこんなにも有名ではなかった頃、あまりにもお客さんが入らず、「助けてクレー」という魂の叫びをきいた俺は、40貫以上の寿司を食ったものである。もちろん料金はかなりのサービスになる。

「加賀谷、タケ、今から匠にいくかぁ!」

「おいおい、俺はさっき行ってきたんだよ!」(タケ)

酷薄だけど心優しきタケは、台風でお客が少ないだろうと、この日一番目のお客となって匠で食べていたのである。眼の調子もあるので、タケとは分かれて加賀谷と俺とで門仲に向かう。

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「いらっしゃいぃ!」

 のれんをくぐると、相変わらずの加藤ちゃんスマイルだ。匠はもう食い尽くすほどに食い尽くしているので、最近は月に2回くらいのペースに落ち着いている。台風の影響で本日はお客さんが3組、ネタケースはほぼ満杯だ。
 加賀谷が月島から自転車で来ている間、お気に入りのバイト、ヨーコが隣に座ってあれやこれや話しに付き合ってくれる。今年から大学生になったヨーコは菊川怜に少し似ていて、カワイイのである。そうこうしているうちに加賀谷登場。

「今日は、保たない光り物からバンバン出しちゃうよぉ~ タップリたべないといけないから、ヤマケンサイズは無しね!」

と、加藤ちゃんの動きが秒速になり、ほとんど減っていないネタケースから材料を切り始める。

、、、そして伝説が始まった。今回は、一つ一つネタコメントを書いている余裕はない。

だって43貫食べたんだもの。

容赦ない寿司「右から左まで握ってくれ×3」往復を観よ!








































あー食った。

本日食べたもの、、、

■フレッシュネスバーガー
・スパムサンドとコーヒー

■魚仁
・マグロぶつ
・煮込み
・サンマ
・ポテトサラダ
・銀だら塩焼き
・豚ソテー

■寿司処 匠
・寿司43貫

なかなか頑張ったなぁ
もう食えん

最後の海苔巻きは加賀谷もギブアップで半分食べた。珍しい「白エビ巻」を食ってしまったが、海苔巻きは中に歯触りのあるものを仕込まないとぐにゃっとして旨くないな。しかし今回はコハダが最高だった。シンコの季節が終わり、オトナのオンナになったコハダちゃん、十分に熟れた色っぽい味である。なーんていう余裕もないほどに腹一杯だ。

「すし飯、もってってよ! オムライスとかにすると旨いよ!」

二番板の杉ちゃんから酢飯を受け取り、店を辞す。

加賀谷が自転車で木場までついてきてくれる。しみじみと何を話すでもなく話し、別れた。いい誕生日になっただろうか。日記をみるとどうやらなったらしい。よかった、、、

食い倒れをお楽しみの皆さん、単に忙しくてかけなかっただけですのでご心配なく!
また毎日食い倒れの日々がやってくる、、、

Posted by yamaken at 09:01 | Comments (19) | TrackBack

2004年08月28日

嬉しいなぁ

 更新の頻度が落ちて申し訳ないです。色んな人から、

「なんか忙しいみたいですね、、、」

と心配がられています。本日と明日がヤマ、ですので、なんとか頑張ります。

で、昨晩、弟分の工藤ちゃんから嬉しい連絡があったので報告。彼は新宿の某飲食店で店長をしているのですが、彼から興奮した文面の携帯メールが。

「アニキ! いや、食い倒れ日記は…スーパー凄い!
 だってうちの店に食べに来たお客さんが読者で、日記の話で盛り上がってしまった。」

 あとで電話がかかってきて詳しい話を訊くと、お客さんのテーブルで料理を仕上げしている時に雑談をして、「うちのアニキのWebが面白いんですよ、ヤマケン日記っていうんですけど」と言ったら、お客さんがびっくりた顔で、「ええ!?俺、読者だよ!」ということになったらしい。以降、30分くらいそのテーブルでヤマケンばなしで盛り上がって、取締役に怒られてしまったらしいが、、、

 そのお客さんは、Yahoo!のお勧めサイトに掲載された時に訪れてくれて、以来けっこう観てくれているらしい(今、更新が鈍っていることも知っていたそうなので、結構観ているな、、、)。
どうもありがとうございます。読んでくれている人がいるってことが何よりの支えです。

 こうしているうちにもネタは溜まっていくので、来週以降ご期待下さいね。あと、工藤ちゃんところにいったお客さん、ぜひコメントください!

 さて、仕事しよう、、、

Posted by yamaken at 09:49 | Comments (6) | TrackBack

2004年08月26日

これは落とし穴 秋田空港にもいい郷土料理があった! 秋田空港2F「杉のや」

 今回は日帰りで秋田である。日帰りというのは実に辛いものだ。大体空港というのは郊外にあるため、空港から目的地まではさらに1時間以上をかけねばならない。往復2時間に会議を加えると、日帰りでは飯を食うのがやっとということになる。こう言う時に、空港に旨い店があると嬉しいものだ。宮崎空港の「魚山亭」が大好きなのはそういう理由である。

 で、秋田だ。ここ数ヶ月、最低でも月に2回は秋田に出張が続いていることは述べた。秋田というのは外食文化よりも内食文化の色が濃い地域で、秋田県のポテンシャルを最大限に発揮した旨い郷土料理にありつくまでにかなり時間がかかった。この辺も読者の皆さんはご存じだろう。ま、店との出会いがあるまでに相当右往左往したのであるが、実は大きな落とし穴があった。秋田空港に、入門編とも言えるよい郷土料理屋があったのである。

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 先回来た時にはまだ真緑の田んぼだったのが、1ヶ月足らずで稲の穂が黄色みがかり、穂が張り充実を始めている。今年は作況指数が105くらいになりそうだというのがよくわかる、豊作年だ。とはいっても、きょうび豊作になると貧乏になる。米の単価が下落してしまうので、産地としては売るに困る状況なのだ。それは悩ましいことだが、でもやはり稲がたわわに稔っていくのを観るのは嬉しいものだ。

「今日は昼に、農家さんがやっているレストランに行きましょう。」

N氏が車を差し向けたのは、空港から車でわずか10分程度のところにある、農家が経営しているというレストランだ。レストランと言っても、外観は普通の家の二階。モロヘイヤうどんなどの麺類を製造していて、それを食べさせるのがメインの店らしい。靴を脱いで(下駄箱があるのだ)店内にはいると、中はこぎれいなログハウス風だった。

■ゆう菜や
秋田県雄和町向野字前開45
018-887-2866
http://www.pref.akita.jp/fpd/nookaminshuku/sanpo-08.htm

モロヘイヤうどん、野菜の天ぷら、本日の一品などが並ぶゆう菜家セット1050円を大盛り(200円)にして頼む。

 モロヘイヤを練り込んだうどんはよくみかけるが、よく考えたらあれはネバネバするので、粉のつなぎになるのだろう。見た目を緑にするだけではないんであった。運ばれてきた膳は完全に野菜と穀類で構成されたものだ。

オーナーが農家さんだから、自家野菜中心であり、どう考えても新鮮。天ぷらもうどんも旨かった。秋田に来たら絶対どうこうというのではなく、地元の人たちが昼食を食べに来るというような感じで、満杯の客を迎えていた。

さて
本日の仕事を終える。田んぼの中にヌボっといきなり近代的建築が建っているというアンバランスな農業試験場に、あきたこまちなどの銘柄米の稲穂が飾られている。この試験場であきたこまちが生まれたらしい。

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 さてそして空港である。秋田空港の2階には数店舗のレストランが入っているが、エスカレータを上がって一番最初に目に付くのが「杉のや」という、民芸風の外観の店だ。ディスプレイや品書きをみると、わっぱめしや稲庭うどんなどの郷土料理が並んでいる。こういう店ってかなり微妙。郷土料理を出す店という位置づけはすぐにわかるのだが、旨いものが出てくる試しがないというのがほとんどではないだろうか。しかし、それ以外のセレクトはなさそうで、あとはなんだかカフェレストラン風の店しかない。秋田の飯を食べる店は、空港ではここしかなさそうなのだ。まあいいか、と思い入ることにした。

 民芸調なのに洋装のウェイターさんがメニューを持ってきてくれる。

「何か秋田を満喫できるようなメニューありますかね?」

「あ、それでしたら、、、 一番お高いメニューなんですが、秋田三味御膳というのがあります。」

『秋田三昧』は2075円だ。確かに安くはないが、内容はかなり充実している。
・鰰(ハタハタ)の麹漬け
・比内地鶏とマイタケ煮物
・とろろとんぶり
・蕗(フキ)の葉ご飯
・がっこ(漬け物)
・稲庭うどん

これだけ付いてきて2000円ならいいかと思い、これをオーダー。

程なくして運ばれてきたのがコレだ!

あまり期待していなかったのだが、なんだか結構充実している。それと、一品一品がしっかり調理されているような感じだ。

■蕗の葉ご飯

メニュー写真をみただけだと、高菜の漬け物みたいなのでご飯を巻いた物かと思ったが、違った。

「フキの葉で山菜ご飯とフキの煮物、ニシンを巻いて、蒸してあります」

手が込んでるなぁ、、、ご開帳したのがこれだ。

なんとまあ美しいたたずまい。ご飯を食べると、ほのかにフキの葉の香りが鼻に抜ける!ご飯もきちんとほどよく蒸されていて、インスタントな出来ではない。

「う、、、旨いじゃん これ、、、」

初っぱなから、いい意味で予想を裏切ってくれる。ニシンの身をほぐし、併せて食べる。どこの料理なのかはわからないが、とても美しいご飯であると感じた。

■鰰の麹漬け

ハタハタは秋田を代表する魚だが、このハタハタの寿司が最高だ。寿司と言っても握りではない。米や麹で発酵させた、いわゆる飯(いい)寿司だ。なれ鮨といってもよい。前に和歌山でサバの深なれ鮨を食べたが、あの部類である。しかしハタハタの寿司は非常に上品で旨い!今回食べたのは麹(こうじ)漬けで、厳密には寿司とはいわないようだが、純米酒の最高のつまみになりそうな味であった。

■チョロギの漬け物

がっこ(秋田弁で漬け物)の中に、あのチョロギがあった!関東、関西にはこれを漬け物にして食べる習慣はほとんど観られないと思う。東北だけですな、コレが観られるのは。コリコリしていて旨い。思わずこの後、空港売店で買ってしまった。


■とんぶり


■比内地鶏とマイタケ煮物

これに稲庭うどんがついてくるので、かなりお腹にも溜まる。

「旨いね、ここの料理」

というと、ウェイターさんが微笑んで

「ありがとうございます。実はこのメニューは、結構お得だとお思います。」
とのことだった。後で秋田県庁のN氏やI氏に訊いたところ、

「空港ですから、ヘタな物は出せないと言うことで、わりといい物を使っているはずです」

と仰っていた。

飯、旨ければ全て佳し。日帰りのあわただしい出張の中、充実した食空間に出会ったのであった。

Posted by yamaken at 09:50 | Comments (4) | TrackBack

2004年08月25日

スパムコメントが多いことについて

 今、秋田出張に行くために羽田空港にいます。記事を楽しみに待って下さっている方々には申し訳ない、もうすぐアップできると思います。

 で、我がWebサイトにもスパムコメントが目立つようになってきました。食い倒れ党広報担当の加賀谷に教えてもらった一括削除方法を使って、気づいた時に消しまくっています。
 その際、英文字ハンドルネームでの投稿が連続しているのをスパムと見なして削除しているのですが、もしかすると、その中に本当にコメントを投稿したの分も削除してしまうこともあるかもしれません。内容を確認しながらの削除が無理なほどスパムが増えてきているので、どうかそういう間違いの際はご容赦ください。しばらくは、カタカナなんかでコメント頂ければ助かります。

 俺のサイトごときにスパムしたって意味がないと思うのですが、なんなんでしょうかね?平気でタバコの吸い殻やジュースの空き缶を道に捨てていくような輩と同じような感じで、極めて不愉快ですね。沢山食べて憂さを晴らそうっと。

 今日は日帰り出張なのであまり食い倒れられませんが、昼は農家さんがやっているレストランに行く予定。楽しみだ、、、では行ってきます。

Posted by yamaken at 09:11 | Comments (0) | TrackBack

忙しくて書いている時間がありませーん

超繁忙です。日記を書く暇がありません、、、明日には何とかなるかな。

短報のみ。

皆様から続々とコメントをいただきつつある、フィリピンのスパゲッティに欠かせない「バナナケチャップ」の件。なんと弟分の工藤ちゃんの知り合いの奥さんが、フィリピンの方だそうで、料理を食べさせて下さる運びになった!

やった! 日本で本場の味が食べられる!

食べたら報告します、、、でもいつになるか、まだわからん、、、

さてでは 仕事します。

Posted by yamaken at 00:13 | Comments (1) | TrackBack

2004年08月20日

蒲田探訪 鰻をチョイとやってからなぜかインドカレー 鰻「寿々喜」とインド料理「シャンティ」

 僕が髪を切る時は、住んでいる木場から1時間以上かけて池上の美容室に通っている。美容師の兄ちゃんと仲がいいので、腐れ縁である。しかし、彼が異動するたびに、通常なら行くこともないような街に出会えるので、それはそれで嬉しい。今通っている池上に行くには、蒲田を通る。従って蒲田探検に夢中なわけだが、これが以外に奥が深いのである。

 蒲田周辺といえば「インディアン」のカレー&ラーメンが大好きなのはこれまでも書いてきた通りだが、蒲田駅北口にあるインディアンの支店周辺には、非常に興味深い店が多い。中でも、蒲田駅からの商店街を抜けてインディアンにいく数店舗手前にある鰻(うなぎ)屋は、常に蒲焼きの香り成分微粒子が混入された煙を通行人に噴霧しまくっており、その都度理性を失い暴力的衝動にかられるのであった。

 で、今回は出張帰り、羽田からの帰り道を少しだけ脇道に入って蒲田に行き、インディアンに行きたい気持ちをググッと押さえて、昼下がりの鰻を楽しみにいこうっかなぁと思ったわけである。

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■寿々喜
東京都大田区西蒲田7-63-2 
03-37315239

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通りに面して焼き台が設置されているらしく、鰻の蒲焼きダレの、狂おしく香ばしい匂いが辺り一帯を支配している。それに惑わされながら引き戸を開けると、これはもう本当にトラディショナルな空間。ぜんっぜん綺麗じゃないしチープなテーブルと座敷だが、それがまた小粋だ。

品書きを観る。鰻丼1180円、鰻重1480円、鰻重の上1780円という刻みである。

「いちばんおっきいのはどれ?」

と訊くと、

「蒲焼きご飯っていうのが、2380円なんですけど、鰻を一匹半くらい使ってます。」という。

でも2380円はちとランチには高いか!と思い、1480円の鰻重にする。しかしこの品書きをみるとソソルものが多い。

「うーん どぜう汁ももらおうかなぁ。 あ、それと焼き鳥一本も付けて!」

という布陣になる。鰻屋でどじょう、よいではないか。きっと丸(骨を抜いたりしない丸のままのどじょう)の汁が出てくるに違いない。そして焼き鳥。鰻屋の焼き鳥なんだから、タレは絶品だろう。頼まない手はない。

 ちなみに鰻には東西があるのは常識だ。東日本は蒸してから焼くので、ふっくらと仕上がり、脂が落ちてあっさり目に仕上がる。西日本は蒸さずに焼くので、脂が残り、皮もバリっと噛みごたえがある仕上がりになる。さて、僕はどちらが好きか、、、  僕の一般的食の好みを知っている人ならすぐにおわかりだろう、断然 西の鰻が好きだ! 正直、関東の鰻を食べて満足することが滅多にないのだ。蒸して柔らかくなった鰻は、去勢されたかのような頼りなさで、物足りない。無論、好きは好きなのだが、、、今回の寿々喜ももちろん東の鰻。ま、それはそれで好きだからいいのだ。

「はい、鰻重!」

と運ばれてきたのがこの様式美に満ちたセットだ。

塗りの重箱とは、実に美しい。かつ重も天重もあるが、やはり重箱が最も映えるのは鰻重だ。

この鰻重、鰻の上半身と下半身、そして画面右側にあるように、小さな切れ端を合わせた3ピースがドカンと載っている。溜まらず箸を割り、上半身の三分の一くらいをワシッとかき込む。甘辛く焼き付き、燻煙のようにいぶされた鰻の実がほろりと崩れる。あっさりめのタレが控えめながら味を利かせていて、ほっこりと旨い。江戸前の鰻のお手本のような感じである。

ただ、やはり画像をみても分かるように、蒸したことによる柔らかさとあっさり加減が、僕には少し物足りない。関西風のあの、皮がネチっと粘りつくような、脂ぎった感じが最高なのだ。まあ、これはこれで旨いのだが。

と、鰻を掻き込んでいる間に、どぜう汁が運ばれてくる。

期待に違わず、容赦ない丸のどじょうが放り込まれている。やはりこれがいい。口に運ぶと、肝の苦みと、骨のほのかなジャリ感が絶妙だ。うん、これで鰻のあっさり加減が充足した。

これに加え、焼き鳥が運ばれてくる。

これも期待に違わぬ、甘辛く旨いタレである。鰻屋としての所産であろうか。しかし鰻とは若干味わいが違うようだ。この焼き鳥を10本頼んで、重箱のご飯に載せて食べたいと思うのである。

 いや、旨かった。昼飯から2000円近い食い方をしてしまった、、、店の入り口で勘定をする。どうやら跡取りらしい、若い女性がはきはきと金額を伝えてくれる。髪を後ろに結っていて、小粋の極みである。いい気分になり、汗をダラダラと流しながら外に出て、帰ろうとするのであった。

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しかし、今回はすぐには帰れないのであった。
この鰻屋の隣に、店構えはどうみても和風・和式の小料理店なのに、真っ赤な暖簾で「インド料理」と銘打つヘンテコな店があるのだ。

しかもチキンカレー490円(→くらいだったと思う)という感じの、安め設定の価格であった。とたんに、俺の胃袋内環境が次ぎのターゲット発見の蠕動を始めた。

「うなぎの後は、やっぱカレーだよナ、、、」

訳の分からないつぶやきをしながら引き戸を開けると、まだ若そうなインド人コックさんが「いらっしゃいませぇ」と迎えてくれる。

店内は、、、ふふふ、居抜きで借りたという事情がよくみえる、どう見てもインド料理屋とは思えないカウンターである。元はラーメン屋かなにかだろうか。

「ランチメニューです。」

といってメニューを渡された。見る限りでは非常に本式インド料理である。

700円のランチで、カレーが2種類にナンもしくはライスがチョイスできる。かなりお得値段だ!

「Aセットで、チキンカレーと豆カレーを、ご飯で!」

と頼む。 僕はカレーはインドであろうとなんであろうと米で食うのがベストだ。ナンもチャパティもゴダンバも好きだが、食った気にならん。米至上主義者なのであった。

厨房でインド人コックさんがクツクツとカレーを温めているところに、共同経営者というかオーナーらしき眼鏡の日本人が二階から降りてきた。二人で店を切り盛りしているのだろうか、日本語でやりとりをしている。僕の入った後にきた数人を対応している。

そして出てきたのがこれだ。きっちりインド家庭料理という感じである。豆のダールがなんとも優しそうでよい。

これに、ラッシーなどのドリンクが付いて700円なので、かなりお得感がある。

食ってみる。当たり前だがインドの味である、、、日本における醤油のようなキメはないものの、驚くほどにマイルドな口当たりと、尖りすぎていないスパイス類のまとめ方を感じた。

ご飯の盛りもかなりよい。ランチ時はかなりなものだろうとおもったが、やはり僕が入店してから客がどんどんと入り始めた。あ、そうそう 勝手な思いこみだが、僕が入ってから店が混むことが異様に多いのだが、気のせいだろうか?

鰻で散財した直後にインドカレー。ムチャクチャな取り合わせであるが、満足度が高い!今回はあっさり目にしたが、次回はこのインド料理シャンティで爆沈する覚悟で、いろいろと頼んでみようと思い、店を後にした。

いや、結構満腹である。 帰り際、蒲田のカレーの名店:タージマハールを通ると、店の外まで行列ができていた。蒲田の飲食店はやはり激戦区なのであった。

Posted by yamaken at 19:25 | Comments (3) | TrackBack

フィリピンのスパゲッティはロメスパらしい

フィリピンのスパゲッティはロメスパだった!

昨晩、第2回オフ会in無二路に参加してくれた、食い倒れ党員の「むつむつ」からメールがあった。

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ところで、私事ですが夏休みを利用してフィリピンに行って参りました。
やまけんさんは、行かれた事はありますか?(もしご存知でしたらすいません)

そこでおどろいたのはスパゲティです!

ファーストフードやスーパーのフードコート、レストラン。
当然のようにある「スパゲティ」

しかもその味が…  甘いんですよー

DSCF0673.jpg

なにやら使っているケチャップが、バナナケチャップというもの。
何と言うか、不味いのではなく、日本では味わったことの無い味でした。
あれはあれでアリかなー。

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うおおおおおおおお
面白そうダぁあああああああ

これ、日本で食べられないかな? あと、バナナケチャップってどんなものだ?
情報求む。

Posted by yamaken at 09:16 | Comments (6) | TrackBack

2004年08月18日

本業の話を少ししよう。

 このページ右側のフレームに、いきなり「東京都江東区ヤマケンハウス」という気象情報のグラフが出ていると思う。「なんだこりゃ?」と思われるかも知れないが、これ、僕の本業の方で、今最も面白いと思っている気象情報システム「ウェザーバケット」から獲られているものだ。

 なんとこれ、リアルタイムである。僕の部屋のベランダに、このバケットが仕掛けられているのだ。

このバケット、ソーラーパワーで自律動作する。そして、無線でそのデータをサーバマシンに送り込んでくれる。僕のWindows2000サーバは24時間稼働にしているのだが、そこにどんどんと気象情報が貯まるのだ。

これを、このバケットのメーカであるアグリウェザー社のサーバに送り込むと、このページに表示されているようなFlushの形式にして気象を配信してくれるのである。

どうだ?
面白いでしょう?

(ちなみに、もし表示されている時刻が現在時でない場合は、サーバが止まってしまっている可能性が高い、、、お!早速今、止まっているようだ、、、もう19時なのに14時のデータが表示されている、、、ゴメン、家に帰ったら再起動します)

これ、日本の農業を変える仕組みだと思っています。
関心がある人は、姉妹blog 「俺と畑とインターネット」 をご参照ください。

ちなみに木場周辺の人は、この画面みたら気温などが分かりますよ(笑)
使って下さい。

Posted by yamaken at 19:37 | Comments (16) | TrackBack

魚山亭渋谷店のチキン南蛮はタルタルソースが宮崎空港店と違う!の巻

 宮崎料理の魚山亭については、このblogでも再三採りあげている通りだ。

■夏真っ盛り! 宮崎出張編 チキン南蛮と日南海岸の魚料理を堪能しまくり
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000371.html

■宮崎にいくならチキン南蛮と釜揚げうどんを食べよう
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000114.html

実はこの魚山亭、東京の渋谷に支店がある!宮崎に行かなくても宮崎の郷土料理を堪能することができるのである。この店、1年半くらい前に行ったことがある。その時は漠然と、宮崎とは味が少し違うなと思っていた。その漠然感を払拭するために、再度行ってみようと思ったわけである。

しかし!

なんとお盆中の閑散期(のはず)に行ってみたら、「すみませーん満員で、予約も入っているので1時間半待ちなんです、、、」という。びっくりである。店内は確かに満員。宮崎料理ってそんなに人気があるのかよ!おそらくこれは、盆に諸般の事情で宮崎に帰れなかった人が集まっているのだろう、、、とあきらめた。

しかしチキン南蛮の誘惑は募るばかりだ。再度リトライ、今度はきちんと予約付きである。

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■魚山亭 渋谷店
渋谷区渋谷2-19-21 第3城南ビルB1
03-3400-2500


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 テーブルは予約で埋まっているようで、張り出しカウンターに座る。おおぶりのがんもどきや南蛮漬けが入った大皿が並んでおり、食欲をソソル。また、壁一面に宮崎焼酎が並んでいる。僕の好きな京屋酒造の「かんろ」もモチロン置いてある。宮崎県内でしか流通していないはずの瓶まであったので、さすが魚山亭と思った。

品書きは、少しずつ宮崎店と違うが、宮崎名物の飫肥天(おびてん)や地鶏のたたきと炭火焼き、チキン南蛮といった基本的なメニューはもちろん共通している。今日はじっくり腰をすえて味をみてみた。どの料理も600円~1000円程度である。チキン南蛮の単品は950円だ。色々な料理が盛り込まれた定食(お膳)もあるので、初めての人はどれにしようか悩むだろうな。さすが地元の名門郷土料理屋だけあって、どのメニューもいいチョイスである。

■メヒカリの南蛮漬け

 メヒカリは最近よくみかけるようになってきた小魚だ。見た目はハゼみたいでお世辞にもよくないが、実に旨い!生でも干物にしても旨いが、南蛮漬けにすると絶妙なのだ。宮崎空港内にある魚山亭では「冷汁定食」というのがあり、これには飫肥天と南蛮漬けがついてくる。しかしいつも僕はちきん南蛮定食を頼むので、南蛮漬けが食べられず、悔しい思いをしていたのだ。
 初めて食べた魚山亭の南蛮漬けは、かなり上位のレベルである!甘酢はダシで割られており、鼻にツンと来ることもなく口当たりがよい。何よりメヒカリが最高だ。これだけで10匹くらい食べたいなぁ。メヒカリ南蛮定食とか作ってくれないだろうか。

■地鶏のたたき

 初めて宮崎で地鶏のたたきを食べた時にはびっくりした。だって、ほとんど生なんだもん!また、通常のブロイラーの飼育日数をはるかに超えるであろう、肉の固さ。噛み切れないほどに歯応えがあり、それがまた最高感を醸し出しているのである。地鶏のもも肉の皮目だけを網目がつくくらいに炙り、それを薄切りにして、万能ネギを添えてポン酢で食べる。コレがまた、最高なのである。宮崎に行く時にはかならず毎日これを食べないと気が済まないといっていい。

 渋谷店バージョンでは、最初からポン酢に浸して出てくる。鶏肉は厚めにカットされている。食べてみると、確かに地鶏たたきなのだが、、、なんだろう、宮崎で食べているのと違う感覚である。シコシコ感が足りないのだろうか、、、これだけは、まあまあ、というレベルであった。

■あぶら味噌のスティックサラダ

 あぶら味噌というのは、沖縄とかにもあると思うが、豚肉を練り込んだ練り味噌で、各家庭で作られている。前に、シチリア料理「無二路」の重シェフが、実家のあぶら味噌を具にしたおにぎりを作ってくれたのだが、こいつがマジ旨であった。

 魚山亭のあぶら味噌は、料理屋らしく上品だ。僕などはもっと脂ぎった、味の濃いやつを食べたいと思うが、これはこれで旨い。ただ、スティックサラダにするなら、もっと豪快に野菜を食いたいものだ。このあぶら味噌、瓶詰めで売らないかなぁ。そしたら家に来る旨い野菜でいろいろ試せるのだが。

■飫肥天(おびてん)

 飫肥天は、日南海岸周辺の郷土料理で、魚のすり身揚げである。しかし、同じすり身揚げでも薩摩揚げとは異なり、地元感の強い旨さである。おそらく原料小魚の違いだろうか、鰯やトビウオを原料にして、味噌を混ぜ、ゴボウなどの野菜も入れて揚げる飫肥天は、甘さ控えめで酒(焼酎)に合う!
 魚山亭の飫肥天、実に旨かった。揚げたての熱々が出てくるので満足度が高いぞ。

■地鶏の炭火焼き

 もも肉の炭火焼きは、東京でコレといった旨い店に出会えていないのだが、ここの地鶏焼きはまずまずである。東京で食べられる店の中ではかなり旨い方だな。柚子胡椒が欲しいところだが付いてこなかった。けど、よい。定番料理なので、絶対に頼むべし。普通の鶏肉とは違い地鶏の歯応えが強く、かつ炭火で真っ黒に焼いてあるのがスモーキー&ジューシー、思わず焼酎をぐいぐいと呷ってしまう旨さなのだ。間違いなく楽しめるだろう。

■ちきん南蛮&冷や汁
さて真打ち登場だ。 あのちきん南蛮を東京で、、、と、運ばれてきた皿をみて、思わず「あれっ?」と声を出してしまった。

これが渋谷店のちきん南蛮だ。

そしてこちらが宮崎空港店のものだ。

違いがおわかりだろうか?タルタルソースが違うのだ。
宮崎空港の魚山亭は、タルタルに赤身がかっている。対して渋谷店のものは、白っぽい黄色で、よくみかけるタルタルソースの色である。中の具も違うようで、渋谷店には野菜やピクルスのみじん切りが多量に入っている。

「へぇえええ 店によって違うの?」

と仲居の女の子に訊くと、

「そうですね、基本的なレシピは同じなんですけど、店長によって少しずつカラーが違うと思います。」

ふうむなるほど!
場所によって好みも変わる。それを反映しているのだろうか。

 食べてみると、これは紛れもなくちきん南蛮である。旨い。しかし、やはり宮崎空港店とは味が違う。肉の切り方、揚げ具合も違う。渋谷店は揚げ具合が強めで、甘酢にもしっかりくぐらせているのか、味が濃い。空港店の方はもうすこしあっさり目に揚げ、甘酢も淡く利かせていた分、タルタルが濃厚であった。面白いものだ。同じチェーンでも店舗により細かく味付けが変わるのだな。
 どちらかというと、渋谷店の味付けはチキン南蛮の元祖と言われる「小倉チェーン」のものに近いのではないかと思った。僕としては宮崎空港店のタルタルが好きだ。でも、渋谷店が好ましくないかというと、そんなことは全くない!実に良心的かつ本格的な宮崎料理屋であることに間違いはない!


これにご飯を合わせるのだが、冷や汁を頼むと、650円でご飯のおかわりし放題になる。きっちりと3杯食べて元を取った気になった。冷や汁をひたひたにした麦飯と、チキン南蛮は非常に合うのだ!

 結論として、この店は在京時にチキン南蛮を食べるためには最良のソリューションの部類に入ると思う。この他に、まだ行っていないのだが、歌舞伎町に「都城」という名店があるらしい。いずれそちらも攻めてみたいと思う。

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2004年08月17日

カレー3景 名店「デリー」上野店と新川店についての考察

 浄水器のカートリッジを買うため、上野ヨドバシに行く。うちで使っているのはシーガルフォーだ。性能的には過不足ないが、人に浄水器を勧める際にはゼンケンというメーカのものにしている。実家や和歌山の親友・津田ちゃんに買ってあげたのもゼンケンで、シーガルフォーの半分くらいの価格で同じくらいの味が得られると思っている。ま、僕はシーガルフォーを買ってしまったから仕方がない、一生使い続けるつもりだ。ちなみに僕が浄水器を選ぶ際に気にするのはほぼ出てくる水の味のみなので、有害物質云々についてはよくわからない。

 上野と言えばアメ横だ。アメ横と言えば僕にとっては、スパイスの大津屋詣でをしなければ気が済まない。

大津屋商店
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000348.html

 以前、上記記事で紹介したように、この大津屋商店は、在日のインド人・パキスタン人から絶大なる信頼を得ている店で、乾物が並ぶ表から店内にはいると、びっしりとスパイス類やインディカ米、その他カレー関連の食材が並んでいる。スパイスメーカが情報収集のために未発売サンプルを置いていくような店なのである。
 「ハーブスタイル」という雑誌にこの店に食材とレシピを教わる連載を担当しているので、ここのオーナー一家である竹内さん親子とは仲良くさせて頂くようになった。

「ちはーっす。」

「あれ、どうもどうも。こないだ言ってた新商品出ましたよ!その名もカシミールカレーパウダー。」

おお! 出たか!

 カシミールカレーと言えば、カレー好きはすぐに名店「デリー」を思い浮かべるだろう。デリーはここ上野(湯島)に本店のある、インドカレーの専門店である。そのラインナップ中、マニアからの絶大な支持を得ているのが「カシミールカレー」だ。Googleで「デリー」「カシミールカレー」と検索すれば、嫌と言うほどに評価記事が出てくると思うので、詳細はそちらの方をみていただきたい。とにかく絶妙な香りと辛さを誇る、完成度の高いカレーだ。2チャンネルなどでは、このデリーを語るスレなるものまで存在する、実にコアなマニアの多い店なのである。

 で、大津屋の竹内さんがみせてくれた「カシミールパウダー」だが、これはデリーのカシミールによく似た味のカレーが出来るんだそうだ。どこのメーカーが作ったのかは知らないが、ものすごい執念である。きっと通い詰めたんだろうな。

「スパイスを一から調合して専門店の味を出すのはとても難しいです。それよりもおそらくパウダーを使った方が美味しいはずですよ。」

そう、竹内氏の仰るとおりで、ヘタにスパイス類を自分で合わせるよりも、パウダーの方が旨い場合が多い。これは、熟成に関わっていると思う。スパイスをフレッシュに使う場合は、クミン、カルダモン、コリアンダー等を単品で投入した方が旨いと思うが、ミックススパイスは、合わせてから時間をおいて、熟成させる。そうすると化学変化が起きて、複雑な風味が生まれるらしい。

このカシミールパウダー、100gで350円程度だったので購入してしまった。しかしこのパウダーがあればカシミールカレーが出来るというものではない。僕も好き者なので、カレーに関するレシピは古くから文献をあさっているのだが、ずーっと前に出た料理ムック本に、デリーのレシピの一端が出ていた。そこではベースとなるカレーを作った上で、そこにカシミールペーストなるものを投入する。このペーストが、カラメルに多量のレッドペッパーとスパイスを投入するものであった。今回かったパウダーはこのカシミールペーストを作るものであって、他の部分は自力で作らねばならないのではないかと思う。そんナン無理だわなぁ。でも、買っちゃった物はしかたがない、次の休日あたりにきっちりカレーを仕込んでみよう。


さて
アメ横に来て、しかもカレー食材を買って、デリーを素通りする手はない。御徒町駅から徒歩で8分くらいと、少しはずれたところにあるデリーへと向かう。湯島駅からは近いらしいが、湯島って駅を使ったことがない。

■デリー上野店
http://www.delhi.co.jp/text/shop_ueno.html
東京都文京区湯島3-42-2
TEL03-3831-7311
営業時間/11:50AM~9:30PM
年中無休


 色んなファンがいらっしゃるようだが、この上野店こそがデリーの聖地と言えるだろう。ま、あまた居るデリーマニアの前で、僕ごときがデリーを語ることは遠慮しておきたい。だってまず第一に、僕はデリーファンではあるが、「カシミールカレー」のファンではないのだ!
 カシミール、確かに旨い。けど、刺激が強すぎて、一年に一回くらい食べればいいかなと思う。僕が毎回食べるのは「コルマカレー」だ。カシミールカレーは、ガツンとくる辛さの他はかなりシンプルにしてストイックな味。これに対して、コルマカレーはタマネギペースト等がタップリ使われているのだろう、マイルドでゴージャスな味わいだ。カシミールが垂直に伸びる剣のような旨さだとしたら、コルマは旨味が水平に拡がるリッチな味の世界といえよう。

 これが上野店のコルマカレーである。ライスとルーは別皿。

 ちなみにこの上野店のライスの盛りはかなりイイ。僕は大盛りにするのだが、きっちり満腹になる量である。大盛りにしても1000円。これは価値の高いカレーである。
 口に運ぶと、タマネギペーストによりネットリとしたルーの感触にあわせて、あのリッチな香りが拡がる。そして若干の辛み。ああ、言い忘れたが、コルマカレーは辛みを調節できる。「ホット」と言えば、2倍の辛さにしてくれるのだ。僕はいつも「コルマのホットご飯大盛り」である。

 このデリー、テーブルやカウンタに置いてある付け合わせ類がすばらしい。インド料理の矜持か、福神漬けとらっきょうではなく、タマネギのビンダルーペースト和えと、キュウリの酢漬けが置かれている。僕はこいつを大量に添えて食べるのが好きなのだ。

 このコルマカレー、僕はデリーの芸術品だと思う。

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さて今回のエントリ、タイトルに「3景」とあるように、もう一店書いておきたい。

 デリーは数店の支店があるが、その中に新川店というのがある。地下鉄の茅場町と八丁堀の間くらい、永代橋から500mくらいの企業ビルばかりがならぶ地点にある。

 前の会社が新川にあった関係で、僕は上野店よりもここを愛用していた。しかし、さきのデリーのWebの支店一覧に新川店の名は無い。新川店は直系・直営の店ではなく、のれん分けの店なのだそうだ。無論、店長さんはデリーで15年以上腕を磨いていた人である。だからこそデリーも暖簾を認めたのであろう。

 この新川店と上野店では、明らかに味の傾向が違う。このため、デリーマニアの間では熱い論争が繰り広げられている。とりあえずカシミールのファンは、新川の味は許せないという人が多いらしい。
 しかし僕はコルマのファンなのである。ことコルマカレーについては、新川店の味はよいと思う。どっちがいいと言う問題ではない。味の傾向が違うので、「僕は○○の方が好き」としか言えない。そして僕は、味わいの甘い、新川店を好む。上野店のコルマは、リッチさと芳醇さでは新川店より上だと思うのだが、スパイスの立ち方がやや強い。それを好きな人もいるだろうが、僕は新川店の、スパイス香を押さえ目にして、その分旨味を最大限に味蕾に感じさせるような構成にしているのが好ましい。

 食べながら店長さんに訊く。

「ダンチュウに掲載されてしまったから、客が増えてしまったんじゃないですか?」

「そうですね、ランチタイムは大変なことになりますね、、、」

「上野店とかと比較されたりします?」

「うん、結構好みが違う人が多いらしいですからね。上野店はインドのシェフが作っているので、スパイシーな方向なんです。僕は日本人なので、また違う味を出した方がいいかな、と思ってやってます。でも、デリーで15年以上やってきてますから、デリーの味ですよ。」

やはりそうなのだ!
彼は確信を持って、自分の味を追求しているということだ。しかもデリーという暖簾に対する誇りと尊敬はきちんと持ちつつ、である。

 デリー上野店と新川店。僕は両方が好きである。凡百のカレー専門店では敵わない完成度の高いカレーがそこにある。この日も、付け合わせのタマネギときゅうりを一缶分全部食べてご満悦の僕であった。

 次の休日は、カシミールパウダーでカレーに決定である。

Posted by yamaken at 10:19 | Comments (11) | TrackBack

2004年08月16日

夏こそ熱いものを食べるべし。 熱々モンゴル火鍋「天香回味」はオールシーズン対応の絶品!

「山本さぁ~ん、いやねぇ、すぅごく美味しい鍋なんですよぉ~ スープを飲んだとたんに汗が噴き出してくるんですよぉ、、、」

凄腕ベンチャーキャピタリストにしてグルメなF氏は、前の会社時代に大変お世話になった方だ。空前のITバブル期が弾け、一気に冷え込んだ冬の時代にも、前の会社を守り続け、黒字に導いてくださった恩義ある方なのである。そして僕が会社を辞して独立することになった時も、「で、どうするの?」と気を揉んでくださり、無事に暖簾を掲げた今でも公私に渡り気にかけてくださる。僕が足を向けて眠れない方である。

その彼が「旨い」と言うのだからそれは間違いなく旨いはずなのだ。

「あのね、僕が数年前に飲茶でもしようと思って入ったら、そこのオーナーが出てきて『飲茶は今、できない』っていうんだよ!品書きには書いてあるのにね。で、何が出来るのって訊いたら『モンゴル発祥のスゴイ鍋が食べられる!』っていうんだよね。冬でもないのに鍋かよ、まあいいかって思って頼んでみたら、、、これが凄かったんだよ!」

という話で、再三お誘い頂いていた店に、満を持して行ってみることにした。ちなみに、F氏のオフィスに伺う時にいつもお茶を出して頂くKさんが超美人で、前の会社の社長とは「今日は俺がいくよ」「いや僕が行きます」といつも報告の取り合いをしていたものである。今回はそのKさんと、もうひとかたの生え抜き美女を連れてきてくださるという!むっふっふ、、、

 ちなみに、空前の猛暑が続いているが、こんな熱い時にこそ、温かいものを食べた方がよい。夏はどうしても水物やつめたいものを食べてしまいがちだが、そうするとどんどん内蔵特に腎臓が冷えていき、ダメージが貯まる。秋にかけてだるくなったり調子が悪くなりがちな人は冷えが原因だ。だから、努めて温かい飲み物と、東洋医学で言う「陽」の特質を持つ食べ物をとる方がいい。本日は汗をダラダラと流しながら鍋を囲むという寸法なのだ。

 さてその店は、日本橋三越本店の裏の通りにある。日本橋三越には僕の親父が長らく勤めていたので、あの入り口にある獅子の像を観ると子供の頃を思い出す。日本橋はちょっとだけ郷愁を感じる場所だ。

 裏側には飲食店がずらりと並ぶが、そのビルの中に、かなり立派な高級中華風の店構えがあった。

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■テンシャンフェイウェイ
東京都中央区日本橋室町1-13-1
(地下鉄銀座線三越前駅A4出口から徒歩1分 )
03-5255-7255


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店内は広々としている。すでにF氏は馴染みなので、にこやかに上の階に通される。店内は落ち着いた調度でゆったりしており、そして驚いたことにこの真夏日が続く中、すでに数組の客が鍋を突いている。

「開店したての頃はあまりお客さんが入ってなかったんですけどねぇ、最近は結構有名になりましたよ。」

ちなみにこの店、台湾の台北市で開業されたらしい。台湾生まれのモンゴル鍋という、ちょっと複雑な生い立ちなのだが、そのルーツ等は他のWebを参考にされたい。

■この店について書かれている他のページ
http://www.tabitabi-taipei.com/html/data/10155.html

さて
3980円の鍋コースを頼むと、早速くだんのスープを満たされた鍋が卓上に運ばれる。

中国の火鍋のように、2つに区切られ一方は真っ赤、一方は白濁したスープである。同席の女性陣から「わぁ~辛そう」という声が挙がる。

「いや、このスープ、辛そうに見えてそれほど辛くはありませんよぉ」

と仰るF氏の言葉通りであった。「まずはスープを」と店の人が一口飲ませてくれたスープは、辛みは無論あるものの、それとは別種の力強さ、熱があって、飲んだ瞬間に胃の府にジンと染み渡る暖かさを感じた。

味も旨い。まだ素材からでるスープが出ていない段階で、十分に濃い。薬膳臭さはなく、複雑な組成の旨味が感じられる。

「このスープには60種類の素材が使われております。どれも漢方としての薬効があるものばかりですから、これを飲んでいれば体の調子がよくなります。」
「そうそう、本当に変わるんですよ!きっと今夜から身体の調子がよくなりますよぉ!」

なるほどぉ、、、

 基本的に食べ物の気というのは、口に入れた瞬間に大体感じることができる。この鍋は落ち着いた陽のバランスがとれている。冷えやすい女性には特によい料理だと思う。

さてその説明をいただきながら、なかなかに旨い前菜が運ばれてくる。

■アワビタケの刺身

アワビタケというのは茸なのだが、食感がクニクニしていて本当にアワビのようである。また、旨味も豊富で、刺身醤油で食べるだけなのに滋味深い。

中国は茸については本当にいろいろな種類があるようだが、日本で食べられるものは多くない。どんどんこういうのを食べていきたいものだ。

■棒々鶏 カラスミ載せ

「ああ、これなんか、前はもっとカラスミがドンドン!と載ってたんだけどなぁ、、、」

とF氏が悔やむが、しかし十分なボリュームでカラスミが載ってくる。蒸し鶏との相性もなかなかに妙で旨い。

そうこうしているうち、鍋のスープがぐわぐわと煮立ち始めた。

これに、店の人が素材の説明をしながら具を投入していく。

「これは若竹の子ですね、これはタモギタケ、、、」

具材には野菜がとにかく多め、それもつまらない野菜ではなく、味が出るものであったり、下ごしらえをしていたりと多彩である。

鍋はたちまちの内に混濁状態となり具で満ちる!食べ時である。

熱々の具材を取り、スープを満たしていただく。

「うお、旨いなこれ!」

叫びたくなる旨さではなく、じんわりとした旨さである。見た目の派手さとは逆に、落ち着いた味なのである。外食はどうしても刺激が強くなりがちで内臓に負担がかかるが、この鍋料理、実にそうした身体へのインパクトが配慮されており、ホンモノの健康志向を感じる。そして、健康なだけではなく、あきらかに旨い!

 具材には東南アジアっぽい、各種つみれ団子が投入されるが、このすり身がまた旨い。丸のニンニクも柔らかくなるまで煮込まれており、これを崩しながらすり身と合わせると実に旨いのだ。
 また、気に入ったのはタモギタケという茸だ。日本ではあまりこれも見かけないが、ブナシメジを大きめにして食感をもっとはっきりとさせ、かつ旨味を加えたような茸で、非常に旨い!

 また、野菜が非常に旨い。なんの変哲のないキャベツも、このスープで煮ることで陰陽が調整され、旨味を引き出されるようである。ありそうでない野菜料理の旨い店としても、この鍋はお勧めできる。

 最初、汗がブワッと噴き出すのではと思っていた赤いスープも、実は落ち着いた辛さで、無茶な激辛ブームの産物とは全く違う。白いスープは、白濁具合が物語るように奥の深い旨さである。いや、これは旨い。

 無論、一日3リットルくらいの汗をかく僕は、Tシャツがびっしょりになってきている。確実に内臓が温まっている。女性陣も心地よさそうだ。そう、クールよりウォームがいいのだ。みんなハッピーになる。


最後、翡翠色の麺(クロレラを練り込んである)を投入。ツルツルとしていて旨い!満腹なんだが心地よい、つらさのない満腹加減である。

デザートはもちろん台湾で人気のコレだ。

黒いゼリーがヒンヤリと内臓を潤す。


「どうですか やまもとさぁ~ん 旨かったでしょ?」

「いやこれは絶品です!」


F氏は僕にこういわせてにんまりしておられる。
ちなみにF氏は若かりし頃(今も若いが)タイに数年駐在し、その際には美味中の美味を味わっていたようだ。舌の肥えた先達がこの世には無数にいらっしゃる。わたくしは謙虚に素直に謹んで着いていきたい!だから皆さんまたいいとこ連れてって!

 外に出ると、温風のような風が涼やかに感じた。身体の内と外、両方を磨きたい人には最適の店である。くれぐれも暑い夏、冷たいものばかり飲まぬよう。半身浴などして腎臓を暖めるようにしていただきたい。

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2004年08月13日

タイのエビ味噌チャーハン 「カオパッ・カピ」

 タイでの最終日、帰り便の飛行機が朝の6時発だったので、朝の3時に空港に向かうことになった。その晩は食い納めということで相当に食材を買い込んだのだが、バンコクの庶民の味方であるスーパーマーケットBIG・Cで、目に付いた弁当や惣菜をいくつか買っておいた。
 その中でも「おお!」と思ったのが、カオパッ・カピの弁当である。カオは米、パッは炒めるなので、カオパッと言えばチャーハンである。カピというのはエビを発酵させた調味料で、中国では蝦醤(ハージャン)というエビ味噌だ。

 このエビ味噌、よく中華などの隠し味に使われているのだが、例えば青菜炒めにこいつをもろに投入すると、日本人的には強い刺激臭があり、「臭い」と思う人が多いため、あまり正面切って使っているところは少ない。僕も高校生の時、色んな国の調味料を集めるのが好きで、池袋西武の地下食品売り場でこいつを見つけて買ったものだ。しかし、あまりの強い味に、ほとんど使わなかったので、オフクロに怒られた。

 しかし、タイのカピは若干マイルド。これならかなり色んな料理に使える。そして、このカピをチャーハンの味付けにしてしまったのが、このカオパッカピなのである。タイで買った弁当はこんな感じのプレゼンテーションだ。

カピチャーハンの周りに色んな具が載る。上からかけるナンプラーベースのタレも付いてきていて、かなり盛りだくさん、かつ旨い! 意外なお得感に舌鼓を打った。実はこれが、今回旅行最後のタイ料理だ。この後、フォーシーズンズホテルが用意してくれたブレックファストボックスを空港で食べたのだが、フォーシーズンとは思えないひどいシロモノだった、、、

さて
このカオパッカピが旨かったので、作ってみた。色々レシピ調べたが、つまりはカピをまぶしたチャーハンである。なんのことはない。

 タイで買い込んできた食材で、市場で一番グレードの高いタイ米があるので、炊く。タイ米特有の、鍋で沸騰した湯に米を入れて炊く方法を試したが、超ばっちり旨く炊けた

 次に、中華鍋に油を敷き、カピを入れて炒める。ペースト状の調味料を炒める習慣があまり日本にないので奇異に感じられるかも知れないが、香り成分は油にしか溶けないので、こうした方が旨い。マーボー豆腐を作る時も豆板醤や甜麺醤を油で炒めるのも、このためだ。

 さて油とカピがなじんだらタイの赤タマネギのみじん切りと少量の砂糖とご飯を投入してあおる。タイ米はパラパラとしているので、フライパンにあまり焦げ付かず、焼きめしにしやすい。最後にナンプラを少量、鍋肌からジュワッとかけて数回あおって皿に取る。別のフライパンで卵を目玉焼きにし、カオパッに載せる。タップリのパクチーをかけて完成とした。

なんか、割とサマになってるような、、、目玉焼きの黄身に火が通りすぎてしまったが、ほんとはもっと半熟にする。

食ってみた。

 旨い! 旨いじゃん!

もしかして俺って天才? と思ったが、よく考えてみれば、食材さえ揃えば間違いなく旨くできるんだな。タイ料理は、仕込みが命であると知った。しかしまぁ、これでレパートリーの幅が拡がった。調味料類は半年分くらいあるので、ゆっくり楽しむとしよう。

Posted by yamaken at 10:41 | Comments (3) | TrackBack

「のんべえ川柳」で京屋の芋焼酎が当たるゾ

 宮崎の芋焼酎メーカ・京屋酒造のblogをお手伝いすることになったことは述べた。

早速、後輩の利き酒師である佐々木ちえさんのエントリをアップしたので、ぜひご覧いただきたい。いい居酒屋・料理店などに突撃し、京屋の焼酎をテイスティングして貰うという企画だ。

■焼酎百景 酒草子
焼酎と旬の和食の店「AOBA」 with 宮崎の芋焼酎

 あわせて、京屋酒造のWebにて、「のんべえ川柳」という企画がスタートした。

■のんべえ川柳
http://www.kyo-ya.com/nonbe/

これは、焼酎への思いを込めた川柳を応募して貰うというもので、優秀な作品にはもちろん、素晴らしい賞が出る!入選した川柳をラベルにデザインした『のんべえ焼酎』や、そのほかプレミア焼酎が当たるということである。
 こののんべえ川柳の選考には僕も関わることになってるのだが、川柳なんてあまりみたことないぞぉ ま、飲み倒れセンスで決めよう! 食い倒れ日記読者もぜひ応募してみて下さい。その前に、お近くのローソンに走って、京屋酒造の「かんろ 割水」を飲むこと!

 なお、京屋blogの次回エントリはやまけん担当。なんと、Barオーパの水澤君に6種の焼酎を利いて貰い、その感想、飲み方、カクテルへの利用などをインタビューしています。日本一バーテンダーはどのように焼酎を利いたか? お楽しみに、、、

Posted by yamaken at 09:46 | Comments (1) | TrackBack

2004年08月12日

絶品ブドウをどうぞ。 神奈川県藤沢市 飯島農園の「竜宝」

 いや、タイで食べ過ぎた。日本でなぜか食欲が前のようにわいてこない。しばらくは自粛モードだな、と思いつつ、昨晩は匠~オーパ、そして本日は無二路にいく。愛媛大学の盟友のざけんが上京してうちに宿泊していて、「俺も連れてけ」というので仕方がないのであった。

 と思ってたら、朝一番に宅配便が。中身は飯島農園のブドウである。

 飯島農園は、僕の農業の師匠だ。師匠が何人か居るのだが、大学で畑を創っていた6年間で最も近しい存在だった方達だ。僕の在籍したSFC(湘南藤沢キャンパス)の土地で昔から専業農業を営んできた、ベテランである。その飯島農園の横で僕は畑を拓いたのだが、最初から手取り足取り教えて頂き、ついには畑の土地を借していただくことになり、以来10年、僕の創った畑サークル「八百藤」にはなくてはならない方となっている。

 ちなみに飯島農園はホームページがある。僕が在学中に、息子のやっくんにマックを買わせて、インターネットを始める手伝いをした。その後、なんと奥さんの愛子さんがPC上手になり、今ではデジカメで写真を撮影して、blogを書いているのである!

■飯島農園
http://iifarm.com

※Webの「野菜のしおり」というところをクリックしてみて欲しい。それがblog本体である。

 農家さんのblogはまだ少ないので、貴重な存在である。さすがSFCの横に在する農園である。

 で、この飯島農園のブドウが絶品なのである。市内や県内の品評会で金賞獲りまくりで、ほとんど直売で売り切れてしまう。直売所には、飯島農園の果物の旨さを知っている人が遠くから車で回に来るので、売り切れてしまうのだ。なので、市場に出荷する分はほとんどない。僕が出会う農家さんはみな一流なのかと思うのだが、、、運が強いな、オレ。

 届いたのは、「藤稔(ふじみのり)」と「竜宝(りゅうほう)」だ。

こちらが「藤稔」。

 固さがしっかりしており、粒の揃いもよく、味は濃くて上品。甘さと香りのバランスがよくとれている。今年は例年より糖度も載っていて旨い気がする。

こちらが「竜宝」。実は僕はこっちが好き。

身が柔らかいので、届いた時には少し裂果しているのがあるのだが、それだけ水分を多く湛えていて、魅惑的な香りと甘さなのだ。先の「藤稔」が生徒会長だとすれば、「竜宝」は知らない土地から転校してきた、近寄りがたい危険な香りのする転校生という風情だ。

 今年は積算気温と日照が多かったのせいか、果実は大当たりだ。ぶどうも旨い。ただ、毎年のように気温が上昇していっているので、現在好適地と言われているところではあまりいいブドウが確保できなくなって居るとも訊く。藤沢は現在の気候を保って欲しいものだ。

 飯島農園ではブドウの他にこれまた絶品の梨を販売している。
梨の方の販売情報は下記の通りだ。
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5キロ箱
幸水 3L 10~12個 3950円
    2L 13~14個 3700円
     L 15~16個 3200円

豊水 2L 10~12個 3450円
     L 13~14個 2950円

他に10キロ箱もあります。あと送料が関東近辺で900円かかります。よろしくお願いします。
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ブドウの情報は、メールなどで連絡して確認してみてほしい。その際、ヤマケンのblogを観たと伝えてください。「え、何のこと?」と言われるかもしれないが(笑)

ぶどうは早くしないと季節が終わる。梨はまだ出回っている。いずれもお早めに。

Posted by yamaken at 09:48 | Comments (4) | TrackBack

タイからの便り ~カオマンガイ屋台の実相

おととい、タイから帰ってきました。完全に食い過ぎだ!

さて
タイでいろいろと教えてくれたつっちーから、食い倒れ党員ハマーが書いていたカオマンガイ屋台にいったということでレポートが来たのでここに掲載しよう。つくづく行けなかったことが悔やまれる。

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 チットロムで降りて、ビッグCのある通りへ歩いて行くとGAYSON周辺に食べ物ではない路上販売のお店がたくさん列んでおりました。食べ物の匂いを感じつつ、なにかあるだろーとペップリーの方角へあるいていくと、目移りするほどの数の屋台が列びはじめたのです。よっしゃこれでご飯にありつけるぞ~と思い物色をしはじめると、ソムタム屋あり、何でもご飯やあり、デザート屋台ありで、なんか良いところを見つけたな~って感じ。タイ料理を一人で食べるときは、しばらくここで良いや~と思えるぐらいの品揃えでした。

 で、やまけん食い倒れ日記に書いてあったようにこのへんに美味しいカオマンガイ屋があるらしい。目印はピンク色のTシャツ。それだけを探して歩いて行きました。見つけましたよ。カオマンガイ屋。本当にカオマンガイしか売ってない。まわりをぐるっと見渡しても老若男女、みんなカオマンガイを食べてる。

 で、早速、頼みました。アオカマンガイカップ。飲物は? と聞かれたので、なぜかアオナームペプシサイナムケンと応える。別に炭酸が好きなわけじゃないんだけど、こういう飲物か水しか単語を知らんのだからこれ以外頼めない。あ、チャーローンってのも覚えてるなぁ。でも、こういうところで出してくれんのかな?
 閑話休題、ご飯は鳥の味がしっかりついてて、ほかほか、鳥の身も他の店より若干大きいような気がする。皮も付いているから皮ぎらいの人は大変かもね。で、ここの店の売りは、本体よりもソースだった。本来は好みで入れるはずの唐辛子が最初からどっさり入ってる! そんな辛いソースをだだーっとご飯の上にかけ、あっという間に食べきった。だって、お腹がすいてたからね。

 しかし、それを差し引いても美味しかったこともあり、一気に食べ来ちゃったのだ。付いて来たスープも美味しかったかな~。若干、化学調味料の味もするんだけど、まぁタイに住んでる以上しょうがないのかも。なんだが、美味しいスープとともにあっという間に食べ切ったのです。やまけんならもう一皿食べてるだろうなーと思いつつ、お金を払ってお店を後にしたのでした。

 帰りに切り果物屋さんでパイナップルを半身買いし、トゥクトゥクで家に戻ったのでした~。片言ではあるけど全部タイ語で交渉し、家まで戻ったのです。本格的に住みはじめて3週間。自分の成長を少し感じた瞬間でした。

 いやー。結構大変ね。やまけんはこれを毎日やってんのか~。やっぱり僕には
ブロクは無理だ~(^^;)
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 いやぁ~ 食いたかったぁ~!つっちー、今度帰国する時は持って帰ってきてくれ~

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2004年08月11日

旅先での市場巡りはワンダーランドだ! バンコク・オートーコー市場

 最終日は終日フリーだ。食材をたんまり買いこみたいので、昨晩のS女史に教えてもらったオートーコー市場まで行ってみることにした。

 この市場は有名なウィークエンドマーケットの側にあるが、残念ながら週末ではないのでこちらは開催されていない。なので、その奥にあるオートーコーに行くのである。
 市場があるモーチット駅までは、BTSというモノレールみたいな電車で行く。これが極めてわかりやすく、渋滞もなく、明朗会計で、バンコクで最高の乗り物かも知れない。

 モーチット駅から歩いて20分くらいだろうか。車通りが激しい中を信号もないままになんとか渡りながら歩く。「ほんとにあるのかよぉ」と思いだしたあたりでようやく市場らしきモノが見えてきた。ふ~。

 ここは市場とは言うものの、日本における卸売市場のような形態ではないみたいだなぁ。卸売をするセリ場みたいなのはなさそうである。小さな販売業者が集まった市場のように見えるのだが、どうだろうか。料理名以外のタイ語が出来ないのできけなかった。

 買いに来ているのはどうも主婦が多そうだ。あ、でも時々、業務用と思われるような買い付け方をしているおばさんも居る。しかし、すごい商品数で圧倒された。

 青果物の店は、それこそ50カ所以上は出ているだろう。果物屋と野菜屋では、なんと果物やの方が圧倒的に多い。日本と同じく、野菜よりも単価を取れるからだろう。果物屋でマンゴスチンを買うと、2Kgで40(150円くらい)バーツだ。重いからもっと少なくていい、と言っても2Kgが単位だから、みたいに言われて持たされてしまった。
 その隣でランブータンも買う。ランブータンはこちらの言葉で「ンゴッ」という。なんだか笑ってしまうが、比較的簡単に発音できる。ちなみにマンゴスチンは「マンクッ」。カッコイイ響きである。
 僕が気になるのはやっぱり野菜だ!店先を観ると、多種多様で非常に新鮮。これぞマーケットである。日本の卸売市場は消費者向けの小売を普通はやらないから、はっきり言って市場内を流しても面白くない。(築地市場の場外で野菜を販売したりしているが、あれは場外であって市場内ではないのだ)
タイのこのような市場ははっきりと消費者向けというカラーがあり、とてもよいと思う。

 ホムデンという名の小さな赤タマネギを買う。これとタイ独特の小さなにんにく。これに加えて野菜を数種類買った。バイマックルーとカーとレモングラスがセットになったトムヤムクン用スパイスセット、新鮮極まりないパクチー、僕が愛するパッカナー菜、そして世界で何番目かにからい唐辛子、ピッキーヌー。
 これらを併せてなんと60バーツにしかならなかった!びっくりした顔をしたら、オヤジが「どや、安いやろ?」というようなことを笑顔で言っていた。タイ語がわからなくても結構いけるもんだ。でも、おっちゃんは「日本人なのに、こんな現地の人間が買うようなもんばっかり買って、どないするん?」という感じの不思議そうな表情だった。いや、食べるんですよぉ、、、


 これは、味噌を小分け売りする感じでカレーペーストやカピ(エビ味噌)を売っている。そう、グリーンカレーやレッドカレーのペーストは、本来こうしてフレッシュが売られているものなのだ。いや、本来は家庭で作るんだけど。

 美味しそうなのでグリーン、イエロー、レッドの3種を少しずつ買い求める。指を一本立てていたので100バーツかと思ったら10バーツ(30円)だった!うーん さっちんがコメントに書いてあったけど、値切る必要まったくなしだね。ちなみにこの女性は、さっきの八百屋のおっちゃんの奥さんらしい。ひじょーにいい感じである。カメラで撮影してたらまわりのおばちゃん達から、「撮ってるわよ!綺麗に写してもらいなさいよ!」みたいに囃し立てられている。

 さて
こいつを観て欲しい。なんとカブトガニである。びっくりしたぁ、、、長島勝美君が「カブトガニ食べられるらしいよ!」と言っていたのだが、本当に無造作に置いてあった。どうやら今は旬ではないらしく、出盛りの時期には卵を抱いていて、それをボイルして食べるのが旨いらしい。うーむ 一度くらいは食べてみたいかな。どういう味なのだろうか。次回バンコク来訪の折は、ソンブーンで所望してみたいと思う。本当に旨いんだろうか。丸のママ出てくるのは勘弁してほしいな。

 出た!真ん中にあるのは、巨大シャコである。日本の寿司ネタになるようなもんじゃない、ひたすらデカいシャコなのである。こちらでは蒸すか揚げてスパイシーなソースをかけて食べる。割と大味。
 そう言えば昔、僕が行きつけにしていた創作寿司屋でこの巨大シャコの話をしたら、「そんなでかいシャコ、いるわけねぇ」と言われ、必死に説明したが信じてもらえなかった。この写真を見せてやりたい、、、
 これを寿司匠にもってったら、どういうのを握るだろうか。ふ、寿司、タイでも食いてぇ。


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さて
市場をぐるっと周り、小腹が減る。市場だから当然、飯を食べる場所もあり、奥の一角がフードコーナーだ。小さな出店が並び立ち、テーブルに座って好きなものを注文できるようになっている。
 腰を下ろしてみまわす。目当ては、丸の鶏が吊るされているディスプレイだが、、、おお、あった!

 これがカオマンガイ屋である。カオマンガイは、鶏のスープで炊いたご飯に鶏のぶつ切りを載せ、タレをかけて食べるというシンプルなものだが、海南チキンライスのように癖になる旨さなのだ。
 先日書いた食い倒れクレーマーのハマーさんが教えてくれた名店には行けなさそうなので、ここで食べてしまおう。屋台に近づき「カオマンガイ」と言うと、頷いて作りだしてくれた。あとは自分の席に戻って待っていると、出てきた。これがカオマンガイだ。

右側の小さな椀に入っているタレをかけて食す。この料理は辛いものではない。久しぶりの優しい味わいにホッとする。

鶏肉は柔らかく茹でられていて、タレと絶妙にマッチ。非常にアロイ(旨い)!

 食べ終わると、その二軒どなりの屋台で、豚肉のバジル炒めであるパッ・ムー・バイ・ホラーパーをご飯にかけたモノを持っている店おばちゃんが居る。
「それ、作ってよ!」
と言うようなことを身振りで示すと、笑いながらその持ってたのをくれた。なんだ人のではなかったの?

目玉焼きが載っていないのが寂しいが、これにナンプラをかけて食べる。味付けは柔らかく、昨日の水上マーケットちかくの食堂で食べたやつのほうが旨かったかな。

ま、これは日本の定食屋でいう豚のショウガ焼きと同じようなもんで、どこにでもあり、店によって味が違うが、それほど目をつり上げて探求するようなものではないらしい。

 それと一緒に、腸詰めを食べる。こちらの腸詰め類は概して旨い!写真のは肉だけだが、中には酸っぱく発酵した米を一緒にいれていたりするのもあって、極めて複雑絶妙に旨いのだ!これこそ買って日本に持って帰りたいが、検疫法があるので無理なのだ。残念。

2皿食べたけど、まだお腹一杯にならない!ので、もうひと皿パッタイを食べようと思ったら、その隣に麺にカレーをかけているのを発見。おばちゃんに訊くとよくわからない名前を言っていたが、わからないので注文した。

これがワンセット。カレーがけ米麺に野菜と各種調味料を混ぜて食べるらしい。
野菜はホーリーバジルとキャベツだ。このホーリーバジルの登場回数がやたら高いのがタイっぽい。

こいつらを混ぜ込んで食べる。どうってことない味だけど旨い。これで25バーツなり。ミネラルウォーター買うのと同じくらいの値段だ。うーん

 この後、たんまり食材とお土産品を買い込んで帰着。総量で20kg分くらいの荷物で、重くてしょうがなかったのであった。

Posted by yamaken at 09:36 | Comments (6) | TrackBack

2004年08月10日

バイカバオご飯は超ファーストフードなのであった。

 先日、すでにクローズした六本木バンコクに顔を出したら、店長のノート君が「みんなヤマケンのホームぺージみて来るヨ。みんなバイカバオご飯頼むからすぐわかるヨ!」と言っていた。旨いだろ、バイカバオ。
 タイではあの料理は超定番メニューだ。ご飯ものの屋台で周りを見回すと、必ず2~3人はこれを食べている。ただし、鶏肉を使ったものと、豚肉と使ったものがある。基本的には同じだと思うが、、、

 路肩で小さな店を営むおばちゃんに豚肉バジル炒めかけご飯、目玉焼き付きを頼む。

にこやかなおばちゃんは早速に中華鍋に火を入れる。その横で細かく刻んだ豚肉をお玉一杯分用意。

油を鍋にひいて豚肉を投入する。すぐに火が通るところに、ニンニクとタマネギのみじん切り、そしてホーリーバジルを投入。このバジル、日本で一般的なスイートバジルではないので注意。使うのは香りが刺激的なホーリーバジルである。

これに調味料を入れるが、フライ返しにナンプラ、オイスターソース、味の素(必ず入る)、パームシュガーなどを少しずつ取り、一気に鍋に注ぐ。ジュワっと煙が立つのをあおり返し、これで具が完成。この間2分足らずである。

 これに、油を多めにいれて目玉焼きを作る。ご飯にからむよう、黄身はトロトロのままである。これを載せ、きゅうりのスライスを添えて完成である。所要時間3分半程度の早業であった。

早速ナンプラーと唐辛子粉をかけ、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べる。ホーリーバジルと刻んだ唐辛子のつんと来る香りとオイスターの風味が、火が通るかとおらないかの際にあった溶岩様の黄身と絡んで抜群に旨い!

ちなみにこれも30バーツである。タイのファーストフードは、実に早くて安くて旨い!しかも若者から高年齢層まですべてをフォローする内容である。

 ああ、毎日喰いたいなぁ、、、と思いながら、この後の旅程で2回この料理を食べたのであった。

Posted by yamaken at 16:42 | Comments (1) | TrackBack

パッタイの名店探訪~屋台もいいが店のパッタイはやはり複雑に旨い!

 ソンブーンのあるスリウォンからタクシーで10分ほど走る。S女史とアラゴン女史の職場である国連の建物の近くにあるのだそうだ。国連の事務所は、なんとムエタイの殿堂の一つ、ラジャダムナン・スタジアムのすぐ前にあるらしい。過去、ラジャダムナンには観に行ったことがあるのを思い出す。今回はムエタイを観られなかったなぁ。

 そういえば、食い倒れとはまったくの余談になるが、先日行われたK1-MAXという中量級のキックボクシング大会で気になることがあった。ムエタイの勇士が圧倒的な地力の差を魅せて優勝をもぎ取った。しかし、テレビの解説は対戦相手を応援するばかりで、勝敗が決した後も、このムエタイ戦士を褒めるようなことを全くしていなかった。なんと狭量な態度だろうか。全くのアウェーで見事な勝ちをもぎ取った彼に対する態度ではない。きっと対戦相手のマサトも、あとからテレビを観たら恥に感じるはずだ。いや要するに、つまらないテレビ特有の文脈から脱した価値観で生きていくことが必要だなぁ、ということだ。これは食べることについても同じだと思う。

閑話休題。
タイのタクシーは荒っぽくバカっ速い飛ばしっぷりでナショナル・スタジアムを駆け抜けていった。

「ここ、ここ!」

アラゴンが嬉々として降り立つ。どうやら僕が本当に大食いなのかどうかを観てみたいらしい。いや、僕はそれほど大食いではないのだが、、、


 パッタイは屋台で供されることが多いのだが、当然専門店もある。で、僕の思うところなのだが、屋台で出されるものよりは、確実に店舗の方が旨いと思う。福岡の博多ラーメンも、最初は屋台の珍しさに惹かれるが、やはり店舗で営業している店の方が最終的には旨いと思う。無論、例外はあると思うのだが、厨房設備の充実度合いなどを考えれば、どうしてもそうなってしまうだろう。格闘技の世界でよく「同じ技量ならば、体重が重い方が強い」と言われることと似ている。

 この店では店先に調理器具一式があり、特大の中華鍋をブワンブワンと繰って、オレンジ色に染まったパッタイを作っていた。それを薄焼き卵で包んだものがこの店のウリらしく、卵包み専門の女性が2名も配されている。

 メニューには当然のごとくパッタイしかない!それも、卵に包むか包まないかくらいの差しか無いようである。従って着席後には、どこに行ってもパッタイに共通して添えられる生モヤシと生ニラ、そしてマナーオ(ライム)が出てきた。

この生モヤシをできあがったパッタイに混ぜ、生ニラを囓りながら食べるのである。日本人は「えっ??」と思うだろうが、これが実に合う。もやしは日本のモノよりおおざっぱに作られているようだが、総じて日本のより少し短くて太め、シャクシャク感が出るように作られている。ニラは明らかに日本のそれよりも茎が太く、旨味があり、そして刺激成分が少ない。だからポリポリ食べられるのである。日本のニラは規格上、カセットテープのように薄く仕上げられているが、タイのふっくらしたニラの方が旨いと思うのだが、、、これも土壌特性の違いだろう。

「お薦めは、やっぱり卵包みだねぇ~」

というアラゴンの言に従い、卵包みパッタイを4人で2つ所望した。

「やまけんだったら1つ食べられるでしょぉ~」

とはS女史だが、俺はバケモノじゃないんだよ!もう喰えんわぁ。

さてパッタイだが、ひっきりなしに来る客のため、2人がかりで中華鍋を振っている。

 鍋を覗くと、やはりその鮮やかなオレンジ色が際だってみえる。パッタイの造り方自体は、それほど難しいもんではない。あらかじめ8分くらいぬるま湯で戻しておいたセンレックという中太の米麺を油で炒め、具を投入し、ソースを加えるのが基本だと思う。

 具材には干しえび、もやしとニラ、赤タマネギなどに豆腐を発酵させたようなもの(厚揚げの時もあり)、その他という感じだろう。

しかし、調理法自体には秘密があるわけではなく、肝心要なのはその調味ソースである。これがあまりにも独特なのだ。僕はタイ食材屋でパッタイペーストという瓶入りソースを見つけて買ったことがあるが、そのソース自体はやたらと甘い、ジャムのようなものだった。一体これがパッタイになるの?と心配になったのだが、ナンプラと共に炒めると、ちゃんとパッタイの味になった。かなり複雑な味の組成だとみた。

「あ、なんかタレっぽいの運んでるよ!オレンジ色だね!」

とアラゴンが言うのをみると、男がなみなみとオレンジの液体で満たされた鍋を運んでいる。うーむ PETボトルに入れて持ち帰りたい、、、

そうこう言っている内に、パッタイが運ばれてきた!これが卵包みパッタイである。

東銀座の歌舞伎座横にある「喫茶YOU」の官能的オムレツのような、踏みにじってやりたいハカなさを感じさせるではないか。この一枚の着衣を乱暴にも切り裂くと、中からしっとり濡れたオレンジ色の花弁、、、ではなかった麺が顔を覗かせる。

 さて、ここからが勝負だ。ご存じの通りタイ料理は、自分好みの味に仕上げて完成だ。僕は砂糖をタップリかけ、強めにナンプラを効かせ、酢は少々。砕きピーナツはドンドンかけ、マナーオを2つ分絞る。唐辛子はあまりかけないというスタイルだ。このかけっぷりに一同から非難の声が挙がる。「一口食べて味を見てからかけなよ~」もっともな話だがヤダ。パッタイはこれが一番旨いって信じてるんだモン。

このパッタイ、実に旨かった。腹一杯だったので食味感が鈍っていたかも知れないが、非常にテイスティだった。確かにダテに店舗を張っていないな、というレベルだ。少しベースが甘めで、しっとりとした作りだ。砕きピーナツと合わせると、水分をうまく吸ってくれるので、味の濃さが前面に出てくる。

「美味しゅうございました!」

残念なことに店の名前とかはまったくわからん。アラゴン、申し訳ないけどコメントに店の名前と場所を書いておいてください。よろしくね。

 この後、トーストとミルクコーヒーを出すという面白い店に連れて行ってもらったが、12時で閉まるようで目の前で片づけをしている。しかしもう、腹一杯なのと眠いので意識朦朧としており、ちょうどよかったかも。

 最後に花市場を歩く。市場のエネルギーとカラフルな花々の色彩に圧倒されながら、しかし今宵のパッタイのオレンジに勝る鮮やかなカラーはないな、と思うのであった。

Posted by yamaken at 14:51 | Comments (2) | TrackBack

絶品プーパッポンカリーと地元民御用達旨口パッタイを堪能した夜

 僕の大学同期の友人がバンコクに数人いる。つい先日まで学校で一緒だったような気がするのに、タイで仕事をしているなんて、なんだか不思議な気分だ。しかも一人はITではタイ国内有数の大学であるAITで教鞭を執っており、もう一人は国連の正職員である。うーむ みな優秀極まりないのであった。

 さて夜飯は「なんでもやまけんの好きなのでいいよ。」ということなので、シーフードの旨いという評判の「ソンブーン」にする。この店を教えてくれたのが、第二回オフ会(in無二路)に参加してくれた驚異の世直しクレーマー、荒浜さんである。彼は以前、タイで広告代理店の仕事をしていたことがあるのだ!その彼が駐在時代の行きつけを教えてくれたのである。

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荒浜です。バンコク食い倒れの店、2軒紹介します。

「カオマンガイ屋」
「ソンブーン」

以下のHPにも記載ありました。場所はこれ参考にしてください。

http://thaigogo.fc2web.com/ayutthaya-3.html

特にカオマンガイ屋は感動必至!加賀谷君がタイに行った時にも教えて、気に入ってくれたみたいです。なぜかこのHPでは評価イマイチですが。カオマンガイだけでなく、スープも絶品!深夜までやっているので、仕事の後、よくタイ人スタッフと行ったものです。しかし有名になったんだなあ。。。ワールドトレードセンター近く。

「ソンブーン」は、僕はこのHPに出ている店ではなく、ラチャダー店によく行っていたのですが、どこでもハズレはないと思います。

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今回、スケジュールの都合でカオマンガイ屋には行けなかった。しかしソンブーンは行った!のでここにレポートしよう。

ソンブーンは二店あって、今回行ったのは本店ではなくスリウォンという通りにある店だ。フォーシーズンホテルのあるラーチャダムリ地区からタクシーで7分くらい。

店の入口にはすでに氷の上にカニがどわっと並んでいるディスプレイがあるので、すぐわかるはずだ。店にはいると、タイ人も外国人も一杯だ。ここは地元の人もよく来る店らしいので、味は確かだろう。

満杯の客の中、僕らは3階まで通された。今回ぼくを導いてくれたのは、大学AITで働く”つっちー”である。インターネットの世界では知らぬ者の居ない、かの村井純先生の愛弟子で、今回タイに「20年くらい行っておいで」と送り出されてしまった、幸せなのか不幸なのかわからないヤツである。

もう一人の国連に勤める友人Sが後から来るというので、待っている間に数皿突くことにする。

プーパッポンカレーが名物なので、これは全員揃ってからにしよう。とメニューを観ていると、日本でタイ料理と言えばここに行く、の六本木バンコクレストランでは食べられない「トートマンクン(エビのすり身だんご)」がある!速攻で頼んだ!そして春雨サラダのヤムウンセン、パッカナー菜のオイスターソース炒めで、クロウスタービールを飲み始めた。

■トートマンクン

 これがトートマンクンである。外側のカリッという皮と、すり身にしたエビの香りがふわりと香る一品だ。

■ヤム・ウンセン

 有名なので解説はいらないだろう。ヤムとは和えたサラダのことで、ウンセンは春雨だ。ここのは結構辛い!美味しかった。

■パッカナー菜の炒め物

 どこに行っても必ず頼むひと品。

このパッカナーという菜っぱは、ぜひ日本でも作りたいのだが、、、無理かなあ。茎のパリシャク感と味の濃さが絶妙で、モノにしたいのだが、、、

 そうこうしているうちにメンバーが揃った。国連のSに、もう一人国連で働く才女、アラゴンがジョインした。そこで出てきたのが、本日の主役である。
■プーパッポンカレー

 大ぶりの蟹をカレーペーストで炒め、卵で閉じたものだ。これが最っ高に旨い!蟹の旨味が出たカレーに卵が絶妙に絡むのだ。

 このプーパッポン、日本で食べるどのカレーよりもこってりしている。更に真っ赤な油がにじんでいるが、これは自家製で手を入れた油だろう。ご飯を所望し皿に空け、カレーの卵とネギの部分をかけて食べる。と、ごま油のような、豆っぽい旨味を含む香りが鼻孔を抜ける。

「これ、ピーナッツ油だね。」

とS女史。なるほど、そうだな、ピーナツ油だ。これのおかげで、蟹の旨味とカレーの魅惑的な味、そしてそれをまとめる卵という全体に、コクがプラスされているのだ。蟹の実ではなく卵に旨さが移っているのが面白いところである
■この語、春雨とエビの土鍋煮、魚の丸揚げなどを食べるが、どれも水準を遙かにクリアしている。

「うーん 腹一杯。」

「うそ!やまけんらしくない!美味しいパッタイ屋さんあるからいこうよ!」
おおおおおおおおおおおおお
 パッタイには目がない俺である。一も二もない。すでに10時過ぎだが、早速にパッタイ屋をめがけ、タクシーを停めるのであった。

Posted by yamaken at 03:11 | Comments (3) | TrackBack

2004年08月08日

タイ北部名物「ソムタム」は路傍のファーストフードである。

 タイの畜産物加工メーカであるベタグロ社に向かう途中、バスがガソリンスタンドに泊まった。トイレ休憩の一時、併設された売店に行くと、ソムタムを作ってくれるコーナーがあった。

いい感じに渋いおばちゃんが作ってくれるらしい。「ソムタム、タオライ」と値段を聞くと、20バーツ(65円程度)だというので、つくってもらうことにした。

ソムタムのソムとは青い未成熟パパイヤのことだ。これを切り干し大根状にしたものを辛い和え物にするのだ。タイ北部のイサーン地方の名物料理だが、基本的にタイのどこでも食べられるようだ。このソムタム、路上で売られていることが多い。材料は多いが火を使わないので、簡単に店を出せるからだろう。

ソムの他に唐辛子、小さなニンニク、ライムトマト、長いインゲン豆、その他多種のスパイスを使う。まず、ピッキーヌーより大きめの唐辛子をクロックという鉢に投入。

「何本?」と訊かれたので、「すこーし」とゼスチャーする。ソムタムは辛くすると本当に辛い!自信のある人でも注意した方がいい。

その他にんにく等を入れると、木の棒で叩き始める。これがクロックですりつぶしたり叩いたりというのがタイの料理のベーススタイルだ。


ここにナンプラや化学調味料(←タイでこれが入らないのを観たことがない)などを入れ込んでいく。干しえびも入り、味が作られていく。


いんげん(ささげ)も生で投入。日本では豆を生で食べる習慣がないが、アジアやヨーロッパでは結構生で食べている。これがまた美味しい。


このあたりでようやくベースとなる味ができ、ここにソムの千切りを投入。そしてひたすら木の棒で叩いていく。この叩き加減が強いとパパイアの組織が壊れてしまうし、弱いと味が染みない。絶妙な加減が必要らしい。
 しばし叩くと、完成。


 完成したソムタムはビニール袋に入れて輪ゴムで留められる。これにパップン(空心菜)とキャベツの生のぶつ切りが一緒にいれられる。あとで混ぜながら食べるのかな。ここまで所要時間が3分程度か。実に熟練の手際であった。

 バスに戻り、道を揺られながらソムタムを食べる。甘辛い香りと、微細にニンニクが効いていて旨い!本場イサーンでは川蟹の塩からなどを入れてもっと旨味を出すようだが(蟹に寄生虫が居るとヤバイらしい)、そういうのがない簡易版のソムタムでも十分に旨い。

 タイに来たらやはり屋台だな、、、20バーツでこれだけの者を作ってもらえるのだから。
 実はこの直前に、ガソリンスタンドに併設された綺麗なコーヒーショップで、練乳がどっぷり入った甘~いミルクコーヒーを買った。


これがなんと80バーツ。タイ人の日給の半分以上である。やってられん。観光客相手とそうでないところの差が出ている。食い倒ラーは迷わず屋台なんである。

Posted by yamaken at 15:51 | Comments (4) | TrackBack

朝から4回転!タイ一流ホテルの朝食は最高だ フォーシーズンズホテル「ビスコッティ」

 初めてタイに訪れた時は、大学院の卒業時だったので貧乏旅行だった。バンコクでは、バックパッカー御用達のカオサンストリート(最近は綺麗になってしまったらしい)の安宿、その後に飛んだサムイ島でも一日150バーツくらいの安い部屋に泊まっていた。それはそれで面白く、ゴージャスリッチな感じのするリゾートホテルなどは横目で「ケッ、あんなの面白くねーよ」と思っていた。
 それは間違いであった。社会人になってからパッケージツアーでサムイに行き、リゾートホテルに泊まった瞬間、「なんでここに早く来なかったんだろう、、、」と思ったものだ。空調の効いたゆったりとした部屋、欧米流のホテルサービスにタイの微笑みがプラスされた手厚いもてなし。ああ、お金はこうやって遣うものであったか、と思い知ったのである。

 そして、そういったホテルの朝食が、例外なく最高なのである。ビュッフェスタイルで、コンチネンタル、サラダ&フルーツバー、タイフードなどがわんさかと用意されている。僕なぞ朝からすごい量を摂取してしまうのである。そういうところの朝飯は、まあ外で食べるよりは落ちるのが相場なのだが、、、
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 楽しみにしていたフォーシーズンズホテルの朝食。朝7時に勝美君と1階のダイニング「ビスコッティ」に降りる。緑が絶妙に優雅に配置されている中庭に面した、瀟洒なダイニングだ。窓際に座るとウェイターが「Tea or Coffee?」と訊いてくる。そして大振りなグラスにオレンジジュースをたっぷりと注いでくれるのだが、このジュースが旨い!何か入っているのかと思うくらいに甘いのだが、オレンジのフレッシュスクイーズだという。

 ビュッフェを周り、まずはコンチネンタル風にトースト2種(ホールホイート、ホワイト)にクロワッサン、クリスピーベーコン、ウインナーをいただく。

嬉しかったのは、備え付けのバターが発酵バターなのだ!発酵バターは、その名の通り発酵乳のバターで少々の酸味と素晴らしいキレのある風味で実に旨いのだが、タイの発酵バターはこれがまた素晴らしい!

生乳の質が全く違うのだろう、味の濃く、それでいてさらっとした脂のバターだった。
 この道中、日本から同行の農業者のみんなと話していたのだが、タイの土壌はカルシウムを豊富に含んでいるようなのだ。それが草に移り、牛が食べる。そうした土壌ミネラルが、肉や乳製品にも影響しているはずだ。
 そうそう、タイでは僕はパンも美味しいと思っている。それは、安いところのパンではなくて、それなりにステイタスのあるホテルかベーカリーでということだが。

 さて、1皿目を平らげて2周目に入る。タイ料理コーナーでは、カオパッ・ムー(豚肉の焼きめし)、ビーフンの炒め物、野菜のオイスターソース炒めがある。

これらをガバッと取り、マナーオと呼ばれるライムをタップリとかけて食べる。やはりフォーシーズンのダイニングだけあって、手抜きがなく美味しい。

 タイでの朝食に欠かせないおかゆというか雑炊がある。カオトムプラーという、魚の雑炊が旨いのだが、ここのはチキンだ。

これに香菜をタップリ載せてナンプラーを少量かけて食べるのが旨い。


 お次はフルーツ。

パパイヤ、マンゴスチン、パイン、ランブータンが取り放題である。ここぞとばかりにマンゴスチンを食べまくる。

マンゴスチンの実の割り方もだいぶサマになってきた。

ああ、毎日こんな朝食を食べていたら、僕はきっとすぐに体重が70Kgを超えるな。でもいいや。3日間だけだから、、、と思い、もうひと皿、ビーフンとカオパッを獲りに行く。

合計で4皿回転した朝食であった。
本日はタイの畜産加工メーカの視察である。

Posted by yamaken at 10:58 | Comments (4) | TrackBack

2004年08月07日

バンコク到着。フォーシーズンホテルは最高級ゴージャスリッチホテルであった。

 タイに着いた。2年ぶりのドン・ムアン空港はエアコンが効きすぎて寒かった。

 すぐに円をバーツに換える。1万円が3630バーツになるレートだった。2年前とあまり変わらないな。今回初めて観たのは、自動エクスチェンジャーだ。窓口で人が換金するのではなく、ATMみたいなので換金できる。レートも同じなので、こちらの方が楽かもしれない。

タクシーでかっ飛ばして20分、宿泊するフォーシーズンホテルに到着。ここはバンコクで最もステイタスが高いと言われているホテルだ。僕らは、農業情報学会の関係で安く(8000円程度/日)泊まることが出来る。

部屋はこんな感じだ。超ゴージャスリッチ!


ま、とりあえず男と泊まる部屋じゃないわな。しかし残念ながら今回の相部屋は、いつもどおりの長島農園の勝美君だ。腐れ縁だからなぁ。

嬉しいことにインターネットは高速回線が使える。卓上にUFOみたいなコネクタがあり、そこにLANケーブルをつなぐだけだ。

あとはブラウザに使用料の画面が出てくるので、OKを押せばよい。ちなみに接続料金は高い。24時間で620バーツ。レストランで楽に夕飯が食べられる金額だ。うーん

タイのホテルにはウェルカムフルーツが置いてあることが多い。ここではランブータン(タイ語で「ンゴッ」という)、リンゴ、ミカンだ。

このランブータンが最高に旨い。マンゴスチンとランブータン、そしてマンゴー(マムアン)があれば、タイではハッピーになれる。

夜1時だが、早速ルームサービスを頼む。タイの一流ホテルは初めてなので興味津々。3品くらい頼んでしまう。しかし、一流ホテルだけあってどれも高いな。街にでれば10分の1で食べられるくらいの金額だが、初日の夜食だし、まあよしとしよう。

■スパゲッティー・パット・キーマオ

 意外かもしれないが、タイのパスタは旨い。国民全体的に麺が好きだし、バリエーションも日本より豊富だけあって、研究しつくされている感がある。中でも、タイ風の味付けを施したスパゲッティは最高。日本の和風パスタみたいなもんで、ご当地スパとでもいおうか。
 このパット・キーマオも、未成熟の青い唐辛子がぶち込まれていてかなり辛いが、実に旨かった。

「お腹がびっくりしてますよ」

とは長島勝美君の弁だ。

■パット・パイカップ・ラオ(豚肉のバジル炒め)

おなじみ、挽肉とバジル炒めご飯がけだが、ルームサービスにしては味がビシッと決まっている。と思ったけど、よく考えたら帝国ホテルとかと同じようなホテルなんだから当たり前か。

■クイッティオ・パット・シーユ(タイ風豚肉と中国菜入り太焼麺)

 クイッティオは幅広のきしめん風ビーフンだと思えばいい。これをこっくりとした味付けで炒めたものだ。これもきちんとした味付け。屋台より旨いなぁ。


しかも3皿とも、かなり盛りがよく、もう腹一杯である。

バンコク着早々に、高い飯を食ってしまったが、それなり以上の満足感であった!
さて、寝るぞ。明日は農場視察。そして食い倒れ。

Posted by yamaken at 04:23 | Comments (3) | TrackBack

2004年08月06日

今日からタイ国出張行ってきます。タイからの更新にトライしてみます。

 本日から10日までの4泊5日、タイのバンコクに行ってきます。とはいっても遊びにいく訳じゃないよ!農業情報学会のアジア大会に参加してくるのです。

■AFITA WCCA2004

http://www.afitaandwcca2004.net/

とはいえ、そりゃあまあ、食い倒れて来ますよ。宿泊はなんとバンコクでも一流のフォーシーズンホテル!立地もいいし、楽しみだ、、、

タイに行くのは2年ぶり。それも、バンコクには足を踏み入れないで南の島ばかり行っていたので、バンコク体験は久しぶりだ。結構変わっているのだろうな。

ホテルはツインで、相部屋は長島農園の勝美君だ。二人でバンコク周辺の農村を周り、沢山の飯を食ってきたいと思う。

タイ国の最近のインターネット事情はよくわからない。日本語が使えるインターネットカフェがあるのか、ホテルには無線LANサービスとか無いのか等、全く未明。なので、タイからのリアルタイム投稿ができればいいのだが、みなさん祈っててください。

実現すれば、初の海外発・食い倒れ日記です。
今日の17時発の飛行機で行ってきまーす! 更新が途絶えたら、無理だった!と思ってください。

Posted by yamaken at 08:34 | Comments (2) | TrackBack

なんと漫画になってしまいました。 「コミックフラッパー」

 いや、本当にいいんだろうか、、、と思ってしまうのだが。

別冊アスキーに続いて、私のことが今度はコミック雑誌のインタビュー漫画にとりあげられてしまいました。ただし、今回は「食い倒ラー」としてではなく、農産物流通業者としての仕事で、だ。

■月刊コミックフラッパー9月号
メディアファクトリー刊 450円(安い!)
http://www.comic-flapper.com/

イノウエサキコ著 『ナリワイタイムズ』 P227~
※8月5日発売。もう店頭にならんでいるらしい。

きっかけは、この雑誌の編集者が僕の母校出身であることだ。在学当時僕は彼と面識があったか定かではないのだが、編集者のY君はなかなかに胸に秘めたパワーを持つ男だった。

「ナリワイタイムズっていう連載なんですが、とにかく『自分が好きなこと』を仕事にしている人を取材して漫画にするというものなんです。やってみたら、結構読者さんから反響があるんですよ!」

という。先月号を見せてもらうと、なかなか電車の中では読みにくい表紙である。でも、かなり売れている雑誌なんだそうである。

「やまけんさんが畑を創っているのはもちろん観ていましたョ!直接面識を持つのはこれが初めてですけど、取材させてください!」

恥ずかしいけど断る理由もない。おばあちゃんも喜ぶだろうし、いい記念になるし、引き受けた。

そしたら、こんなの書かれた(笑)

漫画家のイノウエサキコ女史、なかなかにリアリストである。なんと堂々8ページものだ。1時間程度のインタビューで、今の仕事に就くまでの道のりを色々とお話ししたことがベースとなっている。食い倒れのシーンは数カ所しか出てこないが、、、

「あの、お時間ないのはわかっているんですが、ぜひご飯をガンガン食べているところをみたいんですよぉ!」(イノエサキコ女史)

「な、なぬ?う~ん、、、」

ちょっと躊躇。実はこの日、午後からムニロを訪問し、制作中の無二路新Web用にレシピを書かせてもらうための撮影をする。当然、撮影後には食べる!その後、広島から上京している竹鶴の石川杜氏と工藤ちゃん、板橋夫妻とごろ寝こざるさんと山利喜にて飲むのだ!
 こんなハードスケジュール(胃袋のね)なのに、、、

「しょうがない、食べましょう!牛タンでいいっすか?」

男っぷりを見せてしまった。ということで、牛タン太助の日本橋店に速やかに移動する。仙台に本店を持つこの店、ランチタイムに行くのがお得である。

オーダーは「牛タン麦トロ定食1.5倍」である。ここのランチタイムの牛タン定食は、最初からタン1枚が3きれくらいに切り分けられて出てくる。噛み切れない人のための配慮と、回転をよくするためだろうが、これでは肉にかぶりつく醍醐味が味わえないので少々不満である。

また、僕が大好きな青唐辛子のみそ漬けも「何本か載せて!」が通じず、1本しか載らない。うーん これが痛いなぁ

しかし、食い倒れの福音である「ごはんお代わり自由」は確保されている。

結局僕はご飯を3杯食べた。時間もないしガツガツと食べたら、編集者のY君も漫画家のイノウエサキコさんもたいそうに喜んでいた。

「本当に食べるんですねぇ~」

イノウエサキコさんは、滋賀県出身で、ご実家が農家だそうだ。僕の話には共鳴して頂ける部分があったらしい。だからだろうか、ゲラが送られてきた時、ほとんど手を入れる必要がないほどに話しをよく理解して描いてくださっていた。井上さん、Y君、いい漫画書いてくださってありがとうございました。

 ちなみに3杯の麦飯と1.5人前の牛タンを胃袋に収めたまま無二路~山利喜の地獄のロードを敢行したのであった。

 ちゅうことで コミックフラッパーみかけたら手に取ってみてください。

Posted by yamaken at 07:58 | TrackBack

2004年08月05日

秋田・竿灯祭りの夜! 塩鯨鍋も旨かった! 川反「ふきのとう」

 いやぁー 久しぶりに血のたぎるいい夜だった!

 まだ六本木3段活用を書き終わってないけど、酔いに任せて書いてしまおう。酔っぱらい食い倒れは久しぶりだ。今、秋田に来ているのだ。明後日からタイ出張だというのに、秋田で飲みつぶれているのである。しかも今日は、ご存じ秋田を代表する祭事である竿灯祭りの真っ最中である!竿灯って最高だ!今までは「提灯あげるだけだろ?」と思っていたが、全然違った!あの玄妙な竹竿のしなりが、心をしなやかに惹きつける、極めて魅惑的な祭りだったのであった。

 秋田県は、先日書いた太田町という米作地帯の仕事と、もう一つ別件で、大潟村の仕事をしている。大潟村は、八郎潟という湖を干拓して出来た、日本でも有数の大規模田園地帯である。日本の田園といえば、非常に小さな田のクラスターの集まりであるが、ここでは新規の土地に入植者を募ったため、最初から大きな面積を一生産者が保有できるという好条件だったのだ。
 この大潟村には奇縁がある。僕が大学院時代、農業とインターネットに関するセミナーの講師として招かれたのだ。その際には、講演料と別に稲庭うどん10Kgといぶりがっこ3Kgをいただいた。それが秋田との初めての出会いだった。そして今年、この大潟村でのある検討委員会の村外委員として、就任する運びとなったのである。

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 秋田市内のアルバートホテルまで車で送っていただき、一息いれてから竿灯を観に行くということになっている。

「いや、まんずお疲れ様でした。竿灯祭りを観てから一杯やりましょう。1時間後にお迎えに挙がりますので、チェックインして風呂でも浴びて下さい。」
しかし、一息つくどころか、山積している別件をリモートで片づけなければ何もできない。ホテルのインターネット回線とFAXを駆使して企画書と見積書を作成し、東京の企業に送付しているうちに、ホテルを出る時間となった。

 竿灯祭りといえば、東北を代表する祭りの一つだ。しかし僕は実際には観たことがなかった。僕は高校の時から7年間、和太鼓をやっていた。全国のとんがった郷土太鼓を見て回ってはいたが、竿灯は太鼓芸ではないので、ノーマークだったのだ。正直、「それほど惹かれないなぁ」と思っていた。
 しかし!予想をはるかに上回る素晴らしい祭りであった!

「長い竿に提灯が連なっているのは、稲穂を表しているんですョ。」

そうか、これは稲穂なのか!この、総重量にして60Kgくらいはある稲穂提灯をぐぐっと揚げ、片手で掲げ持った後に額だけで支えたり、手を離して腰だけで竿を支えたりという荒技を競い合う、まことに男っぽい芸能なのであった!
 上空を吹く風に竿はぐぐっとしなり、持ち手はそれを手元の角度を微妙に調整しながら支え、片方の手で扇子を扇いだりして余裕をみせる。なんともいなせだ!
 見物客も、ぐわっと倒れそうになる竿を観て「おおおおおおお」と声をあげながら熱狂している。「どっこいしょぉおおおどっこいしょぉお」というかけ声を上げながら、持ち手を鼓舞している。桶胴太鼓で打ち込まれる囃子の直線的なリズムで、腹の中がグワングワンと沸いてくるのである。

 しばし観覧した後、余韻にひたりながら秋田市内一番の繁華街である川反(かわばた)の奥へと足を運ぶ。

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■食酒や ふきのとう
http://www.f8.dion.ne.jp/~yama_bk/fukinotou.htm
秋田市南通亀の町5-27 山蕗1F
018-833-9750

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「ここは、山蕗という割烹に併設している、気楽に入れる店なんですよ。で、若女将は僕の同級生です。」

座敷にはすでに酒肴が並んでいる。これがまた、秋田ならではの皿ばかりだ。

「これは『カスベ』ですねゃ。エイを煮込んだものです。軟骨の部分まで柔らかくなってるんですよ。」

 噛みしめてみると、エイ特有のアンモニア臭はほとんどせず、ゼラチン質を多量に含んだ、こっくりと旨味の濃い魚肉だった。


もずくは、「これがもずく?」と言うほどに「ザキッ」という歯応えのあるものだ。乾物ではなく生であることは間違いない。

「これは鰰(ハタハタ)の寿司ですねゃ。私たちが子供の頃はトロ箱一つで100円程度でしたから、おやつと言えばハタハタを食べてました。」

今や高級魚のハタハタがおやつ代わりである。うーん
ハタハタ寿司は、和歌山のサバなれ鮨や琵琶湖の鮒寿司と同じような飯寿司である。しかしその個性は非常に上品で高貴な香りだ。これだけで酒がどんどん進んでしまう。

「はい、日本海のウニ!」


と運ばれてきた殻付きのウニは、何も言うことのない、ひたすらにクリーミーに甘い品だった。

「いや、秋田県の人間は総じて口下手なんですよ。でもそれではこれから何ともいかなくなる。山本さん応援して下さい!」

モチロンですよぉ
私は旨いもんがあるところは完全に応援します。この他、助役とはじっくり様々な話をした。県庁から出向で村の助役に任じられている彼は、秋田県の産業振興に情熱をかける素晴らしい方である。僕がこの仕事を引き受けたのも、彼の熱意と、ある意味、行政らしくない現実感とバランス感を持った態度に惹かれたからだ。大潟村は、外部の民間の力を導入していこうと志向している。安易に合併をせず独自に前進しようとするその態度は、多くの市町村が学ぶべきだろう。


酒は徹頭徹尾、地酒「飛良泉」の山廃純米である。きりりと締めあげられた酒質で、食中の口を程度よくほどけさせる美酒である。この他、別の純米吟醸を頼んだが、上立香ばかりが鼻につく、よくあるつまらない吟醸だったので、以後脇目もふらずに飛良泉を飲み続けた。

「山本さん、くじらは食べられますか?」

モチロンである!そう、前回も太田町の仕事で県の人に連れて行ってもらった「海味」にて、塩鯨鍋が旨いと聞いていたのだ。一も二もなく所望する。

濃厚な味噌ベースのスープの表面は、鯨のコロ(皮つきの脂身を干したもの)から滲み出た脂でギトッとしている。コロの刻んだのと茄子、豆腐とネギが鍋の具だ。

「この茄子が入ってるのが、味のポイントなんですよ。」

と助役が仰る。はたして口に運んでみると、コロのねっとりしつつあっさりとした食感が、茄子の香りとマッチして旨い!出汁の風味も美味しく、この鍋は実に風流である。
 先日食べた比内地鶏のきりたんぽといい、こんなにこってりした味の鍋があるのは、秋田の厳しい冬の寒さに耐えるため、脂肪を蓄積する意味合いもあるのだろう。その環境下では、塩分を強くして血圧を上げ、寒空に立ち向かう必要があったはずだ。かように食文化には意味がある。近代栄養学の割り切り方ではつまらないのだ。

この他、岩ガキやガッコも食べ、実に満悦。そして〆はやはり稲庭うどんである。

冷えた稲庭うどんを啜る。やはり東を代表するうどんといえばこれである。

「実は、商業ベースに乗らない稲庭うどんがあって、これはその名字が「稲庭」というんですが、その店を訪れる人にしか出さないうどんなんです。マスコミや代理店や小売店には出さない。料亭にも出さない。そう言うところのが最高です。今度入手できたら送りますよ!」

ぜひ!
楽しみである。

いやー 食った食った。竿灯で感動し、先日食べられなかった塩鯨の鍋をたべることができ、満足だ!

しかし、本日の最高のご馳走は助役の人となりである。なんといっても竿灯で高く高く持ち上げられた提灯を見上げる助役の顔は、口を軽く開けて子供のようにニンマリしていた。一瞬、僕を連れているのを忘れて魅入っていたに違いない。その表情を僕は忘れることがないだろう。しばし、その笑顔に魅入ってしまったくらいなのである。男というのは、笑顔で人生を語るものなのだな、と思った。

Posted by yamaken at 00:33 | Comments (1) | TrackBack

2004年08月03日

布山タルト氏の絶品アニメと老舗洋食の夕べ 京橋「きむら」

 柄にもなくアート系の話をしよう。絶品に面白いアニメーション作家だ。名前を布山タルト(ふやまたると)と言う。僕の大学・大学院時代のダチで、彼は当時、線画のアニメをAMIGAで製作していた。そのドライなのか叙情的なのか、どちらにも振れる作風が大好きで、僕はダチというよりファンだった。

 その彼が、ずいぶん出世しているのだ。シアトルの漫画家ジム・ウードリングという人のコミック「FRANK」をアニメーション化した作品で、平成15年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞なるものを受賞したそうなのである。

布山についてはここに色々載っている


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「動くの?コマ」展
~布山タルトのアニメーション・ショーケース~

http://www.taruto.com/ask/

会期:2004年8月2日(月)~7日(土) 11:30~19:00
*オープニング・レセプション:8月2日(月)17:00~19:00*

会場:art space kimura ASK?
 東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
 TEL 03-5524-0771
 Email: asku@oak.ocn.ne.jp 
 http://www.kb-net.com/ask
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 この会場になっているのが、地下鉄銀座線の京橋駅から1分のところにある、アートスペースASK(アスク)だ。実は僕は、このASKと非常な奇縁で繋がっているのだ。
 2年ほど前、行きつけのダイニングバーで飲んでいたら、隣に座った人に話しかけられて四方山話をした。その人は京橋の洋食屋の若旦那であった。翌日、その洋食屋にトンカツのランチを食べに行った。旨かった!以後、しばらく接触はなかったのだが、、、ある日、僕の大学時代の畑サークルの顧問をしてもらっていた藤幡正樹さんという、ある意味、日本で最も尖ったアーティストの個展を見に行った。ASKという小さな会場に足を踏み入れ、作品を見ていると、彼が「あれ?」っと入ってきたのだ。それが3度目の出会い。よく観てみると、このASKというギャラリーは、和洋食「きむら」の3軒どなりにあるのであった。

 そんなこんなで奇縁のあるギャラリーに、今度は布山が個展を開くと言うことなので、加賀谷と一緒に観てきた。

結論から言うが、

面白いからみんな観に行こう!

アニメ好きでもそうでなくてもほのぼのと楽しめると思う。
先述の掌編アニメ映画二本に加え、CCDカメラを使って自分でぱしゃぱしゃと撮影したものがアニメになる仕掛けを体験できたり、ナカナカに面白いのだ!

小さいスペースなので30分くらいあれば十分だ。京橋近辺の人はぜひ足を運んでみて欲しい。夕方には作家の布山が顔を出しているようだ。

今週の土曜日までなので、はやめにどうぞ。

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さて

 布山の作品観賞後、当然のように和洋食きむらにスライドする。この店は、ちょっと見は割烹か料亭かという見え方をするので、初めての人には敷居が高いだろう。けど、まあ洋食屋と考えればいい。

品書きを見ると、

・くるみ入りロールキャベツ980円
・タンシチュー1480円

といった洋食系メニューと、

・さんまの酢の物 800円
・穴子の一夜干し 1000円

などといった和風のメニューが並列にある。そう、「和洋食」なのである。

「ロールキャベツはけっこう出るんだよね。」

という木村氏の言もあるので、これを軸にいろいろ頼み、みなでつついた。


★さんま酢漬け

★水茄子浅漬けと刺身

★穴子一夜干し

■ロールキャベツ

陶製の保温皿に入りグツグツになりながら供されるロールキャベツは、具の中にくるみの実が2つ入っている。夏の暑い最中に食べるこれが実に旨い!煮込みソースが、ただのトマトソースではなく、コクのたっぷりと効いたソースだ。思わず白飯にかけてむさぼり食う。

■タンシチュー

同じく飯にかけてむさぼり食うのはこのタンシチューだ。柔らかく箸でち切れる煮込みタンであった。

■カニクリームコロッケ

そして出色のできばえがこのカニクリームコロッケだ。ママが
「○○堂のにひけを取らない美味しさでしょ?」
というだけはある、なかなかの味である。エバミルクのように濃縮された乳成分の旨味と、ふんだんに使われたカニの実からでるエキスが混ざり、それがソースにからんで旨いのだ。

おもわずお代わり自由の定食(1980円)を頼み、3杯の白飯を食べてしまった。旨かった!

 不思議感覚一杯のアニメーションを観て、出世作を語る友と一緒に洋食を突く一時。実にいいものだ。同じコースを辿りたい人はぜひ足を運んで欲しい。

Posted by yamaken at 23:41 | Comments (4) | TrackBack

食い倒れ三段活用 六本木巡礼の夜、絶品トマト料理と北イタリア料理、そしてバンコクで打ち留める

 食い倒れの基本は「3」だ。何のことか?それはハシゴの数である。大体出張先で気合いを入れて食べる時には、3軒廻るのだ。しかし、東京しかも六本木でそれをやることになるとは思っていなかった、、、


 仕事できゅうりを20数本囓り、水腹で苦しくなりながら急いで六本木に向かった。六本木は数店、好きで廻る店があるのだが、今日は大先輩に手引きして頂くのだ。

「やまけんちゃん、いい店、連れてってあげるよ。」

A内さんは、農産物流通業界での大・大先輩である。有機・特別栽培農産物の流通ネットワークとしては知らぬ人のいない大地を守る会にずっと勤めていた人で、色々とお世話になった、、、無化学肥料の旨いラッキョウを5Kg手配していただいたりとかね。現在は、独立して農産物流通のコーディネータをしておられる。

「ま、こないだやまけんちゃんのやってる仕事を訊いてわかったんだけど、同じような仕事なんだよ。」

いやこんな大先輩と「同じ仕事」だなどとは、おこがましくて自分からはとても言えない。A内さんは、僕の大好きな赤身牛肉「短角牛」の産地を育て上げてきた人だ。全国の産地を練り歩いてきた、生産者からの人望の厚い方なのだ。

六本木交差点で待ち合わせると、A内さんのご友人であるKさんにご紹介いただいた。

「このKさんはね、ヤバイ仕事たくさんしてるから。あまり突っ込まない方がいいけど、旨い店知ってるんだよぉ」

と微笑を含みながら仰る。A内さんはいつもチノパンにシャツの硬めの格好だが、Kさんは夜の街徘徊自由人的スタイルである。程なく、A内さんの前の職場の部下で、僕も一緒に仕事をしたことのあるOちゃんが到着、店へと向かう。六本木の「裏」側へと歩いていくと、家賃が35000円の木造アパートとかが建ち並ぶ一角がある。その中に小さく店主の名字を掲げた小ぶりな割烹店がある。

「あのね、ここは、日記には名前を出しちゃダメだよ。俺たち行けなくなっちゃうとヤだからさ。」

了解した。木戸をくぐると、カウンターが8席、テーブルが2つだけの、店主の気が行き届く範囲でしか仕事をしない店だ。

品書きをみると、おまかせは6000円、8000円、10000円と分かれている。長細い経木に書かれた品書きは、一見地味だ。鰺の南蛮漬けやさつまあげ、がんもどき、鰆西京漬けなどのオーソドックスなものしか並んでいない。
しかし、

「やまけんちゃん、ここはね、ぜーんぶイチから大将が自分で作ってるものばかりなんだよ。ちりめんじゃこは自分で炊いてるし、ほんとに凄いんだ。」

とKさんがおっしゃる。

大将が新潟出身と言うことで越の初梅の燗をもらい、ゆるりと始める。
■3点盛り イカ、中トロ、鱧(ハモ)の湯引き

 特に六本木界隈で旨い魚介を食べたいとは思っていなかったが旨い!イカは絶妙な甘さである。そして中トロ。寿司屋ではなく日本料理の引き方で供されているが、存外に味が乗っている。
 中でも梅肉の添えられたハモが絶品だった。臭みのあるハモに出会うとがっかりするが、ここのは典雅な香りがする。

「やまけんちゃん、ここの梅肉の梅干し、大将が漬けてるんだよ。」

それなら信頼できる!調味液に漬け込んで味を出している梅干しが多い中、まっとうな梅干しの酸っぱさを感じた。


そして、季節外の嬉しい一品が出てきたのだ!

■松茸の焼き浸し

 ひゃあああマツタケである。大将が向こうの方で他の客と話している中で「中国」というのが出てきたので中国産だと思うが、この時期にこんなにブリブリ感のあるマツタケ食えるならどこでもいいゾ!

噛みしめてみると、茸類特有のあの繊維がブリンと噛み切れ、マツタケ香がほんのりと口中に灯る。すかさず初梅の熱燗をやると、福が拡がった。この焼き浸しの汁がまた旨い。ダシも醤油も素晴らしい。

「何か食べたいの、ある?」

とつけ台の上にのせられた大皿をみていくと、野菜鉢に賀茂ナスらしきものが。賀茂ナス、焼きなすは最近のアタリだからと思い、賀茂ナスの田楽を所望する。これがまさに絶品だった。

■賀茂茄子の田楽

 田楽ミソといえばぽったりとした赤みその甘いものか、白みそベースのこれも甘いものが多い。しかしここは、肉みそだ!いわゆる鶏ミソである。木の匙で果肉と鶏ミソをすくい口に運ぶ。

油を吸ってトロリ感を十二分に発揮している賀茂ナスと、濃厚な鶏ミソの甘さ、旨さが溜まらない!もうがまんできん

「ご飯くださ~い!」

「なんだよもうご飯か?」

しょうがないのである。これは是非飯を食いたい。

「うちのはね、甘いだけじゃなくて、鶏みその方が旨いと思うから、こうして出してるんだよ。鶏肉だけじゃなくて鴨肉を半分入れてる。その方がコクが出るんだよね。」

なるほど!カモ茄子だけにカモ肉であった。ご飯との相性も抜群であまりにも旨い田楽であった!

そして次ぎに、極めつけの一品が出てきてしまったのだ。

「ここのトマトを食べたらさぁ、、、他では食べらんなくなるよ。」

とK氏が仰る。そのトマトとは、、、

■冷やしトマト

 一見、湯むきしたトマトの半割に、トマト果汁のソースをかけているだけのような面持ちである。器も中身もひんやり冷えている。

しかし!

匙を入れると、中から挽肉ベースの丸(ガン)が覗くではないか!トマトにも絶妙に火が入っており、匙がすっと通る。これを口に運ぶと、ヒンヤリ感の後にほのかな酸味と甘み、そして丸のしめやかな、しかし十分に形の整った旨味が伝わった。

「おおおおおおおおお こいつは初めてです! 旨い!」

なんとも旨いトマト料理である!
これは僕が出会ったトマト料理の中でもトップランクに入る旨さだ。感動した!久々に興奮してしまった。

他のお客さんに出している大将の手元をみると、トマトを仕込むタッパーが出てきた。どうもヘタから下をくりぬいたトマトに丸を仕込み、その一つ一つをガーゼにくるんで結び、煮崩れせぬようにしてからだし汁で煮込んでいるらしい。オーダーが入るとガーゼを解き、トマト出汁を張っている。この上からかけている出汁がまた出色のできばえで、上質なトマトジュースに出汁を割っているよう、しかし徹底した裏ごしがかかっていて、滑らかで上品だ。

ちょっとこれは脱帽である。

「ここの大将は赤坂の○○○って料亭のトップをやってたんだよ。で、独立したってわけ。」

「このトマト料理はね、その店のオリジナルだったんですが、私がもうすこし手を入れてもっとオリジナルにしました。丸には鴨を使ってます。こういうのを家庭で作る時、大抵は鶏肉でやっちゃうでしょ?そうすると味が抜けて美味しくないんだよね。」

と、大事なポイントをポンポンと言ってしまう大将。でも、材料がわかったところで作れるもんじゃないのであった。

 野菜の仕事をやっていると、よく「美味しい野菜料理が食べられる店を教えて!」と言われるのだが、そんな店はあまりない。旨い野菜を食べたければ家で料理するのが一番の近道だ。しかし、この店のトマトは、誰もが問答無用で押し黙ってしまう絶品だ。A内さんとK氏がにやにやしながら、貪り食う僕をみている。いや、本当に参りました。

■ニシンの甘露煮、満願寺唐辛子のやいたん

 先日、しんのすけ家のパーティでにじますの甘露煮を食べて以来、甘い甘露煮は食べつけないな、と思っていたが、この店のニシンはまさに甘さがなく、フンワリした食感にドライな味付けで非常に旨い!
 身欠きニシンでこんなに旨いのは初めて食べたかも知れない。

満願寺は上火で焼いたのを、削り節と仕込み醤油をかけていただく。

実に甘い。「収穫晩期なので、少し辛みが出てるね」とA内さん。野菜の仕事をしているメンツで飲むと、どうしても全ての素材を吟味してしまうのだが、それが面白い。

「さ、やまけんちゃん、〆は鯛茶漬けだな!ここのはうめーんだ!」

と、大将がすり鉢でゴマをあたりはじめる。鯛の切り身をダブダブと入れて、練り込まれて出てきたのがこの鉢だ!

■鯛茶漬け

「この鯛で一杯やってから、ご飯にかけて茶漬けを食うんだよ。ホラ、ぐちゃぐちゃに掻き混ぜて!」

とKさんが仰るようにすると、濃厚なゴマの香ばしさと鯛の風味が絶妙で、ドンブリご飯でこれを食べたくなる。

これに、大きな急須に熱々に入ったほうじ茶を注ぎ、蓋をしてしばし待つ。この、茶碗やドンブリに蓋をするという感覚が、最高だ!それを取るときのドキドキ感。とるぞっ!

ほのかに白く熱が通った鯛の切り身が悩ましい。たまらず啜り混む。ブワッと拡がるゴマの香りに、ほうじ茶の香りが深く切り込んでくる!

「だぁああああ 旨いですよぉ~」

何も言うことはない。

この前に実は豚の角煮とご飯一膳を食べているのだが、さらにもうひと皿、ジャコ飯をいただく。これで本日のご飯はすべてなくなってしまった。

「こんなに食べる人がくることは想定してないからサ!」

とカッカッときさくに笑う大将。その大将が炊きあげるジャコ飯がこれだ。

「ここのジャコはね、小さいんだよ!この小ささが肝なんだよ!」

とK氏が仰るのはビタリと当たっていた。この細かなジャコが上品に旨い。醤油で甘辛に炊かれているが、数粒落とされた山椒の実の佃煮と木の芽のツンとした香りと相まって最高だ!

いや、脱帽です。
六本木はやはり大人の街なんだな、、、

「それなりの値段がするから、毎週は来られないけどね、でもいいでしょう、こんなに素晴らしい仕事をする板前さんの店に来るってのは。」
本当にそうだ!なんと本日はA内さんがお会計を持って下さる。今度は自腹で来よう。

またもや出た満面の旨かったやまけんスマイル。まさか東京でこうなるとは思っていなかった。残念ながら店の名前や場所は出せないが、本当にいい店は裏にあるということだけは、間違いないと思ったのであった。

そして六本木の夜は続くのである。

(続く)

Posted by yamaken at 09:12 | Comments (4) | TrackBack

2004年08月02日

母校の畑で憩う。 慶應義塾SFC 畑サークル「八百藤」納会

 僕が自分の畑を持ったのは、慶應義塾大学の藤沢キャンパス(SFC)でのことだ。1991年(古い!)、開講2年目でまだ緑地帯も整備されていない、荒涼としたキャンパスに畑を創るべく事務室に通い、4ヶ月かけて事務室を説得して用地を借りた。産業廃棄物のマンホールとかチェーンとか足場用の板とかが埋まっている土地を開墾し、近所の酪農家さんから牛糞をいただいて落ち葉と混ぜて堆肥を積み、その年の12月にサヤエンドウとタマネギを植えた。
 年が明けて4月、可憐なサヤエンドウの花が咲き乱れ、豆の収穫期と友に新入生が入ってきた。期していなかったが、「畑に入りたい」という子達が沢山いた。そこでサークルを創った。藤沢の八百屋ということで、「八百藤」という名前にした。

 以来、慶應で始まって以来という畑サークルが、今年で13年目を迎えている。

 毎年恒例で、夏休みに入ってすぐ、納会という行事をしている。特に「納める」こともないのだが、みんなで集まりBBQなどする。畑を貸して下さっている飯島農園さんの農園で、網と鉄板も貸して頂き、ついでにプロ農家の美味しい野菜もいただき、酒盛りをする。

 OB&OGも参加するこの納会、来るとやはり佳かったな、と思う。後輩達はなんとも頼りない。畑をみにいったら、草取りも何もしておらずジャングル状態だった。草を抜き、整地して堆肥を入れ、五寸人参の種を蒔く。農作業技術の伝承も出来ていないことを痛感。OBとして何とか出来ないものかと悩む。

 同期生の岩田と、数年ぶりに再会する。彼は在学時、僕の精神的支柱の一人となっていた人間だ。つい2ヶ月前に結婚し、そして早々におめでただという。喜ばしいことだ。

 BBQは陽が落ちるまで続いた。

帰り道、学生時代に住んでいた築30年以上の長屋に立ち寄り、藤沢の母ちゃん父ちゃんの顔を見に行く。大学の6年間、僕に週4回くらい飯を食べさせてくれていた里親的存在だ。数年でも歳をとったと実感するが、居てくれるだけでいい。

 リチャージの週末なのであった。さて、一週間頑張って、タイ出張だ!

Posted by yamaken at 00:29 | Comments (2) | TrackBack

2004年08月01日

夏といえばナス! 長島農園の茄子3種

(0:17に焼きなす追記しました)

 夏野菜の代表的な一つ、茄子。この茄子にも、日本中にオリジナル品種が沢山ある。一度そういうのを集めてみたいと思うのだが、収拾がつかなくなりそうだ。ちなみに茄子に対する美意識が最も強いのは、山形県か新潟県だと思う。それこそ10種ではきかないほどに品種があり、それを使い分けしているお国柄だ。

 昨日、長島農園の勝美君から電話が来た。

「やまけん、その名も『やきなす』っていう品種のナスがあるんだけど、知ってる?」

知らん知らん。全く知らん!と思ったら、新潟の地ナス品種なのだが、どうにかして入手してしまったらしい。

「かなり大きくなるんだけど、焼きナスにするとペロンと皮がむけて、美味しいんだよ!とりあえず送るから食べてみて!」

そして本日、届いた。

10Kg段ボールに一杯、キュウリとナスが届いた。ナスは4種入っている。

左から通常の中ナス、やきなす、米ナス、そして右端が「やきなすのちょっと獲り遅れておおきくなっちゃったヤツ」だそうだ。大きさの違いがわかるだろう。とにかくこの「やきなす」はデカイ。割ってみるともっとわかりやすいだろう↓

■やきなす

■普通の中なす

早速このやきなすを焼きなすにしてみる。強い火に直接あてて表面を万遍なく焦がす。中の水分が膨張してパンパンに膨らみ、ブシュっと破裂する。コンロが汚くなるけど、グリルなんか使わない方が旨くできる。

ちなみに焼きなすを美味しく作るためには、この後、水に漬けて冷やしたりしないことだ。バットに取って、熱いままに皮を剥いて、うちわなどで扇いで冷ます。水で冷やすと、なすの旨味が全て無くなってしまうのだ。

勝美君の言うとおり、皮は簡単にスプーンの先でスルスルと剥ける。実が大きいので、大量に焼きナスを摂取出来るぞ!ちょっと嬉しい気分。なすの汁を少し舐めてみると、甘い!これに、讃岐のスタンダード醤油である鎌田醤油店のダシ醤油、ショウガすり下ろしで食べる。まだ生暖かいので、冷蔵庫でひんやりさせてからね。

たしかreitaroさんが焼きなす好きだったよなぁ、、、分けてあげたいが忙しいので無理だな。残念。

残りも大量にあるので、揚げナスの南蛮漬けを作る。これは僕が最も好きなナス料理だ。ナスを揚げて、南蛮ダレに漬けるだけ。南蛮ダレは、酒と砂糖、昆布だしと醤油、そして唐辛子を火にかけ、沸騰直前で火を止めて酢を加えたものだ。これをタッパーに入れ、揚げたてのナスをバンバン入れていく。

ベランダにあるバジルとイタリアンパセリを加え、ナスでギュウギュウになったタッパーを冷蔵庫でキンキンに冷やす。熱いうちはまだ旨くないのだ。ナスがトロリとし、タレを吸ってからが旨い。

 ということで本日はまだこの2品、食べていない。夜にルンルンしながら食べるのである。ちなみにこの「やきなす」、いつものごとく、クック&ダインという三浦の旨いもん販売サイトで購入可能だ。勝美君のところは、基本的には消費者への直販をしていないので、欲しい方はこちらからドーゾ。

 勝美君、いつもご馳走さん!

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(追記)

 さて、夜、焼きなすを食った! 俺はこんなに旨い焼きなすを食べたことがないっ!まじで旨い。汁は甘く、実はトロトロしており、ショウガ醤油との相性が抜群である。いやちょっと、本当にすごい。もし僕が今、自分用の畑を持っていたら、来年から絶対に植えるな。

 あんまり旨かったので、明日の朝飯用にもう2本焼いてしまった。巨大な茄子なのだが、焼きなすにするとぺろりと食べてしまうのである。
 皮を剥いているとイタリアの友人デザイナーから連絡が来た。帰国するので何か欲しい物はあるか?というので、生ハムとパルミジャーノ・レッジャーノを頼んでおいた。彼女は、僕の会社のロゴマークをデザインしてくれた人で、ミラノでデザイン修行をしていたのだ。ああ、楽しみだ。いや、生ハムとチーズが、ではないよ!話をするのが楽しみなんだよ!(汗)

Posted by yamaken at 11:29 | Comments (3) | TrackBack