2004年12月17日 from 日常つれづれ
今日は怒濤のような一日だった。
「このブログがすごい!」の見本誌が届いた。順位はまだ20日の発売まで言えないが、ちょっと驚く順位だった!
そして親友からも、素晴らしい朗報があった。彼にとっての新しい、大きな船出である。
これで大きな事件はないだろうと、どちらかというと心を鎮ませる夜にしよう、と思っていた。
そして夜は先日講演をしたあるグループにお招き頂き、表参道の新進気鋭の和食店にて会食をいただく。一流の出汁とはこういうものかと唸らせられる京料理だった。
一通りいただき、お茶を飲んでいる時、個室の外で僕に手を振る店員さんがいた。
数年前から連絡のとれなくなってしまっていた、僕がぞっこんだった板前の斉藤さんがそこに居た!
10秒ほどなにも言葉が出ず、目玉が落ちるんじゃないかと思うほど眼を見開き、そして肩を抱き合った。彼はこの店の店長という肩書きだったのだ。彼もまさか僕が客として来るとは思っていなかっただろう。本当にビックリした。しばらくは何も言葉が出なかったのだ。
6年程前、野村総研という会社に勤めていた頃、会社のあった保土ヶ谷の、あまりメジャーではない路地に、「寿司 専科」という店があった。ある宅配寿司チェーンが、アンテナショップとして出していた店で、斉藤さんは創作メニューの実験をしていたのだ。ランチで入って、彼のスペシャリティである「専科丼」を食べ僕は卒倒しそうになった。海鮮がタップリ酢飯に載ったちらし丼なのだが、韓国のビビンパのように上から卵の黄身と特製の甘辛タレ、そして絶妙にカイエンヌペッパーを効かせた肉そぼろを載せてある。これをしっちゃかめっちゃかに混ぜて食べるというもので、いまだに僕の中でのちらし寿司のナンバーワンはこの料理である。
以来、なんと僕は保土ヶ谷に居る間、週の3日はそこでランチを食べ、週の2日は夜に寿司をつまみに行っていた。ランチでは本格味噌つけ麺やらカレーやら、訳の分からないしかし凄まじく旨い料理が600円程度で食べることが出来た。今思っても本当に懐かしい。
その彼が本社に異動になることで、この店の歴史は幕を閉じた。常連客はそれを惜しみ、年に数回、キャンプや花見で集まっていた。僕も数年前までは参戦していたが、だんだんと疎遠になり、彼らの行方もわからなくなっていたのだ、、、
「いや、マジでビックリしたよ!」
「こっちこそ、、、でもね、実はこの店も12月で辞めるんだよ。」
なんと彼は来年2月、板前として店に入ることになったのだ。今の店では彼は店長という名のホール担当。でも僕は彼には板前として調理をして欲しい。彼自身そう思っていたようで、2月には新しいスポンサーにより店を出すのだという。
「場所はね、遠いんだよ、、、八王子の小作っていうところでね。」
なぬぅうううううう 本当に遠い!
けど、彼が板前をやるのであれば絶対に旨いに決まっている!
八王子近辺の皆様! いの一番にレポートするから、ぜひ彼の店を応援してやってください。味は保証出来るはず。その辺は今度チェックしておきます!
しかし
本当にビックリした。あるグループが僕を呼んでくれなかったら、この再会はなかった。沖縄水先案内人のタクによれば「ヤマケンの出会う力は半端じゃないね」ということだが、本当に今年はどうかしている、と思った。
出会う力を授かったのも、天と親のおかげだろう。これはぜひ世の中に、食べ物を通じて還元していきたい。まずは来年2月の八王子に期待だ!
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
本サイトの著作権はやまけんが保持します。出版物・放送等に掲載される場合はご連絡を下さい。トラックバックはご自由に。