2004年11月11日 from 首都圏
さて、いよいよ肉料理だ!
⑨シシケバブ
羊肉をスパイスで味付けし、串に刺して焼くこの代表的な料理、この一品だけとって酒を飲んでも満足するプレートになっている。というのは、肉の脇に添えられたタマネギの薄切りの付け合わせ、こいつにまぶされたエゴマのようなスパイスが、香ばしい風味をつけている。肉と一緒に口に放り込み、噛みしめるとその独特の香りが食欲を倍加させるのだ!
それと、スープで炊かれたライスには小さな小さな黄金色のパスタがちりばめられている。おうさるさんによればこのパスタが味の決め手となっているらしい。
確かにこのライスを噛みしめると、むっちりとした食感が楽しいのだ。
⑩挽肉のケバブ
次ぎに出てきたのはスパイスを混ぜた挽肉を串焼きにしたものだ。
これは牛挽き肉と思うが、スパイスが牛の癖を軽やかに変容している。まことに旨いひと皿だ。
そして、この日一番の旨い皿がやってきた!
⑪イスケンダル・ケバブ
うおおおおおおおおお
なんという食欲をソソる美しいプレゼンテーションなのだろう!
これは、牛肉を鉄棒に巻き付けて太い柱にして炙り焼きしたドネルケバブを削ったものをパンの上に載せ、上からトマトソースをかけ、最後にヨーグルトとスパイスをふりかけたものだ。
ドネルケバブの肉は牛なのだが、おうさるさんによれば実は巻き付ける際に羊の脂を塗っているということで、コクと深みのある味になっている。このケバブと濃いトマトソースの相性がばっちりで、文句なしに旨い!底にあるパンがソースを吸ってグジュグジュになったのがまた旨い!文句なしにこの日の料理の中でのナンバーワンなのであった。
「見た目も美味しそうだし、食べると予想以上に美味しい。この料理は外せません!」
とおうさるさんが言うだけある!かなり感動の料理である。
⑫羊の挽肉のトマト煮
これは小さな鉄鍋で調理されてそのまま出てくる料理で、たしか料理名も「小さな鍋」という名前だったと記憶している。
こいつもスパイスが隠し味に効いていて、羊の香りを素晴らしいものに昇華している。すばらしい!
⑬野菜と豆のスープ
このスープがまた旨い!
「見た目は悪いんですけど、本当に家庭料理なんですよ。」
というが見た目も悪くないです!一匙すすると、香草類の香りとすりつぶした豆っぽいざらつき感、そして暖かな旨味が拡がる。こういうスープこそ、常食したい料理だ。と思っていたら、トルコ人女性の女将っぽい彼女が、
「このスープはレモンを搾ると、また美味しいのよ!」
と流暢な日本語で言ってのけ、絞ってくれる。
この女性がフランクで日本語の冗談をとばしまくり、座をいい雰囲気にキープしてくれる才女であった。レモンの酸味が足されたこのスープ、さらに味が複雑になり最高の旨さである。
⑭ヨーグルトとキュウリのスープ
先ほどのスープとはまた対極的なさっぱりした味わいのスープ。これがまたホッとする味。おうさるさんはこれをかならず注文するそうだ。
「トルコ人はヨーグルトを常に食べているためか、胃腸が弱い人がほとんどい
ないんです。薬屋にいっても、胃腸薬はほとんど置いてないんですよ!」
それはスゴイ話だ!
このフェンネルの香りがヨーグルトスープにマッチして、食べたことがない感覚だ。
「日本人は甘いヨーグルトしか知らないけど、塩味のヨーグルトも美味しいでしょ?」
とトルコ人女将がにっこり微笑みながら言う。まさしくそうだ。きゅうりの食感と塩っぽく酸味の利いたヨーグルトの味、そしてハーブの使い方が絶妙。
ちなみにおうさるさんによれば、トルコのヨーグルトに一番近いのは明治ブルガリアヨーグルトだそうだ。ナチュレとかは違う系統らしい。
⑮ズッキーニのおやきみたいなの
おうさるさん曰く「さつまあげみたいなんですよ」という料理だが、どっちかというとお焼きという感じだ。でも、中身がズッキーニだとはみなわからないだろう。これもフカフカしていて、美味しい。
「いやぁ、食ったぁ~」
「やまけんさん、まだこれからデザートですよ!スレイマンには、特別なのを作れって言ってありますから、ここからまた一勝負です!」
(その3に続く)
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