2004年10月 3日 from 食材
山形県が誇る美人農業改良普及員である一戸さんと高橋さんより、嬉しい小包が届いた。数日前に一戸さんからこんなメールが送られてきたのだ。
ところで、秘伝大豆の枝豆がおいしくなったので、そちらに送ろうと思うのですが、今週は会社の方にいらっしゃいますか?返事をいただければ、すぐ送ります。ただ、今年の秘伝は、一昨年のよりも、なにやら甘みが足りない感じがします。感動するところまでいかないと言うか・・・いえ、(^^;)私はひとどんぶり食べますが。
やったぁ ぜひぜひぜひ、と日時を指定させて頂いたのである。すると高橋さんからもこんなメールが。
今日、うちの一戸と一緒に秘伝豆とさといもをとってきました。 山形の自慢の味をお楽しみくださいませ。
そしてとうとう一戸さんより、
秘伝送りました。明日の午前中着の予定です。 試作中の黒豆枝豆と、里いも、新米も入れました。 黒豆、秘伝は、ちょっと実入り過ぎで硬い感じです。
そして届いたのがこいつだ!
なんとなんと、大量の秘伝に加えて山形が誇る銘柄米「はえぬき」、そしてコシヒカリの新米。そして黒豆エダマメと里芋のセットである。嬉しいなぁ、、、
前にも書いたと思うが、改良普及員という仕事は生産者とふれあう仕事なので、どこの農家さんが一番上手い!という情報をよく知っている。仕事で商品を扱うJAの職員さんよりも、商売に直接はタッチしない分、おそらく純粋に旨い不味いの話ができる立場なのだろう。
ちなみに山形といえば、今年前半から数度来訪して、今年度には県の農産物マーケティングの仕事をするという話が進んでいた。しかし僕はまだ今年度、山形に足を踏み入れていない。「あれ?」と思った読者の方もいらっしゃるだろう。
実は、その話をしていた担当者さんが異動になってしまったのだ。担当者異動で、それまでの路線がガラッと変わってしまうというのは良くある話だが、その後なしのつぶてである。こういうのは非常にやる気を削がれる話で、「ああ そういうことならもうどうでもいーよ」という気になってしまうものだ。
しかし、、、こう言う時にやはり救いになるのは、女性なのである。いや、変な意味ではなく、女性らしいこういった心遣いが、一気に心を柔らかくせしめるのだ。
秘伝は、一戸さんが言うように少し実がパンパンに入りすぎて、超大粒。でも、しっかりした味の豆なので大丈夫だろう。早速に茹でて食べよう。
この見事な産毛をみて欲しい。秘伝は、いわゆる茶豆の系譜ではないらしく、あの茶豆特有の香りはあまりしない。しかしこれは王道を行くエダマメである。実に端麗、高貴、そして伸びやかに育った中学生という感じの堂々さを感じるのだ。
早速茹でる。いい豆が手に入った時は、濃いめの塩水で茹でるだけで、ゆであがってからの塩は振らないのが僕の流儀だ。それと、ゆであがってから水にとることはしない。旨味が逃げるからだ。ザルにあげてうちわであら熱を取る。
さやから実を外すと、この艶やかな、そして大ぶりな豆が顔を覗く。立派な豆だ。噛みしめると、存在感のあるしっかりとした食感と、清々しい香り、純粋な植物性タンパク質の風味を感じる。茶豆の香りはあまりしないので癖がない。本当に「生一本」といった感じの、清冽な味だ。
たしかにこれは丼一杯食べられてしまう。芋を煮る傍らで、もくもくとひたすら食べてしまった。
この秘伝エダマメを使った青豆豆腐というのがあるらしいので、いずれ食べてみたいのだが、とにかくいろいろと料理のバリエーションが利くのが大豆のいいところだ。
あ、皆さんわかってますよね?エダマメは大豆の若いやつですからね! これ、けっこう知らない人が多い。エダマメをそのまま畑で放っておくと大豆になるんですよぉ。
そしてこの日のメインは芋煮汁なんであった、、、(続く)
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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