2004年6月15日 from 首都圏
(その1より続く)
さて、一茶そばの大盛りに感動した後、速やかに衆院側の食堂に移動する。議事堂内には見学者が多数歩いており、大人も子供も入り交じった遠足状態である。わざわざ気を遣ってスーツで来たのだが、全く意味がなかったな。次からは正装である黒Tシャツとジーンズで入ってやろうと心の中で呟いた。
結構おどろくのが、「女性スタッフ(とモロイさんは呼ぶ)」の方々とたくさんすれ違ったのであるが、その皆様がかなり美しい人ばかりだということである。思わず俺も少し国会で働こうかな、と思ってしまい、半ば真剣に「モロイさん、議員の部屋に僕の机置いてもイイですか」と訊いたが、「あははは」とかわされてしまったのであった。
そうこうする内に衆院議員会館の中でもスペースの広い、寿司・和食・洋食コーナーに到達。ここで、議員会館内で最もよいといわれる寿司の「初花」のカウンターに座る。
この初花、なんと特上で1200円と、超リーズナブルである!それは迷わず特上に行くしかないだろう!
「特上3つ!」
「はいよぉ!」
カウンターを任されているのは、石原さんという若手(にみえる)板前である。しかしなんと、
「もうここに勤めて10年になります。っていうか、ここ以外に勤めたことがありません。」
と言う! すごいな、寿司職人のキャリアの最初から国会議事堂である。
「すんごいねぇ~ じゃあ毎日熱い国会のエネルギーを受けてるわけだ!」
「いやぁ 何が起こってるかは全っ然わからないっすよ!俺は一般人です!」
この潔さ、佳し! 石原ちゃん、ナイスである。
ネタケースには割と豊富なネタが揃っている。どれくらい握ってくれるのか楽しみだ。
■トロ
トロは「バチマグロです。」。夏バチの特質としてあっさり、すっと溶けるので、黒マグロのような深いガツンとくる旨みはない。少々スジも気になったがしかし、1200円の特上だぞ!しかも1貫2コ付けしてくれるのは出血だ。ありがたい!
■青柳、いさき
「石原ちゃん、議員さんってどういう会話してるわけ?やっぱ、こういうところで黒い陰謀とか話してるの?」
「いや、僕はなんだか女の話ばっかり聴いてるような気がしますけどねぇ。」
■玉子
■イクラ、白魚
「先日、牛歩戦術してたよね。あのときは徹夜で早く帰りたかった(モロイ氏)」
「ああ、あの日は僕も夜の10時くらいまで握ってましたよ。なんか、ああいうことやるときって議員先生方、すごくウキウキしてますよねぇ~」
■トリ貝
■トロ巻き
「国会の中にもいくつか寿司屋ってあるんでしょ?けっこう競争激しいんじゃないの?」
「うーん いつか、何かのアンケートに、競合店の××の人がうちのことをまずいってこきおろしてるの観たことあります。」
そうか、、、大変な世界だな、やはり国会は戦場なのである。
■ウニ、イカ明太
■イカのしそ巻き
なんとここまで13種類である。石原ちゃん、僕の顔を観ながら
「あの~っ、一応一通り握ってはみたんですけど、何かもっとお食べになりたいモノありますか?」
なんだよ素晴らしいな、マジで嬉しい。会話の端々から、食い倒ラーであることを察知してくれたのだろう。
「じゃ、サーモンを!」
「あ、ちょうどハラスの部分がありますヨ!」
■サーモンハラス
出てきたハラスは、本当に口に入れた瞬間にとろけるものだった。
「沢山出しちゃったけど、1200円ぽっきりでいいっす!」
ありがとう!君に会えて嬉しい! 「Webのアドレス教えてください」 とのことだったので勿論教えておいた。石原君、観てますか? 次に行ったら、ぼくの握りのシャリはこのくらいの大きさでお願いします!
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さて話はまだ終わらないのである。
「やまけんさん、国会といえば、「あかね」のカレーが旨いんですよ!」
とは農業県・熊本出身である田中君の言だ。訊けば、カレーとはいっても、正統派インドカレーを出す店があるらしい。
「みかけは単なる喫茶店なんですけどね。」
と、またもや国会をつっきり、もうどこだかわらかない場所へと進む。その一角に、「あかね」という、本当に一昔前の商業ビルによくある喫茶店の看板が出ている。
店内は革張りの渋い椅子と机。純喫茶って感じである。何が純喫茶と違うかというと、座っている人の前に一様に黄色いご飯が並んでいる。
「ここのカレーのライスはイエローライスなんですよ!実は、ここは、麹町にある「ガンジス」という店がやっていて、本格的なインドカレーを出すことが出来るんです。」
なるほどぉ、、、
品書きをみる。カレーにしてはちょっと高めの650円であるが、これが本格インド料理だとしたら激安である。マトン、チキン、野菜カレーの中から、僕は野菜を頼み、モロイさんと田中君は「一杯を二人で分けます」と、マトンカレーを頼む。
それがこれだ!
はっきり言って旨い!これはインド料理店の本格的な味だ!(当たり前か) どちらかといえばマトンが最高! 強めのマサラ類で煮込んでおり、マトン臭さなど何もない。そして、具によってルーの味が全く違う!野菜カレーはまろやかでトマトが入っている。 いや、この細かさに激しく感動である。イエローライスはおそらくサフランではないと思うが、そんなのはどうでもよい。
「いやー 旨いですねぇ!」
「もう僕らは食えません、、、寝てしまいます」
野菜カレーを平らげ、マトンカレーも二人の余りを少し食べ、忘我の極みである。
レジでおばちゃん達に「旨かったよぉ」というと、「また私たちに会いに来てちょうだい!」と、すさまじい返し技を食らってしまった。逆さ押さえ込みで3カウント入っちゃったという感じである。
でも、もう一度満腹になる前に来たいなと思った。きっとガンジス本店だと高いだろうからなぁ、、、
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こうしてそば大盛り、寿司特上15貫、野菜カレー一皿、マトンカレー4分の1皿を食った。腹一杯である。なんといっても最初の一茶そばが最高だった。寿司の初花では、石原君との信頼関係が生まれた。「あかね」のおばちゃんはやる気満々だった。
ビバ!国会議事堂!さすがは日本の最高権力機構である。
モロイさんからは力強い言葉をいただいた。
「これで終わりにせず、、、まあゆっくり時間をかけて国会を制覇しましょう!!」
制覇するぞ!
記念すべき国会突撃食い倒れ1日目は、こうして終了したのであった。腹一杯だ。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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