2004年4月23日 from 食材
トレーニングを終えて終業間近のイトーヨーカドー木場店に入り、催事場を抜けようとすると、沖縄フェアをやっていた。シークワァサーやパパイヤなどが売っている。へぇええと思いながら通ると、、、なんと、「ばんしろう」が売っているではないか!そういう季節か!びっくりしてすぐさま買い物かごに入れた。
「ばんしろう」とは、鹿児島以南で栽培可能な「グァバ」のことだ。なんで「ばんしろう」というのかはわからない。沖縄では「バンシルゥ」と言うらしいが、鹿児島の奄美大島では、僕が訊く限りでは「ばんしろう」と言っていたと思う。
ずっと前の話だが、奄美大島に旅行に行った時、現地ガイドの人が地元の直売所に連れて行ってくれた。その時、棚にならんでいる3コ150円のばんしろうを買い求めてその場でゴシゴシと拭いてかじりついた。
瞬間、トロピカルな突風が僕の四肢を駆け抜けた! なんて南国チックな強烈な香りなんだろう! この香りを表現する言葉は他にはない。 パッションフルーツやパパイヤ、マンゴーの香りを旨く表現できないのと同じで、グァバの香りも「グァバの香りだ!」としか言いようがない。熟したものは皮も果肉も柔らかく、イチジクの外皮に歯を突き立てるようなもっちりとした感触。果肉の中には球形の種が無数に入っているが、バリバリと噛み砕いて食べられてしまう。そして強烈な香りと甘み。天然の酵素が一杯に入っているんだろうな、という味だ。
ゴルフボールより一回り大きい実が4コ入りで580円。高いのは運送費だな。まだ熟していない実が3つ。これからゆっくり熟させていただくとしよう。なにせこのばんしろうと出会うことになった旅行はほろ苦い思い出とともにある。だんだんそのほろ苦さが、これまた人生のご馳走だと思えるようになってきた。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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