2003年12月27日 from 食材
石井食品に行った。「イシイのオベント君」のアレである。慶應義塾大学の国領二郎先生のご紹介で、社長さんと名刺交換をしたのだが、その後、情報交換ということでうかがう。
この会社、実に意識の高い会社だ。99年あたりから、全取扱商品に食品添加物の「無添加」を徹底している。部分的な無添加ではなく全商品にというのはものすごい。日本酒業界で、埼玉県の名酒造「神亀」が、醸造アルコール添加が当然だった酒造業界において、全仕込み量を「純米」に切り替えたときと同じようなインパクトだ。
加工食品は、その保存性や食味の観点から、添加物を使わないで作るなどという発想は、夢物語に終りがちだ。しかし石井食品は実行した。それは、バイタリティ溢れる石井社長の、良い意味でのトップダウンの発現と言えるだろう。敬服せざるを得ない。
ただし、うちの社内の子持ち女性・男性に聞いてみたところ、一様に言うのが、
「無添加はいいけど味がねぇ~。」
なぬ?味はよくないの? そういえばもう10年くらい、レトルトや冷食の商品を食べてないからなぁ、、、と、素晴らしいことに本日は石井食品の商品をお土産にいただいたので、味わってみたい。
■石井食品のおそうざい
今晩のハンバーグ 和風おろし
フリーズ亭 エビ塩 中華丼
丹波の黒豆
無漂白栗きんとん
黒豆とくりきんとんは絶品の一言だ。
黒豆は、工場のある丹波産を使用。豆はプロフェッショナルらしくふっくらと仕上がっている。皮の裂けもほとんどなく、美しい。煮汁の甘さも上品で、くどくない。煮豆が苦手な僕でも旨いと思う。
栗きんとんは、原材料の確保に奔走されたらしいが、実に秀逸だ。きんとん餡のネットリクリーミーな粘りと、とろけるような芋の甘味が素晴らしい。栗は韓国産だが、無漂白で丁寧に処理されており、香り高く口の中でほどけていく。
高級料亭のおせち料理との比較ではなく、本当の普及価格帯でここまでのグレードに仕上げているのは、ご立派としか言いようがない。
さて、定番のハンバーグはどうだろう、何年かぶりに食べてみた。
んんん このハンバーグのどこがまずいのだろう?旨いじゃんか。100%鶏肉だから、味わいが淡白ではあるが、妙な人工的風味もなく、優しくふんわりしていて、好ましい味だと思う。
無論、自分で合挽き肉で作るハンバーグが一番旨いとは思うが、この石井食品のハンバーグは、何と言っても湯煎で5分で出来てしまうのだぞ。嬉しいじゃないか、、、
そして、中華丼も食べてみた。
ご覧いただいてわかるとおり、非常にまっとうな概観。添加剤が使われていないということは、着色もされていないということだ。本当に、素直な色あい。なんだか「おうちで食べるご飯」そのものだ。味は非常に優しい。薄味の出汁で具材を煮ている。白菜、きくらげ、たけのこなどの具材は自然味があり、特にエビはぷりぷり感が強く上物である。普通、こういう商品に入っているエビは、申し訳程度にお飾りとして存在しているだけと言うのが多いが、ここのははっきりと「旨いエビ」と言える。うーむ。これはフリーズ亭という名前どおり冷凍モノなので、こうした自然な味と食感を出せるのだろう。僕には塩味が薄すぎるが、これは高齢者を想定してのもの名のだと思われ、非常に良い。唯一惜しいのが、野菜の味だな。これはいい素材を仕入れることができるかどうかにかかっている。
うーむ
石井食品、素晴らしいではないか!僕は応援するゾ!
それにしても黒豆の食いすぎで口が甘い、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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