愛媛みかんの旨いヤツ

2003年12月16日 from 食材

 今年はみかんが旨いはずの年だった。みかん(温州みかん)は不思議な性質をもっていて、日本中のみかんの樹が揃って、1年ごとに美味しい年と不味い年を交互に繰り返すのだ。これを「隔年結果」と言う。一般の方はご存知ないだろうが、みかん業界では常識である。

 で、今年は本来はあたり年のはずなのだが、夏の低温期のダメージが後を引き、イマイチだと言われている。たしかに店頭で買うみかんは、優等生的で旨くない。僕のところにも、「美味しいみかん、教えてよ」という声が寄せられた。

 ということで、僕の知っている産地数ヶ所のを食べ比べてみた。正直、今年はやはり例年よりは品質が落ちる。ただ、それをさっ引いて考えた上で、僕の好みに合うところのものを紹介しよう。

■愛媛県西宇和農業協同組合 八協共撰
・特選みかん 3kg箱入り

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 「共撰」というのは、共同選果場の略。みかん産地ではこの共撰単位で物事が決まっていくという、農協の最小クラスターと言っていい共同体だ。愛媛県の早生みかん最大の産地である西宇和の管内にも11もの共撰場がある。その内訳は下記の西宇和農協Webでみられる。
http://www.rakuten.co.jp/ja-nishiuwa/
 この中で、市場で高値で取引されるブランドは、「日の丸」や「川上」だ。ミミにしたことのある人も多いだろう。けど、旨い共撰は他にもある。

 僕がしばらく前に、愛媛の産地で販売に関わらせて頂いた年には、それはもう嫌と言うほど様々な産地の様々なみかんをたべた。その中でもベストと思ったのは、「八協共撰」というところのみかんだ。この八協、地元では「八協のみかんが欲しいなんて、珍しいねぇ」と言われる、どちらかというと小さな共撰さんだ。しかし、ここの生産者の中でも優秀な人たちのほ場を下見し、糖度が13度以上確定している農家さんのみのものを選果している。

 愛媛では、地面を覆う被覆シートの導入が進んでいる。これを使うことにより、水分を切ることができるので、味が凝縮される。そして、太陽光が反射してみかんに当たり、旨くなるという算段だ。八協でも導入が進んでいるはず。
 八協の関係者には僕の名前が割れているかも知れないと思って、会社の名前とかはださずに連絡していたのだが、ばれてしまった。そう、僕は以前にも楽天のフルーツ食べ比べの企画で、西宇和を採り上げたことがあるのだ。その御礼を言われてしまった、、、

 届いた八協みかんは、小玉のSS~Mサイズだ。これはポイントなのだが、小玉のみかんの方が断然味が乗って旨い。スーパーでは何故か無難な大きさのMM~Lが売られることが多いのだが、SやSSサイズのものがあったら、そちらの方が旨いと思った方がよい。

 果たして八協みかんは甘かった!甘いだけではなく、深いコクがある。同時に凝縮された酸がたち、甘みがいっそう際だつ。ただ、昨年にくらべるとややビビッド感が弱い。それは気候の性で仕方がないのだが、、、今年のみかん戦線の中では、贈答に使える美味しいみかんだと思う。

 ちなみに、このみかんはWebショップなどでは買えない。

西宇和農業協同組合 特産センター
(TEL) 0120-478186

に電話をし、「八協の青箱3Kgのみかんが欲しい」と言ってみて欲しい。
ちなみに3Kg で2500円程度だと思う(思う、というのは、僕にはちょっと安く売ってくれたと思うから)。 市価から比べるとかなり高めだ。でも、僕なら水っぽいみかんを10玉食べるより、こちらの1玉を選ぶ。いうまでもないが、ここで宣伝したところで、僕には一銭もはいってこないよ!

という、ジャスト・アン・インフォメーションでした。