2003年11月13日 from 日常つれづれ
石井威望(たけもち)先生に豪勢なランチをご馳走していただいた。 石井先生とは何者か?希代の天才である。Googleに石井威望と入力して検索してみると、すさまじい量の肩書きが出てくるので、余計混乱するかも知れない。国内の技術関連の委員会の座長等を30以上兼任していたような人だ。そして、私の大学時代の恩師でもある。現在は、東京海上研究所理事長という役職がメインだ。
大手町の研究所のオフィスが近いので、よく遊びに行かせて頂くのだが、あることでお手伝いをし、昼をご馳走していただいた。東京海上ビル23階、皇居を一望できる絶景展望の会員制クラブである。ん~ シチュエーションがご馳走。
先生が最近提唱しているのが「キュービタル」という概念だ。これについては僕があるグループに出したメールを再掲しよう。 ================================================ 最近、石井威望先生にお会いするようになった。先生は東京海上研究所の理事長になられたのだけど、相変わらずの知的好奇心で、どんどん突き進んでおられるように見受けられる。 http://www.tmresearch.co.jp/
その先生に本を渡すために会いに行ったら、ことのほか喜んでくださり、そこから小一時間の講義(?)が始まった。曰く、、、
「近く、閉塞感が感じられるようになったデジタル社会から、次なるパラダイムシフトが起こる。それは、ビットからキュービット(量子ビット)の世界観へと変わっていく、キュービタライゼーションと名付けられるものだ。
「キュービットとは量子コンピュータ上の概念だが、ここでいうキュービタルとはそれだけではない、価値観としてのキュービタルだ。
「量子力学では光を、粒子と波動のどちらでもありうるという見解を採る。これは、デカルトの心身二元論に拠り構築された近代西欧のパラダイムを過去のものとしている。つまり、二元的な世界観から、二元的意味が「もつれあう」世界観が、キュービタルなのだ。実はその考え方は汎アジア的なものと言える。
というようなことが延々と続くのだけど、僕にとっては衝撃的な講義だった。 このキュービタルという言葉自体が先生の造語なので、Webを検索しても出てこない。下記が、先生の講義緑だ。
http://www.tokiomarine-forum.org/keynote.html
何故、僕にとって衝撃的かといえば、本のテーマになったトレーサビリティという問題を正確に捉えるための視点がここにあったからだ。それを見透かしたかのように、先生は、
「君のこの本に書いてあるトレーサビリティっていうのは、キュービタル的視点が入っていると思うよ」
とおっしゃった。
僕のテーマからいえば、農産物が産地で作られ、流通する際に、どんな情報をどのように貼付することで、消費者に安心感を持ってもらえるのかということが焦点だ。そう、ここですでに二元論になっている。野菜自体はものだから、ものの流通、つまり物流になる。しかし、残念ながら現在の流通では、情報はそれについていかない。何より、日本の野菜生産では、情報は記録されないままものだけが流れていくの普通だったからだ。
しかし、キュービタルな「もつれ合い」の世界においては、情報は常にものに寄り添うべきだ。つまり、今僕や業界で議論されているアプローチとは次元が違うものの見方が必要なのではないか、ということを感じた。
これを発端にいろんなコトを考えたのだけど、とにかく石井先生のお話には刺激を受けた。
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来る11月21日、東京海上研究所にて、このキュービタルをテーマにしてのフォーラムが開催される。無料で参加可能なので、関心を持たれた方はぜひ参加してみて頂きたい。
ちなみに東京海上ビルから、僕の大好きなスパゲッティ屋「リトル小岩井」はすぐ近くである、、、会場で僕を見かけたら声をかけて欲しい。
■第21回東京海上研究所のフォーラム http://www.tokiomarine-forum.org/
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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