2003年10月28日 from 食材
僕の師匠の農園である熊本・阿蘇にあるぽっこわぱ農園から、ハーブティー二種が届いた。レモンバーベナとレモングラスの二種である。これは、ぽっこわぱの研修生であるようぞうちゃんが丹精したハーブ群を用いたもので、僕が先日行った時に一緒に収穫・乾燥させたものだ。
お茶にも色々あるけれど、蒸しや揉み、そして醗酵といった専門的工程を経ずに作ることが出来るハーブティーは、誰でも作ることができ、敷居が低い。ただしその分、原料のハーブの香りと味が良くなければ、全てが成り立たない。そう言う意味では、やはり農場が丹精したハーブを用いたハーブティーは、家庭菜園ものとは別格の味と香りと思う。
特にこのぽっこわぱ農園ではバイオダイナミック農法を実践しているため、完全に有機肥料しか使っておらず、化学合成農薬は一切使用しない。土壌のパワーはすさまじく、ハーブに必要な香油成分を満開させる土質である。ハーブに重要なのは油だ。植物の醸す香油成分が最高潮に達する瞬間を見極めて収穫し、すぐさま専用の乾燥機にかけ、水分含有量を落とす。この時、若干の熱をかけるのだが、この見極めが難しい。温度が高すぎたり時間をかけすぎると香油成分が飛んでしまうのだ。ようぞうちゃんはこの辺の試行錯誤の真っ最中とのことだった。
バーベナを開封し、葉を5,6枚耐熱グラスに入れて熱湯を注ぐ。くすんだ色に乾燥していた葉がみるみる色づき、もともと畑に生えていたような色彩がよみがえる。湯にはレモン色の濃い成分が抽出される。飲んでみると、ほのかに甘い。レモングラスよりも強い成分を感じる。
バーベナの薬効である「鎮静」が僕を包み込んでいく。こうして遠く離れた阿蘇のふもとの土と、シンクロすることができるのだ。
なお、ぽっこわぱ農園では野菜の産直を行っている。ハーブティーも所望すれば入ってくるので、リクエストしてみてはいかがだろうか。
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