2003年10月15日 from 首都圏
<好きな店>わくい亭:本所吾妻橋
都営三田線の本所吾妻橋駅は、こう言っちゃあなんだが、用もなしに行くような処ではない。しかし旨い酒と肴があれば、遠かろうが何だろうが行きたくなる。そんな店が本所にはあるのだ。それが「わくい亭」。大衆居酒屋なのだが、料理がめっぽう旨く、酒の品揃えも実に気が利いているのだ。 場所は本所吾妻橋の駅からどんなに早足で歩いても8分はかかる。飾らない一軒家の引き戸を開けると、カウンターおよび周りのテーブルに満杯の人。ここは大体6時半くらいから混み出すので、エイヤっと覚悟を決めて会社を出ることが必須だ。 席を確保したら、黒板に勢いよく書かれた品書きに急いで目を通す。ここの黒板は、旨い店に共通する、あの煌めく品書きだ。輝かんばかりの、一読しただけで全てを頼みたくなってしまうような、食欲がしたたり落ちる品書きなのだ。もしそそるネタがあれば即座に店のお姉さんに頼むのが吉。すぐに料理が品切れになってしまうのだ。 この煌めく品書きが、なんとレシピ集として出版されている。実にいい本だし、良いレシピ集だ。僕は著者である女将の涌井純子さんのサイン本を持っている。自分の本との交換で、、、
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ちなみに、全般的に魚のお薦め度は高い。鰯の刺身と〆サバがあれば頼んでみよう。特に〆サバは実に馴れた塩梅でイイ。あと、エリンギと何かを炒めるメニューが載っていることが多いのだが、これは実に◎。絶妙な歯ごたえとしっかりしたアタリで、酒のアテに最高だ。
〆サバは絶妙な塩梅だ。
それに加えて定番料理を2品選ぶとしたら下記だ。
何が何でもメンチカツ! ここにきたらまず着座するなりメンチカツを頼んで欲しい。すぐになくなってしまう超人気メニューだからだ。これを目当てに行ったのに「売り切れだよ~」と言われること数度。最近では電車の中から「とっておいて!」とお願いするようにしている。 これが運ばれてきた時、初めての人は目を疑うだろう。とにかくデカイのである。皿から殆どはみ出している。アツアツジュワジュワのメンチは、しかもやたら滅法に旨いのである。ソースでも醤油でもよい。添えられた鮮やかなカラシ牛肉特有の臭みが巧く消されている。練り込んだ挽肉にありがちなノッテリした感触ではなく、「肉を噛んでいる」と思える歯触りがある。これは挽肉だけではなく細切れ肉を粗く叩いたものが入っているからだそうだ。そしてこのメンチが、日本酒に合う。しかも冷えても旨い。脂が固まって不味くなると思いきや、そんなことはない。実に不思議で旨いメンチなのだ。洋食屋で食べるメンチも好きだがここのメンチの充実感に優るものに、未だ出会っていない。
誰もが絶句する絶妙のカニサラダ(ごめん、画像ナシ) 量ばかり言うのもなんなのでまず味のことから書くと、このカニサラダは絶品だ。レタスとキュウリとセロリ、タマネギそしてカニのほぐし身をドレッシングで和えただけのシンプルな構成だけに、最重要なのはドレッシングの塩梅だ。それが憎いほど決まっている。フレンチ系だが若干クリームっぽく、それぞれの素材にきちっと絡んで、しっかりと味付けをしている。つまらないレストランで出てくるグリーンサラダを想像してはいけない。しっかり味の付いた一品料理だ。 そして、、、恐るべき量なのだ。ハーフで頼んでも、フグ刺しの皿くらいの大きい平皿に山盛り出てくる。僕はいつも2人で行く時もこれを頼むが、相方は呆然とするケースが多い、、、
その他も色々あるのだが、、、 この店で酒を頼む際には、いろいろと悩むことになる。ビール、日本酒は勿論ながら、ワインの品揃えも豊富だからだ。だが、実はこの店には、他であまりみない、イイ酒がある。
「千代の光」の本醸造だ。
これは僕がこの世で最も好きな酒だ。本醸造だから、純米酒ではない。けど、旨い。これについては余計なことは書かないでおく。だって、品切れになると困るから、、、
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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