2003年9月27日 from 日常つれづれ
土曜日だ。昨晩は大事なクライアントでもある友人の五木さんと美女2名と、1時過ぎまで飲んでいた。相当酔ったので、午前11時までだらだらと眠り、起きて料理をしようと思う。家には、熊本で買い込んできた食材がかなりあるが、肉と野菜を食べたくなり、買い物に出る。
近所の八百屋(実はこだわり八百屋で有名な八百周という店)で太めのインゲン、葱、泥つき牛蒡(ごぼう)、ミディトマトを買う。卸もやっていてよい肉が手に入る肉屋「ミートショップイワイ」で和牛の切り落としと豚肩ロースを買って戻る。
まずは炊飯器にご飯を仕込むが、合鴨米に熊本で買ってきた十穀米という、ひえ、あわ、きび、麦等の雑穀を混ぜ込んで炊く。次に何はともあれきんぴら牛蒡。以前も書いたがこれがないと始まらないのだ。ちなみに牛蒡は泥つきに限る。植物にとって泥は人間の皮膚と同じだ。洗ってしまうと鮮度が落ちる。人参もじゃがいももそう。金タワシで擦って泥を落とし、ささがきにして水にさらしアク抜き。フライパンを煙が出るまで熱し、グレープシードオイルを適量おとして鷹の爪を入れ、牛蒡投入。このとき熱されたフライパンからバリバリと音がするが、その音があまりに派手なので「きんぴら」という名前がついたという説がある。(へぇ~)
僕は炒めの段階でごぼうに少し焦げ目がつくくらいに火を通す。砂糖をまぶし、酒をかけ、アルコールを飛ばしながら甘味を牛蒡に入れ、最後に醤油。これだけのシンプルバージョンだ。
これを作りながら、熊本の生産農家、鶴山さんの奥さんが送ってくれた「落花生豆腐」をいただく。水でふやかしたピーナッツをミキサーで呉汁にし、吉野葛(くず)で固めた豆腐。とても味わい深い。一緒についてきた甘めの阿蘇醤油がまたよく合う。そして、同じく阿蘇で購入した、豆腐の味噌漬を開ける。水抜きした豆腐を味噌に漬け込んだもので、チーズのような趣のものだ。これがあるとご飯を永遠に食べられる。
その間、太め(おそらく3Lサイズだ)のインゲンを塩茹でし、ベストフードのマヨネーズで齧る。悪くない。きんぴらが仕上がったので、肉野菜炒めを仕込む。和牛の切り落としと玉葱、もやしを炒める。胡椒とオイスターソースで味を調え、最後に夏の間に作り貯めたバジルペーストを少し落とす。これが旨い。
ご飯も炊けて全部料理が仕上がった。わしわしと食べる。料理をすると、都会のペースで疲れた体調にリズムが戻る。蘇生した。食休みをしたら、トレーニングをして、夜は阿佐ヶ谷にて大事な友人と会う予定。
このWebはいわゆるグルメではありません。味や価格だけではない「よい食事」とは何かを追求するためにひたすら食い倒れる記録です。私の嗜好に合う人しか楽しめないと思いますがあしからず。
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