北海道帯広にて伝説に残りそうな食い倒れをする

2003年8月27日 from 出張

念願の帯広の農協への出張。体調は万全に整っている。帯広の旨いものと言えば、一も二もなく豚丼である。豚丼、、、単に少し厚めの肩ロース豚肉を焼き、甘辛いタレで少し煮詰め、それを飯の上に並べるだけのものである。しかし、こいつがすこぶる旨い! 初めてこれを食べたのは、ある懸賞論文コンクールで同席した酪農家と友人になり、家に遊びに行かせてもらった時のことだ。この辺では豚丼が旨いんだぁ、という友人に連れられて行ったのは、何の変哲もない食堂。だまされてるなぁと思いながら運ばれてきた豚丼を一口食べて、あまりの旨さにのけぞった。以来、周りの人間が帯広へ行くときにはかならず市販の豚丼のタレを買ってきてもらっている。しかし、あの味には及ばない。そして4年がすぎたのである。

4年ぶりの帯広空港。空港2階の食堂「白樺」は、レトロな百貨店食堂のような飾り気のないたたずまいにも関わらず、カツ丼1000円というように強気の価格設定の店だ。ここに当然豚丼がある。ちょうど羽田発が早朝だったこともあり、朝食をとっていないので、開店したてのこの食堂で小手調べである。

1食目: 帯広空港 二階食堂 「白樺」 豚丼 900円 butadon1.jpg

久しぶりに相まみえる豚丼は、色の濃いねっとりチャコール系の豚であった。人工的につきささる赤い紅生姜とキューリのキューちゃん、味噌汁のセットだ。これが予想外に旨い!空港の食堂とたかをくくっていたのだが、なんとも深い豚丼のタレである。しかも意外なのだが、いつもは手を着けないキューリのキューちゃんと豚丼の相性が最高なのである。びっくりした、、、10時30分のブランチとしては非常に秀逸。これから帯広空港ではかなり楽しめること間違いない。しかし、隣席でおばちゃんが食べていたカレーからもかなり良い芳香が。気になる、、、後ろ髪引かれつつ、仕事へ。

仕事先のJAで昼飯に連れていってもらう。この辺はそばも旨い、ということで近くの蕎麦屋へ。JAの人に「この辺でしかないものってなんでしょうねぇ?」と聞くが、いつものごとく「いや、特に変わったものはないよぉ」という。こういうケースは非常に多い。でもこういう発言を鵜呑みにしてはいけない。地元の人はいつも食べているから「変わったもの」という感覚がないけど、外の人から見れば「ええええっ?」というものは結構多いのだ。案の定、帯広周辺の蕎麦では「とりごぼう蕎麦」という定番があるのだった。温かい汁で鳥とゴボウを煮た蕎麦なのだが、これがしみじみ旨いという。当然ながらそれをオーダーするのだが、品書きに豚丼の文字発見。朝(というかブランチ)に引き続き無性に食いたくなる。だって帯広にこられるチャンスはそうない! ということで豚丼もオーダー。JAの職員さんがこの私の食欲に大笑いして、「だったらあんた、蕎麦に天ぷらものっけなさいよ!」という。すさまじい食卓になった。

二食目: 幕別町 蕎麦「いつき」 とりごぼう・天ぷら蕎麦 700円 豚丼 700円 butadon2.jpg

まず豚丼が運ばれてくる。空港食堂よりあっさり風味だが、家庭の味に近く旨い。なぜだろうか豚丼は、牛丼よりもお腹へのインパクトが薄いように思う。どんぶり一杯食べても、それほどもたれないのだ。豚丼を片づけると同時にとりごぼう天ぷら蕎麦がくる。 torigobou.jpg

こっちのほうの蕎麦のかけづゆは、北国だからだろうか、とても色濃く甘め。そこにごぼうの風味と鳥の出汁が出て、美味なるものだ。蕎麦は精白度の低い、これまた濃厚な麺であり、つゆとマッチしている。実に滋味あふれており、さらっと食べ終えてしまうとJAのみなさんから拍手がおきる。 後で言われたが、「あんた、大したもんだ。記憶に残る人ってのはそういないけど、あの食べっぷりであんたは俺の気を大きく引いたよ」 食は身を助くのだ。 「これは、夜も下手なところには連れていけんなぁ~」 と期待を残しつつ会議終了。いったんホテルに帰り、夕刻に迎えにきていただくことになる。

ホテルから車で帯広の繁華街まで30分。入ったのは韓国料理の「あんじゅ」。ここでは詳細は述べない。一人4000円というコースで、おびただしい量の肉が運ばれてくるのだ。

タン塩 ネギタン塩 豚トロカルビ 上ロースぶつ切り ハラミ 上カルビ 魚貝(えび、ホタテ、イカ) 焼き野菜 モツ(シロ、コブクロ、レバー、テッチャン) ネギと小エビのチジミ イカの辛味噌炒め ビビンパ 豆腐チゲ

これらの中で圧倒的迫力説得力を振りまいていたのが、上ロースぶつ切りだ。並のステーキ二枚重ねた厚さのロースの表面をこんがり焼き、はさみでぶった切ってかぶりつくのだ。肉を喰う、、、という気分が最高に高揚する一瞬。しかしこれだけの量、1人どう考えても500gは肉を食べないと喰い終わらない。最後の方は必然的に俺だけが箸と口を動かしていた。 JAのAさんの一言。「十勝にきたら、肉食うのが一番お得だよ」 まったくその通りです。 yakiniku.jpg

場所をクラブに変えて飲む。おいらは隣に女の子がいても全然嬉しくないので、とにかく旨い店の情報を訊いて、箸袋の裏に書き付ける。おっとデジカメを焼き肉やに置き忘れた、ということで取りに行こうとすると、JAのOさんが一緒についてきてくれる。無事カメラを受け取り、店まで帰る通りに、かなり気を引く小径が。路地裏というのは人の気を引くのだ。「ここの蕎麦が旨いんですよ!」 Oさんがいう。ああ、Oさんやっぱり俺の性格をしらない、、、 「じゃあ食っていきましょう」 入店、ざるを一枚。旨い!なぜかここは麺にクロレラを打ち込んでいるということで緑がかった麺なのだ。 (続く)

まだまだ終わらないのだが、ちょっと待って。このあと2食も食べます、、、