絶品のアグーに舌鼓を打ち、すっかりフルコースを食べたのだけれども、それは僕だけであって、キッペイや華はこれからがメシタイムなのである。ということで合流。ここで、前回沖縄来訪時に名護を案内してくれたチカシ&さっきー夫妻と再会!
「やまけーん いつも日記読んでるよ!」
数多い沖縄のイイヤツ軍団の中でも、このチカシはいつも温厚にこやかな人である。名護市役所勤務ということで、キッペイ軍団はなぜか自治体勤務が多いのであった。で、チカシの妻君であるさっきーのご友人が勤務している居酒屋があるというので、ブセナから1キロほど歩いて移動。
■居酒屋 喜瀬のちんぼーら
折良く陽が沈む直前の美しい海を眺めながら、久方ぶりのオリオンビールで乾杯をする。写真では伝わらない碧い空の色が、キンキンに冷えたオリオン生の刺激と共に心に染みるのダ!
さてこの店でもいろいろな皿をつまんだ。
■ひじきのゴママヨネーズ和え
■海ブドウと海鮮サラダ
■ゴーヤチャンプルー
■テビチ(豚足)の煮物
全部美味しかったのだけど、中でも僕が感動してしまったのがこれである。
■魚のマース煮
マースとは塩のことだ。だからこの料理は、魚を塩で煮たものである。塩だけでは味が出ないので昆布も使っている。実はこの料理を食べるのは初めてだ。そういうものがあるのは知っていたものの、「なんかそそられねぇな」と無視してきたのだ。
でもなんだか気になるので頼んでみたら、びっくりした!極めて旨いのである。昆布を多めに使っているので旨味が強いし、またマース(塩)の使い方もかなり強めなのでインパクトがある。酒蒸しとは全く違い、煮物としてきちんとアタリが出ているのである。醤油のような発酵調味料的アミノ酸ではないため、魚の味と香りがストレートに匂い立つ。これはスバラシイ調理技法だな、と感動した。これ、僕も帰ったらマスターしよう。
■じゅうしい
もうひとつ、「じゅうしい」というこの炊き込みご飯が最高だ。豚肉やひじき、ふーちばー(よもぎ)等を炊き込んだこの料理、どこにいっても出てくるが、どこで食べても旨い。これもまた沖縄のソウルフードと言えよう。豚肉の脂分がご飯に絡んでいる加減がまた最高なのだ。この店のじゅうしいは「ちょっと味が濃い」と沖縄軍団は言っていたが、、、
これがチカシとさっきー夫妻。生まれも育ちも名護市で、この地をこよなく愛する人物だ。また、ひーじゃー(山羊)を食いに行こうな、チカシ!
この後、ブセナに戻り泡盛バーへ。
女性バーテンダーがつくってくれた泡盛とルートビアの入ったカクテルはちょっと甘めだったけれど、なかなかのものだった。
キッペイの父さんが育てた島ラッキョウの塩漬けを囓りながら、僕は意識が朦朧としてくるのだった。そういえばあまり寝ていなかったしな、、、
半分寝てしまったところで華が「はい、帰るよー」と起こしてくれる。皆におやすみを言い、部屋に戻ったところでもう記憶がないのであった。
マース煮は10年以上通っている座間味の民宿のオヤジが船で漁や釣りに出たとき作ってくれます。このときは海水と真水でそのまま煮るだけ。魚はイラブチャーやアイゴが多いですね。外で食べるということもありますが、昆布など無くても十分美味いです。
魚の味を引き出すためには昆布はむしろ不要だと思います。
島らっきょは細い色のついている方を生のまま切っててんぷら(かき揚)で食べるのが美味いですね。もちろん太い方は塩漬けで泡盛のアテです。
あぁ沖縄行きてー
最後の三行で目頭が熱くなったのは僕だけであろうか?
Posted by: Minerva at 2005年03月28日 10:43「マース煮」を食べていないので似ているかどうかわかりませんが、新潟に「塩炒り煮」という技法がありますね。
主にイワシを煮るんですけど、塩とわずかの水だけで煮詰めてしまうんです(ショウガの皮も入れる)。私は本場のを食べたことがなくて自己流でやってますが、それでも充分に旨いです。問題は、最近、新鮮なイワシを安く入手できなくなったことですが、これは海の都合だからしょうがないですね。
はじめまして
沖縄そばの食べ歩きblogやってます
nopio2kと申します~
いつも楽しみに見させて頂いてます。
来沖していたんですね!
酒、食、癒
沖縄を満喫してくださいね~
マース煮の話し、改めて考えると面白いですね。日本列島の反対側、北海道でもアイヌの人たちは、オハウ、といって魚などを塩だけで味付けた汁物を食べていて、味付けの基本は、塩だと聞いたことがあります。本州や九州、四国では中国の影響から、ひしお、つまり、味噌、醤油、あるいは、びーみやトトミーなどの魚醤が発達し、違いを見せているというのも興味深いですね。アイヌの人たちは、自然の中に神々を見いだし、その神への祈りを通して命や物を大切してきたといいます。たとえ浜に打ち上げられた魚であっても「命がやどっている」のだからと塩味で煮て食べ、その命をいただいてきたといいます。一方沖縄では昔から食は「クスイムン=薬」という考えられていて、味付けも自然塩を使ったものが多く、「自然のものをそのままに味わう」ということがなされてきたといいます。このあたりの話になると思い出すのは、やまけんさんの第一回目の沖縄ツアーで、イラブー料理を食べたときのこと。(イラブー汁も基本の味付けは塩と泡盛だそうですが)「沖縄的3次元味空間」と、おっしゃった、あれ。まさに地元でしか味わえない、地元ならではのソウルフードなのだろうなあと思います。「食べる」って、本当に興味が尽きないですね。
Posted by: Minerva at 2005年03月28日 23:54昨日、ホットカーペットの上で寝込んでしまい、
朝まで放置されて、風邪引きっぽい私としては、
新婚時代をとっても懐かしく思い出してしまった、最後の二行でした。いいなー。
いつも楽しく見ています。
先日、このBlogをみて沖縄旅行を敢行してしまいました。(3/4-6、寒かった・・・)
名護市役所って、建物の正面に大量のシーサーがすまわっているところですよね。気に入って何回も見に行ってしまいました。
また山羊汁、じゅうしい、うみぶどうなど食べたいです。
それではこれからも頑張ってください!