さてデザートである。
「トルコ料理では小麦粉モノが重要なんです。今日はバクラワという、ほんっとにスペシャルなデザートを出してくれるように頼んでますから!」
と終盤戦に入ってますます絶好調なおうさるさん。厨房との連携が凄まじく、まるでこの店のオーナーなんじゃないかという感じである。
「きました。これがバクラワです!これだけ並んでるのをみるのは壮観ですねぇ~」
このバクラワ、パイのように焼いた生地を濃いシロップに漬けたものだそうだ。中になにかが挟まれているようで、とにかく手が混んでいる。
「とても面倒な料理なので出ない日もあるし、手抜きしてるなって時もあるんですけど、、、今日は『大事な友人が来る』っていってたんで、最上級の仕上がりですよ!」
そうか!さっそく口に運ぶ。ホロホロのパイ地を噛みしめると、シロップがデュワッと染み出して頬を伝う!甘~い!そしてパイ生地の香ばしさが混ざって鼻に抜ける。パイは幾層にも折り重ねられていて、熟練の技を感じさせる!さすが小麦粉の魔術師!
旨い!しかし甘い!
そこにおうさるさんが持ってきたのが、チャイだ。
この釣り手のついたお盆は多人数の時にしか出ないらしい。
美しい小さなグラスに入ったチャイには、インドのようにミルクやスパイスは入っていない。このチャイがまた旨い!香りも強いが味が非常にまろやか。よく突き刺さる味の紅茶に出会うが、それとは別物。普通の紅茶とはなんだか違うような気がするんだが、、、
「このチャイは、濃い紅茶をお湯で割って作るんです。」
とおうさるさん、厨房からチャイを入れるための2段重ねポットを持ってきてくれた。
こうして、上段の濃い紅茶の部分と下段のお湯を、自分の好みの割合で煎れるのがトルコのチャイなのだそうだ!僕は若干濃いめが好きだった。このチャイ、当たり前だろうけど、とにかくトルコのデザートにあう。
こちらはドンドルマ、いわゆる伸びるアイスクリームだ。
「よく話題になるように極端に伸ばしているのがありますが、本モノはあそこまではやりません。とろっとしてきたときに匙ですくうと、デローって伸びるくらいです。」
そしてこれはライスプティング。
僕はこれが一番気に入った!米なんかデザートで食べたくないよ!と思うことが多いのだが、ここのはプティングのミルキーなソースが絶妙!これははずせないと思うのである。
いや~食った!
そこでおうさるさんのトルコ偏愛ぶりがまた爆発する発言が。
「実はですね。人手がいないみたいで、店を手伝えといわれているんです。毎週金曜日の夜は僕も店にいますので、もしやまけんさんのWebを観てくる人がいらっしゃったら、ガイド致します。」
おおお
すごいなぁ
だっておうさるさんは横浜在住だよ?なかなか横浜から阿佐ヶ谷にバイトに来る人っていないよね、、、
この一件だけでも、おうさるさんと店との親愛関係がよくわかる。厨房のスレイマンさんも、この店の店主である女将も、おうさるさんには身内同然の接し方である。
「お店からの情報です。お店に来て、『やまけんかおうさるのwebを観てきた』とお伝え下さい。何かサービスさせて頂きます」
おおおおおおお! 出たぁ~
食い倒ラーは阿佐ヶ谷イズミルに出陣すべし!いやマジで旨いですよ。激辛とかはないのでまったりと緩やかな食卓なのですが、しみじみ旨い!イスケンデルケバブのように、視覚的にも味的にも最上クラスの慶びを味わえる一品もある。これは超お奨めですね。
「ありがとう、また来てね!」
スレイマンと女将ともがっちり握手!
ガイド役のおうさるさん、どばしさんは引き続き店で何やら話すそうだ。みんなで見送ってくれた。
ちなみにこれだけ食べて一人6000円程度(テキルダーというラクはおうさるさんがおごってくれた。それだけチョット高めなのだ)十分にリーズナブルだと感じた。
阿佐ヶ谷はやっぱりディープな場所だ。イズミルも含め、また散策に行こうと思うこのごろである!
三部作によるご紹介、本当にありがとうございました!
この記事で、トルコ料理に目覚めてくれる人が少しでも居れば、トルコ料理普及委員会(?)の私も嬉しいです。
少し補足します。
ライスプディング:「シュトラッチ」
直訳で、シュト=牛乳。ラッチ=ゆるい。
完全に固まっていない牛乳デザートの意。
それと、バクラワは「手抜き」をして作れるものではないのですが、保存がきくので、作って2日後・3日後、と経つたびに風味が落ちていきます。今回は、やまけんさんの来訪に合わせて初日に当たるように作ってもらいましたので、香ばしさが格別だったと思います。本当に手間が掛かるので毎日は作れないと言っておりました。バクラワがあったらラッキー、しかも初日に当たったら超ラッキー!、位の気持ちでトライしてみてください。デザートは日替わりです。セモリナ粉のデザート、米を使わないカスタードプリン、などがあることもあります。
Posted by: おうさる at 2004年11月12日 11:59三種類のデザート、見事です。
Posted by: kano at 2004年11月12日 18:17三部作。パワーを感じましたよ!!
近々行きたいと思います。
前菜からメインまで。楽しみですー!
あっ。デザートも忘れずにですね。
おうさるさん。
ガイドお願いしてもいいですかー。
世界3大料理って…中華とフレンチは異論がないところだけど、もう一つを挙げるとこれが諸説入り乱れますね。 そんな中でよく「トルコ料理」を挙げる人がおられます。
トルコという国の、特に歴史には非常に関心が高いぬのくまなのですが、実は僕、トルコ料理は未体験なんですよ…遺憾。 これは是非とも行って見なければ。
ち、近すぎる・・・。明後日からネパールへ当分おでかけなので、帰国次第行きたいと思います。金曜日に!!
こちらのお店、通る度に気になっていたので楽しみが増えました(^-^)ありがとうございます。
イズミルのバイト店員1号です。
ただいま、デザートに「リンゴとモモとセモリナ粉」のお菓子があります。
今まで食べた中で一番美味しいと思いましたので、皆様にも是非食べていただきたいと思い、恥を忍んで(ウソ)出てきた次第です。
バクラワも、ほとんどが市販されている「フィロ」と言う冷凍生地を使うところが多いと聞いたことがありますが、スレイマンは一から粉をコネコネして、イタリア人のように生地を投げながら、うすーくうすーく伸ばし、長い時間をかけてバクラワを作っています。決して広いキッチンではないのに、生地が見る見る薄く大きくなるのは本当に魔法のようです。
やまけん様、おうさる様>オーナー2人共、こちらに載せて頂けて大変喜んでいました。またのご来店を是非お待ちしておりますとのことです。次回は私もお二人にお会いすることが出来れば嬉しいです。
Posted by: 店員1号 at 2004年11月14日 17:29>店員1号さん
そのデザートは「イルミック・ヘルワス」かな。
http://www.ousaru.com/trk/trk_izm09.jpg
バクラワの製作過程を載せてみました。
http://www.age.jp/~ousaru/asagaya_izm/baklava.html
やまけんさん来訪の前日に撮ったものです。
>マサさん
もし金曜に来られるようでしたら、謹んでガイドいたします。声かけてくださいね。
>ぬのくまさん
以前放送されたNHK味わいパスポート・三大料理特集によると、トルコ料理が一番歴史が古いそうです。16世紀終わり頃に作られました。(フレンチは17世紀、中華は18世紀。)完全なる私見ですが、トルコと中華が二大料理で、フレンチはその次に位置する料理だと考えています。私が毎日食べるとしたら、フレンチだけは無理だからです。恐らく私が日本人だからでしょうけど…。
さっそく読者さんの何人かがお店にうかがっているようですね。ぜひ歓待して上げて下さい。
店員一号さん、ぜひ今度お会いしましょう!オーナーお二人によろしく!
行ってきました!!
三人でいったのですが、みんなトルコ料理初で、少し不安でしたが、前菜を食べたら、そんな不安などふっとび、それは感激にかわりました。
もちろん、メインのお肉料理もおいしかったですが、まだ、メニューにのってない、お魚(たしかカジキマグロ)料理を出してもらい、それもとってもおいしかったです。
デザートもチャイと絶妙にマッチして、三人とも大満足。
食い倒れ日記見てきたと言ったら、サービスも
色々してくれました。