週末は、光栄なことに北千住のバードコート店主である野島さんのご自宅に招待頂く。
「いや、何もないけど来て下さいよぉ~」
ということである。実はもう一つ理由があって、彼が紋付き袴デビューする日なのである。覚えておいでだろうか、僕と野島さんとで、「和服を着る男の会」を結成したのである。浴衣と単衣を仕立てた野島さんはすっかり和服の虜になってしまったのである。
「以前は、店がはねるととにかくメシを食うくらいしかストレス発散の方法がなかったんだけどね、、、和服を着ると、それだけですごく気持ちが良くて、気分転換になるんですよぉ!」
ということで、この日、明治記念館で行われる親しい人の結婚式のために、紋付き袴を仕立てたという訳なのだ。僕はといえば、浴衣を仕立てたものの、一回着ただけで、しかも新品の雪駄が足に食い込みすり切れ、泣きそうになってしまって以来は足を通す気になれない。やはり僕は粋人ではないということであろう。まあいいや。
で、この日は我々の和服を作ってくれた呉服屋「千菱」の森田華子嬢も参戦ということになったのである。
北千住に着き、駅からすぐのマンションを訪ねると、まだ野島さんは帰ってきていなかった。奥さんのチーさんと息子さんの海(かい)君、そしてバードコートの若手さんである菊池ちゃんと力ちゃんと先にシャンパン・ロゼで乾杯である。
何もないなんてのは全く嘘で、さすがに飲食店のご家庭の料理である。チーさんの作る料理は実に旨いのなんの!
特に、XO醤で味付けした焼きそばは絶品中の絶品であった。
この他にも最後に、極細スパゲッティのバーミセリを、肉みそにからめ、パルミジャーノをかけた一品が出てきた。見た目はミートソースなので、食べてびっくりという算段。実山椒が入っていて、ピリリと効いて実に最高だった。
さて、程なくして野島さん登場。これがバードコート店主、野島さんの和服姿である。実に決まっているではないか!
「いや、今日はね、本当にいい結婚式だったんですよ、、、」
野島さん、人の結婚式をしみじみと自分のことのように喜ぶ。優しい人なのだ。
「でもまあ、この和服のおかげで、自分の格好は『間違いない』って思えるんですよ。僕と、僕の師匠の和田さん(銀座バードランド店長)だけが和服だったんですけどね。いいもんですよやっぱり。」
若き呉服アドバイザー・森田華子嬢も嬉しそうにしている。いえーいナイスツーショットなのである。
ま、おいらには依然として和服は高嶺の花だが、野島さんのような立派な方が頑張って広めてくれるであろう。任せました!
〆は、チーさんがぱぱっと手早く作ったミョウガの梅酢づけとイクラをご飯に散らした寿司。これがまた抜群に旨かった!チーさんの料理も店で食いたいと思った俺である。
最後、見送られて帰る時に、玄関脇の部屋でびっくりした! 竹鶴酒造の石川杜氏の家にも業務用冷蔵庫があったが、野島亭にもこんなでっかいのが、、、
俺も家にこんな冷蔵庫を備え付けたい、と強く願うのであった。野島さん、ごちそうさまでした!
Posted by yamaken at 2004年09月27日 22:05 | TrackBack