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2004年03月29日

高松は瀬戸内だから魚も旨いのダ! 活魚料理「天勝」

tenkatsutai.jpg 瀬戸内の生まれ(生まれただけなんだけどね)の僕としては、魚の味は瀬戸内ものが最高!とチューニングされてしまっている。広島から高松に飛び、明日は讃岐うどんめぐりであるが、前夜祭ということで魚を食べたくなったわけだ。しかし今日は日曜日。ご存知のとおり魚河岸は日曜日は休みだ。なのでいいすし屋や和食店は大概日曜日が休みである。ガイドブックをみても日曜休ばかりでちょっとげんなりした。
 もうどうでもよくなって、安ホテルのフロントに「いい店ないですか?」と訊くと教えてくれたのがこの「天勝」だ。ホテルから3分のところにあるという。これに少し引っかかった。

「ホテルから3分? うーん 客を紹介したらフィーが入ってくるようにでもなってるんかいな?」

と、ちょっと疑心暗鬼。でも、繁華街までは歩いて15分ほどかかる。こういうときにタクシーをつかう僕ではない。今日はもう疲れたし、いいか、だまされても、、、と思って天勝に足を運ぶ。

 これが、嬉しい誤算だった。

 天勝は自社ビルの豪華な店構えで、ちょっと入るのをためらう造りだった。

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■活魚料理 天勝
住所 : 香川県高松市兵庫町7-5
電話 : 087-821-5380

01tenkatsu.jpg

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 店内に入ると、活け魚を売り物にする店らしく、大きな生け簀を囲んでカウンターとなっている店のつくりだ。その周縁に座敷が配されている。どうやら2階に60人くらいの予約客が来ているとのことで、1Fのサービスまで手が回らないようだったが、仲居さんにいろいろ訊きながら飲み食いの算段を決める。

 品書きを見ると、魚の一品料理が予想外に安い。つまみをとりながら地酒のあつ燗をいただき、軽く飯を食うことにする。品書きをみてすぐに目に入ったのが「いいだこの甘辛煮」だ。いいだこってご存知だろうか?小ぶりのたこなんだが、頭の部分に米みたいなのが詰まっていて、そこが旨い。ご飯のことを昔言葉で「いい=飯」と読んだので、いいだこというのだ。これも瀬戸内の味である。まずこれだ。
 それと「べいかの酢味噌和え」。べいかってなんだ?仲居さんが「この辺でとれる小さいイカです。」という。小さいってのはいいことだ。瀬戸内の魚は小さくてこまやかで旨い。すかさずそれも頼む。
 あと刺身も食べないといかんだろう。仲居さんと相談し、地物ばかり盛り込んでもらうことにする。酒はなにがおすすめかと訊けば金稜だという。その本醸造を熱燗にしてもらう。

さて金稜の熱燗は移動疲れの身体に沁みた!そして運ばれてきた魚介の美味で、即座に天国に飛んでしまった。

■いいだこ
02tenkatsu.jpg

 この「いい」の部分が本当にこっくりとしていて、最高なのだ!味付けは瀬戸内風で若干甘いが、もちろんのこと旨い甘さである。いいの部分だけではなく足先の程よい弾力感を味わいながら、やっぱりこれだよなぁ、瀬戸内は、と実感する。たしかこれで480円くらいだったと思うが、、、安いよなぁ、東京に暮らす人間からすると。

■べいかの酢味噌和え
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 べいかとは今まで観たことが無いイカであったが、酢味噌との相性は抜群だった。これで500円程度とは、安い肴だ。

■刺身盛り
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 地魚だけにしてくれと頼んだ刺身がまたすばらしかった! 鯛(瀬戸内の鯛は旨いのダ)、平目、マグロ(これは瀬戸内モノではないけどね)、そしてウニ。圧巻だったのは平目だ。本当に官能的なムッチンむちむちの歯ざわりと、ねっとりとまとわりついてくる旨味。この旨味は捌きたてだと出ないはずだ。おそらく2Fの予約客のために〆てから若干のベンチタイムを置いているのではないかな。それは大歓迎である!〆たての魚は味が乗り難いからね、、、
 あと、地物かどうかはわからないがウニがまた旨かった。寿司処 匠で鍛えられているからウニにはうるさくなったと思うけど、甘くて旨くて香のよい、佳いうにであった。

 さてこうなると煮魚が喰いたくなる。めばるの煮付けを頼んだ。

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煮付けの味付けはそれほど甘くない。ご飯としてではなく一品料理として出しているからだろう。程よい醤油の塩梅がしみじみと旨い。ぼくはこの瀬戸内の食文化をおふくろからいただいているので、小骨までしゃぶって身は絶対に残さない。かくしてこのめばるも5分後には残骸と化した。

 最後に寿司で〆た。ただし、この頃にはほとんどのネタが品切れと言うことで、あまっているもので3つ握ってもらった。

■鯛、穴子、鯵
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 最初に断っておくが、寿司の技術で考えると、僕にとっては門前仲町の寿司処 匠がナンバーワンだ。しかし、地物の魚を、東京への出荷とかそういうことを抜きで食べさせる店があれば、ネタに関して言えばそれを上回ることはある。金沢の宝生寿司もそうだった。そしてこの店でもねたの旨さを存分に味わうことになったのダ。

 穴子は当然「焼き」である。瀬戸内ではあまり煮穴子をやらない。瀬戸内モノの穴子は焼きにしたときに真価を発揮する。それは香りだ。美しい香りが立つのだ。これを握りにするなんて最高ではないか。ありがたく押し頂くと、やはりあの優しく綺麗な香りに包まれた。
07tenkatsu.jpg

 びっくりしたのは鯵ダ。アジですよ、たかが鯵。でも、今まで鯵ですごいのを食べたことが2回。一回は鹿児島の「うおしょう魚ちゃん」で、これも活け魚料理でした。もうひとつは寿司処 匠で出してくれる兵庫県淡路島沖で獲れた「釣りアジ」だ。網で獲ると身がぐしゃぐしゃになるので、一本釣りした鯵が最高なのだ。その分高いけどネ。
 で、今回めでたく3回目の感動的鯵に出会ってしまった。みよこの遠慮なく分厚い身を。
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第一、鯵っぽくない見た目である。間髪いれずに口に放り込むと、そこには至福しかなかった。これはどう考えても捌き立てだ。だからこそ、鯵とは思えない上品な旨味と香りがある。いや、これが鯵なんだな、、、今まで私の目が節穴でした。ゴメンナサイ。


 これだけ喰ってお銚子を2本とり、7000円程度だったと思う。高級割烹で飯をくってこれなら安い部類だろう。と思って翌日会った友人に報告すると、「あそこは高松じゃ高いほうだよ」と言われた。 でも、うまかったんだもーん!!

 高松駅から歩いて5分の好立地なので、うどんに食い飽きたら(そんなことはないだろうが)足を運んでみて欲しい。

Posted by yamaken at 2004年03月29日 01:02 | TrackBack
Comments

ねえ、なにこの鯵の厚み。すごいなあ。
鯵というと下魚という印象があるみたいだけどほんとに美味しい鯵は上品で繊細な味わいがあると思う。

青魚命の私にはうらやまし~

Posted by: 志乃 at 2004年03月29日 09:39

志乃ちゃん:
 旨そうでしょ?普通、活け魚はまずいというけど、ベストコンディションの生け簀での釣りアジは最高だね。いつも食べているアジの、特有の香りだと思っていたのは実は鮮度を失う課程で出てくる匂いだと実感してしまったよ。

Posted by: やまけん at 2004年03月29日 09:55

いつも食べているアジの、特有の香りだと思っていたのは実は鮮度を失う課程で出てくる匂いだと実感してしまったよ。

という、やまけんさんの言葉に、
想像と妄想がふくらみ、
あっ、口の中によだれが・・・・
御免なさい(笑)

いいダコも食べたい・・・(ため息)

Posted by: はろはろ at 2004年03月29日 12:48

お初です。
いつも楽しく読ませてもらってます。

「天勝」に惹かれてフラフラと書き込んでしまいました(笑)
もう年に1回くらいしか帰省できませんが、帰ると必ず「天勝」とお寿司屋さんの「天扇」、あとうどんやの「松家」には顔を出します。
イイダコ絶品ですが、私が帰省するのはいつも季節はずれ(涙)

また行きたいなぁ・・・

Posted by: KIN at 2004年03月30日 12:37

KINさん:
 あら、ご近所の出身なんですか!それはウラヤマシイ、、、高松いいですよねぇ。天扇と松家も要チェックのようですね!よし、次回は参考にさせていただきます。
 これから少し讃岐うどんのこと書きますよ。

Posted by: やまけん at 2004年03月30日 13:15

おっと、讃岐うどんが登場するんですね。
楽しみにしております(ワクワク)

天扇は、匠のようなお店とは仕事ぶりでは比較になりませんが、新鮮なネタという点では、地方のお寿司屋さんらしい良い感じを出してます。
うちは実家が魚屋だったので、その関係で少しお付き合いがあったのでした(笑)

Posted by: KIN at 2004年03月30日 13:54

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Posted by: Phendimetrazine at 2005年07月20日 04:37