すでにご承知の通り、初めてであったその日から、僕は大阪のインデアンカレーの虜である。一口目の甘さと、二口目から火花を口中に散らすがごとくの散弾銃的辛さの対比は、実に最高である。ルーの滑らかさ、牛バラ肉のとろける感覚、ご飯の粒の立ち方、そしてそれを盛りつける山田リーダーの手つきは、僕を魅了してやまない。
しかし前回、ライバル(?)のピッコロカレー梅田地下店に入った際、チキンカレーが旨いという情報を訊いた。その時はビーフを食べて、インデアンの方が好きだという判定を下していたのだが、正式にはピッコロのチキンを食べてからジャッジしなければならないだろう。
ということで、本日は年内で最後の大阪ということもあり、再度両店をハシゴすることにした。業界新聞の記者をしている友人女性と共に阪急梅田地下にあるインデアンへ直行する。今回はカレーのレギュラーで「目玉」(←卵の黄身2つのせ)を頼んだ。カウンターに座ると、やはり特製の飯びつの前にいるのは、あの飯&カレー盛りのエキスパートである山田氏だ。本日は若干余裕があるのか「いらっしゃいませ」と声をかけてくれる。すぐに我々のカレーを盛ってくれる。友人女性も初めてのインデアンということで、山田氏の無駄のないフォーム、寸分たりとも変わらない精確な飯盛りについて解説をしてあげたら笑われた。
目玉二つは実に贅沢で旨い!黄身の油分が舌を保護するらしく、若干辛みが緩和されてしまうが、ルーを大盛にすれば比率的にも合うハズだ。しかし本当に旨~い。付け合わせであるキャベツの甘酢漬けのシャクシャク甘み感とのマッチングも最高としか言いようがない。まさしくこれが現時点でのマイベストカレーである。思わず、ピッコロにハシゴするのを辞めてもう一皿食べようかと思うが、食倒ラーとしての尊厳がそれを許してくれない。
やっとの思いで「もう一杯!」という思いを振り切り、店を出る。ピッコロを目指し、梅田地下街を迷いまくる。もう一杯食べるぞというと、友人は仕事途中だしもう一杯なんか食えるか!と帰ってしまった。
それでも俺はいかねばならない。今日こそ自分の心にけじめをつけるのダ。
ピッコロ到着。狭いカウンタに座り、チキンカレーを頼む。先回ビーフカレーを食べた印象としては、マイルドすぎて今ひとつパンチに欠けるというもの。しかし隣の人とそのまた隣の人がチキンを頼んでおり、目をやると若干色が黄色み強く、辛みが強そうな印象。その後いろいろと訊いてみたところ、味が違うというコメントあり。そこでチキンを頼んでみたのである。もしかして、インデアンを上回る味があるかも!?
結果だけ記そう。やはりインデアンは最強だった。ピッコロのチキンは、ビーフと同じまったり系だ。肉の量はインデアンよりも多く存在感があり、これはこれで旨い。しかしパンチがない上に価格が850円と、インデアンの730円にくらべパフォーマンスが低いのだ。少なくとも僕にとっては。
食べ終わって勘定をし、店外に出た瞬間に自問自答した。
「もう一杯インデアンを食べられるだろうか?」
答えはさすがにノーだった。憤死してしまう。
でも、心の中には充実感が残っている。
アイ・ラブ・インデアン。
今後の僕の人生において、大阪を訪れてインデアンに寄らない時はないだろう。
どんなガイドブックも見ずに出会ったこの感動は何者にも代え難い。
大阪「インデアンカレー」を、謹んで出張食倒れの殿堂入りとしたい。
新たにこのWebの右ツールバーに「出張食い倒れの殿堂」というカテゴリを作成した。ここには、最高グレードの評価を与えられる店のみを殿堂入りとして表記していくこととする。
いやぁ、自分が大阪勤務時代に通っていた店が殿堂入りだなんて..光栄でごわす。
Posted by: 竹 at 2003年11月28日 09:40殿堂というカテゴリーはとても良いね。
編集がきいてる。
ミシュランの★も希望。
昔あった金曜チェックの「○○度」とかもいいな。
ああ、★というのはいいねぇ
そうか、おいらの評価はまだ印象的な書き方しかしてないもんね。★で定量的な評価を導入してみようかな。
ちょっと考えてみます。
殿堂入りバンザイ!
目玉いきましたね~。
法善寺の本店は頑固に(?)ハヤシもスパもないそうです。
でもやまけんさんにはスパは必要ないかもしれませんね。
友人女性です。連れてってくれてありがとう!気に入って、2日後にまた行きました。
きょうは昼、驚きました。
事務所のもより駅の地下街にも「インディアンカレー」があったんです。
なぜ気に留めてなかったかというと、梅田の店と同じ店と思えないど、ちょっと雰囲気がちがうからです。
去年大阪に転勤直後、その店で食べたら、ルーの大きな塊があって幻滅し、なんときょうも塊が・・・。
やはり店はひとですね。
おおそうか、、、店に寄ってばらつきあるんだな。あそこは一応セントラルキッチン方式で、店間に差は無いといっているんだけどなぁ
ま、やっぱり阪急梅田地下の山田チーフが一番ってことだよ!
そうなんだ。実際かなりちがう印象。
会社近くの店は、食後カウンターでお金を払う。
チーフ役が、フォークを出し、ルーをかけ、時にキャベツを出し、お金も受け取る、ということをしています。雰囲気に与える影響大です。
私は上六生まれ上六育ち、高校生いやもっと前か、千日前通りの坂道を業務用自転車で転がり降りてはスバル座に映画を見に行き、帰りに寄るインデアンカレーのあの麻薬の味、無常のよろこびだったなぁ。中毒になって35年以上、今も動脈がうずきます。ほんとうに旨い。ちなみに 私の注文は「全卵(白身も入れたの)、大、ピクルス!」です。
Posted by: しろりん at 2004年01月12日 16:43しろりんさん、「全卵」いいっすね!
で、「ピクルス」てのは、あのキャベツの甘酢漬けのことですか?あれ、いつも一皿ではなくて、もっとくいたいんですよぉ!そうオーダーすればいいの?