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2003年11月18日

岩澤氏と竹鶴専務を門仲フルコースへ誘った。

11月14日
 このblogではおなじみの、静岡県中小家畜試験場の岩澤氏と、広島の名門酒造「竹鶴」の敏夫専務が同じ日に上京。時間を合わせて飲もうということになる。ご両名ともに寿司匠を所望だったので、匠を起点に、門前仲町の名店を味わってもらうコースをたてた。

1軒目 寿司処 匠
2軒目 バー オーパ!
3軒目 シナソバ 晴弘

というものだ。おいおい説明するが、これはゴールデンなコースなのだ。もう一つ地酒居酒屋のS&Sを1軒目あたりに加えると、完全無比なものになるのだが。

 岩澤さんは静岡県の職員で、現在は中小家畜試験場にて駿河若シャモの育種を手がけられている。この週末にかけて、東京ビッグサイトでの展示会で若シャモをホットプレートで焼き、試食販促をするために上京していたわけだ。若シャモを初めて食べた人は、まずその味の濃さゆえ、鶏肉だということが信じられないという反応をするそうだ。しかも、若シャモには塩も胡椒もかけず、ただ肉を焼いて食べさせているのだが、それを訊いてまたビックリするそうだ。その場で取引依頼が来たりと、とても有意義な出展だったらしい。よかった。
 岩澤さんからは
「今後も静岡県駿河若シャモ振興会東京支社長としてよろしくお願いします。」
というありがたいお言葉をいただいている。はい、頑張りまぁっす!!

 竹鶴酒造の若き専務、敏夫君とは、彼が高校生の時に会っている。彼の姉つまり竹鶴酒造の娘が僕の大学同期の親友なのだ。図々しくも酒とメシを漁りに行っていたわけだが、この性分は大学時代からすでに開いていたということだ。その頃の彼は地味なんだか何なんだかわからないオタクのような青年だったが、29になってそのオタク度はさらに深化し、社会人オタクといえる立派な男となった。わはははは!要するにおいらからみたら弟みたいなもんで、正確な人物評なんてとてもじゃないが恥ずかしくて出来ないのであった。しかしあの頃は竹鶴が日本酒業界でこんなに有名になるとは思っていなかったので、ちょっとビックリの今日この頃である。

iwasawa.png
 岩澤さんと竹鶴、そして岩澤さんの部下の女性と早めに門前仲町の不動尊前にて待ち合わせ、寿司 匠へ。実は4日前にも客人を連れて匠に行ったのだが、その日は淡路島沖の釣りアジと北海道のバフンウニが今ひとつの出来だった。加藤ちゃんにはきちんとその旨伝え、しくじりないようにお願いしておいた。結果、抜群に旨い11貫だった!岩澤さんは本当はおしゃべりなのに終始言葉少な。江戸前の世界を味わっていた。

 一通り食べたところで移動。次は門前仲町では最高のバー「オーパ!」である。故・開高健の本のタイトルからとった名前のこのバー、本店は銀座にある。しかし支店のレベルも極めて高く、はずれはない。特にこの店のマティーニは素晴らしい。ゴードン&ノイリーの組み合わせで頼むと、あまりにもまろやかでドライな、綱渡りのようなバランスを保った珠玉のマティーニが出てくるのだ。それと、最近はまっているのは「ドクターM」という、世界中の薬用酒をシェイクしたカクテルだ。言ってみれば養命酒のような酒を混ぜているので「ドクター」と言う訳だが、これが苦み走っていて意外にイケル。酒談義に花を咲かせながら一人2杯、ハードカクテルをいただく。

toshio.png
 さて酒を飲んだら、ふだんはラーメンを滅多に食べない僕でも食べたくなってくる。ここで行くのがシナソバ「晴弘(はるこう)」だ。門前仲町周辺ではこの店は実に有名。検索すると沢山出てくるだろう。この店の面白いところは、シナソバが旨いのはもちろんだが、酒のラインナップがすごいのだ。グレンリベットなどのシングルモルトに加え、魔王や島美人、伊佐錦といった鹿児島の芋焼酎の品揃えもいい。これらは、焼酎ブームに沸くしばらくまえからのものだ。このそうそうたるラインナップの酒にあわせる肴も素晴らしい。沖縄の豆腐よう、中国の腐乳(フールー)や南乳(ナンルー)といった発酵食品、ウドのきんぴらといった、シナソバやとは思えない気の利いたつまみが出てくる。
 こうして酒(主に焼酎のお湯割り)を2~3杯飲み、最後にシナソバを食べるのが定番なのだが、ふと品書きに目をやると、新メニュー「つけめん」があるではないか!つけ麺ブームの波は、この店にも影響を及ぼしたのであった。ということですぐさま注文。
tsukemen.png
晴弘のシナソバは、油分は多いものの基本的にはあっさり東京醤油味。それに細めの麺である。しかしつけ麺用には中太麺を利用。これがナカナカにはまっていてよい。適度な卵と鹹水の香りと、コクがあるけどあっさりしているスープに絡まるとなかなかの心地よさだ。
 門仲の裏にある名店「こうかいぼう」のような深い満足度はないが、飲みを締めるにはあまりにも背筋の伸びる味だった。これは通年メニューになるのだろうか。また食べよう。

 外に出て、二人を送る。富岡八幡宮の境内を通って駅まで歩く。Tシャツに薄手のジャケットでは肌寒い外気だった。冬がやってくる。

Posted by yamaken at 2003年11月18日 01:02
Comments

 岩澤から詳細は聞きました。
 とにかく「匠」には絶対行きたい。なかなか、東京に行くチャンスがなくて。22日は東京なんだけど僕一人じゃないから今回はパス。

Posted by: ハムの師匠 at 2003年11月18日 19:37